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2015年12月の16件の記事

2015/12/28

公認売春に関するCNNのニュース2つ

性欲の充足が商業的なサービスであるなら、バーター取引の対象として認めてもよいだろうというわけで。
そしてそこには「高く売れる」人と「安値で叩かれる」人とが生まれるわけで。
人道的保護の観点からの次善の策だという観点からの合理化もある。

興味深いのは、議論が脱税行為ではないかという論点を持っていること。金銭取引なら法人税や消費税の捕捉ができるが、セックスを対価とするならその税額をどう算定するかという問題が出る。

CNN.co.jp : 自動車教習の指導員が「セックス」対価に指導、合法の判断 オランダ(2015.12.26 Sat posted at 18:16 JST)

(CNN) オランダの2閣僚は26日までに、同国議会に書簡を送り、自動車教習の指導員が運転方法を教える見返りに性的交渉を求めることは法律違反ではないとの見解を示した。
この閣僚はアルト・ファンデル・シュテイル治安・司法相とメラニ・シュルツ・ファンハーヘン社会基盤・環境相で、代替手段としての性的交渉の提供は望ましいことではないが、当事者の双方が18歳以上で指導員が提案した場合のみ認められる余地があると説明。
その上で教習代に代わる性的交渉の有無を決める主導権はあくまで運転方法を教示する指導員側にあるとし、「性的交渉が営利事業として提供された場合、それは売春になる」と主張。教習を受ける側が性的交渉を誘いかけ、その見返りにレッスンを受ける場合は違法な行為に相当するとの判断を示した。
オランダでは売春が合法化され、規制も受けている。性産業の従事者は自営業と見なされ、新聞やインターネットでの広告活動も自由に出来る。
自動車教習代をセックスで支払う是非は、保守系の野党・キリスト教連合の議員が今年11月、議会で質問したことがきっかけだった。その後、政府内で議論が進んでいた。この議員は違法な売春行為に等しく、禁止対象にすべきと主張。教習を受ける側が必要な「エスコート免許」を持たない場合、税金支払いに絡んで求められている性的活動の発生を申告しないだろうなどと述べていた。
治安・司法省の報道担当者はCNNの取材に、自動車教習の指導員が代金支払いに代わって性的交渉を得る行為は広範な現象にはなっていないことを知る必要があるとも指摘した。この行為がどの程度広がっているかについては関連の公的データもなく不明。ただ、ロッテルダムの警察は最近、この問題について調査していたが、結果については公表していない。

CNN.co.jp : ドライブイン式売春施設がスタート スイス(2013.08.27 Tue posted at 12:10 JST)

(CNN) スイス最大の都市チューリヒに26日、車に乗ったまま利用する「ドライブイン」式の売春施設が開設された。売春に従事する女性の労働環境を改善するため、市の社会福祉当局が進めている事業だ。
売春施設は同市内の旧工業地域、ジールカイに総工費240万スイスフラン(約2億5600万円)で建設された。ガレージのような部屋が9室連なった構造だ。安全対策として非常ボタンを付け、警備員を配置した。
チューリヒ市社会福祉当局の担当者は、「市内の路上で横行する不衛生な売春に比べ、人目につかず安全な場を提供できる」と強調した。売春をめぐっては道徳上、倫理上の是非を問う議論もあるが、「ビジネスと割り切ったうえで人道面を重視した」という。
2012年に実施した住民投票では、施設設置に賛成する票が52%を占めた。
毎晩約30~40人の女性が、使用料5フランを支払ってこの施設で働く見通し。営業時間は午後7時から午前5時まで。車で来場した顧客は女性側とサービス内容や料金を話し合ったうえで入室し、サービスを受ける。女性を外へ連れ出すことはできない。
施設内には女性らが利用できるシャワーやトイレ、台所、洗濯機が完備され、ソーシャルワーカーによる相談室がある。婦人科医が週1回健診に訪れ、ドイツ語の速習や護身術の講座も開かれる。
スイスでは売春が合法とされ、売春従事者は自営業者として課税の対象になる。「性労働者の自立を促すのがわれわれの目標」と、同担当者は語る。売春施設の設置は同市が初めてではなく、前例としてオランダ・ユトレヒトに1986年から設けられている同様の施設なども視察したという。

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2015/12/26

この記事を書いた記者さんの名前がすごい

安倍龍太郎さんという。

大韓航空機撃墜、米の情報操作裏付け 外交文書公開:朝日新聞デジタル(2015年12月24日22時04分

 旧ソ連の戦闘機が韓国の旅客機を撃ち落とした1983年9月の大韓航空機撃墜事件をめぐり、米国が事件直後、「民間機と知りつつ攻撃した」とソ連を非難する一方で、実際には「ソ連機は米国の偵察機と誤認して撃墜した」とほぼ正確に把握し、日本側も情報を得ていたことが、外務省が24日に公表した外交文書から明らかになった。冷戦対立の中、米国が対外的な情報操作に躍起になっていたことを裏付けるものだ。

 「極秘」とされたメモには事件2カ月後の11月14日付で、米政府高官の話として「(ソ連機は)大韓機を偵察機と誤認し、公海上に出んとしたところを撃墜した」と記述。旅客機はきりもみ状態のまま11分間飛行を続けたことなど当時未発表の内容が記され、外務省幹部にコピーが配られた。

 メモを作成したのは当時外務省人事課長で外務審議官や最高裁判事を務めた福田博氏(80)。福田氏は朝日新聞の取材に「確かに私の記録だ。米政府の相当なレベルの高官から聞き出した内容だろうが、相手は覚えていない」と話した。当時、日本政府も民間機を意図的に狙ったとの見方を示していたが、福田氏は「民間機と分かって撃ち落とすほどソ連もバカじゃないと思っていた。核戦争になりかねない」と振り返った。

米国では当初から誤認による撃墜と指摘する報道があったが、米政府は「民間機と知っていた明白な証拠がある」と否定。ソ連は「大韓機はスパイ行為を行っていた」と主張するなど互いに虚偽情報を連発し、国際世論を味方につけようとした。米政府は88年、公的に誤認撃墜と認めた。撃墜したソ連機の操縦士は後に地元メディアの取材に「民間機とは夢にも思わなかった」と回想している。

 この文書について軍事評論家の田岡俊次さんは「情報発信を内外で使い分ける典型的な宣伝手法だ。冷戦雪解けまで米側は事実を認める必要性を感じなかったのだろう」と指摘。作家の柳田邦男さんは「米側から入手した事件の記録が公になるのは初めてでは」と興味を示す一方、「メモは無批判に外務省で閲覧され、『米国の言うことは間違いない』という日本側の追従姿勢を感じる」と話す。(安倍龍太郎)

     ◇

 《「極秘」の記録を残した福田博・元外務審議官の話》 これは私が外務省人事課長時代に残した文書に間違いない。米政府の相当な高官と懇談する中で聞き出した内容だろう。これを漏らすのは秘密の漏洩(ろうえい)にあたる。決して米側から伝えられたのではなく、私が聞き出した内容だ。

 このような情報収集は日頃から行っており、誰から聞いたのかは覚えていない。民間機と分かっていながら撃ち落とすほどソ連はバカじゃないだろうと当時も思っていた。そんなことをすれば米ソは核戦争になってしまうからだ。

 あれから長い年月が経った。このように公開されるのであれば、メモは残すべきではなかったと思う。外務省はこの内容は価値がないものとして公開したのだろうが、私のような当事者がまだ生きている。情報を入手する側、提供した側の立場を考えて欲しい。

     ◇

 《軍事ジャーナリストの田岡俊次さんの話》 大韓機撃墜事件の外交文書からは、内と外でまったく別の情報を流している典型的な情報操作の手法が見て取れる。米国は当初からソ連機が誤って撃墜していたと推定していたのだろう。戦争や冷戦では虚報や誤報、プロパガンダがもっともらしく出回るものだ。

 ここからくみ取れる教訓は他国軍の行動が意図的か過失かの判断が実に難しいということだ。日本は集団的自衛権を行使できるようになるが、事態の真偽を正確に見きわめなければ情報操作に乗せられ、関わりのないはずの戦争に巻き込まれることになりかねない。満州事変やイラク戦争の例でも分かるように、戦争時にはどこの軍も自らに好都合な情報を作り出してしまうものなのだ。

)このメモが外務省の公開文書に含まれていたというのが興味深い。日本がご主人様たるアメリカ様の捏造記録を自主的に明らかにすることがあるとは。おそらく事前調整済みではあろうから、アメリカがこのメモに価値がないと判断しているということでもあろう。

このメモを作成した福田氏が情報を流した高官名を隠したのも印象深い。いずれはどこかに残して置いてほしいものだ。

ところで、今回の事例は国家が虚偽を意図的に宣伝することの好例でもある。今回の文書公開では、沖縄返還時に日本政府が虚偽を国会等で垂れ流していた文書も示されている。
忘れてならないのは、つい先年まで、日本政府は「密約はなかった」と主張し続け、文書についても「探したが見つからなかった」と言い続けていたことだ。それが実は「あった」わけである。
かつて民主党政権に転換した時にも、こうした「探したがなかったはずの文書が出てきた」ことが何度かあった。当時はこうした情報隠しを官僚の横暴とし、だから政治のリーダーシップが必要だと言われたのだが、今回の沖縄返還の文書公開が示していることは、情報隠しは与党政治家と官僚との共謀によるもので、まさに政治のリーダーシップが情報隠しを主導するということだ。

この点で、田岡氏の

ここからくみ取れる教訓は他国軍の行動が意図的か過失かの判断が実に難しいということだ。日本は集団的自衛権を行使できるようになるが、事態の真偽を正確に見きわめなければ情報操作に乗せられ、関わりのないはずの戦争に巻き込まれることになりかねない。
という指摘は正しい。しかしその上で、自国政府もまた、国民を欺くために情報操作をするし、他国の情報操作に敢えて乗ることもする、ということを肝に銘じておかねばならない。

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外交文書公開:「秘密扱い」常態化 裏文書を多用 沖縄返還合意 - 毎日新聞(2015年12月25日 東京朝刊)

 外務省は24日、外交文書38冊を一般公開した。1972年の沖縄返還や非核兵器地帯を協議する国連会議の文書が中心だ。沖縄返還では、米軍が使用していた軍用地の原状回復に関する補償費をめぐり、日本政府が返還協定に調印する約1年前から米側の費用負担を肩代わりする方策を検討していたことが分かった。今回公開された文書にはこのほか、ソ連(現ロシア)軍による大韓航空機撃墜をめぐる日米のやりとりや中曽根康弘首相(当時)の対米外交も含まれる。

 ◆1970年

「秘密扱い」常態化 裏文書を多用 沖縄返還合意

 日米両政府の沖縄返還交渉をめぐっては、世論や国会から批判を受けかねない「合意を非公表にする手口」が多用された。24日公開の外交文書からは、密約以外にも多くの情報が国民の目から隠される「秘密扱い」の常態化がうかがえる。

 「この文言は、不適当だ。修正しなければ協議委員会には出ない」。70年11月13日、沖縄返還を担当する山中貞則総理府総務長官が担当者を怒鳴りつけた。

 山中氏が問題視したのは、沖縄の施政権を日本に返還する際の具体的な取り決めを規定した合意文書。米国の意向を優先させる合意が公になることを懸念し、大幅修正を求めたとみられる。

 合意文書を正式承認する日米協議委員会は19日に迫っていた。担当者は外務省に相談を持ち込む。愛知揆一外相も乗り出し、外務省が編み出した解決策は、問題視された一節を削除し、同じ内容を盛り込んだ新たな「了解覚書」という裏文書を作成すること。署名の代わりに愛知氏らがイニシャルを記す形を取るものだった。

