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2016年2月の19件の記事

2016/02/26

部落差別に関する朝日新聞のレポート

隠れた部落差別、今も ふるさとの料理出したら離れた客:朝日新聞デジタル(2015年12月24日13時40分)

同和教育への反対では「寝た子を起こすな」論がある。差別があると教えることが差別を再生産する、被差別部落という存在を知らない世代が増えることで差別がなくなっていくという考え方だ。私の祖母もそういう考えを持っていた一人だった。小学校で同和学習をしてきた私に対して、祖母は「そういうことを教えるから子供が好奇心を持ってしまい、どこが部落なのか、誰が部落出身者なのかと探すようになる」と言ったのだった。

私は言葉を返すことができなかった。子供ながらに反論したかったのだが、「そんなことをする子供など現れない」とは思えなかったのだ。そういう可能性がある限り、同和教育が差別を助長する効果は否定できない。だから反論できないと思ったのだった。

その後、寝た子を起こすな論への反論方法をいくつか知った。ただ、同和教育が必要だと私が思う理由の中で特に大切だと思うのは、同和教育が、生徒自らが関わるリアルな人権問題を学ぶ機会を与えているということだ。部落差別は言うまでもないが、それにとどまらず出身や門戸に関わる差別意識、差別行動は広範かつ根強く存在している。私の身近な小さな一例を挙げれば、妻に方言を禁じた夫がいる。部落出身者ではない多くの人にとって、同和教育は、自分の本当に身近に差別があり、自分が無意識に差別に荷担してしまう可能性を実感する機会になると思うのだ。
だが、寝た子を起こすな論が言うように、同和教育には露悪的な嗜好を刺激する効果もある。だからその教育方法が重要だ。差別がどのように現れるのかを学ぶこと、自分が差別の現場に直面した時に自分が差別者に荷担しない勇気、被差別者を守る勇気を持てるのかを問うことは基本的に重要だ。自らが差別者である可能性(というか、現状に生きればすでに差別者になっているのだけれど)を忘れず、差別に立ち向かう実践的な知恵を体得する機会にしなければならないのだと思う。

なお、上記の記事は、もとは朝日新聞愛知県版(名古屋版?)の夕刊掲載の記事らしい。記事見出しは、「隠れた部落差別「今も」 解放同盟愛知県連、結成40年」となっており、インターネット版とは異なっている。以下本文。

 部落差別の解消に向けて運動してきた部落解放同盟愛知県連合会(吉田勝夫委員長)が今年、結成40年を迎えた。生まれた場所などで忌避される部落差別。国や自治体に働きかけて、住環境などの改善や啓発を進めてきた。差別の実態は見えにくくなったが「様々な日常の場面で差別は残っている」と解放同盟県連幹部は話す。

 名古屋市で居酒屋を経営する山本義治さん(38)は今年6月、生まれ育った地域で親しんできた料理をメニューとして紹介した。とたんに離れた客がいた。ふるさとは被差別部落とされた地域だ。
 「またか。まだ差別は残っているんだな」と感じた。「出身地を恥じることはない」という信念に基づく行動だったから、メニューはそのままで「スタイルは変えない」と言う。「生身の人間を見て、つきあってほしい」
 県西部の男性(40)は、小・中学生の娘2人には自分が結婚した時の体験を、まだ伝えられていない。
 20代の頃、妻にプロポーズした際「できないかもしれないよ」と出身地を告白された。自分の両親には「親族の結婚の妨げになる」と認められず、家を出た。披露宴に男性の両親や親族の姿はなかった。
 「結婚したい人と一緒になれたことが一番幸せ」と結婚は後悔していないが、娘たちには「いつか言わなきゃとは思う。だけど、娘の友だちやその親の反応が怖い」。

 ■生活環境は改善
 同和対策事業特別措置法に基づき、1969年に環境改善が必要な地区に指定された県内のある地域では80~90年代、約4割が共同住宅に建て替えられた。1棟で2世帯用の共同住宅が軒を連ねる。消防車も入れない狭い道は一部残るが、主な道は広げられた。
 こうした状況を受け、全国地域人権運動総連合議長の丹波正史(せいし)さん(68)は「差別は全くなくなったわけではないが、部落差別の問題は大きく克服した」と話す。同団体は、解放同盟から運動方針を巡り分立した全国部落解放運動連合会(全解連)を受け継ぐ。全解連は2004年、「社会問題としての部落差別は解消した」として解散した。
 だが、この地区より、隣接する他の地区の路線価は2・5倍も上回る。付近の不動産会社は「まず購入する人がいない。価格の差より価値は低い」と明かす。
 07年には、被差別部落として地名などを掲載したホームページ「B地区にようこそ!in愛知県」の作成者が名誉毀損(きそん)の疑いで逮捕される事件が起きた。インターネット上には今も、差別的な書き込みが絶えない。解放同盟では、書き込みを見つけるたびに削除依頼などの対応を続ける。
 解放同盟県連の支部長加藤吉雄(きちお)さん(70)は、最近知り合った人に出身地を明かすと「あそこの人には見えんね」と言われた。「胸を張ってふるさとを語れないことがどれほど悲しいか。自分に置き換えて考えてほしい」(小若理恵)

 ■「同和地区の物件避ける」35% 愛知県調査
 愛知県は人権意識調査を2002年度以来5年ごとに実施している。「日本社会に『同和地区』『被差別部落』とよばれ、差別を受けてきた地区があること、あるいは『同和問題』『部落差別』といわれる問題があることを知っているか」の問いに、「知らない」と答えた人は12年度で31・3%。07年度27・2%、02年度30・0%と横ばいだ。
 一方、「同和地区の人と結婚しようとする時、親や親戚から強い反対を受けたらどうしますか」という問いに、12年度で「家族や親戚の反対があれば結婚しない」と「絶対に結婚しない」を合わせて31・2%が「結婚しない」と答えた。この割合は調査ごとに増えている。また、12年度の調査で加えられた「住宅を選ぶ際、同和地区にある物件を避けるか」という問いには、35・5%が「避ける」と答えた。
 「部落差別はそっとしておけばなくなる」という考え方に対し、調査報告書は「正しい知識を伝えなければ誤った考えが広がり、差別の助長につながる」と訴える。
 12年度調査は県内在住の20歳以上の男女3千人を無作為抽出し郵送で調査。1361人(有効回収率45・4%)から回答があった。

この記事には、上記アンケート調査の一部結果が出ているので、その図を書き起こしておく。

設問:住宅を選ぶ際、同和地区にある物件を避けることはありますか
1.同和地区や同和地区と同じ小学校区にある物件は避ける:21.9%
2.同和地区にある物件は避けるが、同和地区と同じ小学校区にある物件は避けない:13.6%
3.いずれにあってもこだわらない:29.7%
4.わからない:30.2%
5.その他:1.2%
6.不明・無回答:3.3%

人権アンケートは興味深いが、そもそもこの種の質問への回答には「善い人であろう」とするバイアスがかかるだろうことを考えると、実際の「避ける」行動の割合はもっと高いのだろう、即ち、少なくとも3分の1以上の人が部落差別に荷担していると言えるだろう。

ここで、この設問が住宅購入についてだと想定し、物件購入に夫婦の合意が必要だと考えてみる。
同和地区を敢えて選ぶ積極的な理由はあまりないだろうから、夫婦のどちらか片方が「土地柄が悪い」と言った場合には、その物件を忌避する可能性が高まるだろう。すると、実際の「避ける」行動は、上記アンケート調査の結果よりももっと高いことになる。このことは、上の記事で、不動産会社が「まず購入する人がいない。価格の差より価値は低い」と言っていることと符合している。

今現在の日本で、自分が部落差別に荷担していると思っている人は少ないだろう。しかし、現実には同和地区の不動産を買おうという人はほとんどいないというわけだ。これが21世紀の我々の現実である。

さて、「おっ、いいな。ここに住みたいな」と思った物件が実は同和地区の中にあったと分かったとする。あるいは、あなたが気に入った不動産を、あなたの家族が「いやあ、あの地区はちょっと……」と嫌がったとする。
あなたはその物件を避けますか?

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2016/02/24

少しずつ組み上がっていった戦時体制

証言でつづる戦争:教育 千の証言から 第1部/13 学校を支配した将校 - 毎日新聞(2016年2月23日)

 山梨の旧制甲府中(現甲府第一高)で数学教員を務めた伊藤忠一(故人)は、学校が軍に牛耳られた戦時中の後悔を、戦後文章に残した。「軍事教練が取り入れられ、(教育は)軍隊教育の出先となった。世界の一等国と思い込ませ、世界に君臨するが如(ごと)く説き、心にない事を言わなければならなかった」

 まずは左の写真を見てほしい。

 1932(昭和7)年3月、教員たちの中央に座るのが軍服姿の配属将校である。どっしり構え、向かって左隣の校長は肩身が狭いように見える。これ以外にも多数の写真が次女楠祐子(86)=山梨県=のもとに残され、生徒たちと写る部活動の集合写真では教員を押しのけ、真ん中に座る。「校長よりも強い権限を持ち学校を支配していた」。そんな証言は数多くある。

 配属将校は、25(大正14)年に陸軍現役将校学校配属令が公布され、中学校以上の学校に配置された。軍事知識の習得や教練実施が目的とされたが、実はリストラ策の側面もある。当時、第一次大戦の反省などから世界的に軍縮が加速し、日本も師団の削減を実施する。あふれた将校たちの受け皿になったのが学校だった。

 配属将校は、軍事訓練など教練を受け持つ。それに合格しなければ進学も難しく、軍に入っても不利とされた。教員は配属将校の顔色をうかがうようになり、口出しできない存在になる。日中戦争勃発直後には増員が発表される。37年9月10日の東京日日新聞(現毎日新聞)は「配属将校召募 約百人」と報じ、現役ではない予備役将校らも受け入れる制度に変更された。

 これには、戦力となる若者をよりきめ細かく軍に送る狙いもあったのだろう。伊藤は「中学3年の少年たちに、予科練や少年航空兵に出るよう勧める役までしなくてはならない。中学教育は軍人の支配を受け変態(異常な状態)になってしまい、亡国の兆しが見えた」と言及。教師に圧力をかける配属将校の姿が浮かぶ。

 陸軍が想定する国家総動員体制は、国民学校での皇国教育や配属将校による軍事教練など、学校現場を組み込むことでより安定する。

 だが国際情勢は厳しい方向に進む。40年の日独伊三国同盟に加え、41年4月には日ソ中立条約を締結するが、米国は、在米日本資産凍結に続き、石油の対日全面禁輸に踏み切る。和平を模索するものの時間切れとなり、ついにあの日を迎える。(敬称略)<文 砂間裕之>

