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2016/05/09

産経新聞野口記者の記事が戦時中の翼賛記事みたい。など。

このブログのちょうど1000記事目になるみたい。継続は力なりというけれど、全く力にならない継続もあるんだなあ(苦笑)。

さて。
産経記者の野口裕之氏によるポエムレポートが評判の国産ステルス機「心神」だけど - 法華狼の日記
こちらで拝見して印象深かったのでメモ。

戦時中の記事の例を出して二つ並べて味わうのが正しいと思うが、時間もないのでそこは省略。
脈絡もないのに、なぜか百人切りの記事とかを思い出してしまったのだけれど。

で、野口記者の美文を末永く味わうために、普段は絶対に見ない産経新聞サイトから文章を引いておく。

【日本版ステルス機初飛行】大空に舞った「平成の零戦」 米軍「F-35」を凌駕する「心神」 「軍事情勢」野口裕之記者レポート(1/7ページ) - 産経ニュース(2016.4.28 12:47)

 驚くほど細身で、しなやかささえ漂う「白地に赤く」彩られた機体は、前脚が滑走路から離れるや、グイと大空を見上げた。「空の青」に鮮やかに溶け込み始めた、操縦席直下に映える「日の丸の赤」に感動したのも瞬く間、頼もしい爆音とともに、かなたへと消えていった。国産初となるステルス戦闘機開発に向けて《心神》は22日、初陣を飾り、眼下に広がる濃尾平野が「若武者」の門出を祝った。心神は、防衛省の発注で三菱重工業などが製造する《先進技術実証機》の愛称であるが、誰が付けたか分からぬものの、富士山の別称とは心憎い。航空自衛隊・小牧基地(愛知県小牧市)を飛び立った心神は30分後、空自・岐阜基地(岐阜県各務原市)に着陸を果たしたが、国戦闘機開発の再生は緒に就いたばかり。わが国を取り巻くキナ臭い情勢を観察すれば、かつてわが国が掲げたスローガン《翼強ければ国強し》を、再び強力に実行する時代を迎えた。

日本航空史の屈辱「大学の応用力学科」

 心神が、零戦と縁(えにし)が深い三菱重工業の愛知県内の工場で生まれたためかもしれぬ。心神の晴れがましい姿が見えなくなると、水を差す言葉が頭をよぎった。

 《応用力学科》

 大東亜戦争後、大日本帝國陸海軍の傑作機復活を恐れる連合国軍総司令部(GHQ)は日本の航空機産業をズタズタにした。《航空禁止令》により、航空機の研究開発はメーカー各社も大学も全面的に禁じられた。大学では《航空工学科》の看板が下ろされ、《応用力学科》などと名称変更を強いられた。世界に冠たる名機製造に参画した技術を泣く泣く封印し、鍋・釜の製造で糊口をしのいだメーカーもあったやに聞く。昭和27年の《サンフランシスコ講和条約》発効で主権を回復し、航空禁止令は解かれたが、時既に遅し。世界はジェット戦闘機の開発競争時代に突入していた。

ジェット戦闘機開発封印で海外メーカーの「下請け」

 この遅れは痛く、技術大国でありながら長きにわたり海外メーカーの「下請け的」存在に甘んじてきた。

心神こそ、わが国の航空機産業を蘇生・復活させる先駆けと成るのである。心神が一身に背負う「重み」は戦略レベルと言い切って差し支えない。

心神の背負う「重み」

 中谷元・防衛相は2月24日、愛知県小牧市の航空自衛隊小牧基地で実施された心神の地上滑走試験を視察したが、心神の背負う「重み」をよく理解している。中谷氏は強調した-

 「(開発が)順調に進展していることを確認した」

 「将来のわが国の戦闘機開発や航空機産業全体の技術革新、他分野への応用に大変期待が持てる」

 中谷氏が「順調な進展」に言及した背景には、平成7年の研究開始以来、技術的にほぼ未開の、しかも高度な分野に踏み込み、克服しつつある安堵感が横たわる。何しろ、米軍のF-35といった《第5世代》戦闘機の上をうかがう、将来の《第6世代》戦闘機開発に備えた開発・製造なのだ。30万点もの部品を組み合わせ、国産化率9割超の軍用機を造り上げた技術陣や参加企業220社は褒められてよい。