 米側は当初、公開を前提にしていたとみられるが、日本側の覚書作成の提案を了承。19日の委員会では公表する合意文書、秘匿する了解覚書がそれぞれ交わされた。

 了解覚書は極秘指定され、議事録や報告書を含めて45年間、国民に知らされなかった。政府関係者は「一度何かを極秘扱いにすると、関連の文書も秘匿せざるを得ない」と指摘する。

 有事での核の再持ち込み、米軍用地の原状回復補償費の400万ドル、短波放送中継局「ボイス・オブ・アメリカ」の移転費1600万ドルの肩代わり−−。これまで明らかになった沖縄密約でも、ひそかに「合意議事録」「議論の要約」という裏文書がつくられ、重要な事実が隠された。

 我部政明琉球大教授(国際政治学)は、秘密裏の日米合意は安全保障条約改定などに際しても散見されていると指摘。「堂々と国民や議会に是非を問うのが本来の姿。秘匿が必要だったとしても、一定期間が経過したら公開し、歴史的な検証が行えるようにすべきだ」と話している。

 ◆75年

矛盾抱え「非核外交」 対処方針、メモに 国連専門家会議

 40年前の非核兵器地帯に関する国連の専門家会議で日本がたどった軌跡は、国是の非核三原則と米国の冷戦戦略のはざまでジレンマに陥る苦しい内情を映し出している。被爆国として核廃絶を唱える一方、「核の傘」に依存し北東アジアの非核地帯化に消極的な姿は、今の日本の「非核外交」と相似形を描く。

 「非核地帯は日本の基本的な安全保障を損ね、米国の極東戦略を不安定化させるものであってはならない。日本に敵対的な動きを除去していく」

 75年に開かれた専門家会議に際し、日本政府内ではこう記された英文メモが作られた。会議に参加した戦略家の桃井真氏らが用意した対処方針とみられる。

 核兵器の使用や配備を条約で禁じる非核地帯は核戦争の手前まで行った62年のキューバ危機を受け、68年に中南米に創設された。70年発効の核拡散防止条約(NPT)もその意義を認める中、75年の会議は国際社会が非核地帯を集中的に議論する初の機会だった。

 しかし、米国の核の傘に国防の根幹を委ねる日本にとって、会議は難局そのものだった。

 非核地帯を北東アジアに拡大する方向で議論が進めば、「持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則を掲げながら核搭載艦船の寄港を黙認する矛盾が表面化し、日米安保体制にも影響が出る恐れがあったからだ。前年に当たる74年には、米退役軍人が米議会で核搭載艦船の寄港実態を証言し、日本国内が騒然となった経緯もあり、日本政府は慎重な態度で会議に臨んだ。

 桃井氏らは英文メモの線に沿って、非核地帯設置の動きが既存の安全保障体制に支障を与えてはならないと強調。一定の原則で対象地域が拡大していく「非核地帯の普遍化」を阻止する交渉戦術を取った。

 そして75年8月、約60回の会合を重ねた会議は(1)非核地帯は核不拡散に資する(2)安全保障は各国の判断に依拠するため、非核地帯設置に関する一般的な指針策定は不可能−−との点で一致。核艦船を運用する米国が重視した「航行の自由」も担保されたことから、ジュネーブの日本政府代表部は「所期の目的は達し得た」と会議を総括した。

 ◆79年

大平氏、何度も抵抗 石油輸入量巡り 東京サミット

 日本初開催だった79年6月の主要国首脳会議(東京サミット)で、大平正芳首相が日本の石油輸入抑制をめぐり包囲網を敷く欧米各国に目標値を示すよう迫られたのに対し何度も抵抗した実態が24日公開の外交文書で浮かび上がった。数値を出せば「内閣がつぶれる」との危機感が背景にあった。大平氏は最後には折れた。

 従来、フランスのジスカールデスタン大統領がひそかに多数派工作し、大平氏を譲歩に追い込んだとされていたが、議事録から生々しいやりとりが明らかになるのは、一連の外交文書公開で初めて。石油価格が急騰した第2次石油危機に結束して対処できるかが中心課題だった。

 議事録によると、サミット最終日の79年6月29日午前の会議で口火が切られる。カーター米大統領が「85年の(輸入量の)国別目標の数字を出したい」と発言。フランス大統領が呼応し、参加7カ国が輸入抑制目標を表明するよう提案した。

 大平氏は「(経済)成長が急速な日本は、85年の目標を定めるのは不可能に近い」と反論。だが、欧米勢に続きカナダも目標値を示すと一転、「(議論の中で)日本が孤立したことは申し訳ない」として中期目標の検討をいったんは約束した。

 しかし、首脳昼食会の終了後に大平氏は「(目標値を示せば)日本の政局が揺さぶられかねない」と議論を蒸し返す。目標を提示すると、大平政権が崩壊しかねないと訴えた。

 同時に公開された当時の外務省幹部の「東京サミット回想」にも「通産相(現経済産業相)は数字を出したら内閣がつぶれると言った」と記されていた。

 それでも、フランス大統領は「義務ではなく、目標として数字を出せばどうか」と譲らない。大平氏はついに、午後の会議で日量630万〜690万バレルとする85年の日本の輸入目標を示し「東京宣言」に盛り込まれた。

 ◆82年

中曽根氏、就任前に訪米打診 「ロン・ヤス」原点

 82年11月、自民党の総裁予備選挙に出馬していた中曽根康弘氏が米政府高官と会い、新首相に選出された場合は翌年1月にも訪米したいと伝えていたことが、24日公開された外交文書で明らかになった。経済摩擦で両国関係が悪化する中、外務省は入念な準備が必要として春ごろを想定していた。就任直後の訪米という中曽根氏の強いこだわりが、後にレーガン大統領と愛称で呼び合う「ロン・ヤス関係」の原点となった形だ。

 82年11月24日付の極秘文書によると、中曽根氏は総裁選中の11月18日、来日した米国家安全保障会議(NSC)のシグール・アジア部長と接触し、訪米時期の意向を伝えた。外務省が中曽根氏に意向を確認したのは、その数日後だった。11月27日に中曽根内閣が発足すると、レーガン政権は直ちに83年1月18日にワシントンで首脳会談を開く案を決めた。

 別の文書によると、中曽根氏は訪米前、大河原良雄駐米大使に「大所高所の議論をし、レーガン大統領と『レッツゴー』の精神で意気投合したい。個別の問題は外相会談で」と指示した。大局的な議論を好むレーガン氏の性格を下調べした上で、個人的関係の構築を狙った。

 当時、対米課題だった日本からの武器技術供与に関しても「国会が止まることも覚悟して対処」するとの決意を示し、1月の初訪米に臨んだ。

 その後、11月にはレーガン氏が来日。この際の少人数の首脳会談で、レーガン氏が次期大統領選への自らの対応に触れると、中曽根氏は衆院選に関し「来月か、正月にあるかもしれない」と応じた。実際に衆院選は12月に実施された。記録では、レーガン氏がジョークを話し「一同、笑いながら会談を(終)了した」という。

 ◆83年

「ソ連側、米機と誤認」 米、早期に情報伝達 大韓機撃墜

 83年9月のソ連(現ロシア)による大韓航空機撃墜から2カ月後、米政府高官から「ソ連側が米偵察機の航跡に15分後に入った大韓航空機を米機と誤認した」とする情報が日本側にもたらされていたことが24日公開の外交文書で分かった。冷戦下で重大事故をめぐる情報が限られる中、比較的に早い段階から米国が日本に秘密情報を伝えていたことになる。

 事件は83年9月1日に発生。米国からソウルに向かっていた大韓航空007便が本来の飛行コースを大きく外れてソ連領空に入り、戦闘機ミサイルで撃墜された。

 11月14日付極秘文書によると、米高官は誤認の背景に関し「ソ連のレーダーは3台のうち1台しか作動せず、(大韓機が)サハリンから公海上に出ようとしたところを撃墜した」と語った。さらに「ミサイルは2発発射された。同機は11分間、きりもみの後、墜落した」と述べた。

 また「フライトレコーダー(飛行記録装置)はソ連領海内にあるもようだが、極秘の手段で回収を試みる」と説明した。実際は既にソ連が回収済みとされ、日米が捜索でソ連に翻弄(ほんろう)されていたようだ。

 極秘文書は、当時の外務省人事課長、福田博氏(80)が作成した。福田氏は共同通信の取材に「正式なルートの情報ではなく、知り合いのホワイトハウス関係者から聞いた」と話した。

 93年、国際民間航空機関(ICAO)が「大韓機は航法ミスに気付かないままスパイ機と誤認された」とする再調査結果を公表した。なぜ操縦士らが長時間ミスに気付かなかったかなど詳細は判明していない。

外交文書:政府、沖縄返還密約 調印前年に負担検討 - 毎日新聞(2015年12月24日 東京夕刊)

 1972年5月の沖縄返還に伴い、米軍が使用していた軍用地の原状回復に関する補償費をめぐり、日本政府が返還協定に調印する約1年前から米側の費用負担を肩代わりする方策を検討していたことが24日公開の外交文書で分かった。対米交渉が本格化する前で、のちに表向き米側が支払う形にし、実際は日本が負担する日米密約に発展する対応方針が早い時期から議論されていた。

 沖縄の施政権返還に関する日米合意の一部を非公表としていたことも判明した。沖縄返還では複数の密約が交わされており、世論の反発を恐れ、合意内容を秘密扱いにする手法が繰り返された実態が明らかになった。

 沖縄返還交渉は、70年11月ごろから軍用地の補償問題の議論が本格化。これに先立つ7月の外務省の内部資料によると、大幅な土地の形質変更などが加えられた軍用地の復元補償について、米国が土地所有者への債務履行に応じないことを想定した。その上で「返還後も米国に履行させるか、わが国が肩代わりするか、いずれかの措置が必要」と、外務省は費用引き受けを当初から考えていた。

 検討から約1年後の71年6月に調印された沖縄返還協定には、米国が自発的に支払うと明記。原状回復の補償費400万ドルを日本が負担する密約は調印直前に交わされた。密約の存在は毎日新聞記者だった西山太吉氏が直後に暴露した。

 日米協議内容を記録した極秘文書によると、沖縄の施政権移行を取り決めた70年11月の日米合意文書の一部記述に対し、山中貞則総理府総務長官が「不適当だ」と指摘。米側の同意を得て削除した。記述は、日本政府の沖縄援助計画を「米国が承認する」との内容で、返還前の政府の政策に米国が関与することを明示する一節。削除された記述は非公表扱いの「了解覚書」にそのまま盛り込まれ、愛知揆一外相、マイヤー駐日米大使らは正式署名せずイニシャルを記した。

 ■ことば

日米密約

 1971年の沖縄返還協定は、米国資産の移転費用などとして日本側の3億2000万ドルの支払いを規定したが、日本側の説明にない(1)米軍用地の原状回復補償費400万ドル(2)米国の短波放送中継局の解体移転費用1600万ドル−−を含む極秘の財政負担が発覚した。この他にも、60年の日米安全保障条約改定時に米軍核搭載艦船の通過・寄港を事前協議の対象外とした核密約などがある。

沖縄返還「密約」 2年前に肩代わり含め検討 NHKニュース(12月24日 11時28分)

