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2016/02/14

新聞(ジャーナリスト)らしい記事

特例減税の恩恵、大企業に集中 トヨタだけで1千億円超:朝日新聞デジタル(2016年2月14日05時08分)

ええと、詳細は読んでいませんが(苦笑)
記者会見やニュースリリースを、そのまま流す記事が多い中で、手間と時間をかけて分析した結果を報告するというジャーナリストらしい仕事。

 税金を特別に安くする企業向けの「政策減税」の合計額が2014年度、少なくとも約1兆2千億円にのぼった。減税額は安倍政権になって倍増し、減税の恩恵の約6割を資本金100億円超の大企業が受けていた。財務省が公表した政策減税に関する調査報告書を、朝日新聞が独自に分析して分かった。
報告書によると、O社は九つの減税項目でトップ10に入った。適用された減税の内容から業種を絞り込み、トヨタが公表する研究開発費用や税引き前の利益、納税額などと照らし合わせて、同社と特定した。
こういうふうに、データの表面に現れていない「事実」を掘り当てて光を当てるというのがメディアの力だし、それを期待したい。

分析結果が妥当かどうかは分からないけど、政財界癒着についてのこういう切り込みは赤旗ぐらいしかやってないから、もっと増えてほしい。
まあ、「専門家」も含めてイロイロな人から批判や反論が相次ぐだろうけど、そうした反応も含めて大事なことなので。

こういう記事がもっと増えてきたら朝日も取ってもいいかなあ…と思うんだけどな。

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余談

今回の原資料となった「政策減税に関する調査報告書」だけど、民主党政権以前には、そもそも作られてさえいなかった。
政策減税が誰に恩恵を与えたのか、言い換えると、誰がコストを負担し、誰がその恩恵を受けたのかについて、検証するデータを政府は出そうとしていなかった。それを動かしたのが民主党政権であったわけだ。……ちなみに私、民主党は嫌いですけど。

報告書の公表は、民主党政権が10年につくった「租税特別措置透明化法」に基づく。民主党は当初、企業名の公表を目指していたが、経済界に配慮して匿名の報告書にした経緯がある。
この財界の圧力の中で、民主党は、まあよく頑張った、と言えるかもしれない。

そして、満を持して登場した第2次安倍政権。
そりゃあ、財界が全面的に支持するわけだよなあ…と思う。しかもアベちゃんは財界と太いパイプを持っている人だし。おまけになりふり構わない経済拡張政策。我が亡き後に洪水よ来たれ。そりゃあ、多少賃上げとかやってでも政権を支えたいという気持ちになるのも分かる。

現政権の高支持率も、こういう部分と関係しているのだろうなあ…。上部構造は下部構造を持っているのだなあと思うわけである。

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特例減税の恩恵、大企業に集中 トヨタだけで1千億円超:朝日新聞デジタル(2016年2月14日05時08分)

 税金を特別に安くする企業向けの「政策減税」の合計額が2014年度、少なくとも約1兆2千億円にのぼった。減税額は安倍政権になって倍増し、減税の恩恵の約6割を資本金100億円超の大企業が受けていた。財務省が公表した政策減税に関する調査報告書を、朝日新聞が独自に分析して分かった。

「O(オー)012163」

 報告書では、減税項目ごとに利用上位10社がアルファベットと6桁の数字によるコードで示されている。報告書の公表は、民主党政権が10年につくった「租税特別措置透明化法」に基づく。民主党は当初、企業名の公表を目指していたが、経済界に配慮して匿名の報告書にした経緯がある。

 今回集計した政策減税(約1・2兆円)の半分を占める「研究開発減税」で、減税額が1083億円と最も多かった「O012163」が、世界最大の自動車販売を誇り、日本企業で最高の利益を上げるトヨタ自動車だった。

 報告書によると、O社は九つの減税項目でトップ10に入った。適用された減税の内容から業種を絞り込み、トヨタが公表する研究開発費用や税引き前の利益、納税額などと照らし合わせて、同社と特定した。

2、3位は同じ自動車大手の日産自動車、ホンダ。4位はリニア新幹線で開発費が増えているJR東海、連結ベースで年3千億円ほどの研究費を計上するキヤノンが5位だった。上位5社だけで2千億円近い減税だ。

 研究開発減税の35%が自動車など「輸送機械産業」だった。減税の多さは日本経済における存在感の大きさの裏返しでもある。自動車大手はエコカーやAI(人工知能)など新分野の研究を進め、賃金のベースアップ要求にも応じている。

 トヨタは研究開発減税の詳細を自らは明らかにしていないが、広報担当は朝日新聞の取材に「基幹産業の代表として、研究開発に責任感を持って取り組んでいる。研究開発税制は、日本の競争力を後押しする有効な手段だ」と話す。

 この減税を推し進める経済産業省の担当者も「各国が企業の研究開発を税制で支えている。日本だけ支援が見劣りすれば、研究開発拠点まで国外に流出する恐れがある」と指摘する。

 大企業が受けているのは研究開発減税だけではない。企業コードをもとに、トヨタが受けているほかの減税項目を拾い出すと、社員の給料を増やした企業を対象にした「賃上げ促進減税」の減税額トップもトヨタ(111億円)だった。最新設備などを導入した会社を優遇する「生産性向上設備投資減税」でも、トヨタは4億円減税されていた。