エンジン開発にも成功

 特徴の第一は、炭素繊維を駆使し、形状を“彫刻し”た、敵レーダーに探知されず敵を捕捉するステルス性で、国産成功例は米露中3カ国のみ。繊維の他▽耐熱素材▽電子機器▽小型燃料装置…、わが国の得意技術を活かした点も特筆される。強い向かい風を受けても失速せず、旋回半径の著しい短縮を可能にしたエンジンの開発も、担当のIHIが成功した。結果、軽量化を図り高い運動性を実現する。

 2つ目の「重み」は、中谷氏の言葉にもあるが、将来の戦闘機開発や航空機産業全体の技術革新に資する展望だ。

 平成22年3月に国内企業群が試作を始めた心神は2月以降、9回の地上滑走試験を重ねた。そして迎えた今次初飛行は、防衛装備庁引渡し前の最終段階にして、最大の難関であった。

「失敗は成功のもと」

 あと1回有視界飛行を試し、引き渡されても、研究中だった最新技術を追加→試験飛行を反復→問題点をあぶり出し→分析→改善を施し→対応技術を付加→再び飛行する。回転を止めず進化を求め続ける、以上の過程の繰り返しを軍事の要諦《スパイラル・セオリー》と呼ぶ。

 実動・実戦で使う兵器の不具合は「自衛官の死」を意味する。従って、セオリー途中での不具合や問題点は貴重な発展的改善材料で、次の次の戦闘機開発にも性能アップした上で導入される。実動・実戦で失敗をしなければそれでよく、兵器の分野ではまさに「失敗は成功のもと」なのだ。 加えて「学び取った技術・ノウハウは、許される範囲で最大限民間にも伝授できる」(三菱重工業の浜田充・技師長)。

絶大な経済効果

 経済効果も絶大だ。武器輸出3原則緩和や防衛装備庁設立と相まって、期待は否が応でも高まる。心神には220社が関わったが、戦闘機量産ともなれば、直接従事する企業(孫請け、ひ孫請け…を含む)ばかりか、工場建屋建設はじめ、工場の社員食堂に食品や白衣を納入する業者まで、さらに企業数が増える。小欄の認識で、広義の「防衛産業」とは関連業者も入り、兵器によっては総計数千社が恩恵を受ける。

 開発資金の不足以外、良いことづくしだ。

F-2戦闘機の後継機は国産か共同開発か?

 ところで、平成30年度までに空自のF-2戦闘機の後継機の取得方式を決定する方針が決まっている。その際、後継機を《国産》にするか《共同開発》にするかが注目されているが、大事な視点が抜けている。心神が授けてくれる数々の技術の完成度が、将来型戦闘機の生産・開発形態を決めるからだ。

 関係者は「未定でよい」と言い切る。国産戦闘機製造への総合力を持てば、外国が注目し擦り寄ってくる。逆説的に言えば、国産戦闘機製造への総合力を持たぬと軍需大国に相手にされず、共同開発には参画できない。この関係者は「国産戦闘機の製造段階に昇った時点で、防衛技術基盤の発展や費用対効果、企業収益など国益を冷静に勘案し、国産か共同開発かを判断すればよい」と、まずは「国産力」蓄積を目指す方向が基本と考えている。

 仮に国産にすれば開発費は5000億~1兆円超。一方で防衛省は、最低でも4兆円の新規事業誕生+8.3億円の経済波及効果+24万人の雇用創出を試算する。

 他方、共同開発であれば費用・技術上のリスクを、同盟・友好国とシェアできる。

 国産・共同開発いずれにしても、海外に売り込むスキームは早期に構築しなければならない。

ヒト・モノ・カネ流失防止の法的スキーム

 スキームといえばもう一つ必要だ。前述した武器輸出3原則緩和や防衛装備庁設立による「副作用」対策。3原則に縛られ兵器貿易と貿易管理面で「鎖国」状態だったぬるま湯時代とは違い、「開国」し、日本政府が外国との輸出入に乗り出した現在では不可欠となった、人材(ヒト)・技術(モノ)・利益(カネ)の流失を防ぐ法的管理スキームがないのだ。別の関係者は日本メーカーの具体名を挙げ(仮にA社)、「A社と提携関係を切って、ウチに来ないか?と、外国企業に手を突っ込まれる日本企業は次第に増えている」と証言。「開国」がもたらした現状を「舌なめずりするオオカミがうろつく荒野で、ヒツジが閉じ籠もっていたオリの扉が開いた」と表現した。

国家守護の礎

 空自出身の宇都隆史・参院議員は「戦闘機開発は国家の体制を守る礎の一つになる。礎の構築は、わが国が独自の技術力をしっかりと確保して、初めて達成する」と、小欄に期待を語った。心神は上空で、国花・桜が散った《小牧山》を愛でたであろう。織田信長が450年ほど前、天下統一の夢を描き、自ら築いた最初の城が《小牧山城》とも伝えられる。

 「国家の体制を守る礎」と成る心神の、門出にふさわしい風景ではないか。(野口裕之)

ざっと3000字の名演説にほれぼれとする。
陶酔したような文体、拾ったネタの針小棒大な持ち上げ方、国家の栄光と弥栄を予言するような前途洋々さ、純真な我が国を虎視眈々と狙う敵勢力の暗示など、全てが素晴らしい。

提灯持ち記事はいろいろ目にするが、この野口記者の記事は他の商品宣伝記事とはタイプが違う感じがする。むしろ昔の翼賛記事っぽいのだけれど、どの辺りがポイントなんだろう。野口記者の原文をいじって新車や新製品のレポート記事みたいにするとか、その逆に商品紹介記事を愛国記事みたいにするとか、できるのかな。

**************

中国人への偏見はこうして作られる - 読む・考える・書く(2016-05-04)

趣旨や問題意識はまるっきり共有している。
このワイドショーはどこの何という番組だったのかな。

ふるまいよしこ ‎@furumai_yoshiko
今朝またどっかのニュースワイドショーで、中国人が江戸川河口で牡蠣を取っているという話が流れていた。レポーターがきいてみると、「友達で食べる」と答えていた。だが、番組は、1)野生のマガキは「衛生上危険である」という話と、2)潮干狩り指定地区外だから「ルール違反である」という話…
2016年5月2日 08:40
とのこと。

検索すると、2年前にも類似の話が放映されていたみたい?

【危険】江戸前の牡蠣!東京湾の『潮干狩り場のカキ』は獲らないで食べないで!|オイスターニュース★|牡蠣百科(2016-05-09 10:45:35)

昨日のニュース(2014-05-06|TBS|Nスタ)で「東京湾の潮干狩りで中国人が天然のカキを密漁」と放送されたらしく、早速、カキ好きの皆さんから「東京湾でカキが獲れるの?」「江戸前のカキがあるの?」と…
このエントリは2016年の日付があるのだが、このエントリ末尾に
【Info.】
■TBS|Nスタ|ニュース|2014-05-06
http://kakaku.com/tv/channel=6/programID=22712/page=6188/
■50年ぶり!23区で唯一海開きができたのは「カキ」のおかげだった
http://matome.naver.jp/odai/2137392386576133201
■東京湾海水浴場復活プロジェクト
http://www.furusato-tokyo.org/furusato%20tokyo%2013.html
■品川はカキの名産地だった
http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/hp/page000006700/hpg000006618.htm

Ver.2015-08-23,2014-05-06

とある。このサイト、同じ記事を別ページにも上げている。

【危険】江戸前の牡蠣!東京湾の『潮干狩り場のカキ』は獲らないで食べないで! : カキペディア|牡蠣百科

でも、これ本当に2014年なのかなあ……。だとすると2016年のものは再放送なのかな?