1972年の沖縄返還の際、本来アメリカが負担すべき基地を撤去したあとの原状回復の費用を、日本が代わりに支払ったとする「密約」を巡って、返還の2年前に、外務省が日本が肩代わりすることも含めて検討していたことが、24日に公開された外交文書で明らかになりました。日米の「密約」につながる議論が、沖縄返還前の早い段階から行われていたことがうかがえます。
24日公開された、沖縄返還の2年前の1970年7月に当時の外務省条約局が作成した「勉強会用メモ」は、沖縄のアメリカ軍基地を撤去したあとの原状回復の費用400万ドルを巡る問題について記述があります。
この中では、「アメリカ側が、返還の際に負担すべき債務を、完全に支払わないまま、沖縄の復帰が実現する場合を想定すれば」という記述があり、その後に続けて、カッコ書きで「実際の問題として、そうなると思われる」と記されています。
そのうえで、「日本としては、アメリカに、残りの債務を負担させる道を復帰後にわたって維持するか、あるいは、アメリカの残りの債務を免除して、日本がこれを肩代わりするかのいずれかの措置を講じる必要がある」として、費用の肩代わりも含めて検討していたことが明らかになりました。
この「密約」を巡っては、ことし3月に亡くなった外務省の元アメリカ局長の吉野文六氏が、当時の政府関係者として初めて認めており、その後の日米の「密約」につながる議論が、外務省で沖縄返還前の早い段階から行われていたことがうかがえます。
外交史が専門の国立公文書館アジア歴史資料センターの波多野澄雄センター長は、「沖縄返還の交渉の過程では、いくつかの密約の存在が指摘されており、その1つが基地の原状回復に伴う補償をどうするかだった。日本側は当然、アメリカが負担すべきと考えていたが、1972年の沖縄返還を実現するためには負担を肩代わりする方法もやむをえないと、かなり前から考えていたことが分かり、極めて困難な交渉を行っていたことがうかがえる」と話しています。

一方、かつて沖縄返還を巡る日米の密約の存在を報道し機密文書を違法に入手したとして逮捕された、北九州市に住む元毎日新聞記者の西山太吉さんは、「今回外務省が出した情報はすでにアメリカが公表しているもので、たいした情報ではない」と話していました。そのうえで「アメリカが沖縄に置いていた放送局『ボイス・オブ・アメリカ』の撤去費用などもっと大きな密約があった」として、「外務省は国民に本当に知らせるつもりなら、密約の情報をすべて出すべきだ。今回のようなものを公開とは呼べない」と指摘しました。

元外務省局長の吉野文六さん死去 沖縄密約の存在認める:朝日新聞デジタル(2015年3月31日11時27分)

 沖縄返還交渉をめぐる日米間の「密約」の存在を認めた元外務省アメリカ局長の吉野文六(よしの・ぶんろく)さんが3月29日、横浜市の自宅で肺炎のため死去した。96歳だった。通夜・葬儀は近親者のみで行う。喪主は長男豊(ゆたか)さん。

 1941年に外務省に入省。アメリカ局長として沖縄返還の日米交渉を担当していた72年、米側が負担すべき米軍用地の原状回復補償費を日本側が肩代わりする密約があったとする機密電文の存在が国会で問題化した。その後、電文の写しを持ち出した女性事務官と、持ち出しを依頼した毎日新聞記者だった西山太吉さんが国家公務員法違反容疑で逮捕された。

 2000年に密約の存在を裏付ける米公文書が明らかになったが、外務省は一貫して密約を否定。しかし吉野氏は06年、朝日新聞などの取材に対し密約の存在を認めた。09年には密約文書をめぐる情報公開訴訟で証人として法廷に立った。

 13年には国会審議中だった特定秘密保護法案について朝日新聞記者の取材に応じ、「秘密が拡大すれば、国民の不利益になる」と話していた。

文書公開を求めた裁判は敗訴し、西山太吉氏の名誉回復は未だなされず、そして西山事件が問題化した当時、毎日新聞は記者をかばうどころか国に謝罪した。

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もともと政府とは強権へ傾くもの

だから市民は緊張関係を常に持たなければならないのだけれど。
「アベ総理万歳!」みたいな人たちが多いが、彼らは民主主義を放擲している。

軽減税率:有害図書、出版業界で線引きを 菅官房長官 - 毎日新聞(2015年12月25日 17時55分(最終更新 12月25日 19時20分))

 菅義偉官房長官は25日、2017年4月の消費増税と同時に導入する軽減税率の適用が検討されている書籍・雑誌について、出版業界が有害図書の線引きを自主的に決めたうえで、議員立法で対象に加えるべきだとの考えを示した。書籍・雑誌はポルノ雑誌などを対象から排除する仕組みが課題となっており、菅氏は「線引きは業界の中で決めていただく。政府が決めると表現の自由の問題が生じる」と述べた。

 菅氏は書籍・雑誌に軽減税率を適用している欧州各国の例を挙げ、「活字文化は重要とされている」と指摘。そのうえで有害図書について「出版界が自主規制し、例えば議員立法という形で、国民から見てなるほどという線引きが必要だ」との考えを示した。BS朝日の番組収録で語った。

 16日に決定した与党税制改正大綱は、週2回以上の発行で定期購読される新聞を軽減対象とした。一方、書籍・雑誌は有害図書を排除する仕組み作りなどを踏まえ、適用するかどうかを引き続き検討することとなった。日本書籍出版協会など出版4団体は、出版物にも軽減税率を適用するよう求める声明を出している。【高本耕太】

権力とは果てしなくかさにかかってくるものだ、という一般論はさておいても、この政権はそういう性向が露骨で、国家主義を衣に来た自己中心主義、ご都合主義を、力でごり押ししてくる。

言論・表現の自由を自己規制せよという圧力であることはいうまでもないが、これを拒否して軽減対象から外れることも辞さずという勢いを出版業界が持てるか、いささか心許ない。

しかし、本当に増税されるのだろうか。一部には次の増税は見送られるだろうという予測も出ているのが。

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2015/12/25

事実を指摘されると冷静さを失う人たち

何かと思ったら、人殺しを名誉だと尊ぶ人たちの話だった。

市議「殺人練習の学校」発言(2015年12月25日(金)掲載) - Yahoo!ニュース(2015年12月25日(金) 9時53分掲載)

■上尾市報で「陸自工科校生徒募集」

 高校教育と陸上自衛官の人材育成を行う陸上自衛隊高等工科学校(神奈川県横須賀市)について、埼玉県上尾市の平田通子市議(59)=共産=が、市議会で同市広報誌への生徒募集掲載を中止するよう求めた際、「人を殺す練習をしている学校」と発言していたことが24日、議会関係者への取材で分かった。(産経新聞)

うっかり踏んでしまったが、産経だった。で、やっぱりアレな記事だった。

高等工科学校は一応戦闘訓練とかもあるようで、そういう点では別に「殺人練習」をしていることに疑いはない。
まあ「殺人練習の学校」という表現に罵倒や非難のニュアンスがないかと言えばそうではない。兵隊を殺人鬼と呼ぶことは名誉を傷つけ、さげすむ意味でしばしば行われるし、実際、それで傷ついた帰還兵たちは大勢いる。

そこで興味深いのは、確かに人殺しであり、殺人の訓練をしているにも関わらず、その負の側面を露骨に示されると名誉を傷つけられたと思ってしまう心性である。

「その通りです、人殺しです。それの何が悪いのですか。」

そう堂々と反駁することができない、つまり、「やっぱり自分がしているのは人殺しであり、殺人の訓練であり、それはやましいことなのだ」という思いがあるということだろう。国防のためには人殺しも正しいという正当化ができていないのだ。

そして、この「殺人練習の学校」という誹謗に怒る人たちもまた、「やっぱりやましいよなあ」と思っているということだ。

「その通り殺人練習の学校です。しかしそれは正しいのです。それが分からないのですね。」

そのように正面から反論し、「殺人練習をするけれども、それは正しいことだから行うのだ、そういう学校なのだ」というポリシーで生徒を募集すればよいのだが、そうすることができないわけである。
あるいは、自分たちはそう思っているが、その考え方で世間を説得できない、とりわけ中学生の保護者たちを納得させられないと思っているということだ。もしそうならば、きれい事でごまがして、要するにウソをついて生徒を募集しているというわけである。

******
おそらくどこの国であっても、軍隊を殺人者集団と誹ることは彼らの名誉を傷つける。軍隊には「国を守る英雄」という美化がついて回る。そして実際に多数の「敵」を殺し、「敵国」を破壊した人には名誉を与えるという制度が設けられている。これらの晴れがましさと格好良さは、人を殺すこと、また、人をして人を殺させること、それへのやましさや後ろ暗さと裏腹の関係にある。

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抑圧が尖鋭化を招くという話。ほか2件

「春画の色恋 江戸のむつごと『四十八手』の世界」白倉敬彦 著 | Kousyoublog

買おうかと思いつつ書名が悩ましい。

「色恋」と「性愛」の違いという指摘が興味深い。
そういえば、プラトニックラブという概念も明治以降のものだったか。

その一方で、「色恋」が性行為の口実にも使われるという側面もあったのではなかろうか。
北原進『百万都市江戸の経済』は、郭や岡場所の隆盛は男性過多の江戸社会における性欲のはけ口だったと論じているが、この解釈は「性愛」概念に染まった現代日本人の偏見なのだろうか。

面白いなあと思ったところ。

好色本の禁止という事実は、逆にその好色なるものへの人々の意識を先鋭化させた。いわば禁止というのは、その禁止した対象を内面化させるということであり、それがひとたび方途を示せば、たとえそれが徐々にでは会っても知らず知らずの内にでも深化する。
続く寛政二年(1790)、寛政の改革ではさらに進んで春画だけでなく美人画に遊女や芸者の名を出すことを禁じたことで、色恋から色遊び色が強まっていた春画をむしろ色事に集中させ、先鋭化させることになった。十九世紀に入ると情愛や遊戯的なものが減少して趣向競争が激化、性暴力的だったり差別的だったり過激な春画が多くなるのだという。
たしか、SMプレイという変態趣味も、ヌードなどがわいせつ物とされる規制を逃れるための苦肉の表現であったのが転倒して深化していったものだ、という話を読んだことがある。

学生運動の進展に見られるように、弾圧が過激化を生むというのは表現の世界にとどまらないようだけれども、しかしその発現するメカニズムはかなり異なっていそうではある。

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他2件。

夫婦(選択的)別姓問題 …そこで「くじ引き」ですよ。 | Where Angels Fear To Send Trackbacks

とりあえず婚姻届の際に「どちらかの姓から申請者が選ぶ」んじゃなくて、クジ引きでランダムにどちらか決まるという法律を通したら(これは保守派のいう「夫婦の一体性」を毀損せず男女が公平になる法律だから、あんまり反対の論理はないはず)、たぶん1年経たずに別姓法が通るんじゃなかろうか…。
こういうウィットに富んだ皮肉をつぶやける頭の良さを持ちたいなあ。……無い物ねだり。

大学入試新テストはOECD-PISAテストがモデルか? | Where Angels Fear To Send Trackbacks

PISAが、社会的・政治的論争を含む問題を取り上げ、対立する主張の読み解きと根拠への注意力を要求している、という話。その裏には、市民として社会参加・政治参加することの必要性への合意がある、と。

それに対して、文科省は、和魂洋才というか、相変わらず表面的なテクニックの導入にとどまるというか、換骨奪胎して本質を歪めるというか、ということのようだ。

 ここで提起したいのは、これまでセンター試験的な問題が求めて来たのは、この「社会的、政治的文脈の読解」と獲得した知識を用いた「現代社会への積極的な参加」を、「あえてしない」で、提示された問題の枠内で答えるに留める「知性」(「空気を読む」知性)だったのではないか、ということである。そして、今回の出題者が、PISAを念頭に置いた上で、交通事故統計の問題を出して来たのだとすれば、そこでもやはり「電磁波問題」と「交通事故問題」の統計的データの扱いが含む、社会的、政治的文脈の違いを「認識しない」能力が求められている、ということなのではないか、ということである。

これまでの文科省の方針は「国際社会で活躍できる」ことを求めると声高に主張しながら、実際行って来たことは「国内では空気を呼んだ従順な労働者/消費者」であることを求める教育である。記述式試験の導入も、ここが問題にされないのであれば、まったく意味はないと思われるが、実際はやはり同じ構造が繰り返されているように思われる。

もう一つ、無視できない指摘が。
もうひとつ、PISAは市民としての知的能力を求める問題であり、専門家予備軍としての試験ではない、ということである。そして、PISAのような試験の存在が示しているのは、専門家としての判断をすることと、市民としての判断をすることは、本質的に異なる、ということが重要だ、ということでもある。一方、大学入試で問われるのは、もちろん市民的判断力の部分もあるだろうが、実際は専門家予備軍としての部分もある。
大学とは何であるか、という問題にも関係してくるところだが、文科省の言ういわゆる「L型大学」であれば、それこそPISAがふさわしいのではないかという反論もあるかもしれない。

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「最終決着」などあり得ない。

札びらで頬を叩く日本人。

強姦被害者に「告訴を取り下げるなら、現場を盗撮したビデオを処分してやってもいいぞ」と持ちかけた弁護士がいたのを思い出す。

慰安婦問題、決着明記要求へ…受諾なら新基金 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)(2015年12月25日 14時31分)

 日本政府は、28日にも開かれる日韓外相会談で、慰安婦問題に関する合意文書に最終的な決着であることを明記するよう韓国側に求める方針を固めた。

 韓国側が要求を受け入れれば、元慰安婦への人道的支援を行う新たな基金を創設する方向だ。岸田外相が尹炳世ユンビョンセ外相との会談で提案する。

 日本政府は、合意文書を交わす条件として慰安婦問題の妥結が「最終かつ不可逆」的なものであることを明記するよう要求する。

 これに関連し、菅官房長官は25日午前の記者会見で、慰安婦問題について「日本が主張してきたのは最終的解決だ」と語り、協議の妥結には、韓国側が問題を蒸し返さない確約が必要との認識を示した。

 韓国政府は、慰安婦問題を反人道的な不法行為と位置付け、1965年の日韓請求権協定の対象外だとして、日本側の責任の認定と賠償を求めている。

権力で個人を踏みつけるような方法をいくら「決着」と称しても、加害責任という本質から逃げるばかりでは「決着」になるわけがない。
また、日本側の正当性を声高に言い立て、侵略と加害、残虐の過去を否定する言動がこの「決着」とやらで止むはずもない。それゆえ韓国側も応戦せざるを得なくなる。韓国政府の態度硬化は世論を反映したものであったことを忘れるべきではない。いかに日本政府がタガを填めようとも、填めきれるものではない。
だが、「蒸し返さないという約束を破った」と称して、自らの加害責任という根本原因にはほおかむりしつつ、韓国側を非難し、そうしてますます嫌韓と排外主義とを募らせていくのだろう。そしてそれは「愛国」的な人々を喜ばせ、差別的な風潮を強化する。こうして「保守」がますます支持され、日本はますます極右化し、それに応じて中国・韓国との外交的な溝はさらに深くなるのだろう。

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追記(2015年12月28日)

日韓外相会談 慰安婦問題で最終的解決を確認 NHKニュース(12月28日 16時17分)

韓国側の報道ではまた異なったニュアンスやここで言及されていない内容が出るかもしれないが、とりあえずNHKのニュースを引いておく。

日本と韓国の外相会談がソウルで行われ、慰安婦問題を巡って、日本政府は責任を痛感しているとしたうえで、日韓両政府は韓国政府が設置する財団に日本政府の予算からおよそ10億円の資金を拠出し、元慰安婦の心の傷を癒すための事業を行うことで合意しました。また、両政府は、こうした事業の実施を前提に、この問題が「最終的かつ不可逆的に」解決されたことを確認しました。
日本と韓国両政府は、両国の関係改善の大きな障害となってきた慰安婦問題の最終的な妥結を目指し、28日、韓国のソウルで、岸田外務大臣とユン・ビョンセ(尹炳世)外相による日韓外相会談を行いました。
会談のあと、両外相はそろって記者発表を行い、合意事項について発表しました。この中で、岸田外務大臣は「慰安婦問題は、当時の軍の関与のもとに、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感している」と述べました。そのうえで、岸田大臣は「安倍総理大臣は、日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦としてあまたの苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」と述べました。
さらに、岸田大臣は「日本政府の予算により、すべての元慰安婦の方々の心の傷をいやす措置を講じる」としたうえで、韓国政府が設置する財団に日本政府の予算でおよそ10億円の資金を一括して拠出し、「日韓両政府が協力し、元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒しのための事業を行う」ことで合意したことを明らかにしました。
そして、岸田大臣は、両政府間でこうした事業を着実に実施するという前提で、この問題が「最終的かつ不可逆的に」解決されたと確認したことを明らかにしました。また、日本政府として、韓国政府とともに、国連など国際社会で慰安婦問題を巡って互いに非難・批判することを控える考えを示し、今回の合意について、「日韓首脳の指示に基づいて行った協議の結果であり、これをもって、日韓関係が新時代に入ることを確信している」と述べました。
一方、ユン外相は、元慰安婦に対する事業が着実に実施されることを前提に、日本政府とともに、「この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と述べたうえで、日本政府の実施する元慰安婦の心の傷をいやす措置に協力する考えを示しました。
また、ユン外相は、ソウルの日本大使館の前に設置された、慰安婦を象徴する少女像に関して、「日本政府が、大使館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し、韓国政府としても、可能な対応方向について関連団体との協議を行うなどして、適切に解決されるよう努力する」と述べました。
そして、ユン外相も、岸田外務大臣と同様に、韓国政府として日本政府とともに、今後、国連など国際社会において、この問題について互いに非難・批判することを控える考えを示しました。

「歴史的、画期的な成果」

岸田外務大臣は記者団に対し、「今回の合意により、慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認した。このような合意ができたことは歴史的、画期的な成果であると考える。これにより、日韓関係は未来志向の新時代へと発展すると考える。また、日韓、日米韓の安全保障協力も前進させる素地ができたと思う」と述べました。

このニュースを読んでも、上で書いた印象は変わらない。事態はますます困難になっていくだろうという思いしかない。

ただ、今回の「合意」に注目する一つのポイントとしては、日韓請求権協定の扱いがどうなったのかということがある。
この「合意」の前日の報道では、韓国側の立場は次のようだった。

時事ドットコム:慰安婦問題は未解決=請求権協定の立場不変-韓国外相(2015/12/27-15:58)

 【ソウル時事】韓国の尹炳世外相は27日、日韓請求権協定に関し「われわれの立場は変わりないし、今後も変わらない」と述べ、慰安婦問題は請求権協定の対象外で、解決していないとの従来の考えを強調した。ソウルで記者団に語った。

 日本は、慰安婦問題は同協定で法的に解決済みとの立場で、28日の日韓外相会談を控え、改めて見解の差が浮き彫りになった。 
 尹外相は「先月の韓日首脳会談を契機に、協議が加速している。この時期に韓日外相会談を行うのは時期的に非常に重要だ」と強調。さらに、「われわれの立場を最大限反映させるよう努力を尽くす。局長級協議に臨む李相徳東北アジア局長に、韓国政府の確固とした立場を指示してある」と語った。(2015/12/27-15:58)

この点について、今回の「合意」の記者会見で、岸田外相は
日本政府は1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決済み」との立場。岸田氏はこうした日本政府の立場について「従来と変わらない」と記者団に語った。
とのこと(時事ドットコム:慰安婦問題、日韓が合意=日本政府「責任を痛感」-「最終、不可逆的に解決」確認)。
【ソウル時事】日韓両国間の大きな懸案となってきた、いわゆる従軍慰安婦問題をめぐる両政府の協議が28日、合意した。合意文書によると、日本政府は同問題で「責任を痛感」するとともに、安倍晋三首相が「心からおわびと反省の気持ち」を表明。元慰安婦支援のため、韓国政府が財団を設立し、日本政府の予算で10億円程度の資金を一括拠出する。

 首相と韓国の朴槿恵大統領はこの後、電話で会談し、合意を確認する。日韓両政府は今年、国交正常化50年を迎えたことを踏まえ、慰安婦問題の妥結を急いだ。懸案決着への道筋が付いたことを受け、双方は関係改善に全力を挙げる。
 岸田文雄外相と尹炳世韓国外相がソウルの韓国外務省で会談、合意に達した。会談後の共同記者発表で、岸田氏は「日韓両政府は、慰安婦問題について不可逆的に解決することを確認するとともに、互いに非難することを控えることで一致した」と表明。尹外相も日本政府による合意事項の履行を前提に、「この問題が最終的、不可逆的に解決することを確認する」と述べた。
 また、ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦問題を象徴する少女像について、尹外相は元慰安婦支援団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)」を念頭に、「可能な対応策を関連団体と協議し、適切な解決策へ努力する」と述べた。日本政府は少女像の撤去を求めている。
 元慰安婦の請求権を含む法的問題について、日本政府は1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決済み」との立場。岸田氏はこうした日本政府の立場について「従来と変わらない」と記者団に語った。 (2015/12/28-16:43)

NHKによれば、韓国側の
ユン外相は、元慰安婦に対する事業が着実に実施されることを前提に、日本政府とともに、「この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と述べた
とのことだが、この「最終的かつ不可逆的に解決されること」の意味が、韓国と日本で異なった解釈を許容する形になっている可能性がある。

また、少女像の撤去問題については、韓国側の「努力」という形になっており、撤去を約束する形にはなっていない。像の設置主体は韓国政府ではないのでこれは当然だけれども、この約束が現実になるのはなかなか大変だろう。土地所有者がソウル市だそうなので、最終的には裁判か行政命令で撤去させることになるのかもしれないが、その強権性は波乱を呼ぶだろう。

そして、日本政府が要求していたというアメリカでの少女像設置などの抑制は、どうやら全く認められなかったようだ。そんなことは全体主義国家でもなければ到底無理な話なので、これもまた当然とは言える。

先に述べたように、韓国政府が外交的配慮を優先して(……まあ、もともと彼らはそういう方向性で、日本政府と角を立てたいわけではなかったのだけれど、安倍政権下のアレな人たちが続々と愚行を繰り返して韓国政府を先鋭化させたわけである)、今回の合意を作ったとしても、それが「決着」にならないことはいうまでもない。日本側が加害責任に真摯に向き合わない限り、つまり、せめて河野談話が示している取り組みの一つでも日本国内で誠実に行っていかない限り、「決着」などできるはずもない。歴史教科書から「慰安婦」に関する記述が姿を消しているなどという現状で、「歴史的、画期的な成果」(岸田外相の談話)など得られるはずもない。そして、このような形での日本政府の取り組みは、今回の合意では一切約束されていないのである。

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「おっぱい募金」は脱法風俗。仮に女性の自己決定権だという立場を取ったとしても公共空間ではダメだという意見

太田啓子さんという弁護士の人が表記のように意見している。なるほどなあと思ったのでメモしておく。

(1) 太田 啓子 - 「おっぱい募金」のこと引き続き考えています。ちらほら取材のご依頼を頂いたりもしておりまして、法的なところなどそのうち少...

「おっぱい募金」のこと引き続き考えています。ちらほら取材のご依頼を頂いたりもしておりまして、法的なところなどそのうち少しまとめようと思っています。
今はまだ中間報告(?)みたいなところですが、
●そもそもあれは、金銭を払って女性の乳房をさわるという行為の性質からすれば、風営法の規制下におかれるべき、「性風俗特殊営業」というべきものではないのでしょうか。
 条文が、「進化」し続ける性風俗の実態に追いついていないので、明確にあれを規制できる条文になっていないから、風営法違反とはいえないけれど、という、法の網をかいくぐったにすぎない脱法状態、「脱法風俗」というべきものなのではないか。「JKリフレ」とか「JKお散歩」なんていうのも脱法風俗ですね。捜査機関は取り締まりに苦慮しているはずです、脱法だから。労基法違反なんかで摘発したケースもあるようですけれど、なかなか、正面からではない、苦肉の策感がある気がします。
 なので、そういう、事の性質からしたら「脱法風俗」であるにもかかわらず、「チャリティーイベント」という衣をかぶればいいよねと言わんばかりに公共空間に出て来てる感じがとても気持ち悪い要因でもあると思います。
 あれは、公共空間にあっていいものではない。
 集まったお金を慈善目的に使うなんていうことは、行為の「脱法風俗」性を失わせることでは全くないですからね。
 ですから、「おっぱい募金に俺も行きたかった」と言うのは、「風俗に行きたかった」と言うのと同じです。そういうふうにわかって発言してるならいいですけど。 「チャリティーイベントだから風俗とは違うぜ」みたいなわけのわからない欺瞞はやめてほしい。本来風俗みたいなのをチャリティーっていうことにするのがお祭りっぽくて楽しいんだぜっていうことなのかもしれないですね。全くひとつも楽しくないですけどね。そんな楽しさ、共有したくもないし、共有させようというのは暴力だとも思う。
 「おっぱい募金批判は参加女性の自己決定権の侵害だ」という議論が一部にあるようですが、仮に参加女性の「乳房を揉ませる」という自己決定権を尊重すべきという立場をとるとしても(この立場の是非についてはまた違う機会にどこかで触れようと思います、今は論じません)、
 そのことと、「でも公共空間ではダメ」というのは両立する。
 「公共空間ではダメ」という議論に対して「自己決定権侵害だ」というのはかみあわない反論です。
 自己決定権云々それ自体も本質的で大事な議論ではありますけれどね。
 私が一番問題視しているのは、「エロの公共化」というべき要素です。いい加減にしてほしい。
 「これを中止したら他の対案はなにかあるのか」というくだらなすぎる絡みもきていて、まともに回答するのもばかばかしいくらいですけれど、いや、そんなにストップエイズ対策をしたいんだったら、単純にそういう財団に寄付すればいいだけだし、女性がどうしても自分の体を使って社会貢献したいということであれば、「おっぱいパブ」で働いた女性がそこで得た対価を寄付するという方法もあるでしょうね(そういうことを是認するかどうかはさておきです)。
 「エロの公共化」をなにがなんでもしなければ実現できないようなことではないでしょう。
●他の法律関係では、現行法で対応しようと思えば刑法上の公然わいせつ罪が適用され得るはずで、おそらく捜査実務では「わいせつ」ではないと判断するのでしょうがそれは非常に疑問だということは前から言ってることです。
 それに加えて、
軽犯罪法に
「第一条  左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
(略)
二十  公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者」
というのがあって、まさにこれにも十分触れ得ると思うんですけどねー。
捜査機関、やる気になれば色々できるはずと考えています。
二日間で7000人が来場したそうですね。7人の女性の乳房を触るために。 これで「公共化されてない」とか「公衆の目にふれるような場所」じゃなかったとかはいえないと思いますね。
いったい一人の女性は何人の見知らぬ男性に乳房を揉まれたのでしょうか。 そういう風景に嫌悪感を覚えず擁護するっていう感覚が到底理解できないです。 
●この件について、週刊朝日12月25日号掲載の北原みのりさんのコラムにとりあげられていました。
 一部抜粋しますと、
「女たちが声をあげない限り、男たちのエロは平和に保たれるのだろう。  というより、この国で『エロ』と呼ばれるものは女が無言でいることで成立してきたものが多いのではないか」
「昔も今も、性差別表現について声をあげる女には、『男のルールをわかっていない者』として嘲笑が向けられる。 男に叩かれる女を見て、多くの女は黙る術、見ない術、知らない術、または時には一緒に楽しむ術を身につけていくのだ。今回も『女が女のおっぱい触れる貴重な機会!』とイベントを肯定的にとらえる女性の声もあった」
「男のエロの公共化、いい加減にしてほしい」
 すべてに心から共感です。
 電車の中づり広告からコンビニからキオスクから、こういうものって本来公共空間にあっていいものじゃないよねっていうのがあふれすぎです。ポルノを楽しむのは私的空間でやってほしい。公共空間でやっていいことじゃないです。
 電車内で堂々とポルノ写真を見ているおじさんいますけど、あれは、隣に座ってる女性は気づいてないとでも思っているのか?安心しないでください、気づかれています。すっごく不愉快だけど見ないふりをしているだけです。
 いや、周りのひとの存在なんて眼中にないのか、
 それとももしかしてあえて女性の隣で見て、女性が気づいてることも知ってて、やってる人もいるのですかね。
 そういうこと全て毎日毎日おきてるわけで、
 最後にもう一回、「男のエロの公共化、いい加減にしてほしい」。これに尽きます。ほんといい加減にしてほしいです。
「事の性質からしたら「脱法風俗」であるにもかかわらず、「チャリティーイベント」という衣をかぶればいいよねと言わんばかりに公共空間に出て来てる感じがとても気持ち悪い要因でもある」

「集まったお金を慈善目的に使うなんていうことは、行為の「脱法風俗」性を失わせることでは全くない」

「仮に参加女性の「乳房を揉ませる」という自己決定権を尊重すべきという立場をとるとしても「でも公共空間ではダメ」というのは両立する」
「「公共空間ではダメ」という議論に対して「自己決定権侵害だ」というのはかみあわない反論」
「二日間で7000人が来場したそうですね。7人の女性の乳房を触るために。 これで「公共化されてない」とか「公衆の目にふれるような場所」じゃなかったとかはいえないと思いますね。
いったい一人の女性は何人の見知らぬ男性に乳房を揉まれたのでしょうか。」

いちいちもっともだなあ、と。

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2015/12/23

海外メディアに弱い自民党

自民党が「近現代史の勉強会」の会合を開いたが、国内メディアのみに取材を許したとのこと。

「どんだけ弱虫やねん」と言いたくなる情けなさ。
これで「情報戦」とか「世界に日本の正しさを訴える」とか叫んでいるんだからなあ…。まあ、「保守」の人たちってみんなそうなんだけれど。議論ってことから徹底的に逃げる人たち。まあ、だから「保守(笑)」とかになるんだろうけど。

それにしても、自民党に取材を許される国内メディアって、逆に言えば、どれだけなめられているのかということでもある。
国内メディアは、自民党に「仲間」だと認識されているのだろうなあ。そして、その認識は正しい、残念ながら。

この件を報じた毎日新聞は我が身を恥じるべきだと思うなあ。まだ良識が残っている方だと思うし。

自民党:近現代史の勉強会、初会合 議論の方向性に溝 - 毎日新聞(2015年12月22日 22時05分(最終更新 12月22日 23時49分))

 自民党は22日、日本の近現代史の勉強会「歴史を学び未来を考える本部」(本部長・谷垣禎一幹事長)の初会合を開いた。今後、学術性、中立性、国際性を基準に講師を選び、月1〜2回のペースで会合を開く。安倍政権の歴史認識問題は安倍晋三首相の戦後70年談話でひとまず収束しただけに、執行部は「謙虚に歴史を学ぶ場」にしたい考えだが、党内には異論も根強く、方向は定まっていない。

 冒頭、谷垣氏は「政治家が歴史をろくに勉強しないで、歴史、近現代史教育を振興せよというわけにはいかない」と述べ、冷静な議論を促した。

 しかし、佐藤正久参院議員は日本の戦前・戦中の対外政策について「帝国主義に基づく植民地政策とは違う。誤解している国民がかなり多い」と歴史観の修正を主張。衛藤晟一首相補佐官も「最初から中立性や国際性を考えると通説優先になる」と講師選びの基準に疑問を呈した。

 稲田朋美政調会長ら保守派は当初、極東国際軍事裁判(東京裁判)の評価を含めて歴史を検証する党機関の設立を目指したが、谷垣氏が本部長に就任し、軌道修正を図った経緯がある。勉強会が報告書をまとめないのは、こうした党内事情の反映といえる。この日は海外メディアの取材も認めなかった。【中島和哉】

安倍氏の子分(飼い犬とも噛ませ犬とも言う)の衛藤晟一氏:「最初から中立性や国際性を考えると通説優先になる」

いや、あのですねえ、まず初めは通説を勉強しましょうよ。オーソドックスを学んでからでしょう?異説を学ぶのは……。ちゃんとした勉強の仕方ぐらい分かるでしょうに……。
それとも、自分の歴史観が異端(というか、通説に勝てない)ということを実は分かっているのかもしれないなあ。それがこの人のコンプレックスになっている、とか。

※首相官邸サイトで見たら、衛藤晟一氏は昭和22年生まれ、安倍氏は昭和29年生まれで、衛藤氏の方が7つも年上だった。

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また産経かという話

旧聞に属することかと思うが、今知ったので備忘用に留めておく。

005 ブログを読んで下さっているみなさまへ | HIRANO KEIKO’S OFFICIAL BLOG(2015.10.22 Thursday)
東京五輪エンブレムの審査委員を務めた平野敬子氏の文章。

今朝の産経新聞に、このブログの一部を転載した記事が掲載されました。その記事は、取材依頼を強くお断りしたにもかかわらず、私のブログの文章を勝手に引用した、執筆者の記憶のみが根拠の、新聞社の責任として裏づけをとっていないと思われる記事です。

エンブレム問題で連絡をいただきました新聞社をはじめとするマスコミの方々は、ごく一部の方を除き、理性的に、誠実に対応して下さいました。しかし、昨晩やりとりをした産経新聞の女性記者の方法は、卑怯、卑劣、極まりないものでした。

法的には問題がないかもしれません。ないのでしょう。しかし法律を盾にとり、取材もせずに、憶測で記事を書くことが許されるのでしょうか。

私の文章のコピペ記事を堂々と書く新聞に、組織委員会のことを追求する資格はあるのでしょうか。

いかにも産経らしい。

「産経新聞」という劣悪かつ低俗なアウトプットは、「産経新聞社」という組織から生み出されている。そのアウトプットの質はこの組織のパフォーマンス(成果物)であるわけだが、この組織に属する記者や編集委員には様々な人がいるはずなので、いかにアウトプットがくず同然であろうとも、その由来を個別の記者らに求めるべきではない、言い換えると、(自称)「新聞」がゴミだからといって、各記者が人間のくずだとは言えない。そのように考えてきた。

けれども、どうもかなりの割合で「新聞記者」と呼ぶのをはばかられる資質の人が存在するような気がしてきた。
レイシストな論調や拙劣な右翼風味の文章が多いのは言うまでもないが、そもそも取材や下調べや裏取りといった、いわゆるライター的スキルを欠如した記事が多すぎる。そして誤報や捏造、盗作が頻繁に問題になる。さらに、朝日新聞を目の敵にし、その些細な過誤を声高に非難し、「謝罪が足りない」とキャンペーンを張るくせに、自らの誤りには極めて寛容でろくに訂正記事も出さないし、訂正・修正してもそれを告知したりすることも滅多にない。
私が「産経新聞」を読まなくなったのは、こうした姿勢にうんざりしたことと、記事の真贋の確認があまりに面倒になったためである。