1925年に陸軍現役将校学校配属令が公布。中学校以上の学校に陸軍将校が配属された。

軍縮のリストラ策でもあった学校への配属が、徐々に軍による学校支配に転じていく。
そして生徒・学生が軍へ進む道の地ならしにもなっていく。

きっと、その折々には、それほど大きな変更ではないと思われていたのではないか。
小さな出発点が、時間をかけて大きな変質を生んだ一例ではなかろうか。

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滅びの道は私たちが作っている

声優さんがまさかの方法で痴漢を捕獲→痴漢青ざめて逃走「すげえ」「そりゃ双方驚くよ」 - Togetterまとめ
はてなブックマーク - 声優さんが痴漢を捕獲した方法がスゴ過ぎて話題に→痴漢青ざめて逃走「そりゃ双方驚くよね」 - Togetterまとめ

朝、女性がエレベータを待っていると、後ろの男性が尻に指を突っ込んできたという話。
この女性が笑い話のように語る調子に引きずられたのか、後に続くコメントが皆軽い。

その中で、これが笑い話ではないことを指摘したり、女性が日常的にこうした危険に向き合っていることを指摘しているコメントは少ない。

笑い話みたいになってるけど、笑えんよな。本人が明るいからそう見えるってだけ。
ただの笑い話で済まさんで欲しいよな見てる人は。
笑えるように書いてあるけど…これ、エレベーターで後ろから突然、股間の奥に向けて指を突っ込まれたって話。深夜でもない、朝。かなりの恐怖体験だから。でも、こういう卑劣な痴漢、本当に多いんだ。満員電車だけじゃなく、あらゆるところで。笑った後に、身近な女性の(幼児も男性も遭う)被害に、どうか気がついてあげて欲しい。
強調は引用者による。

この記事を思い出した。

男性は知らない。すべての女性がやっていることを。 | Gretchen Kelly(投稿日: 2015年12月07日 20時21分 JST 更新: 2015年12月12日 21時33分 JST)

私たちは怒りや恐怖や失望を、表に出すことはありません。笑顔を取り繕ったり、軽く笑ったりして、何もなかったかのように振る舞うのです。おおごとにならないよう努めるのです。心の中でも態度でも騒ぎ立てたりはしません。そうしなければ、大きな対立を招くかもしれないからです。

そうする方法を、私たちは子供のころから学びます。それに名前をつけたり、他の女の子も同じことをしているのかなんて考えたこともありませんでした。それは独学で得るものです。観察して、自分の行動がどんな結果を招くかを素早く察知するのです。

友達がそういう目に遭っているのを、私たちは知っています。そうしたことを何度も聞いて、当たり前になっています。真剣に考えることもありません。ある日、自分が本当に危険な状況に直面するまで、体の関係を迫った男友達が強姦の罪で告訴されるまで、大晦日に一人で働いている時にボスがやってきて無理やり年越しのキスをするまで、真剣に考えないのです。

こうしたあまりにひどい出来事が起きた時は、それも友達や恋人た夫に話すかもしれません。でもそれ以外のことは? 結局何も起こらなかったけれど、私たちを嫌な気持ち、不安な気持ちにさせた出来事を、わざわざ非難したりはしません。

それが女性の現実なのです。

嫌な気持ちになっても笑って済ませます。なぜなら他に選択肢はないと思えたから。

当事者が笑い飛ばしていても、問題が小さいとは言えない。状況のコミカルさに目を奪われると、痴漢問題の深刻さが隠されてしまいかねない。

ずっと以前、知人の女性の何人かから痴漢や声かけ、セクハラに類する被害経験について話を聞いたことがあるのだが、出てくる経験談の多さに驚いた。女性は皆ごく当然のように日常的にこの種の危険と不安の中に生きているんだと思わされたのを覚えている。

こうした認識のズレはかなり広範なものだ。日常的な性的リスクについて男女間の意識ギャップが大きいという話は、次の記事からも伺える。

レイプから身を守るためにアメリカの女性たちが身につける護身用グッズ(画像集)(投稿日: 2015年05月13日 21時19分 JST 更新: 2015年05月13日 21時19分 JST)

女子学生たちが多くの護身用グッズを持っていたことは、本人たちにとってはまったく驚きではなかったが、男子学生たちにはショックだったようだ、とヨコムさんは話す。
……(中略)……
自身のウェブサイトでヨコムさんは、女子学生が手にしている武器は「女性が毎日直面している現実を表すものであり、レイプ問題に悩む社会で『常に警戒している』ための必需品」だと説明している。
……(中略)……
ヨコムさんは「『女性のほうも求めていた』と言われたり、酔っぱらっていたことを責められることに、女性がどう向き合っているのかを、この写真集で表現したい」と話している。
軽く語られているからといって軽く受け止めてはいけない。全く語られていないからといって問題がないわけではない。非当事者である我々が受け流してしまうことが問題の温存につながっていく。

********
大阪市の教科書採択で、育鵬社を推す運動に企業ぐるみの動員がかかっていた。

同一文面で育鵬社「支持」 大阪市教科書アンケート、動員か - 共同通信 47NEWS(2016/2/22 23:06)

 大阪市教育委員会が昨年8月の中学社会科教科書採択で参考にするため保護者らを対象に実施した無記名のアンケートをめぐり、採択された育鵬社版を支持した回答中、1人で10枚以上記載したと疑われるケースが多数あることが22日、分かった。文面や筆跡が似通っていた。企業の動員が背景にある可能性もあり、採択の公正さをどう担保するか議論を呼びそうだ。

 市教委は採択審議冒頭、育鵬社に肯定的な意見が約7割、否定的な意見が約3割と報告した。市民団体が情報公開請求で回答の写しを入手。共同通信が分析したところほぼ同じ文面で筆跡の似た回答が10枚以上あるケースが少なくとも8例あった。

詳細が以下のブログ記事に書かれている。

大阪市の育鵬社採択で新たな不正が発覚!2/23大阪市議会で追及予定! - グループZAZA(2016-02-22 07:17:16)
「子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会」のブログ
同会が大阪市議会に提出した陳情書の記事

これらによると、この動員の本体はフジ住宅らしい。
フジ住宅については、過去に何回か記事にしたことがある。
フジ住宅と今井光郎氏の研究会: 思いついたことをなんでも書いていくブログ
「一般社団法人今井光郎幼児教育会」が助成した幼稚園と保育園: 思いついたことをなんでも書いていくブログ

今回の動員のきっかけは、フジ住宅の今井会長に育鵬社の関係者が「数多く教科書アンケートを記入していただければ、育鵬社に採択される可能性が高くなる」と告げたことだったという。

そして、数字からするとアンケートで育鵬社を支持する意見の大半がこの動員によるものだと思われる。
また、
・勤務時間中の活動を認め、時間給を支払う
・制服や社章を取るなど、会社の関与を隠す工作を支持
・アンケート用紙を大量に持ち帰らせ、秘書室で分別管理、例文を示す
など、動員が会社ぐるみだったらしいことも伺える。

これについて、教育委員会は
「アンケートは参考資料。教委の責任で公平に採択した」
「アンケートの結果は重視しておらず、採択の決め手ではない」
と市議会で答弁しているそうだ(下記朝日新聞記事)。

大阪市教委の教科書巡る住民調査に動員か 育鵬社版採用:朝日新聞デジタル(2016年2月24日09時02分)

 昨夏にあった大阪市立中学校の歴史・公民教科書の採択の参考となった住民らを対象にした市教委のアンケートをめぐり、「組織的動員で育鵬社版への肯定意見が多数を占めた疑いがある。育鵬社版は公平に採択されたのか」という指摘が、23日の市議会の委員会で相次いだ。市教委は「アンケートは参考資料。教委の責任で公平に採択した」としている。

 昨年8月、市教委は委員6人による多数決で今春から使う歴史・公民の教科書に「新しい歴史教科書をつくる会」の元幹部らが編集した育鵬社版を採択した。採択前の同6~7月、市教委が市内の教科書展示会場で住民らにアンケートした結果、育鵬社版に肯定的な意見が全体の約7割の779件を占めた。

 これについて、大阪の教員らでつくる市民団体「子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会」が情報公開請求でアンケートの回答の写しを入手。自由記述欄に育鵬社版以外を「自虐史観に満ち溢れた教科書ばかり」などとほぼ同一の文面で記され、筆跡も似たものが複数あったとして、市議会に真相究明を求める陳情書を提出していた。

 この日の市議会で、市教委の大森不二雄委員長は「アンケートの結果は重視しておらず、採択の決め手ではない」と答弁。ただ、アンケートは匿名で実施したことから「組織的動員はあったかもしれない」とし、実施方法の改善を検討すると述べた。(長野佑介)

ただ、「アンケート結果は審議に影響ない」とする市教委の立場は、上のブログ記事によれば、かなり疑わしい。というのは、

・市教委は、採択会議の冒頭で市民アンケートの結果(育鵬社に肯定意見が約7割、否定意見が約3割)を報告したが、市教委が特定教科書の賛否数(割合)だけを報告するのは初めてのことであった。
・アンケートの回答内容を一読すればその異常さが明らかであったにもかかわらず、大阪市教委はこれをわざわざ数値化し、採択会議の冒頭で報告した。
・そもそも、「アンケート結果が採択に重要だ」ということをなぜ育鵬社が事前に知っていたのか。

ということで、市教委がもともと育鵬社に肩入れしていたらしいことが伺えるからである。

育鵬社の問題は、よく知られているように、自民党などが各地で採択運動を行っているが、ちょうどこの時期、次のような記事があった。

保守色系教科書推す自民 月末期限の採択に合わせパンフ:朝日新聞デジタル(2015年8月21日07時03)(魚拓

 自民党が教育現場への関与を強めようとしている。8月末が期限の4年に1度の教科書採択に合わせ、保守色の強い教科書を選んでもらうためのパンフレットを作成。地方議員が議会で質問することなどを通じ、採択権限を持つ市町村教委にはたらきかけることをねらう。さらに、政治的中立を私立高校の教員にも求める法改正も検討している。

 「より良い教科書を子供たちに届けるために」

 安倍晋三首相に近い議員でつくる議員連盟「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」(会長=古屋圭司衆院議員)は先月、こんなタイトルのパンフレットを作り、全国の自民の地方議員に配った。

 パンフレットには「議会質問用参考資料」とも書かれており、冒頭で「安倍内閣の教育再生の成果として、教科書は大きく変わった。しかし、記述にはいまだバラツキがある」と指摘。第2次安倍政権で初めて作られた今回の社会科教科書は、領土問題や近現代史で政府の見解や立場を強調する記述が盛られているが、まだ満足できないとの認識で「都道府県議会、市町村議会でのしっかりした検証」を求めている。

 さらに、「国旗・国歌」「領土」「自衛隊」「拉致問題」「外国人参政権」「南京事件」「慰安婦」などの項目について出版社8社の教科書の記述を比較。「圧力」との批判を防ぐため、特定の社を支持する明確な表現はないが、保守色の強い教科書に対しては、国旗や国歌について「特集ページで詳しく記述している」などと好意的に紹介している。