上記のページにある画面の写真(URL)には、「ビビット」や「迷惑 潮干狩りを荒らす「爆狩り外国人」 大量のカキ…食べれば危険も…」などの文字がある。
この語句で検索すると、例えば以下のリンクがヒットする。

GW突入で早くもトラブル続出!?潮干狩りを荒らす「爆狩り外国人」大量のカキ・食べれば危険も TBSテレビ【白熱ライブ ビビット】|JCCテレビすべて

2016/05/02 TBSテレビ 【白熱ライブ ビビット】
GW突入で早くもトラブル続出!?潮干狩りを荒らす「爆狩り外国人」大量のカキ・食べれば危険も
潮干狩り場では、大量にカキを採る外国人が問題になっている。
ふなばし三番瀬海浜公園は大人430円、4歳以上の子ども210円で潮干狩りが楽しめる。
去年の開催期間中には約13万人が訪れた。
カキは大きくワケてイワガキとマガキがある。
マガキは水質検査で合格したキレイな海域で育て出荷するため、ほとんどが養殖物。
また、カキは一日に300リットルの水を浄化する。
中国人やベトナム人が採っていたのはマガキ。
OystersJapan・三村大輔代表は「普段食べている生食用のカキは水質検査や大腸菌検査、滅菌等を経たもので、魚と違って新鮮だから安全という食材ではない」という。
葛西臨海公園では、2013年に50年ぶりに海水浴場がオープンした時も水質改善に一役買ったのがカキだった。
船橋市漁協組合・吉種一明理事は「カキが生きたままそこにいてくれたら、水の浄化をしてくれる。
何人かの心得ないもののために皆さんが楽しくルールを守ってやっていることができなくなると悲しいこと」とコメント。
周辺地図(ふなばし三番瀬海浜公園、船橋市漁業協同組合・漁業権エリア、江戸川)。
映像提供:GoogleEarth。
大渕愛子弁護士は「漁業権エリアでなければ、営利目的を立証するのは難しい」、慶應義塾大学大学院教授・岸博幸は「食の安全に直結する」、カンニング竹山、遥洋子のスタジオコメント。
スーパー、東京駅に言及。
これはTBSテレビの「白熱ライブ ビビット」という番組らしい。
同じサイトの違うページにも関連の記述がある。

GW突入で早くもトラブル続出!?潮干狩りを荒らす「爆狩り外国人」 TBSテレビ【白熱ライブ ビビット】|JCCテレビすべて

子どもたちに人気の潮干狩り。
神奈川県横浜市にある海の公園では、今年の最高気温26.2度を記録し、約8000人の家族連れが訪れた。
海の公園は、無料で潮干狩りができるため、3万人以上が訪れる超人気スポット。
そんな中、千葉県船橋市のふなばし三番瀬海浜公園では、危険なため立ち入り禁止となっている場所で、貝の乱獲を防ぐため使用禁止されている漁具・まんがで貝を取る親子が。
また、カキを採りに来たという中国人を名乗る男性たちは大量のカキを友人たちと食べるという。
こうした行為が仮に販売目的の場合は、漁業法に違反する可能性もある。
さらに桟橋の下ではベトナム人グループがカキを採っていた。
市場に出回るカキは細菌数や毒などの厳密な検査を受けているが、こうして採ったカキには危険性もあるという。
OystersJapan代表・三村大輔は「腸管出血性の大腸菌で死ぬようなもの、A型肝炎ウイルスが入っているかもしれない」とコメント。
横浜市、吹上浜砂の祭典、6000人以上の大行列の小田原城、食の祭典・肉フェスの映像。
協力:ペスカデリア銀座店。

で、上記「牡蠣百科」記事では、TBSのNスタという番組の2014年5月6日放送だというのだが、そこのリンク先を探してもそれらしい記述は見つからなかった。
価格.com - 「Nスタ」2014年5月6日(火)放送内容 | テレビ紹介情報

それに、紹介している画面に「ビビット」という文字があるのも奇妙だ。

というわけで、今のところ、これは2016年5月2日の放送の、TBS「白熱ライブ ビビット」のことじゃないかと思うのだが。


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