「産経新聞社」に入る人たちがクズばかりだとは今も思わない。しかし人は環境に適応し、組織に染まる順応性を持つ生き物である。産経で仕事をする内に、産経的な人間に変わっていくのであろうか。

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2015/12/22

残念なニュース:君が代問題で

国歌斉唱で起立せず減給 取り消し求めるも訴え退け NHKニュース(12月21日 17時19分)

卒業式で国歌を斉唱する際に起立しなかったなどとして、減給処分を受けた大阪府立の支援学校の男性教諭が処分の取り消しなどを求めた裁判で、大阪地方裁判所は「公立学校の教職員に国歌の起立斉唱を義務づけた府の条例は憲法に違反せず、処分が重すぎるとは言えない」として、訴えを退けました。
大阪府立の支援学校に勤務する奥野泰孝教諭(58)は、おととしの卒業式で国歌を斉唱する際に起立せず、公立学校の教職員に国歌の起立斉唱を義務づけた府の条例などに違反したとして減給の懲戒処分を受けました。
これに対し、「国歌の起立斉唱の義務づけは、憲法で保障された思想・良心の自由を侵害している」などとして、処分の取り消しなどを求めていました。
21日の判決で、大阪地方裁判所の内藤裕之裁判長は「卒業式などの特に重要な行事では、教育上ふさわしい秩序の確保などが求められ、府の条例は憲法に違反しない」と指摘しました。そのうえで、「教諭は、関係ない席に座って不起立に及ぶなど、卒業式の秩序や雰囲気を損なうような行為に積極的に及んでおり、減給処分が重すぎるとは言えない」として、訴えを退けました。
原告の弁護士などによりますと、大阪府内の公立学校で、国歌の起立斉唱をしなかったことを理由に懲戒処分を受けた教諭は延べ60人に上り、これまでに処分の取り消しなどを求めて、5件の裁判が起こされているということです。

原告の教諭「処分の理由となるのはおかしい」

判決について、原告の奥野泰孝教諭は「国歌を歌う時に立たなければならないと命じられたとしても、本来の支援学校の教員の業務と比べれば、最優先すべきものでないことであり、処分の理由となるのはおかしい。思想・信条が違う者には注意を払って処分を考えてもらいたい」と述べました。

大阪府教委「主張認められた」

大阪府教育委員会は「これまでの大阪府の主張が認められたものと考えています。今後とも、教職員の厳正な服務規律の確保に努める」としています。

大阪ではさらに闇が続く。この裁判の当事者の先生、そして現場教員の人々の苦衷をお察しする。

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チャリティ売春ってのもアリだよね?という話

はてなブックマーク - 渡辺輝人(I'm 4%!!)さんはTwitterを使っています: "「おっぱい募金」の是非は、究極的には「恵まれない子どもたちに寄付するために余暇を使って自分自身は無償で売春。買春した男が子どもた

「おっぱい募金」の是非は、究極的には「恵まれない子どもたちに寄付するために余暇を使って自分自身は無償で売春。買春した男が子どもたちに寄付。」というモデルの是非なのではないか、と思う。自分は否定。
というコメントへの反応。

売買春を正当な商取引だと考えるなら、それを使ったチャリティに何の問題があろうか?という問題提起。

この主張に違和感を覚えるのであれば、その違和感の由来は何にあるのか?

それを問うているわけだけれども、その問は全うだよなあ、と思う。
つまり、「あなたの倫理・道徳の本質的な根拠は何ですか」という問だ。

どこで線を引くかという問題なのだ、という声があって、それも分かる。
今はほとんど無化されたが、昔のヌード画像検閲には乳首はよいがヘアはダメなどの規制があった。今回の問題は、この「わいせつ」の境界線をどこに引くかという議論と似ている。

けれども、性の商品化というのは、「性」という個人の固有の人格にかかる部分を記号化し、一般化するので、例えば個々の女性が「女性一般」として眼差しを受けてしまうという側面は生まれてしまう。つまり、いかに区別しゾーニングしようとも、常にそこからはみ出そうとする動きを生み出してしまう。このような個人の尊厳の侵害への誘因を避けがたく持っているという性質をどのように考えるのか、が一つの課題になる。
そしてまた、「性」を売り物にする人(特に女性)へは差別がつきまとうのが現実である。性の対象にしてよい女とそうしては良くない女、「健全な女」とそうでない女という区別が現実に持つ差別性をどう考えるのかという問題もある。

今回の問題は新しい問題ではないけれども、これを連続的なグラデーションのどこかに恣意的な線を引く問題なのだという構図で考えようとすると、この本質を見失うことになるのではないかと危惧する。

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記憶遺産:複数の国・組織に関わる資料は共同で申請するよう求める

ユネスコ 「記憶遺産」申請の新指針発表 NHKニュース(12月18日 7時42分)

ユネスコ=国連教育科学文化機関は、「記憶遺産」について、複数の国や組織に関わる資料を登録したい場合は、共同で申請するよう求める新たな指針を発表し、制度の改善を求めていた日本の主張を一定程度、反映したものとみられます。
ユネスコは、ことし10月、中国が申請した「南京事件」を巡る資料を後世に伝える価値があるとする「記憶遺産」に登録しましたが、日本政府は、見解が異なるなかで登録が行われたとして、ユネスコに対し、透明性と中立性の確保を強く求めていました。
ユネスコは17日、「記憶遺産」の申請に関する新たな指針を発表し、複数の国や組織に関わる資料の登録を求める場合は共同で申請することや、一般の団体や個人からの申請は、各国が設けた選考委員会などの審査を受けるよう求めています。
日本政府は去年、ユネスコにおよそ37億円を分担金として拠出していますが、「南京事件」を巡る資料の登録を受けて、拠出の停止も含めて検討していました。
日本の分担金の額は加盟国の中で最も大きく、停止されることになればユネスコの今後の運営にも関わることから、制度の改善を求めている日本の主張を一定程度反映したものとみられます。
ユネスコは、新たな指針の発表に伴い、次回の「記憶遺産」の申請期限について、来年5月末までに延長すると発表し、さらに新たな指針に基づいて申請された提案については優先して審査する意向を示しています。

日本の分担金への影響抑えるねらいか

ユネスコ=国連教育科学文化機関が記憶遺産の申請を巡って、新たな指針を示した背景には、日本が拠出する分担金への影響を抑えるねらいがあるものとみられています。
ユネスコは、加盟国の分担金などを財源に運営を行っていて、日本政府は去年、およそ37億円を拠出し、全体の10%余りを負担しています。
分担の割合では、アメリカの22%に次いで2番目ですが、アメリカは2011年にユネスコがパレスチナの加盟を認めたことに反発して拠出を凍結していることから、実質の負担額では日本が最も大きくなっています。
このため、「南京事件」を巡る資料の登録に関連して、日本が分担金の支払いを停止すれば、ユネスコの運営に大きな支障が出るおそれがあります。それを防ぐためにも日本が求めていた制度の改善を、一定程度実現しようとしたのではないかとの見方が広がっています。

ニュース後半部分の解釈はどうでもいいが、「関わる」の含意が微妙かもしれない。

このニュースの元ネタはたぶんこれ。

UNESCO Memory of the World Programme calls for new nominations for the International Register 2016-2017 nomination cycle | United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization(16.12.2015 - Communication & Information Sector)

該当部分を引くと、

In addition, two or more governments, institutions, organizations, groups or individuals may put forward joint nominations where collections are shared among several owners or custodians. Such prior collaboration is strongly encouraged.
In the case of documentary heritage which exists in several locations, or several owners or custodians, full details of each component, owner or custodian are to be provided.
要するに「申請する文書が複数の国や団体等の間で分散している場合は」という話である。

記憶遺産に申請する文書は、その対象とする事象(例えば南京大虐殺)に関して網羅的である必要はない。網羅的であることを条件にしたら、認定すべき資料の範囲が果てしなくなるからだ。実際、例えば南京大虐殺の申請・認定に際しても、日本側が持つ資料は含まれていなかった。
このユネスコのアナウンスを文字通り受け止めれば、例えば従軍慰安婦関連資料を申請する場合でも、日本側が保有する資料を範囲に含めなければ、従来通りの申請と変わらないことになる。

また、共同申請せよという方針も、国と個人などの申請でも良いかもしれない。例えば日本の個人が中国政府と共同申請することも原理的には可能なように読める。もっとも、ユネスコは、申請する際は各国のユネスコないし記憶遺産選考委員会を通すように求めているので、この場合でも日本の個人が関わっているということで日本の選考委員会が中国の選考委員会と協議する形になるのかもしれない。あるいはどちらか片方の選考委員会で処理することになるのかもしれない。このあたりはちょっと曖昧に読める。

******
記憶遺産の本旨からすれば、今回の方針は、文化・歴史的な観点から見て後退だと言える。
政治的紛争を避ける趣旨があるのだろうと察せられるし、それが日本の圧力である可能性はもちろん否定できないが、これによって戦争や人道の罪に関する資料を「記憶遺産」に含めることが難しくなってしまった。
戦争にせよ人道の罪にせよ、これらの文書や史跡、遺物、証言は、後世に残さないようなバイアスがかかりやすいものである。このことは、人類が過去を忘れ、反省と教訓を無にし、再び同じような残虐と悲惨と破滅とを引き起こすことにつながる。記憶遺産の一つの効用は、こうした過去の抹消への動きをいささかでも食い止めようとするところにあった。それがまた無にされようとしている。愚かなことである。

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2015/12/15

ブックマーク的なメモ

「慰安婦」問題をめぐる報道を再検証する会: 日本フェミニストによる相対主義の暴力(2015年12月14日月曜日)

主に上野千鶴子の従軍慰安婦問題論を批判している。

上野の「慰安婦」論を以下の3点にまとめている。

1.「慰安婦」の存在は単一ではなく多様である
2.ナショナリズムを内包する思想と運動も、「慰安婦」問題の解決を阻んできた
3.「慰安婦」問題は、日本だけの問題ではない

これらのそれぞれを批判している。

「まとめ」に日本リベラルにおける「慰安婦」論の問題が挙げられている。

・ナショナリズム批判という衣をかぶって告発者に責任をなすりつけ、日本の戦争犯罪をどう裁くかという問いをぼかしている

・「国家を超える女」といった普遍的な言説や相対主義 → 日本の侵略責任・植民地支配責任を問わなくてすむような閾値の設定と現状追認

・リベラルによる被害の相対化によって「慰安婦」サバイバーはさらに葬られようとしている


「人材派遣業」の闇 〜あまりにブラックすぎる実態を潜入レポート  | 現代新書カフェ | 現代ビジネス [講談社](2015年12月15日(火) 中沢彰吾)

講談社現代新書の『中高年ブラック派遣』の紹介が目的の記事だが、ルポ的。

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2015/12/14

南京大虐殺の記念日と日本の報道

戦後70年目の12月13日はあらたな“国恥”記念日 - Apes! Not Monkeys! はてな別館(2015-12-13)

こちらに触発されて。

私自身は南京事件を問題にする際に、特に12月13日という日付にこだわるつもりはありません。「12月13日」というのが南京城内にいた人々の認識を反映したものであって、虐殺全体の広がりを認識するうえでは妨げにもなりかねないからです。
これが重要な指摘であることには重々留意した上で。

確かに、Googleのニュース検索では、南京大虐殺を我々の事件として我が身に引き受ける報道はほとんど見つからなかった。唯一、レイバーネットが気を吐いていたぐらい。だが、レイバーネットはいわゆる「マスコミ」……大手メディアではない。むしろ運動体と言うべきだから、報道としてはほぼ壊滅的だと言っていい。