 一方、それ以外の教科書に対しては、拉致問題について「索引に拉致問題が載っていない教科書があります」「子供たちが参照しやすいように改善することが求められる」と評したほか、北方領土についての表現を「ソ連・ロシアの行為を不法とは記述していません」と指摘するなど、否定的なニュアンスをにじませている。

教科書採択は今月末までに各地で終わる予定で、これまでに大阪市教委や横浜市教委が「新しい歴史教科書をつくる会」の流れをくむ育鵬社の歴史・公民教科書を選定。17日には沖縄県石垣市と与那国町の中学校で、同社の教科書の採択が決まった。

 議連幹部の一人は「今回は全教科書がおおむね、我々のストライクゾーンに収まったが、まだ自虐的な表現の教科書はある。このパンフを見れば、党の地方議員がどの教科書がいいか分かるはずだ」。保守色の強い教科書を採択するよう、地方議員を通じて地元教委に働きかけてもらうねらいが透ける。

■教員への規制拡大案も

 一方、自民党は教員に対する「政治的中立」の要求を強める。政治的中立を逸脱した公立高校教員に罰則を科す法改正を安倍首相に提言したのに続き、対象を私立にも広げようという動きを見せる。

 小中学校の教員が対象で、罰則規定が盛り込まれている「義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法」について、「義務教育」を「公教育」に変え、私立高校まで規制を拡大させる案が浮上している。

 党内の「日教組(日本教職員組合)が偏向教育をしている」との声を受け、対象を公立高に絞っていたが、党幹部は「私立の影響力が強い地域もある。公立教員だけでは不十分だ」と話す。

 来夏の参院選から、選挙権年齢が18歳以上になることに合わせた動きで、子どもたちに政治参加を促す「主権者教育」のあり方を議論する中で、最終的な方針を決める見通しだ。しかし、党内には「政権党として特定の団体を『狙い撃ち』するようなやり方はすべきではない」(文部科学部会幹部)との意見も根強くある。(相原亮)

そして、大阪市教委での教科書採択に関して、育鵬社の採択運動に動員がかかっていることも以前から報じられていた。私もその記事は読んでいたのだが、うかつにも記述を見落としていたのだった。

育鵬社教科書の採択運動「強要され苦痛」 勤務先を提訴:朝日新聞デジタル(2015年9月1日10時59分)

 「新しい歴史教科書をつくる会」の元幹部らが編集した育鵬社(いくほうしゃ)の中学教科書をめぐり、勤務先から採択推進運動に協力を求められ苦痛を受けたなどとして、東証1部上場の不動産大手・フジ住宅(大阪府岸和田市)で働く在日韓国人の40代女性が8月31日、会社側に慰謝料など3300万円の賠償を求める訴訟を大阪地裁岸和田支部に起こした。

 女性は2002年からパート社員として勤務。訴状によると、社内では一昨年ごろから中国や韓国を批判する書籍や雑誌記事のほか、それらを読んだ社員が「中国、韓国の国民性は私も大嫌い」などとする感想文のコピーがほぼ連日、フジ住宅の会長(69)名で社員に配られたという。

 今年5月には、太平洋戦争について「欧米による植民地支配からアジアの国々を解放」するとの目的が掲げられた点などを強調した育鵬社の教科書を称賛する文書を配布。各地の教育委員会が採択するよう、社員が住所地の市長や教育長らに手紙を書き、各教委の教科書展示会でアンケートに答えるよう促し、「勤務時間中にしていただいて結構です」と書き添えていた。

 原告女性は、社内文書について「(韓国人は)利己的な人が多い」「噓(うそ)が蔓延(まんえん)している民族性」など差別的表現が多いとし、提訴後の会見で「偏見で社内が盛り上がっていくのが怖かった。私のような存在の居場所がなくなる」と心情を説明。会長が社員に採択運動への協力を求めることは事実上の強要であり、憲法が保障する人格権の侵害だとして、会社と会長には賠償責任があると訴えた。

 フジ住宅は「訴状が届いていないのでコメント致しかねる」としている。

 育鵬社の教科書の全国シェアは今年度、「歴史」「公民」とも業界5位の約4%だったが、今夏、大阪市や横浜市など都市部で来年度用に相次ぎ採択され、さらに伸びるとみられる。原告側によると、フジ住宅の社員らが実際に手紙を送ったとみられる自治体は関西に40以上あるという。(阿部峻介)

この記事にはフジ住宅が動員を呼びかける文書の一部が写真として掲載されている。その一部を書き起こしておく。
R)各教科書展示会場にアンケート用紙置いてあると思いますが、中学校、高校のアンケートは別々に書かれた方が良いと思います。

S)市長や教育庁にお手紙を書かれたり、FAX、メールをされたり、又会いに行かれたり、あるいは教科書アンケートに行かれる場合は、勿論勤務時間中にしていただいて結構です。この件は子供達、日本の為ですので。せめて子供達には良い教科書を使ってあげたい!!と強く強く思っております。

T)市長や教育長の方にお手紙やメール、FAXをされました方は、私(会長)のみで結構ですのでご報告して下されば、ありがたく思います。

(所々の表記のおかしな箇所は文中ママ)。

今回悲しいのは、これに応じて多数のフジ住宅の社員らがやらせアンケートに協力したこと。おそらくあまり関心がなかった人も含まれているのではないか。会社の働きかけに唯々諾々と従って「民意」を行使した結果、日本第2位の大都市の公立学校が全て右翼的教科書で勉強するというとんでもない事態を引き起こしてしまった。

重大さに無自覚なままユダヤ人迫害に荷担していった昔のドイツの人々のようだ。
「いいえ、あなたたちは知っていた」という印象的なフレーズを思い出す。

NHK「新映像の世紀」第3集。現実を直視し、当事者としての自分を自覚すること。 - 三十歳の原点~LIFE SHIFT~(2015-12-21)

ドイツ降伏後、連合軍のアイゼンハワー最高指揮官は、各収容所を隅々まで見て回ったという。そして、死体の山が築かれた収容所に、アメリカ軍部隊や報道関係者を呼び寄せ、この惨状がまぎれもない現実であることを知らしめた。

また一番ショッキングだったのは、ブーヘンヴァルト収容所の話。ここでは、ドイツ降伏後に米軍が2,000人のドイツ市民を収容所へ連行し、自らの指導者が行った惨状を強制的に見せた。将来、この出来事を在りもしないでっち上げだと言う人が出たとしても、「私が見ていました」と現実を伝えられる証人をたくさん作ったという。市民は並んで死体の山の横を歩きながら、恐怖におののいたことでしょう。

(あまりの現実に)女たちは気を失い、男たちは顔を背けた。
「知らなかったんだ」と言う声が上がった。
すると、解放された収容者たちは怒りをあらわにこう叫んだ。
「いいえ、あなたたちは知っていた。」
NHKスペシャル | 新・映像の世紀第3集 時代は独裁者を求めた(NHKオンライン)

*****
参考:教科書採択に関しては、次のような事件が明るみに出ていて問題化している。

教科書各社:不正まん延、苦しい弁明「良い本つくるため」 - 毎日新聞(2016年1月22日 12時21分(最終更新 1月22日 17時33分))
検定中教科書:教育長も閲覧 育鵬社・14年度 - 毎日新聞(2016年2月23日)

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2016/02/17

「一体化」とは一体?

自民 朝鮮学校への補助金廃止の検討を NHKニュース(2月17日 22時38分)

自民党の拉致問題対策本部で、朝鮮学校への補助金の廃止を検討すべきだという意見が出されたのに対し、文部科学省は、公益性の観点から補助金の支給が妥当かどうか厳密にチェックするよう地方自治体に求める文書を出したいという考えを示しました。
北朝鮮による核実験や事実上の長距離弾道ミサイルの発射を受けて、自民党の拉致問題対策本部は17日、会合を開き、政府から、日本独自の制裁措置について説明を受けるとともに、今後の対応を協議しました。
この中で、出席者から「朝鮮学校は、朝鮮総連=在日本朝鮮人総連合会の影響を受けて一体化している」として、地方自治体が支出している朝鮮学校への補助金の廃止を検討すべきだという意見が出されました。
これに対し、文部科学省の担当者は、「朝鮮学校への支援が、公益性の観点に照らして妥当かどうかを厳密にチェックするよう求める文書を、できるだけ早く、地方自治体に出したいと考えている」と述べました。
こういうのをゲスという。
自民党は、敵国民であれば非戦闘員であろうが女子どもであろうが、皆殺しにして差し支えないと思っているのであろう。大日本帝国の再来を願う人々の面目躍如である。

この人たちの「一体化」というイメージを、文科省の役人が行政用語に翻訳して全国に通達する。このようにして差別と迫害が制度化されていく。八紘一宇の統制国家からはみ出すものを押しつぶす仕組みが日本国憲法を頂点とする法体系を根拠として作られていく。

文科省がひねり出す「公益性」がどのようなものになるのか、見物である。

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貴族として育てられるから貴族になるという話

はてなブックマーク - 就活記録晒す 1

エントリ本体は消されているが、魚拓が残っていた。
http://anond.hatelabo.jp/20160217171519 - 2016年2月17日 18:15 - ウェブ魚拓:就活記録晒す 1
http://anond.hatelabo.jp/20160217171639 - 2016年2月17日 18:33 - ウェブ魚拓:就活記録晒す 2

自分が偉い人間だ、格上の人間で他と区別されて当然だということを微塵も疑っていない人というのは時々いる。他の人より丁寧に遇されて当然という無意識。自らの増長に気づかない人。
遙か昔のことだが、確かにあの大学にはその手の人がちらほらいた。今も変わっていないのかもしれない。

延々と就活の戦績が語られる文章。特別扱いされ、先方の些細な不手際に不満を抱くようすが描かれる。
企業側も「一流大学」の学生を囲い込んで逃がさないように苦心しているらしい。それがまた増長を促す。
企業がよってたかって「あなたは高貴な人なのですよ」ともてはやしてくれる。それに囲まれて高貴な人としての心構えができていく。エリート意識は非エリートが育てるものなのかもしれない。

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2016/02/16

一億総株主社会

時事ドットコム:年金給付減額あり得る=GPIF運用悪化なら-衆院予算委・安倍首相(2016/02/15-18:32)

 衆院予算委員会は15日午後、安倍晋三首相と関係閣僚が出席して経済などに関する集中審議を続けた。最近の株価下落で年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用損拡大が指摘されていることに関連し、首相は「想定の利益が出ないなら当然支払いに影響する。給付に耐える状況にない場合は、給付で調整するしかない」と述べ、運用状況次第で将来的に年金支給額の減額もあり得るとの認識を明らかにした。

