貝殻節の歌詞:民謡は口伝だったんだよなあという話
「へぇ~」と感心しつつ笑える楽しい番組。ちょくちょく聞いているが聞けない回も多いので、ポッドキャスト配信してほしいなあ。
今週は温泉の歌で、貝殻節が紹介されていた。
もともと鳥取市周辺でイタヤガイを採る労働歌だった。
何年に一度か、イタヤガイがものすごく採れる年があって、そういう時には一斉に漁に出る。あまりに採りすぎて沈没する船が出るぐらい採れたそうだ。
で、小舟や大船で出漁するのだが、10人ぐらい乗れる大船には舟子が何人も乗り、親方の指揮下一斉に艪をこぐ。重労働で大変だったそうだが、そのときに歌った歌なのだそうだ。
ところが、昭和4年だったか、なぜかその年を最後にぱったりと貝が採れなくなり、歌も廃れてかけていた。ところが、ちょうどその頃、新民謡運動というのがあり、近くの浜村温泉の人が貝殻節に目をつけて漁師さんから教えてもらい、歌詞に浜村温泉を盛り込んでコロムビアレコードからレコードを発売した。だから、元々の労働歌のバージョンと歌詞は変わっているのだそうだ。
へぇ、と思ってネット検索してみると、なるほど確かに歌詞にはいろいろあるみたいだ。ただ、1番は大体同じみたい。
……考えてみると、民謡なわけだから、定まった歌詞や節回しがあるわけでもなく、おそらく「貝殻節」と言っても、微妙に異なるさまざまなバージョンというかパターンというか、変異版があっただろう。ちょうど言葉や遊びが時・所によって微妙に異なっているように。
というわけで、世上流布する貝殻節はもとは浜村温泉とは関係なかったんだ、という話。
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 日本大使館、正しい日本理解「日本は検閲の国」というイメージ広報に成功。(2019.11.06)
- 伊勢市教委、日本の戦争責任批判・犠牲者の鎮魂は許さないという姿勢を明瞭にする。(2019.10.31)
- 歴史修正主義の走狗となりアメリカで破廉恥な圧力を掛ける日本外務省(2019.10.30)
- 反天皇や日本の戦争責任を問う展示は中止、朝鮮人差別の展示は続行。(2019.10.28)
- 朝鮮学校の無償化訴訟、東京と大阪で敗訴が確定。(2019.09.03)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント