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2015/12/25

事実を指摘されると冷静さを失う人たち

何かと思ったら、人殺しを名誉だと尊ぶ人たちの話だった。

市議「殺人練習の学校」発言(2015年12月25日(金)掲載) - Yahoo!ニュース(2015年12月25日(金) 9時53分掲載)

■上尾市報で「陸自工科校生徒募集」

 高校教育と陸上自衛官の人材育成を行う陸上自衛隊高等工科学校(神奈川県横須賀市)について、埼玉県上尾市の平田通子市議(59)=共産=が、市議会で同市広報誌への生徒募集掲載を中止するよう求めた際、「人を殺す練習をしている学校」と発言していたことが24日、議会関係者への取材で分かった。(産経新聞)

うっかり踏んでしまったが、産経だった。で、やっぱりアレな記事だった。

高等工科学校は一応戦闘訓練とかもあるようで、そういう点では別に「殺人練習」をしていることに疑いはない。
まあ「殺人練習の学校」という表現に罵倒や非難のニュアンスがないかと言えばそうではない。兵隊を殺人鬼と呼ぶことは名誉を傷つけ、さげすむ意味でしばしば行われるし、実際、それで傷ついた帰還兵たちは大勢いる。

そこで興味深いのは、確かに人殺しであり、殺人の訓練をしているにも関わらず、その負の側面を露骨に示されると名誉を傷つけられたと思ってしまう心性である。

「その通りです、人殺しです。それの何が悪いのですか。」

そう堂々と反駁することができない、つまり、「やっぱり自分がしているのは人殺しであり、殺人の訓練であり、それはやましいことなのだ」という思いがあるということだろう。国防のためには人殺しも正しいという正当化ができていないのだ。

そして、この「殺人練習の学校」という誹謗に怒る人たちもまた、「やっぱりやましいよなあ」と思っているということだ。

「その通り殺人練習の学校です。しかしそれは正しいのです。それが分からないのですね。」

そのように正面から反論し、「殺人練習をするけれども、それは正しいことだから行うのだ、そういう学校なのだ」というポリシーで生徒を募集すればよいのだが、そうすることができないわけである。
あるいは、自分たちはそう思っているが、その考え方で世間を説得できない、とりわけ中学生の保護者たちを納得させられないと思っているということだ。もしそうならば、きれい事でごまがして、要するにウソをついて生徒を募集しているというわけである。

******
おそらくどこの国であっても、軍隊を殺人者集団と誹ることは彼らの名誉を傷つける。軍隊には「国を守る英雄」という美化がついて回る。そして実際に多数の「敵」を殺し、「敵国」を破壊した人には名誉を与えるという制度が設けられている。これらの晴れがましさと格好良さは、人を殺すこと、また、人をして人を殺させること、それへのやましさや後ろ暗さと裏腹の関係にある。


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コメント

判断能力の無い脳死の幼児から臓器を無理やり摘出するのは
明らかに殺人行為で猟奇殺人なのに誰も言わない。
事故で意識不明の人間を包丁でさばいたら間違いなく殺人なのに
脳死状態で元気な時に「私の体をさばいて良いですよ」と言ったり
家族が「止めをさして殺して解体して山分けしよう」
と言ったら善意の素晴らしい行為だと誉められるし、
誰も「同意があろうと殺人行為ですよ」
「猟奇殺人だね」と言わない。
そういう人達の一部がとりあえず自衛隊については
「人殺しの訓練と言って受けを狙おう」という発想になるが
それが一番問題に感じる。
単に臓器移植反対ではなく「殺人行為をやめなさい」と
臓器移植に対していうべきだとドナーや患者に対しても
「人殺しは良くない」とはっきり言うのが一番初めに来る。
何しろ自衛隊のほとんどは人殺しそのものはやってないが
臓器移植をやっている。既に人殺しをしている。
また臓器移植をやりたい人間は毎日臓器を狙っている。
そういう状態でたかだか人殺しの訓練ごときを言うのは全く無意味。

投稿: 臓器移植は猟期行為 | 2016/04/27 04:16

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