 民主党の玉木雄一郎氏への答弁。首相は「運用は長いスパンで見るから、その時々の損益が直ちに年金額に反映されるわけではない」とも強調した。

まあ問われればこう答えるしかないという側面はあるにせよ、このアベさんという方は本当に無責任な人だなあ…としみじみと思う。某弊社の取締役の方々のようだ。

はてなブックマーク - 年金給付減額あり得る=GPIF運用悪化なら―衆院予算委・安倍首相 (時事通信) - Yahoo!ニュース

こちらに怒りのコメントが並んでいるが、

・アベノミクス相場でかなりの運用益が出たのに給付額は増えてないんだが
・おいおい。リスクの高い投資に年金を投入しながらそういうことを平然というのか。
・カタイこと言えば、これ国民が訴訟おこせるよね?少なくとも「自今の年金の株式運用を差し止める仮処分申請」はできるのでは?
・ぶっちゃけ日経平均を上げるために年金をリスク資産にぶっこんだだけで、年金の増額を狙ったものでも何でもないからね。調子悪けりゃこういう発言も出てくるだろう。責任取る気もなかろうしさ。
・問題は、誰が運用の責任取るかがわからないこと。管理組合の会計みたいなものなんだから。
・怒ってる人たちのほとんどは今更怒ってるのではなく、前から言ってるじゃないか、って怒ってる人だと思うが、前に益が出てるんだからってドヤってた人も中にはいるのかね。

など、どれもその通りという他はない。
アベさんは「長期でやってるから短期の動静は関係ない」と言いたいようだが、いや、いくら長期でやっていてもバクチにつぎ込んだら資金もなくなるから。
運用の仕方が大事なので「変な運用になってないよね?」というのが本来の懸念。それを「ただちには影響ない」みたいな返答ですませるあたりが無責任なわけで。
サブプライムローンショックで積立金を失ったアメリカの人たちを思い出す。

元々の問題は、
年金は強制加入。国民に選択権はない。なのに、元本無保証の危険資産での運用にのめり込んで良いのか?
というところにあったわけだけど、年金にせよ税金にせよ、人様の虎の子を預かっているという意識もなく、アベノミクスの名の下にカジノ経済にぶっ込む軍資金だと思っているところに元凶がある。日銀も道具だと思っているみたいだし。
まあ、誰が安倍氏の経済政策を支えているのか知らないが、マクロ経済学を普通に勉強すると、財政・金融政策の原資は「俺が自由に使える政策手段」みたいに思ってしまっても不思議はない。どの教科書も、どのカネをどういじると経済がどうなるかという話に集中していて、そのカネが誰のもので、誰がそれをいじる権利を持ち、その権利の範囲はどこまでなのかという話をしている本は見たことがないからね。

閑話休題。

GPIFの話で前から気になっているのが、もちろん株価に年金が左右される不安の問題はあるのだけれど、株式市場の動向に国民の関心が向くようになることが怖くないか?ということ。言うまでもないが株式市場は企業利益と連動しているので、つまりは企業利益を損ねるような政策に対する国民の抵抗が増すのではないか。そして企業利益は国民所得分配上、家計、即ち国民とパイの分け前をめぐって対立する構造を持っている。もちろん家計と企業の関係は単純な対立構造のみではないが、対立する局面も十分あり得る。典型的には税収の調達先をめぐる対立や社会保障給付と産業支援支出との対立などがそうだ。こういう対立軸が政局的に焦点化した場合、我々は「大の虫を生かすために小の虫を切る」、すなわち、企業業績を維持するためには一部の弱者や文教への支出を削ってもよいという判断が起きやすくなるのではないか。あるいは、企業業績を維持できるのなら、労働規制を緩和して労働力を安価に使い倒すようにしても良いと思う人が増えるのではないか。そしてさらに風呂敷を広げて言えば、株価を維持するためには、国が株式市場をコントロールするために国家財政をつぎ込んでもいいと思う人が増えるのではないか。つまり、チューリップ相場が破綻しないように国が球根(の請求権)を買い続けるべきだという人が増えるのではないか。
「国は株価を維持するべきだ」という合意がある社会ってどこか異常な気がするのだが、どうだろうか?

経済は大事だが、人生は経済だけでできているわけでない。経済は人生の他の喜びを支えるものであって目的ではない。その非経済的な部分は経済原理と異なる原理が支えていて、公共部門はそういうところへの関与が大きい。経済的な利益の追求を基盤にすべき分野とそうでない分野の区別はなるべく付けておく方がいいのではないかというのが私の漠然とした感覚で、そうした区別を外した一例が赤字公債の発行と日銀引き受けではなかったかと思っている。GPIFの問題はそれに通じるもので、「異次元緩和」とかマイナス金利というのも、そういう区別、小さなタガを外す例の一つではないかという気がしている。

******
余談だけど、上のはてブのコメント記事の中に、

「年金は……(中略)……でも溶かしちゃったって事。」

というコメントがある。相場関係の話をネットで眺めてると、よくこの「溶かす」や「溶ける」という表現が出てくる。自分の資金を相場で失うことを表しているのだけれど、ちょっと違和感がある。「溶けた」というと「消滅した」みたいに見えるからだ。
実際には、そのお金は消滅したわけではない。まあ減価したという意味ではそういう面もあるのだけれど、手元の現預金が実際に減ったという場合、まあたいていは、他の誰かがその分を手に入れている。
年金基金の場合、我々が失うものが誰の手に渡るのかを意識しておくこともまた大事なのではないか。

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2016/02/15

原発事故関連いろいろ

読売新聞だからなあ…と思いつつ、「あれ?」と思うニュースばかりなので、ちょっとメモ。

では、一つ目の「あれ?」をどうぞ。

除染基準「根拠ない」…環境相が講演の発言陳謝 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)(2016年02月09日 22時14分)

 9日の衆院予算委員会で、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う除染の実施基準に関し、丸川環境相が自身の発言を陳謝する場面があった。

 丸川氏は7日、長野県松本市で講演し、国が除染の実施基準を年間被曝ひばく量「1ミリ・シーベルト以下」としていることについて、「どれだけ下げても心配だと言う人たちが騒いだので、その時の細野環境相が何の科学的根拠もなく急に言っ(て決め)た」と述べた。

 予算委では、民主党の緒方林太郎氏が「揶揄やゆするような言い方が被災地の気持ちを害している」と批判。丸川氏は「なぜ1ミリに決めたのか十分に説明し切れていないと(いう趣旨で)言った。誤解を与えたなら、言葉足らずだったことにはおわびしたい」と陳謝した。

 ただ、除染の枠組みを作った民主党政権は元々、国際放射線防護委員会(ICRP)の基準に沿って、年間積算線量が20ミリ・シーベルト未満なら居住可能との見解だった。徹底除染を求める地元の要望を受け、1ミリ・シーベルトとした経緯があり、政府内には「達成困難な目標が今も住民の帰還を阻み、復興を遅らせている」との声もある。

うろ覚えだけど、確か、もともと1ミリシーベルトの基準だったのを、その基準を到底達成できないからということで、20ミリに緩和するという話じゃなかったっけ。
で、「厳しい基準だから安全!」みたいな話だったのを、「いや、20ミリでも安全なんですわ~」と後付け的な言い訳をしたので、皆が怒ったという話だったような…?

・どれだけ下げても心配だと言う人たちが騒いだ=無知で反対ばかりする「市民」が悪い
・細野環境相が何の科学的根拠もなく急に言った=民主党が付和雷同した

という話なんだろうけど「不安に思う奴がバカ」という態度はひどいよね。
大体、「絶対安全」と言い続けていたのは政府自民党なんだし。

どうでもいいけど読売新聞の「民主党が悪いんだ」みたいなコメントは何なんですかね。大政翼賛会?

次。二つ目の「あれ?」に行きましょう。

凍土壁「関心ない」…規制委長、浄化し放出主張 : 科学・IT : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)(2016年02月14日 09時45分)

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は13日、東京電力が福島第一原子力発電所で汚染水対策の柱の一つとして進めてきた「凍土壁」計画について、「あまり関心はない。(完成しても)水の問題は解決しない」と述べ、改めて汚染水は浄化処理して海に放出すべきだとの考えを示した。

 同原発の廃炉作業を視察した後に、報道陣の取材に答えた。

 凍土壁は、原子炉建屋に流れ込んで汚染水の発生源となっている地下水を防ぐため、建屋の周囲の地中に作る氷の壁。今月9日には凍土壁を作るための配管などの設置工事が完了した。凍結開始には規制委の認可が必要で、15日に開かれる規制委の有識者会合で認可について話し合われる。

 田中委員長は「汚染水を浄化処理して海に捨てるという持続性のある形を作らないと廃炉は進まない」と述べた。

これも、確か、「凍土壁を作れば大丈夫!」っていう話だったんじゃなかったっけ……?
この田中委員長が、当初から凍土壁に批判的だったのかどうか、規制委員会が批判的だったのかどうか、余りよく覚えていないんだけど、確か、「凍土壁は意味ないよ!」という批判が政府関係から出ていたという報道ってあったっけ……?
それに、確か、オリンピック招致の時に、安倍総理が「アンダーコントロール!」って叫んだ時の根拠は、凍土壁ができるからという話も入っていたんじゃなかったっけ……?

どうも記憶が定かではないから、激しく勘違いしているかもしれないけれど、どうも、
「凍土壁?バカじゃねーの?笑」
みたいな「厳しい批判が出ています」的なニュースって見た覚えがないので…。

いや「本当にできるのかなあ、無理じゃないの?」って、みんなうすうす思っていたんじゃないかとは思うんだけど。

では最後。

福島のセシウム「ガラス状」…森林で採取の葉 : 科学・IT : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)(2016年02月14日 11時37分)

 福島県内の森林で採取した放射性の微粒子を分析したところ、ガラスの中にセシウムが溶け込んだ構造であることが分かったと、小暮敏博・東京大准教授らの研究チームが発表した。

 微粒子は、東京電力福島第一原子力発電所事故の際、原発の内部にあった物質が高温状態で混じってできたものとみられ、炉内で起きた反応などを知る手がかりになる可能性がある。英電子版科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に論文が掲載された。

 微粒子は2011年夏、杉の葉の表面で見つかった。大きさは数マイクロ・メートル程度。電子顕微鏡などで分析したところ、窓ガラスなどと同じケイ酸塩ガラスが主成分で、放射性セシウムのほかに鉄や亜鉛などが含まれていた。セシウムは微粒子の外側ほど高濃度で、徐々に粒子外へ溶け出すことも実験で判明した。

 小暮准教授は「飛散した微粒子の量や、セシウムが溶け出す条件などを詳しく調べれば、環境への影響の解明につながる」と話している。

・直径数ミクロンの微粒子
・外側ほど高濃度で徐々に溶け出す
・森の中の葉っぱに付着していた

うーん、やっぱり何となく怖いんですけど……。PM2.5が話題になるときも、確か毒性のある微粒子だからという話だよねえ。
そりゃまあ濃度というのは大事で、それに簡単に体内や体表から出て行ってくれればいんだけれど。今も桜島みたいに噴煙を上げているわけではないから、まあ今は大丈夫なのかもしれないけれど。

それはそれとして、ガラスに溶けていた、しかも微粒子化していたというのはやっぱりすごく高温になったのだなあ…と改めて思いました。「爆発」という表現にふさわしいことが起きたのだなあ、と。