だが、わずかにそれらしい報道もあった。中国の南京大虐殺記念行事を反日策動のごとく報じる記事、南京大虐殺否定を声高に論じる記事がずらりと並ぶ中に、そうした記事がわずかに残っている様子は、ブルドーザーが走り回る開発現場で最後に残った野の花の情景を思い起こさせた。記念にそっと写しておく。

南京大虐殺 | 生存者自身が語る 東京で9日、最後の証言集会 - 毎日新聞(2015年12月2日 東京夕刊)

 市民団体の連絡組織「南京大虐殺60カ年全国連絡会」が約20年にわたり毎年、中国・南京大虐殺(1937年12月)の生存者を日本へ招き、各地で証言集会を開いてきたが、今月上旬、大阪と名古屋、東京で開く3回で最後を迎える。来日に協力してきた南京大虐殺記念館(中国・南京市)が、生存者の高齢や健康不安を理由に終了を要請した。関係者は今後、現地での交流を呼び掛ける。【花岡洋二】

 今年は、陳徳寿さん(83)が5日に大阪、7日に名古屋、9日に東京で証言する。陳さんは当時、南京城内に住み、父やおばが日本兵に銃剣で刺し殺されたという。戦後の生活についても話す予定だ。

 連絡会は96年に最初の本格的な集会を開いた。以後も毎年、生存者を招いて10日間ほど各地で集会を開いた。招いた生存者は計30人以上で、川の中に隠れて生き延びた男性や性暴力を受けた女性らがさまざまな被害を語り、会場ごとに数十〜数百人が聞いた。渡航や滞在費は、日本の市民カンパと入場料でまかなった。

 連絡会共同代表の一人で「ノーモア南京名古屋の会」事務局の平山良平さん(67)によると、記念館とは「証言者が語る史実を定着させたい」との思いが一致していた。2001年に来日した女性は、平山さんら世話役にさえ笑顔を見せず、目も合わせなかった。「怒りを直接感じた。証言ビデオとは違う」と振り返り、証言集会が絶えることを惜しむ。

 生存者と事前に現地で会って招いてきた「銘心会南京」=大阪府=の松岡環代表(68)によると、年々、生存者が亡くなり、寝たきりになるなどしているが、話せる人は今も多い。01年からは会員らとともに現地で交流会を開くなど慰問に努めている。「本来は日本人が南京へ行くべきだ。つながり続けよう」と呼び掛ける。

 集会の日時と会場は次の通り。5日午後1時半、大阪市北区天神橋3のPLP会館▽7日午後6時半、名古屋市中区大井町のイーブルなごや(女性会館)▽9日午後6時半、東京都文京区本郷1の全水道会館。

この集会の様子を、同じ毎日新聞が記事にしている。ただし、愛知県版のみであったようだ。それもまた今の情勢を反映しているのかもしれない。

南京大虐殺 | 生存者証言「過去の悲惨な歴史、忘れないで」 名古屋・市民団体が招待 /愛知 - 毎日新聞(2015年12月9日 地方版)

 南京大虐殺(1937年12月)の生存者、陳徳寿さん(83)=中国・南京市=が7日、市民団体の招きで来日し、名古屋市中区で証言した。陳さんは、父とおばが日本兵に銃剣で刺し殺された体験を話し、「過去の悲惨な歴史を忘れないでください」と訴えた。約110人が聴き入った。

 陳さんは当時5歳。仕立て屋の父ら家族8人で南京城内に暮らしていた。12月13日に日本軍が入城し、炎が上がったため父は消火に走った。日本兵が家に来て26歳のおばを連れ去ろうとした。おばは抵抗し、殺された。陳さんは地面に転がる死体につまずきながら逃げた。

 父はその後、遺体で発見された。別の男性の話では、父は日本兵に捕らえられ、首やこめかみを刺されたという。家族は働き手を失った。母は物乞いを強いられ、結果的に一家は離散した。辛苦の末、今は再び家族8人で暮らしているという陳さんは「平和があるから幸せに暮らせるのです」と話した。

 証言に続き、参加者が意見交換した。歴史を学ぶ女子大生は「教科書は虐殺についてごく短く記述しているが、それ以上のものがあったということを理解できた」と話した。

 市民団体の連絡組織「南京大虐殺60カ年全国連絡会」が陳さんを招き、9日に東京でも集会を開く。連絡会は約20年間、毎年12月に生存者を招き各地で集会を開いてきたが、協力してきた南京大虐殺紀念館が高齢や健康不安を理由に終了を要請。生存者の証言は今回で最後になる。【花岡洋二】

生存者の証言が今年で終わる。このことの重さをかみしめつつ、そのことを報じる記事の存在のかすかだったことを覚えておきたい。

最後は辺見庸の『1★9★3★7』の書評。南京大虐殺を正面から取り上げた記事ではないが、この時期に出た加害責任を問う記事は他に見あたらなかったので、これも取り上げておく。

「南京大虐殺」が狂わせた人生 ~日本兵が犯した「生肉の徴発」の罪はまだ消えない  | わき道をゆく~魚住昭の誌上デモ | 現代ビジネス [講談社](2015年12月06日(日))

父はすでに「死んでいた」

辺見庸さんは、私の共同通信時代の5期上の先輩だ。在籍中に言葉を交わしたことは一度もない。何しろ相手は世界に名を知られた元北京特派員で、しかも芥川賞作家である。気安く話しかけられる相手ではない。

その辺見さんが『1★9★3★7』(金曜日刊)を書きながら〈ときどき吐いた。すこし泣いた。絶句し、また吐いた。そうしながら、じぶんがなにも知らないこと、さっぱり知らなかったこと、でも、知ろうとしないでここまできてしまったことを、いたく知らされた。うちのめされてまた吐いた〉という。

そんなにしんどい思いをしてまで辺見さんは1937年の南京大虐殺になぜこだわるのか。その理由は、彼の生い立ちと深く結びついているようだ。

彼の父は華中(中国中部)に3年余り出征した。帰国して石巻新聞の記者になった。復員後の父の像は、溶けかかった鉛の立像のように、輪郭のゆらぐ、いつまでも不可解な影であった―と辺見さんは書いている。

父は無口で不気味で、時々ぞっとするほど優しく、ふとどこか遠くを眺めやった。概ねいつも神経質で発作的に激怒し、反射的にどなったり殴ったり。と思うと、ラフマニノフに聴き入り、借金までしてタマの出ない台でパチンコをつづけた。

子供心に辺見さんは、そんな父を「お化け」のようだと思った。母は「あの人はすっかり変わって帰ってきた」と言い、夫が「お化け」になったのは戦争のせいだ、中国で何かがあったのだと決めつけていたという。

私は自分の身と引き比べつつ辺見さんの文章を貪るように読んだ。私の父も若いころ神経質で怒りっぽく、パチンコ通いをした。が、暴力は振るわなかった。彼は外地に出征しなかったので心に傷を負っていない。私は恵まれていたというべきか。

ヌクヌク育った私と違って辺見さんの生い立ちは凍てついた風景の中にある。しかも彼はそれを仮借なく描く。『1★9★3★7』には思わず生唾を呑み込む場面がいくつもあるが、これもその一つだろう。

〈子どものころ、あの男を、父を、殺そうとおもったことがある〉。誰もいない入江で釣りをしていたときも一瞬〈殺意がわいた。かれもそうされるのを望むともなく望んでいたような気もする。しかし、殺さなかった。かれはすでに(少なくとも部分的には)死んでいたからだ〉

それから約半世紀、父親はがんで他界する。病状が重くなったころ「あの戦争はなんだったのだろう」と呟いた。「それをだれに訊きたいの? 昭和天皇に?」

と聞かれるとうんと肯いた。

虐殺を「なかった」ことにした自分への戒め

死の数日前、「出征してからはずっと、戦後もふくめて、すべてがダメになっていった」という意味のことをうめくように告げた。楽しかったのは学生時代、ボート部員として隅田川でボートを漕いでいたころだけ。戦後も、何も楽しくなかったという。

ミイラのように小さくなった体で父親は「スヌデ、スヌデ」(=昔の石巻弁で死にたい)とかすれ声でうわごとを言った。母は「頼むからそんなこと言わないで」と涙声で懇願した。

辺見さんは〈かれはもうすぐ逝くのをわかっていて「スヌデ……」をくりかえした。病気になってからではなく、復員してきてからずっと、間欠的に「スヌデ……」をつぶやきつづけていたのかもしれない〉と語る。

ならば、彼の父は中国でどんな体験をして「お化け」になったのか。辺見さんはその謎を解こうとする。手がかりになったのは、戦中の中国にいた作家や兵士らの証言である。

たとえば1937年12月の南京について'84年8月7日の毎日新聞は元陸軍伍長の話を報じた。彼は当時のスケッチ、メモ類をもとに捕虜一万人余の虐殺を詳細に証言している。それによると、南京で捕縛された捕虜たちは後ろ手に縛られて数珠つなぎにされ、収容所から4kmの揚子江岸に連行された。

「撃て!」の命令で約1時間の一斉射撃がつづいた。捕虜たちは逃げ惑う。水平撃ちの弾を避けようと屍体の上に這い上がり、高さ3~4mの人柱ができた。

生残った者は片っ端から突き殺された。石油をかけて燃やされた。人柱は南京の空にぼうぼうと燃えた。「我部隊が殺したのは一三五〇〇であった」と元伍長はメモに記した。

南京だけではない。中国側によれば、日中戦争での軍民死傷者は3500万人以上。正確な数字かどうかはともかく、日本軍は無造作に、さしたる理由もなく、中国各地で殺人と強奪と凌辱(「生肉の徴発」とも言われた)を繰り返した。

辺見さんは〈多くのニッポン人がそうした殺人を「戦争」の名のもとに帳消しにし、きれいさっぱりと忘却している〉と述べ、亡き父に問いかける。

「あなたは中国人になにをしたのか」「気まぐれに非戦闘員を殺したことはあるか」「強姦したことはあるか」「あなたがしなくても、部下の殺人、強姦を知っていて黙認したことはないか」……。

これは辺見さん自身の罪の告白でもある。なぜなら彼は生前の父にあえて事実を糺そうとしなかったから。そのようにして〈あったこと〉は忘れられる。忘れられると〈あったこと〉は徐々に〈なかったこと〉になる。

辺見さんはさらなる問いを自らの胸に錐のように突き立てる。おい、お前、1937年の中国で、お前なら殺さなかったか。上官の命令に背けたか。多数者がリクレーションのようにやっていた強姦を、絶対にやらなかったと言い切れるのか?