 研究開発減税は、民主党政権時にいったん縮小したが、安倍政権発足から1カ月ほどで「再拡充」が決まった。賃上げや設備投資を後押しする政策減税は、企業の好業績を経済全体の好循環につなげようと、安倍政権が新たにつくったものだ。だが、生産性向上設備投資減税(税額控除分)の76%、賃上げ促進減税の43%が、企業数では全体の0・1%にも満たない資本金100億円超の大企業に集中していた。(牧内昇平、佐藤秀男)

■研究開発減税額上位の各社コメント

【日産】

 最先端技術の研究は国内で集中的に行っている。研究開発促進税制は、一企業のみならず、日本全体の競争力にも貢献するものと考える。

【ホンダ】

 研究開発は企業の生命線だ。自動車産業が競争力を維持するために、国際水準に見合った税制の支援は必要と考える。

【JR東海】

 輸送サービスの改善やリニア開発などには不断の研究開発が不可欠だ。研究開発促進税制は今後も必要と考える。

【キヤノン】

 国の政策や政治に関する質問には答えられない。

■企業から自民党へ「利益の還流」

 森岡孝二・関西大名誉教授(企業社会論)の話 法人税率の引き下げや政策減税の拡大に代表される「アベノミクス税制」は、日本経済全体ではなく、一部のグローバル企業にとって都合がいい政策ばかりだ。減税の恩恵を受けた企業から自民党が多額の献金を受けているのは「利益の還流」と言え、経済界と政治との蜜月ぶりを象徴している。多額の企業献金が税制改正の議論をゆがめてしまう可能性がある。

***記事内の図「安倍政権で税は、企業は、暮らしは」

企業向けの特例減税、1兆2千億円 民主政権時から倍増:朝日新聞デジタル(2016年2月14日05時07分)(魚拓(図あり)

 税金を特別に安くする企業向けの「政策減税」の合計額が2014年度、少なくとも約1兆2千億円にのぼることが分かった。減税額は民主党政権時から倍増し、減税の恩恵の約6割を資本金100億円超の大企業が受けていた。まず大企業を後押しして経済の好循環をめざす安倍政権の姿勢が浮き彫りになったが、その「果実」が家計に回っていないのが実情だ。

 政策減税の利用状況について、財務省が11年度分から公表している調査報告書をもとに朝日新聞が分析した。国税の減収額が明らかな項目を合計すると1兆1954億円で、11年度以降初めて1兆円台になった。消費税なら約0・4%分の税収に相当する。民主党政権が税制改正を決めた12年度(5244億円)に比べ2・3倍に増えた。

 減税額が最も大きいのが、企業の研究開発投資に応じて税金を控除(安く)する「研究開発減税」だ。14年度は6746億円で、12年度(3952億円)からほぼ倍増した。第2次安倍政権の発足直後に決めた13年度税制改正で、控除の上限を大幅に引き上げたことで減税額も膨らんだ。

 研究開発減税の恩恵は大企業に集中する。企業数では全体の0・1%にも満たない資本金100億円超の企業への減税額が5423億円と全体の8割を占める。政策減税全体でも資本金100億円超の企業への減税額が7365億円と12年度の2・5倍に増え、全体の62%を占めた。12年度の56%より高まった。

 財務省の報告書で、減税対象の企業名は非公表だ。朝日新聞が大手企業の有価証券報告書などと突き合わせて分析したところ、研究開発減税の適用が多い上位5社は、トヨタ自動車(減税額1083億円)、日産自動車(213億円)、ホンダ(210億円)、JR東海(192億円)、キヤノン(157億円)とみられることが分かった。

 安倍政権は設備投資や賃上げに応じた減税も新設しており、3千億円超の減税になった。うち資本金100億円超の企業への減税額が5割を超えた。(牧内昇平)

■大企業に恩恵、具体名は非公表

 財務省の報告書を分析して分かったのは、大企業が法人税率引き下げに加え、政策減税という「見えにくい恩恵」も受けていることだ。

 安倍政権はアベノミクスの優先課題として企業全体にかかる法人実効税率を16年度、20%台まで引き下げる。税の専門家らは、実効税率を下げるなら政策減税は縮小し、企業になるべく公平に課税していくべきだと指摘してきたが、安倍政権で政策減税の額はむしろ倍増し、恩恵はより大企業に偏るようになった。

 研究開発や設備投資は日本経済の活力源だが、減税目当てで必要以上の投資をする企業はなく、減税の拡大がそのまま投資の拡大につながるとは限らない。大企業を応援しても実質賃金が4年連続で減り、家計の消費支出も低迷が続くなど、経済が底上げされていない現実に目を向け、低所得者の税や社会保険料を軽くするといった「分配重視」の負担の形に見直すことが急務だ。

 透明性にも課題がある。特定の企業や業界が恩恵を受ける政策減税は補助金に近い。だが、国会でよく議論される補助金に比べ、企業活動などに応じて決まる政策減税は全体像や効果がつかみにくく、国会でもあまり議論されなくなった。

 報告書は減税対象の企業名を伏せている。朝日新聞の分析で一部を特定したものの、全体像は分からない。ここがブラックボックスでは、税に対する国民の納得感は広がらない。(松浦新)

     ◇

 《減税額の集計方法》 朝日新聞が減収額を集計したのは、中小企業などの税率を低くする「税率特例」と、税金の一部を免除する「税額控除」に該当する項目。課税を翌年以降に遅らせる効果がある「特別償却」などは集計に含めていない。

     ◇

 《政策減税》 国の政策目的などに沿って法人税などに特例を設ける「租税特別措置」の一部。14年度は法人税を安くする措置だけで87項目あった。特定の業界や地域が対象になるものが多い。原則は期限付きだが、「延長」が繰り返されている減税も少なくない。


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