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2016/02/14

よく分からんがとりあえずメモ。:菊地誠氏とおしどりマコ氏の阪大講演会のtogetter

阪大にやってきた例の芸人さんのダメダメさに、仏のキクマコ先生がキレた - Togetterまとめ

阪大のおしどり夫妻のイベント、新事実が次々飛び出した大変有意義な内容だった 参加者がレポート - Togetterまとめ

相対立する二つのツイートまとめ。

フクシマの被爆問題については勉強していないので何が正しいか見当が付かない。
菊池氏の解説は2011年当時はいろいろ読んだし、おしどりマコ氏のレポートもこの前読んだ。

上記のツイートの中で菊池氏は「デマ」と繰り返し指摘しているが、おしどり氏のレポートを読んだ限りでは「デマ」と思えることはあまりなかったので、どこが誤りまたは欺瞞なのか気になる。

ところで、コメント群が何というかどうもえぐい雰囲気を感じる。なんというか、アレな世界に近いような……。

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新聞(ジャーナリスト)らしい記事

特例減税の恩恵、大企業に集中 トヨタだけで1千億円超:朝日新聞デジタル(2016年2月14日05時08分)

ええと、詳細は読んでいませんが(苦笑)
記者会見やニュースリリースを、そのまま流す記事が多い中で、手間と時間をかけて分析した結果を報告するというジャーナリストらしい仕事。

 税金を特別に安くする企業向けの「政策減税」の合計額が2014年度、少なくとも約1兆2千億円にのぼった。減税額は安倍政権になって倍増し、減税の恩恵の約6割を資本金100億円超の大企業が受けていた。財務省が公表した政策減税に関する調査報告書を、朝日新聞が独自に分析して分かった。
報告書によると、O社は九つの減税項目でトップ10に入った。適用された減税の内容から業種を絞り込み、トヨタが公表する研究開発費用や税引き前の利益、納税額などと照らし合わせて、同社と特定した。
こういうふうに、データの表面に現れていない「事実」を掘り当てて光を当てるというのがメディアの力だし、それを期待したい。

分析結果が妥当かどうかは分からないけど、政財界癒着についてのこういう切り込みは赤旗ぐらいしかやってないから、もっと増えてほしい。
まあ、「専門家」も含めてイロイロな人から批判や反論が相次ぐだろうけど、そうした反応も含めて大事なことなので。

こういう記事がもっと増えてきたら朝日も取ってもいいかなあ…と思うんだけどな。

********
余談

今回の原資料となった「政策減税に関する調査報告書」だけど、民主党政権以前には、そもそも作られてさえいなかった。
政策減税が誰に恩恵を与えたのか、言い換えると、誰がコストを負担し、誰がその恩恵を受けたのかについて、検証するデータを政府は出そうとしていなかった。それを動かしたのが民主党政権であったわけだ。……ちなみに私、民主党は嫌いですけど。

報告書の公表は、民主党政権が10年につくった「租税特別措置透明化法」に基づく。民主党は当初、企業名の公表を目指していたが、経済界に配慮して匿名の報告書にした経緯がある。
この財界の圧力の中で、民主党は、まあよく頑張った、と言えるかもしれない。

そして、満を持して登場した第2次安倍政権。
そりゃあ、財界が全面的に支持するわけだよなあ…と思う。しかもアベちゃんは財界と太いパイプを持っている人だし。おまけになりふり構わない経済拡張政策。我が亡き後に洪水よ来たれ。そりゃあ、多少賃上げとかやってでも政権を支えたいという気持ちになるのも分かる。

現政権の高支持率も、こういう部分と関係しているのだろうなあ…。上部構造は下部構造を持っているのだなあと思うわけである。

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特例減税の恩恵、大企業に集中 トヨタだけで1千億円超:朝日新聞デジタル(2016年2月14日05時08分)

 税金を特別に安くする企業向けの「政策減税」の合計額が2014年度、少なくとも約1兆2千億円にのぼった。減税額は安倍政権になって倍増し、減税の恩恵の約6割を資本金100億円超の大企業が受けていた。財務省が公表した政策減税に関する調査報告書を、朝日新聞が独自に分析して分かった。

「O(オー)012163」

 報告書では、減税項目ごとに利用上位10社がアルファベットと6桁の数字によるコードで示されている。報告書の公表は、民主党政権が10年につくった「租税特別措置透明化法」に基づく。民主党は当初、企業名の公表を目指していたが、経済界に配慮して匿名の報告書にした経緯がある。

 今回集計した政策減税(約1・2兆円)の半分を占める「研究開発減税」で、減税額が1083億円と最も多かった「O012163」が、世界最大の自動車販売を誇り、日本企業で最高の利益を上げるトヨタ自動車だった。

 報告書によると、O社は九つの減税項目でトップ10に入った。適用された減税の内容から業種を絞り込み、トヨタが公表する研究開発費用や税引き前の利益、納税額などと照らし合わせて、同社と特定した。

2、3位は同じ自動車大手の日産自動車、ホンダ。4位はリニア新幹線で開発費が増えているJR東海、連結ベースで年3千億円ほどの研究費を計上するキヤノンが5位だった。上位5社だけで2千億円近い減税だ。

 研究開発減税の35%が自動車など「輸送機械産業」だった。減税の多さは日本経済における存在感の大きさの裏返しでもある。自動車大手はエコカーやAI(人工知能)など新分野の研究を進め、賃金のベースアップ要求にも応じている。

 トヨタは研究開発減税の詳細を自らは明らかにしていないが、広報担当は朝日新聞の取材に「基幹産業の代表として、研究開発に責任感を持って取り組んでいる。研究開発税制は、日本の競争力を後押しする有効な手段だ」と話す。

 この減税を推し進める経済産業省の担当者も「各国が企業の研究開発を税制で支えている。日本だけ支援が見劣りすれば、研究開発拠点まで国外に流出する恐れがある」と指摘する。

 大企業が受けているのは研究開発減税だけではない。企業コードをもとに、トヨタが受けているほかの減税項目を拾い出すと、社員の給料を増やした企業を対象にした「賃上げ促進減税」の減税額トップもトヨタ(111億円)だった。最新設備などを導入した会社を優遇する「生産性向上設備投資減税」でも、トヨタは4億円減税されていた。

 研究開発減税は、民主党政権時にいったん縮小したが、安倍政権発足から1カ月ほどで「再拡充」が決まった。賃上げや設備投資を後押しする政策減税は、企業の好業績を経済全体の好循環につなげようと、安倍政権が新たにつくったものだ。だが、生産性向上設備投資減税(税額控除分)の76%、賃上げ促進減税の43%が、企業数では全体の0・1%にも満たない資本金100億円超の大企業に集中していた。(牧内昇平、佐藤秀男)

■研究開発減税額上位の各社コメント

【日産】

 最先端技術の研究は国内で集中的に行っている。研究開発促進税制は、一企業のみならず、日本全体の競争力にも貢献するものと考える。

【ホンダ】

 研究開発は企業の生命線だ。自動車産業が競争力を維持するために、国際水準に見合った税制の支援は必要と考える。

【JR東海】

 輸送サービスの改善やリニア開発などには不断の研究開発が不可欠だ。研究開発促進税制は今後も必要と考える。

【キヤノン】

 国の政策や政治に関する質問には答えられない。

■企業から自民党へ「利益の還流」

 森岡孝二・関西大名誉教授(企業社会論)の話 法人税率の引き下げや政策減税の拡大に代表される「アベノミクス税制」は、日本経済全体ではなく、一部のグローバル企業にとって都合がいい政策ばかりだ。減税の恩恵を受けた企業から自民党が多額の献金を受けているのは「利益の還流」と言え、経済界と政治との蜜月ぶりを象徴している。多額の企業献金が税制改正の議論をゆがめてしまう可能性がある。

***記事内の図「安倍政権で税は、企業は、暮らしは」

企業向けの特例減税、1兆2千億円 民主政権時から倍増:朝日新聞デジタル(2016年2月14日05時07分)(魚拓(図あり)

 税金を特別に安くする企業向けの「政策減税」の合計額が2014年度、少なくとも約1兆2千億円にのぼることが分かった。減税額は民主党政権時から倍増し、減税の恩恵の約6割を資本金100億円超の大企業が受けていた。まず大企業を後押しして経済の好循環をめざす安倍政権の姿勢が浮き彫りになったが、その「果実」が家計に回っていないのが実情だ。

 政策減税の利用状況について、財務省が11年度分から公表している調査報告書をもとに朝日新聞が分析した。国税の減収額が明らかな項目を合計すると1兆1954億円で、11年度以降初めて1兆円台になった。消費税なら約0・4%分の税収に相当する。民主党政権が税制改正を決めた12年度(5244億円)に比べ2・3倍に増えた。

 減税額が最も大きいのが、企業の研究開発投資に応じて税金を控除(安く)する「研究開発減税」だ。14年度は6746億円で、12年度(3952億円)からほぼ倍増した。第2次安倍政権の発足直後に決めた13年度税制改正で、控除の上限を大幅に引き上げたことで減税額も膨らんだ。

 研究開発減税の恩恵は大企業に集中する。企業数では全体の0・1%にも満たない資本金100億円超の企業への減税額が5423億円と全体の8割を占める。政策減税全体でも資本金100億円超の企業への減税額が7365億円と12年度の2・5倍に増え、全体の62%を占めた。12年度の56%より高まった。

 財務省の報告書で、減税対象の企業名は非公表だ。朝日新聞が大手企業の有価証券報告書などと突き合わせて分析したところ、研究開発減税の適用が多い上位5社は、トヨタ自動車(減税額1083億円)、日産自動車(213億円)、ホンダ(210億円)、JR東海(192億円)、キヤノン(157億円)とみられることが分かった。

 安倍政権は設備投資や賃上げに応じた減税も新設しており、3千億円超の減税になった。うち資本金100億円超の企業への減税額が5割を超えた。(牧内昇平)

■大企業に恩恵、具体名は非公表

 財務省の報告書を分析して分かったのは、大企業が法人税率引き下げに加え、政策減税という「見えにくい恩恵」も受けていることだ。

 安倍政権はアベノミクスの優先課題として企業全体にかかる法人実効税率を16年度、20%台まで引き下げる。税の専門家らは、実効税率を下げるなら政策減税は縮小し、企業になるべく公平に課税していくべきだと指摘してきたが、安倍政権で政策減税の額はむしろ倍増し、恩恵はより大企業に偏るようになった。

 研究開発や設備投資は日本経済の活力源だが、減税目当てで必要以上の投資をする企業はなく、減税の拡大がそのまま投資の拡大につながるとは限らない。大企業を応援しても実質賃金が4年連続で減り、家計の消費支出も低迷が続くなど、経済が底上げされていない現実に目を向け、低所得者の税や社会保険料を軽くするといった「分配重視」の負担の形に見直すことが急務だ。

 透明性にも課題がある。特定の企業や業界が恩恵を受ける政策減税は補助金に近い。だが、国会でよく議論される補助金に比べ、企業活動などに応じて決まる政策減税は全体像や効果がつかみにくく、国会でもあまり議論されなくなった。