私の場合で言うなら、答えはノーである。とするなら、私にできるのは1937年が20××年に再現するのを防ぐ手立てを考えるぐらいか。でも、どうやって? 答えはたぶん過去の歴史に潜んでいる。過去をないがしろにして未来は作れない。

『1★9★3★7』の最後に辺見さんも言う。〈過去の跫音に耳をすまさなければならない。あの忍び足に耳をすませ! 現在が過去に追い抜かれ、未来に過去がやってくるかもしれない〉。

『週刊現代』2015年11月28日・12月5日号より

***********
他方、着々と愚行は積み重ねられ、病はますます昂進していく。

自民党 | 南京大虐殺「虐殺当てはまる事実は」再検討の動き - 毎日新聞(2015年11月19日 19時13分(最終更新 11月19日 19時13分))

 自民党国際情報検討委員会の原田義昭委員長は19日の党本部の会合で、旧日本軍による「南京大虐殺」について「虐殺の概念に当てはまる事実があったのか。もう一回歴史的な事実を総合的に検討すべきだ」と述べ、政府に対し、南京大虐殺に関する見解の再検討を求める意向を示した。

 会合では、10月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に中国が申請した南京大虐殺の資料が登録された問題を議論した。出席議員からは「南京事件がなかったという意見もある。歴史認識を再構築すべきではないか」「あいまいな表現をしているから国際社会からあらぬ誤解を受ける」などの意見が出た。

 政府は南京大虐殺について「非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない」との見解を示している。原田氏は外務省に対して、政府見解の基となる資料の提示を求める考えを示した。【小田中大】

毎日新聞は、これを論評抜きで報じている。

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2015/12/13

基本的人権に対する考えに男女差。若い世代ほど「差別は仕方がない」と考える傾向が強いという調査結果(横浜市)

興味深いのでメモ。

横浜市民意識調査 | 若い世代ほど「ネットの差別仕方ない」 - 毎日新聞(2015年12月13日 13時48分(最終更新 12月13日 13時48分))

 横浜市が5年に1度の「市人権施策基本指針」の改定に向け、市民の人権に対する意識に関するアンケートを行ったところ、インターネットでの差別や女性の人権に対する関心が、5年前より高くなったことが分かった。基本的人権に対する考えは、男女で大きな差が出た。若い世代ほど「差別は仕方がない」と考える傾向が強いことも分かった。

 アンケートは7月に実施。住民基本台帳から無作為抽出した市内在住の20歳以上の5000人の男女(外国人の住民は100人)に、人権への意識や差別の経験など41項目について郵送で尋ね、2021人(40.4%)から回答を得た。外国人は9人が答えた。

 関心のある人権を尋ねたところ(複数回答可)、最多は「インターネット上での人権」で45.6%。前回(33.9%)に比べ大幅に上昇した。次いで「子どもの人権」(44.3%)、「女性の人権」(44.2%)の順。前回は「障害者の人権」(46.5%)、「子どもの人権」(41.7%)、「高齢者の人権」(39.1%)だった。

 「インターネット上での人権」で問題視することは「他人の誹謗(ひぼう)中傷」が66.6%で最多。「一度掲載されると拡散して完全に消去できない」(48.1%)、「法的な整備が不十分」(37.7%)と続いた。「出会い系サイトなどの犯罪を誘発する」は前回の55.3%から35.6%、「児童ポルノの温床」は前回の40.6%から19.5%にと、いずれも大きく減少した。

 「今の日本は基本的人権が尊重されている社会か」という質問への回答は「そう思う」は32.0%で、前回の18.7%から増加した。ただ、回答は男女で大きな差が出た。「そう思う」は男性41.3%に対し、女性は24.7%。「どちらとも言えない」は男性41.6%に対し、女性が56.2%だった。

 差別に対する認識を尋ねたところ、22.7%が「差別のあることは仕方がない」と回答した。回答者を年代別でみると、20代で43.5%、30代で29.1%、40代で27.6%。80代以上は15.1%で、年代が低いほど「仕方がない」と考える傾向が強かった。

 市人権課は今後、アンケートの結果を分析した上で、市人権施策基本指針の改定に反映させる。【水戸健一】

差別された経験の内訳(複数回答可、単位は%)
今回前回
学歴18.824.8
年齢13.616.5
容姿11.212.2
性別10.012.9
収入8.410.9
職業7.111.4
家柄4.76.6
独身4.64.4
障害4.03.3
差別されたことはない43.338.5

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2015/12/08

経団連が一層の労働搾取をめざし政府に要望

経団連 人手不足対応に外国人受け入れ拡大を NHKニュース(12月7日 12時26分)

経団連の榊原会長は7日、加藤一億総活躍担当大臣と東京都内で会談し、介護や建設業界で深刻化している人手不足に対応するには外国人の活用が重要だとして、受け入れの拡大に必要な法改正などを要望しました。
会談の中で加藤大臣は「先月26日に取りまとめた緊急対策には、民間に期待される取り組みを別立てで掲げている。企業において多くの雇用がなされており、働き方の面でのさまざまな取り組みを展開してもらっているが、さらに強い『三本の矢』につながるようお願いしたい」と述べ、ワークライフバランスの確立など、働き方改革に向けた積極的な取り組みを求めました。
一方、経団連側からは、介護や建設業界で深刻になっている人手不足に対応するためには、外国人の受け入れが重要だと指摘したうえで、とりわけ介護の人材はインドネシアやフィリピンなどEPA=経済連携協定に基づいてすでに受け入れている国以外からも受け入れられるよう、入国管理法の改正などを要望しました。
これに対して加藤大臣は、2020年には介護の人材が20万人の規模で不足するという見通しもあるとしたうえで、さまざまな受け入れ方法を検討していく考えを示しました。
・経団連の榊原会長が加藤一億総活躍相と会談
・加藤大臣:ワークライフバランスの確立など、働き方改革の取り組みを要望
・榊原会長:入管法改正を要望。特に建設・介護を対象。
・加藤大臣:外国人労働者の規制緩和に取り組んでいく意向を表明。

先日の保育士不足の報道と合わせ、どうしてもこの分野で賃上げをするつもりはないらしい。
低賃金で外国人を導入する策など焼け石に水だということは分かっているはず。
狙いの本質は別のところにあるだろう。少なくとも医療福祉は本丸ではない。
また、「働き方改革」と抱き合わせで労働規制緩和・非正規化も狙われている。

ついでに別のNHKニュース。

NHK NEWS WEB 急増する「中年フリーター」(12月7日 18時20分)

いま、中年のフリーターが急増しています。
35歳から54歳までの非正規労働者は、この15年間で2.5倍に増え、273万人に上っています。この中には、正社員になりたくてもなれず、アルバイトを転々とするなど不本意な形で働いている人も少なくありません。こうした「中年フリーター」とも呼ばれる人たちが高齢化する近い将来、社会的な負担が増えることも懸念されています。
とのことだが、以下に指摘されているとおり、単に「フリーター」が年を取ってきただけのこと。規制緩和と雇用崩壊が本格化した初めの世代が「中年」にさしかかってきたにすぎない。

はてなブックマーク - NHK NEWS WEB 急増する「中年フリーター」

従って、
・非正規層の固定化:いったん非正規に落ち込むと、その地位を改善するのは難しい。
・高齢非正規の増加:今後はこの層がますます増加蓄積されていく。
という二つのことが分かる。

「多様な働き方」や「雇用の流動化」が、労働者に不利益を強いる一方、貧困にまつわる社会的費用を発生させることを示している。

ちなみに「中年フリーター問題」は別に最近現れたわけではなくて、ずっと以前から存在しているし、高学歴なのに非正規で食いつないで貧困化しているシルバー世代だっている。だから、NHKの書き方には違和感を覚えてしまう。

中年フリーターの実態は

急増している中年フリーター。私たちは、都内の飲食店でアルバイトをしている38歳の男性から話を聞くことができました。
男性は、毎晩遅くまで働いて帰宅するのは午前0時過ぎですが、日当は7650円。週に5日ほど働いて年収は250万円余りです。

生活はギリギリで貯金をする余裕はないといいます。
男性がフリーターになったのは、大学時代の就職活動につまずいたのがきっかけでした。都内の有名大学に通っていましたが、就職活動を行ったのはITバブル崩壊で“氷河期”と言われた2001年。希望する会社から内定をもらうことはできなかったといいます。その後、引っ越しやビラ配りなどのアルバイトをして生活し、これまで正社員として働いた経験は一度もありません。
最近、長年交際していた女性とも別れることになり、男性はこうした生活から抜け出そうと正社員での就職を目指しています。しかし、40歳を前にして、アルバイトの経験しかないことが高い壁になっていると感じています。
男性は「学生時代は、将来、会社に勤めて家庭を築いていると自分の姿を思い浮かべていたが、こうした生活になるとは想像してもいませんでした。正社員になりたくても、年齢や経歴がハードルになってきて、このまま年を取ったらどうなるのか、とても不安です」と話していました。

支援に乗り出す東京都

総務省の調査によりますと、35歳から54歳までの非正規労働者(学生・既婚女性は除く)は規制緩和による働き方の多様化や、企業側が人件費を抑えようとしたことなどを背景に増え続け、ことしの時点で273万人と、この15年間で2.5倍に増えています。

国は、全国のハローワークなどを通じて支援に取り組んでいますが、企業は、若い人材を求める傾向が強く、30代以上のフリーターは敬遠されがちなのが実態です。

こうした状況を打開しようと、東京都は、ことしに入り、30歳から44歳の人を対象にした独自の就職支援に乗り出しました。そのひとつがビジネスマナーなど基礎的な訓練や企業訪問をしてもらい、3か月後に正社員になってもらおうというものです。先月下旬、都内の会場を取材すると、20人余りが新聞を使ったトレーニングに取り組んでいました。

配られた新聞から企業に関する記事などを選び感想を発表。みずから考え、表現する力を鍛えるのがねらいです。プログラムで講師を務める人材派遣会社の担当者は「アルバイトや派遣など非正規雇用の経験が長い人たちは指示待ちや受け身の姿勢が見られ、こうした課題の改善に力を入れている」と話していました。
また、企業訪問では希望する職種以外にも視野を広げてもらおうと、金融や建設、介護などさまざまな業種を訪ねていました。

受講者の42歳の女性は「自分には向いていないと思った業種でも実際に話を聞いてみると、興味が沸いてくることもあり、就職活動の幅を広げることにつながっています」と話していました。

企業への働きかけも

東京都では、さらに、若い人の採用に偏りがちな企業側への働きかけも行っています。正社員を希望する中年の非正規労働者を試しに雇ってもらおうという取り組みで、期間となる1か月、東京都が給料を負担します。
この取り組みで働き始めた男性を取材することができました。坂元竹秀さん、41歳です。

坂元さんは、オフィス機器のシステム開発会社で営業社員として働いています。これまでアルバイトとしてコンピュータ関連の会社で作業員をした経験はありますが、営業の経験はありません。このため、当初は、営業の仕事は希望していませんでしたが、東京都の担当者から勧められ、今回、チャレンジすることにしたといいます。
一方、坂元さんの紹介を受けたシステム開発会社では、営業社員を募集していましたが人材が集まらず、頭を悩ませていたといいます。東京都からの申し出を受け入れ、営業経験のない坂元さんを試しに雇うことにしました。この会社の牧野幸雄社長は「営業経験がないために仕事を覚えるまで時間はかかるが、本人のやる気を評価して思い切って決断した」と話しています。

坂元さんは1か月の試用期間を経て、正社員として採用されました。慣れない仕事ながらも、これまでにない前向きな気持ちで働いているといいます。坂元さんは「今までは1年後に自分がどうしているかもわからなかったが、今は、仕事に励んでいる姿を思い描くことができる。正社員になれたことで安心感とやる気を感じています」と話していました。

問題解決に向けて

労働市場は今、人手不足と言われていますが、中年フリーターはその経歴や年齢から、いわば取り残されているというのが、今回の取材を通しての実感です。東京都は、人手不足のいまこそ、企業に対し中年の非正規労働者にも目を向けてほしいと変化を促しています。取り組みはまだ始まったばかりで正社員として採用されるケースはそれほど多くはありませんが、坂元さんのように働く側がこれまでの経歴にとらわれず、新しい仕事にチャレンジし、企業にとっても新たな人材の獲得につながるということになれば、ひとつの解決策になるのではないかと思います。
フリーターは多様化する働き方のひとつではあるものの、社会への影響も少なくありません。将来、高齢化した際に生活保護に陥るリスクも高く、社会保障などにかかる費用が14兆円に上るという試算もあり、より本格的な対策が求められていると思います。

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