思想統制とご都合主義:愛国的統治が進む自民党
自民党が木原稔氏を党の役職に任命するという報道。
木原氏は、党執行部から「世が世なら切腹もの」とまで言われる大罪を犯した人。
沖縄の2紙をつぶせについて:とりあえず記録。: 思いついたことをなんでも書いていくブログ(2015/06/26)
妄想が出ているようですね。: 思いついたことをなんでも書いていくブログ(2015/06/28)
安保法案成立の後押しをしようと勉強会を開いたら、人権否定のトンデモ発言のオンパレードになり、その問題化の責任を問われた訳である。
木原・自民青年局長を更迭へ 党幹部「世が世なら切腹」:朝日新聞デジタル(2015年6月27日13時39分)
自組織の党是と本質を露呈しただけなのに個人に責任をかぶせてしたり顔で憤ってみせる。: 思いついたことをなんでも書いていくブログ(2015/06/28)
「切腹もの」=生命を絶つ処分に値するはずだったのだが、除名処分はおろか、議員辞職もなく、なぜか1年間の役職停止という処分になった。
自民党では、切腹=1年間の役職停止 という相場感覚があることが分かった出来事だった。
で、その後10月になって、1年間の役職停止期間が3ヶ月に短縮された。
報道圧力発言 自民、木原氏の役職停止短縮|日テレNEWS24(2015年10月5日 19:48)
自民党は、今年6月に自民党議員が有志の勉強会で「マスコミをこらしめる」などと発言した問題で、1年間の役職停止となっていた、勉強会代表の木原稔前青年局長について、役職停止の期間を3か月間に短縮したことを今月2日に発表した。この発表の時点で、すでに処分は満了したという形にしたわけである。自民党の谷垣幹事長は2日の党紀委員会で、「本人が非常に反省している」などと説明し、木原氏の処分期間を1年から3か月に短縮したと報告した。処分は6月27日付のため、先月26日で失効したことになる。
問題となった勉強会では、若手議員が「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなることが一番」などと発言し、勉強会の代表を務める木原氏が1年間の役職停止処分を受けていた。
厳しい処分を行った背景には当時、衆議院で行われていた安全保障関連法の審議への影響を最小限にする狙いがあった。しかし、法律の成立後に処分を短縮したことには野党などから批判も予想される。
「切腹もの」の罪を犯したにもかかわらず、その処分期間を一挙に4分の1に縮めるほどの「非常な反省」とは一体どのようなものかが気になる。きっと凡人には想像できないほどすさまじく、全身全霊を込めた「反省」なのであろう。刑務所ではどれほどの模範囚であっても刑期が4分の1になることはないであろう。
で、今回、さっそく木原氏が復職した訳である。
自民 役職停止処分終えた木原氏を文部科学部会長に NHKニュース(10月22日 6時35分)
自民党は、党の若手議員らが開いた勉強会で報道機関を批判する意見が相次いだことを巡って、一時役職停止の処分を受けた木原稔衆議院議員を、文部科学部会長に起用する人事を内定しました。
自民党は、第3次安倍改造内閣の発足を受けて、政務調査会の部会長などの人事の調整を進めていて、このうち、新たな文部科学部会長に木原稔衆議院議員を起用することを内定しました。
木原氏は、党の青年局長を務めていたことし6月、みずからが主催した勉強会で、出席した若手議員らから報道機関を批判する意見が相次いだことを巡り、「党の信頼を損った」として1年間の役職停止の処分を受け、その後、期間が3か月に軽減されて処分を終えています。
自民党の部会長人事は、このほか、小泉進次郎前復興政務官の農林部会長への起用などが固まっており、23日に開かれる総務会で正式に決定する運びです。
以前のエントリで、
まあ自民党の中では所詮大甘な「処分」とやらでお茶を濁すだけなのだろうけどね。と書いたら予想通りであった。
自民党では、切腹ものの大罪を犯した人でも、「非常な反省」をすれば、「文部科学会長」という重要ポストに復帰できるのである。自民党は犯罪者更生の成功例、「再チャレンジ」が実現しているすばらしい党であると言えよう。
冗談はさておき、結局自民党が木原氏を処分した理由は、
・民主主義と基本的人権を否定する会合を開いたことにあるのではなくて、
・安保法制の成立を妨害したこと=切腹ものの大罪
にあるということがはっきりしたわけである。
だから、安保法制が成立して罪の構成部分が消えたので処分を停止できるということなのだろう。
それにしても、過去の決定を融通無碍に覆して全く平気な自民党。「法治ではなく人治」という言葉を彷彿とさせる。
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