 報告書は減税対象の企業名を伏せている。朝日新聞の分析で一部を特定したものの、全体像は分からない。ここがブラックボックスでは、税に対する国民の納得感は広がらない。(松浦新)

     ◇

 《減税額の集計方法》 朝日新聞が減収額を集計したのは、中小企業などの税率を低くする「税率特例」と、税金の一部を免除する「税額控除」に該当する項目。課税を翌年以降に遅らせる効果がある「特別償却」などは集計に含めていない。

     ◇

 《政策減税》 国の政策目的などに沿って法人税などに特例を設ける「租税特別措置」の一部。14年度は法人税を安くする措置だけで87項目あった。特定の業界や地域が対象になるものが多い。原則は期限付きだが、「延長」が繰り返されている減税も少なくない。

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2016/02/13

ゲーム機が大事という話?という割とどうでもいい話と、それよりは大事な話。

怒り狂って息子のゲーム機をバキバキに破壊 高嶋ちさ子の“しつけ”に非難殺到 - BIGLOBEニュース(BIGLOBEニュース編集部2月12日(金)19時41分)

バイオリニストの高嶋ちさ子が寄稿し、2月12日の東京新聞に掲載されたコラム「ゲーム機バキバキ事件」に非難が殺到し、炎上状態となっている。

コラムによると、高嶋の家では子どもが平日にゲームすることを禁止しており、週末宿題が終わって時間が余ったらゲームをして良いというルールにしていた。にも関わらず、金曜の夜に長男(小学校低学年)がゲームをしているところを発見、怒り狂った高嶋は「ゲーム機を手でバキバキと折った」という。長男は悲鳴を上げ、すごく落ち込んだとしている。また、次男(小学校低学年)も、その日はチェロの練習をしていなかったため、「次男の分もへし折って壊しました」とのこと。そして、「自分で働いたお金で買ったゲーム機を自分で壊す気持ち、あなたに分かるの?あなたはゲームが一生できないことを嘆くより、ママからもう二度と信用されないということを心配しなさい!」と二人に怒ったと明かしている。

ネットでは、高嶋のゲーム機を壊して叱るというやり方に否定的な声が多く寄せられている。
「子育てではなくただの虐待」
「そもそも何故子供が親に信用されなければならないのか。本来は子供が親を信用するもの」
「働けもしない子供に働いて稼いだものを壊す気持ち?」
「そもそも子供がこうなったのも親の指導力不足でしょ」
「子供の所有物を勝手に壊す権利は親には無いと思う」
「躾と称して子供の自由を奪う行為で躾けた気になっている親は醜い」
「息子という奴隷が欲しかったんですね」
「下手すれば子供から報復されてもおかしくないほど危険」
「ものをたいせつにという大事な教育観点が抜けている」

一方、「約束守らなかったのが発端だから、悪いのは子供 極端すぎるのは確かだけど」、「そう思われても、結果的に子供のためになるからこうしてるんじゃないですか?」と一定の理解を示す声もある。

ニートの息子のゲーム機をハンマーや芝刈り機などで壊す海外の親をたまに見かけるど、日本にもいた。ただ、「あなたはゲームが一生出来ないことを嘆くより、ママから二度と信用されないことを心配しなさい」という発言に関しては異論反論ありそう。 pic.twitter.com/QFgguoZTuN
— キネ (@djgicc) 2016, 2月 12

ということで、記事も批判的なのだが、壊されたのがゲーム機じゃなかったら、ここまで非難囂々にならなかったんじゃないか。

次。軽い感じの記事だけど、宮内庁がウソをついたという結構大事な話。

天皇陛下の荷物を開けた フィリピン税関の「無礼」:@niftyニュース(2016年2月12日(金)配信)

「日本の天皇を歓迎するレセプションに使用するための外交上の封印袋をマニラ国際空港の税関職員があやまって開けてしまった」

 天皇、皇后両陛下のフィリピン訪問を翌日に控えた1月25日、有力全国紙の「マニラ・ブレティン」がそんな“特ダネ”を1面で報じた。

 外交関係に関するウィーン条約では「外交封印袋は開きまたは留置することができない」と規定され、「かなり強い効力がある」(坂元茂樹・同志社大学法学部教授)という。

 地元紙「インクワイアラー」など他のメディアも記事を後追いし、マニラではちょっとした騒ぎになった。各紙の報道によれば、陛下の袋は昨年11月30日に空港に到着。12月2日に開封され、中身は「レセプション用の酒や文書など」だったとされる。かかわった職員はすでに厳重注意処分を受けたという。

 ところが、本件について宮内庁に尋ねると、「承知していません。宮内庁から送った荷物ではありません」。外務省に聞くと、「陛下のために日本からフィリピンに送った外交行嚢(こうのう)がフィリピン当局により開封されたとの事実はございません」と、事実そのものがなかったというのだ。

 現地邦人向けの地元紙「日刊まにら新聞」も「荷物は日本から在比大使館宛てに送られており、酒瓶以外に安倍首相とアキノ大統領の写真アルバムなどが入っていた」と報じていた。

 まにら新聞の鈴木貫太郎記者は、記事の内容に自信を見せたうえで「マニラ・ブレティンはどちらかといえば政府寄り。書いた記者は私の友達です。親日家で、以前から天皇陛下の訪問を楽しみにしていました」と説明。記事掲載が訪比前日だったことについても、天皇陛下への悪意などなかったはずだという。

 さらにこう付言した。

「フィリピンでは以前から、すぐに賄賂を要求するような空港職員の汚職が問題視されています。今回の報道で、それに対する国民の不満が爆発し、大きな話題となったのでしょう」

 宮内庁や外務省について、前出の坂元教授はこんな見方を示した。

「陛下はフィリピンとの友好関係を促進するために行かれたわけですから、日本側としては、せっかくのご訪問に水を差したくないとの判断をしたのかもしれません。陛下のお気持ちを忖度(そんたく)したのでしょう」

※週刊朝日  2016年2月19日号

皇室の尊厳と日比関係の友好を守るために、宮内庁役人がウソをついたということらしいのだが、端的にそれはダメでしょう。あったかなかったかという事実関係でウソをつくのは一番良くない、しかも公僕が。

他の官庁でも事実関係でウソをついたケースは何度もあるし、日本の役所はこういうことを平気でやるのだと思われてしまう……というか、もう確信しているけれど。

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2016/02/12

新たなサンプルの採取

バックナンバー|代表者挨拶|一般社団法人 地域企業連合会 九州連携機構

小早川明德氏。
地域企業連合会九州連携機構会長、日本賢人会議所理事長、九州賢人会議所理事長など九州財界の要職を兼務する重鎮。これらの他にも多数の団体の会長職などを歴任している。
また、産経の正論談話会、国民文化研究会に関与しているようでもある。

その人が九州連携機構の年頭挨拶で述べている言葉がなかなかすごい。

2016年の年頭挨拶もかなり香ばしく日本会議系宗教組織と似た臭いを感じるが、2015年の年頭挨拶は非常に分かりやすい。その2015年の年頭挨拶の小見出し。

  時満ちて、道ひらく ー 戦後70年、日本を取り戻そう。
  GHQは日本国に何を強いたのか ー 今、克服すべき課題を考える。

うん、分かる。

こういう挨拶を地域財界の連携組織の公式サイトに出して良いのかと思って九州連携機構の「設立趣意」を見てみたら。

うん、……そういう感じだった、納得。

こういう保守系宗教思想が地域活性化や産業振興、コミュニティ活動と密着していく世界というのがあって、そこには財界と保守系・右翼系の政治家とか、トンデモ系のエコ運動とかのファンタジー人脈がつながっていたりするんだよなあ。で、人脈と補助金絡みで行政ともつながっていたりする。

で、この小早川氏、要人のはずなのだがネット上にその経歴があまり見あたらない。さて…?

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2016/02/05

ネタ:人間の本質に由来する問題はいつの時代でもどの世代でも現れ続けるという話(かな)

はてなブックマーク - 【訂正】TwitterアカウントCopy Writing , Fall™さんの記事に関する騒動につきまして※2/4に訂正いたしました。 – 青春基地

文面通り受け取ったら女子高生が反省して記事取り下げを願う文章書いたのに、編集者が開き直りしているかのように改悪して掲載した上で記事を存続させたわけで、編集部にとんでもないサイコパスが潜んでる気がする。
だからインタビューをしてその記事を書いた高校生よりも平気な顔してその記事を通した馬鹿編集部が悪いっつーのになんで高校生にいつまでも謝らせ続けてんのよ…
インタビュアーの高校生がどんどん被害者に見えてくるな……。運営側が自分たちの責任を全部インタビュアーに押しつけるとは
運営の大人かなりめちゃくちゃな感じだな。 “この文面を出すことはあなたのせいで他の50人のメンバーを犠牲にすることだ、青春基地がなくなったらあなたの責任だと言われて”
大学生が高校生にものすごい重荷を背負わせてる感じになってしまっていて完全に地獄だ
インタビュー先が問題人物だったのを知らず、いい人だと勘違いしてインタビュー記事を作った高校生。 その記事を載せる媒体は大学生たちが作っているウェブサイトだった。 その記事がネットで炎上し、高校生が謝罪文を書いた。 サイト運営者の大学生たちは、この高校生に責任をかぶせて逃げようとしている。

と、まあこんな感じのストーリーらしい。
大学生はたぶん20代前半未満。まだまだ若いし感性も豊かだろう。
でもまあ、こういう、大人社会の縮図みたいなことをして、それが悪くないと思っている。

社会の縮図、子は親の鑑ということなのかもしれないが、たぶん、この種の反応って、普遍的な何かなのだと思う。どれほど時代が下って社会が洗練されても、きっと同じようなことは自然に現れてしまうのだろう。

ちなみに本件についてはこのブクマしか読んでない。

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「コラーゲンで育毛!」という商品が絶対現れると予言

このニュースを見た人は全員そう確信していると思うけど、とりあえず便乗しておく。
昔、
「自分ではどんなにくだらないと思っても、やったことはきちんと形に残しておきなさい、それが後で業績になることもあるのだから」
と、恩師に言われたので。(なんのこっちゃ)

年齢とともに髪の毛が薄くなる仕組み 解明 NHKニュース(2月5日 4時00分)

年齢とともに髪の毛が薄くなるのは、頭皮にあるコラーゲンの一種が減り、髪の毛を作り出す細胞が死んでしまうためだとする研究成果を、東京医科歯科大学などの研究グループが発表しました。マウスを使った実験では、コラーゲンを増やすと加齢のため体の毛が減るのを抑えられたということで、薄毛を防ぐ薬の開発につながると期待されます。
東京医科歯科大学の西村栄美教授らのグループは、マウスの体毛が加齢とともに薄くなることに着目し、そのメカニズムを詳しく調べました。その結果、体毛を作り出す細胞は、加齢とともに細胞の生命維持に必要なコラーゲン「17型コラーゲン」をみずから分解してしまうようになり、死んでいくことが分かったということです。また「17型コラーゲン」が減らないように遺伝子を組み替えたマウスでは体毛が減るのを抑えられたということです。
研究グループでは、ヒトの髪の毛でも同じ仕組みがあることを確認していて、西村教授は「加齢で髪の毛が薄くなる仕組みがかなり分かってきた。コラーゲンの減少を抑える治療薬の候補となる物質を探し、数年以内に動物実験を行ったうえでヒトでの臨床試験に結びつけたい」と話しています。
この前、毎日新聞を眺めていたら、「グルコサミン、コンドロイチン、コラーゲンという気になる三つの栄養素が一つに入った云々」という広告があったので、コラーゲンって人気なんだなあって思った。このニュースで一気にコラーゲンブームが来ると思う(笑)

でも、
1.たぶん、「コラーゲン」を塗っても食べてもたぶん効かない。

「コラーゲン」を錠剤にして飲むサプリがあるけど、あれは本当に意味が分からない。胃腸で消化分解されるだけなのにといつも思う。
じゃあ塗ったから毛髪細胞が死ななくなるかっていうと、たぶんそう単純じゃないだろう。細胞質の中に入らないといけないだろうし、そのコラーゲンが細胞の生命活動にきちんと組み込まれないといけないし。そもそも死んじゃった毛髪細胞を生き返らせられるわけでもないし。毛髪細胞が増えるのを手伝えたらいいんだろうけど。そういう効果をうたったサプリも出そうだけど、今回のニュースではそういう効果は未確認みたい。

2.「17型コラーゲン」ってのは、たぶん今のサプリメントには余り入っていない。

でもそのうち出てくるに違いない。上述の通り、まあ食べたり塗ったりしても意味ないだろうけど。

美容とか健康とかは、要はお客がその気になってくれさえすればいいので、別に本当に効果がなくてもいいわけである。鰯の頭も信心からである。

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哀しみのNHK

“武士道精神”が根底に 日本人がドーピングしない理由 NHKニュース(2月4日 20時34分)

日本のメダリストを対象にしたドーピングに関する初めての調査で、多くの選手がドーピングをしない理由として、「武士道」の精神を挙げていることが分かりました。
ロシア陸上界を始め世界でドーピングが後を絶たないなか、日本はこれまでにオリンピックで1人も違反者を出していません。こうしたなか、早稲田大学大学院の研究グループの日比野幹生さんと間野義之教授などは、ロンドンオリンピックまでの3大会の日本のメダリスト男女6人ずつから聞き取り調査を行いました。
その結果、「ドーピングをしない理由」について、多くのメダリストが親や指導者から「ズルはしない」や「勝ち負けより一生懸命に頑張ることが大事」といった教えを受けたことを挙げました。また、「根底に武士道のような信念を持っている」といった回答も多く、「武士道」につながる日本のフェアプレーの精神が大きな要因になっているとみられます。研究グループは、「古来からの武士道の精神が生きているという興味深い結果だった。2020年東京大会に向けて、反ドーピング教育の重要性を世界に広めていくための基礎的な研究になると思う」と話しています。
今回の研究成果は、来月、学術雑誌の「スポーツ産業学研究」に掲載される予定です。
まあ、なんというか、この要旨だけ読むと、いかにも修士論文の「研究」という感じで、ヤレヤレ感がぬぐえないのだが、それを嬉々として「ニッポン人スゲー!!」ニュースにしてしまうNHK。

案の定、はてなブックマークで思い切り馬鹿にされている。
はてなブックマーク - “武士道精神“が根底に 日本人がドーピングしない理由 NHKニュース

NHKが不憫でならない。どんどんポンコツになるなあ…。

指導教員の先生がどうしてこんなテーマにしたのか謎なのだけど、ひょっとしてこの先生がアレなのかと思って CiNii を見てみたら、こんなネタとは全然関係ないのだった。
まあ本人がやる気を見せているからとりあえずやらせてみるか的なことだったのだろうか。……というか、そう思いたい(苦笑)。

というか、とりあえず「ニッポンスゲー!」的な研究をやってニュースリリースを出したら、メディアが取り上げてくれて宣伝になるかも!これはなかなか魅力的!
と一瞬思ったけど、ネットの笑いものになるだけだとすぐに気づいてしまった。残念…。

ところで、この間野先生の業績は手法も対象もかなり幅広い。しかもスポーツ科学だけれど運動や生理学ではなくて、公共政策や地理学や経済学的な手法がベースみたい。うーん、スポーツ政策の分析かぁ…。意外とブルーオーシャンかもしれないなあ。

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2016/02/02

難民問題はヨーロッパだけではないという話

我ながら酷薄だと自分のことを思うのだけれど、ヨーロッパの難民問題記事をクリップした勢いで、アジアの難民問題の記事もクリップしておく。AFPの記事から。

東南アジア・南アジアでの人身売買・拉致問題。2015年5月の記事。

人身売買被害の14歳少年、難民船の悪夢語る インドネシア 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News(2015年05月20日 14:04 発信地:ランサ/インドネシア)

【5月20日 AFP】バングラデシュで人身売買業者に誘拐され、無理やり船に乗せられたアブサルディンさん(14)は数週間の航行で、餓死しかけたり、仲間を亡くしたりと悪夢のような体験をした──。

 アブサルディンさんは、今月15日にインドネシア沖で沈没しかけていた難民船から救助された1人。この船には、ミャンマーで迫害されているイスラム系少数民族ロヒンギャ人とバングラデシュ人ら数百人が乗っていた。

 アブサルディンさんを含む、救助された人々の一部は、インドネシアのアチェ (Aceh)州ランサ(Langsa)にある施設に収容された。痩せ細ったアブサルディンさんは2か月に及ぶ苦難について詳細に語り、「家に帰りたい、母の所に戻りたい」と訴えた。

 同日、この海域で救助された難民は900人に上る。タイ政府は人身売買に対する取り締まりを強化しており、これが東南アジア地域で続いている難民危機の一因となっている。マレーシアとインドネシアでは最近、難民が多数漂着しているが、海上で漂流している人も数千人に上るとされる。こうした事態を受け、国際社会は東南アジア諸国に対して迅速な措置を取るよう強く求めている。

 アブサルディンさんの乗っていた船は、密航業者によって途中で放棄された。その後は、難民船の受け入れに消極的なマレーシアとインドネシアがいずれも寄港を拒み、領海から追い出したため、船は海上を漂流するほかなかった。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch、HRW)はこれを「人間ピンポン」だと非難している。

■飲み水は「海水」に

 救助された人々の話では、航行中に水死したり、暴行死したりした人は少なくないという。物資が乏しくなると、バングラデシュ人とロヒンギャ人の間で激しい衝突が起き、大勢の人が海に放り出されたほか、身の危険を感じて自ら海に飛び込む人もいた。ロヒンギャ人とバングラデシュ人はいずれも、相手が最初に攻撃してきたと主張している。

 アブサルディンさんによると、同じく誘拐されて船に乗せられた親族2人も船で死亡している。食べ物を求めた親族に密航業者らが暴力を振るったため、別の親族がそれを止めに入ったところ、2人とも海に投げ出されてしまったという。アブサルディンさんは「『助けて』と叫ぶ声が聞こえたけれど、僕たちにはどうすることもできなかった。泣いて、祈ることしかできなかった」と当時を振り返った。

 アブサルディンさんの苦難は親族や友人らと一緒に訪れたミャンマーとの国境沿いの町テクナフ(Teknaf)で始まった。滞在先で朝食を食べていた際に見知らぬグループから庭へ出るよう指示され、そこで身柄を拘束された。その後、暴力行為を振るわれ、超満員の難民船に押し込まれたという。最初は1日2回、米と水を与えられたが、途中からは、それがビスケットと海水に変わった。

 アブサルディンさんは「100人くらいが餓死したと思う。遺体は海に投げ捨てられた」と船上での状況について語っている。(c)AFP/Nurdin Hasan

この記事の関連記事。

マレーシア、難民船の領海入りを拒否 多数の難民に生命の危機 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News(2015年05月15日 08:29 発信地:リペ島沖/タイ)

【5月15日 AFP】マレーシア当局は13日、難民数百人が乗った船2隻の受け入れを拒否した。匿名の当局者が明らかにした。翌14日タイ沖で1隻の難民船が発見され、前日にマレーシア領海から追い返された船である可能性が浮上している。東南アジア諸国政府に対しては、絶望的な窮地に立たされた難民の命で「人間ピンポン」ゲームに興じていると、非難が集中している。

 14日、ミャンマーで迫害を受けているイスラム系少数民族ロヒンギャ人が多数乗った船がタイ沖で漂流しているのが見つかった。

 日没頃には、見るからに痩せ細った男性らが海中に飛び込み、タイ海軍のヘリコプターが投下した食料品の袋を泳いで取りに行っていた。あるAFP記者は、拾った生のインスタント麺を、船に泳ぎ帰る前に海中でむさぼる男性の姿も目撃したという。

 難民の一人は報道陣の船に対しロヒンギャ語で、「航海中に10人ほど死んだ。遺体は海に捨てた」と叫んだ。「海をさまよって2か月になる。マレーシアに行きたいが、まだ到着できていない」

 アンダマン海(Andaman Sea)に浮かぶタイ南部のリペ(Lipe)島付近で見つかったその木造船上にいた衰弱した様子の難民たちの中には、幼い子どもの姿も多数見受けられたという。

 ある当局者が匿名を条件に語ったところによると、マレーシアの巡視船が13日遅く、同国北部のペナン(Penang)島とランカウイ(Langkawi)島沖で難民船2隻の航行を阻止。両船には合わせて600人が乗っていたという。

 この当局者は、「昨夜、ペナン島沖でマレーシア領海に入った1隻が追い返され、ランカウイ沖で別の1隻が領海内への侵入を阻止された」と明かした。このランカウイ沖で阻止された船が、翌14日にタイ沖で見つかった船と同一のものである可能性が指摘されている。

 マレーシアとインドネシアは、東南アジアに流入するミャンマーとバングラデシュからの難民を乗せた船舶の受け入れ拒否を公言している。また人権団体の指摘によると、この問題について協議するため今月29日に地域会合の開催を呼び掛けたタイも、難民船の停泊を許可しない方針を示しているという。

 国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長や複数の人権団体は、関係各国が強硬姿勢を貫けば各国が果たすべき国際的な義務が守られず、数千人の命が危険にさらされる恐れがあると警告している。(c)AFP/Thanaporn PROMYAMYAI/Preeti JHA

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ヨーロッパの難民問題と子どもの行方不明問題の記事

とりあえずクリップのみ。

移民の子ども、1万人超が行方不明に ユーロポール 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News(2016年02月01日 07:51 発信地:ハーグ/オランダ)

【2月1日 AFP】欧州警察機構(ユーロポール、Europol)は1月31日、欧州に同伴者なしで到着した移民の子どものうち、過去1年半~2年の間に行方不明となった数が1万人以上に上ることを明らかにした。その多くが売春や奴隷化を目的とした人身売買の犠牲となっている恐れがあるという。

 英紙オブザーバー(Observer)が報じ、ユーロポールの広報部がAFPの取材に対し明らかにした。

 ユーロポールのブライアン・ドナルド(Brian Donald)参謀総長によると、こうした子どもたちは、欧州到着時に国家当局による登録手続きを終えた後、システム上から姿を消した。同氏は「われわれが調べている子どもは、1万人を超えると言っても過言でない」と述べ、イタリアだけで5000人が姿を消したと付け加えた。

「その全員が犯罪の犠牲になるわけではないだろう。一部は血縁者に引き渡された可能性がある。ただ、誰とどこで何をしているのか、把握できていないのだ」

 オブザーバー紙の報道によると、ユーロポールは、欧州連合(EU)に人を運ぶ密航業者と、移民を性的に搾取したり奴隷としたりする人身売買組織との結びつきを示す証拠を発見した。「ドイツとハンガリーには、移民危機に乗じた犯罪行為に関与したとして拘束された者が被収容者の大半を占める勾留施設が存在する」とドナルド氏は述べている。

 ドナルド氏は同紙に対し「登録の有無にかかわらず、われわれが扱っているのは27万人の子どもたちだ。その全てに同伴者がいないわけではないが、多くに同伴者がいないことを示す証拠がある」と述べ、1万人という数字は低く見積もったものだとも付け加えた。

 子ども支援の国際機関「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」のイタリア欧州プログラムのディレクター、ラファエラ・ミラノ(Raffaela Milano)氏は、「大人の同伴者なしで渡航する未成年者は、移民集団の中で最も狙われやすいグループだ」と指摘している。(c)AFP/Nicolas DELAUNAY

記事は慎重だが、これらの行方不明の子どもたちの中に人身売買組織に拉致された人がいたとする。
その子どもたちの中には、おそらく、生活支援や人身保護、甘言などに釣られて付いていった者もいたのではないか。人身売買組織の側も、子ども(未成年者)を拉致するに当たって、対象の全てを暴力的に捕まえたり狩ったりということはしないだろう。子どもたちの意志や抵抗の有無に関係なく、狩り出し、追い詰め、捕縛するというのは、いろいろと面倒が多すぎるからだ。おそらく、実際の拉致の現場では、非暴力的な、しばしば非常に親切で優しく、人の温かみを感じられる、思いやりに富んだ人物が現れ、子どもたちもその人を信頼し、安心して付いていくということが起こっているのではないか。そして、実際に、一定程度の庇護は与えているのだろう。
人さらいというものはそういうものだと、親などから良く聞かされたのを思い出す。

さて、こういう形で子どもを連れて行った場合、日本ではそういう連れて行き方は問題ないのだそうだ。少なくとも、そのように主張する政治家が日本にはたくさんおり、そうした政治家は与党の一員として多数派を形成しているのであるから、社会常識だとまでは言わなくても、そうした考えが社会的に容認されているとは言えるだろう。

*************
追記(2016年2月10日)

Fondriestさんから下記エントリにコメントをいただきました。
他人事ではない: 思いついたことをなんでも書いていくブログ

上記ニュースについて、「公共放送のニュースによれば彼らが登録の後連絡なしにさらに別地域に移動したりしてそこでまた登録したりする事によるデータ管理上の問題が多く、警察によれば人身売買等の犯罪の増加というのはみられないそうです」ということだそうです。ご教示ありがとうございます。

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レイシズムを煽る時事通信

時事ドットコム:韓国の北工作員支援か=朝鮮大元副学部長を逮捕-ネット通販で商品詐取容疑・警視庁

 不正に入手したクレジットカードを使いインターネット通販で商品をだまし取ったとして、警視庁公安部は2日、詐欺容疑で元朝鮮大学校経営学部副学部長朴在勲容疑者(49)=東京都練馬区富士見台=を逮捕した。公安部によると、朴容疑者は韓国にいる北朝鮮の工作員に対する指示や金銭面の支援などを行っていたという。
 逮捕容疑は2012年1~8月、他人名義で作ったクレジットカードを使い、通販サイトでUSBメモリーなどパソコン周辺機器計約1万2000円相当をだまし取った疑い。(2016/02/02-15:01)
ドイツの少女の作り話が報道された一方で、わが国ではこういう煽りをやる人々がいる。

ネット通販の詐欺事件にかこつけて、スパイ支援疑惑を煽る警視庁と、その尻馬に乗ってヘイトを煽る時事通信社。

さすがに、彼らでも、二つの事柄に関連を見つけることはできないようで、記事は単に両者を羅列しているだけ。しかも韓国にいる北朝鮮の工作員という漠然とした表現で、この朴氏が、反社会的な「指示」や「支援」を行っていたのかどうかも言及がない。

こういう漠然とした悪いイメージだけを助長する行為そのものが、ドイツの少女がきっかけを作り、社会問題化した先鋭的な排外行動を生むのである。

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他人事ではない

CNN.co.jp : 「難民が集団強姦」、少女の作り話だった ドイツ(2016.02.02 Tue posted at 11:05 JST)

ショッキングな記事。
社会の「空気」が背景にあるのか。
難民に絡ませた作り話を思いついた13歳の少女の認識についてもそうだし、
この件で排外デモが起きたり外交問題に発展したりという情勢もそうだし。

関東大震災時の朝鮮人虐殺事件を思い起こさせる。

我々の社会よりも、異文化との交流やせめぎ合いの経験が遙かに深いであろうドイツですら、現在のような厳しい情勢が起きている。
「だから『日本人』以外の入国は厳しく制限すべきだ」という主張には与しない。我々が留意すべきなのは、どうすれば排外主義と敵意、差別の「空気」を抑え、事件の芽を未然に摘めるのかに関する知恵を蓄えることだと思う。
おそらく、報道にはなかなか上がってこない、多くの人々の、敵意を和らげ苦難を救おうとするたくさんの行為や発言があるはずだ。ヨーロッパの国々では、今そうしたせめぎ合いが行われているのだと思う。彼らの苦しみにまた思いを馳せたいし、そこから我々は何を学ぶのかを問われていると思う。

ところで、本件は、先般大きな話題になった「大勢の難民が駅頭に集まって集団暴行を行った」という話とは別の事件のようだ。あれは大晦日のことだけれど、この少女の話は1月のことのようだし。

なお、集団難民騒ぎの件については、
ケルン集団暴行事件 日本の報道を検証する(1) - Fondriestのブログ
からの一連の検証記事が非常に参考になる。(ただ、青い背景は個人的に読みにくいです……汗)

ベルリン(CNN) ドイツのベルリンで13歳の少女が難民の集団に拉致され集団強姦(ごうかん)されたと訴えていた事件で、この少女が話をでっち上げていたことを認めたという。当局者が1日に明らかにした。ドイツではこのニュースが発端となって難民反対デモに火が付き、ロシアとの対立にまで発展していた。
ベルリンに住むロシア系の少女は先月、30時間ほど行方が分からなくなり、帰宅後に警察の調べに対し、駅でアラブ系とトルコ系の男3人に拉致されて車に乗せられ暴行されたと訴えていた。
このニュースがロシアのメディアやソーシャルメディアで伝えられたことを受け、ロシア系ドイツ人や極右集団がデモを展開。ロシアのラブロフ外相は、ドイツ当局が事実を隠ぺいしていると非難していた。
しかしベルリンの検察によると、検査で少女は強姦被害に遭っていなかったことが分かり、本人も作り話だったことを認めた。警察は電話の記録を調べた結果、行方不明になったとされる夜、少女はドイツ人男性と一緒にいたと判断した。
この男性と男性の母親も、少女が家にいたことを確認したという。
ドイツのケルンなどでは大みそかの12月31日、難民が関与したとされる性的暴行被害の訴えが相次ぎ、難民受け入れに対する反感が強まっていた。
上とは別の事件。

難民施設に手りゅう弾投げ込まれる ドイツ 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News(2016年01月30日 15:22 発信地:ベルリン/ドイツ)

【1月30日 AFP】ドイツ南部で29日、難民施設に何者かが手りゅう弾を投げ入れる事件があった。警察当局が明らかにした。手りゅう弾は爆発せず、けが人などは報告されていないという。

 南部フィリンゲン・シュベニンゲン(Villingen-Schwenningen)の地元警察は声明で、手りゅう弾には、爆発物が詰められていたが、起爆装置が付いていたかどうかは今のところ明らかになっていないと述べた。

 同国では難民施設に対する襲撃が増加している。(c)AFP

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どっちがパクリサイトなのだろう。

たまたま見つけた。
他人の文章をパクるサイトは珍しくないが、一応、片方が社長が顔出ししている製造企業の公式サイトなので、そちらがパクっていたらちょっと興味深いなあということで。
まあ両方ともパクリだという可能性もあるけれど。

日本文化いろは事典「漬物」

日本の食卓に欠かせない食べ物

漬物は手軽に野菜の栄養分を摂れるご飯のお供として、日本の食卓には欠かせない食べ物です。 芋類を除くほとんどの野菜は漬物にする事ができます。 漬物にする事によって野菜の「アク」や「苦味」が抜け美味しく野菜を食べられます。 また、野菜の中で特に栄養のある「皮」や「へた」の部分も丸ごと食べる事ができるので、健康面で非常に効果的です。 漬物は、生の野菜と変わらない、もしくはそれ以上の栄養分を含む最高の加工法と言えることができます。 日本の漬物で有名なものに、たくあん・福神漬・らっきょう漬けなどがあります。

株式会社みとや食品「ごあいさつ」

漬物は手軽に野菜の栄養分を摂れるご飯のお供として、毎日食べていただきたい食べ物なので、みとや食品ではなるべく添加物を少なくして、体に優しい漬物作りをおこなっています。
漬物にする事によって野菜の「アク」や「苦味」が抜け、美味しく野菜を食べられます。また、野菜の中で特に栄養のある「皮」や「へた」の部分も丸ごと食べる事ができるので、健康面で非常に効果的です。

「日本文化いろは事典」の方は、一応、下記のような日付が書いてある。

参考文献・ウェブサイト
GREEN HOUSE GROUP「漬物」『WELLNESS 情報館』 (2004.10.25)
関西テレビ放送「第114回『漬物』」『発掘!あるある大事典2 WEBSITE』(2004.10.25)

ただし、二つとも現在はリンク切れのようだ。
「WELLNESS 情報館」は、http://www.greenhouse.co.jp/wellness/pickles/
「発掘!あるある大事典2 WEBSITE」は、http://www.ktv.co.jp/ARUARU/search/arutukemono/tukemono1.htm
が挙げられている。Web Archives などに残っているか確認はしていない。

さらに、コピーライトとして、2004-2008 Synergy Marketing, Inc. という画像が貼ってある。
他方、「みとや食品」の方には、特に日付等を示す記載はない。

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