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2016年6月の7件の記事

2016/06/29

家族に孝行することを制度化している会社

新たなサンプルが見つかったので、今回新たにエントリを建てた。

●税理士法人 古田土会計
聞いたことがない! 両親への「ありがとう」が業務命令:日経ウーマンオンライン【こんな会社で働きたい!】(2016年6月28日)

東京都・江戸川区に「日本一明るい会計事務所がある」と聞き、やってきたのは西葛西駅からほど近いオフィスビル。なんでも親孝行が“業務命令”の会計事務所があるらしいのです。税理士法人 古田土会計が実施している「親孝行制度」とは一体どんな制度なのか?
というわけで、こういうPR記事こそ香ばしさがあふれているもの。
入り口を抜けると、オフィスの隅々から「いらっしゃいませ! こんにちは!」と張りのある挨拶の声が次々と。席に座っていた社員の皆さんが、一様に仕事の手を止め、立ち上がり、笑顔を向けてくれています。思いもよらぬ“大歓迎ムード”に目が覚めるような思い。
高校にはこういう学校がたくさんある。で、学校を一歩でも出ると、この種の「挨拶」と「笑顔」ってなくなるんだよね。まあ何というか、挨拶と笑顔も業務の一つというわけで、別に相手に好意を持っているわけでも親切にしたいわけでもない。あくまで業務、ルーチンワークの一環としての「笑顔」であり接遇である。これが「おもてなし」の神髄でもある。

まあそれはともかくとして、この記事によると、
・これは「親孝行制度」といい、「税理士法人古田土会計をはじめとするエムケーコンサルティンググループが12年ほど前から導入した」
・「毎年4月21日~5月20日を「親孝行月間」とし、入社3年目までの社員を対象に、「実家まで両親(社会人になるまでお世話になった保護者)に会いに行き、御礼の挨拶をする。初めての給料で買ったプレゼントを贈る」という制度。」「実家までの交通費は支給される。」
・業務命令で親孝行をする。「確かに親孝行したことを証明するために、贈り物をしているシーンや御礼の言葉を述べているシーンを撮影した“証拠写真”と共に、後日レポートにしてチームリーダーに提出。さらに総務課もチェックした上で“業務完了”となる」

で、「業務命令で親孝行することに違和感はなかったのか」という質問への社員の反応。→「業務命令だからこそ、やりやすかった」
親に感謝の気持ちを表すきっかけをもらえて助かったということらしい。また、その副産物として、

「それまでの私は『自分が何かしたとしても、相手を喜ばせるような大したことはできないのではないか』と思い込んで、どこか消極的なところがありました。親孝行を通じて両親が喜んでくれる姿を見たことで、私の行動一つで相手に大きな喜びを与えることができること、そしてその喜びが何倍にもなって自分に返ってくることを実感できました」
という気持ちの変化が生じたことと、
 以来、お弁当を作ってくれる母親に「今日もおいしかったよ」「ありがとう」と言った一言を意識的に伝えられるようになったそうです。
という行動の変化があった、という話。なんとなく、就活の「成長しました」作文みたいな臭いも感じられるが、まあそれはいいとして。

この記事には後編があるらしいので、もっと詳しい話が出てくるだろう。

で、この会社のサイトから。

会社を知る - 税理士法人 古田土会計採用サイト(エムケーコンサルティンググループ)

「三つの文化」として、挨拶・朝礼・掃除を掲げているとのこと。その理念は「職場は仕事をするためだけの場ではなく、人間性を高める場でもある」というもの。

挨拶 出社したら、全員が全員と握手して挨拶します。最初に挨拶するのは、入口前に席がある古田土所長とです。

朝礼 TV東京「たけしのニッポンのミカタ!」に紹介されたほどの朝礼。いままで、300社以上、1,184名の方が見学に来られました。

掃除 毎週火曜日~木曜日の朝は西葛西の駅前から事務所の近所まで、社員全員で清掃を行っています。


会計事務所通信:税理士法人古田土会計/株式会社古田土経営
給料日に従業員が募金する箱があり、募金したらその従業員が太鼓を打ち鳴らすらしい。
社長の古田土氏の誕生日は「毎年、朝礼そっちのけでお祝い」だとのこと。
~代表社員 古田土 満 誕生日パーティー~ 税理士法人古田土会計|月次決算書の使い方徹底講座 - 税理士・会計事務所向けに古田土会計・古田土経営のノウハウ公開

日本商工会議所「光る!リーダーシップ!「若者・女性の活躍推進」取組事例【23】株式会社 古田土経営 グループ
日本商工会議所: 光る!リーダーシップ!
社内のワークライフバランスの重視、業務平準化の取り組みの紹介など。
従業員とその家族の集合写真が掲載されている。

社員が嫌がることでもやりなさい!~社員も家族も幸せにする経営術~|Visionet(ビジョネット)
「成功した企業のリーダーたちから業績アップのヒントとノウハウを学ぶ『ビッグインタビューズ』」として、古田土氏のインタビューがDVDとして販売されている。

いくつか特徴的なことが書かれている。
・「社員を幸せにする」という言葉が経営理念に入っている
・小中学校に出向いてトイレ掃除をしている
・「朝礼の定義は何かというと、情報提供の場でもコミュニケーションの場でもない。訓練の場であると。」
・「人は何で動くかというと、個人の考えだけで動くのではなくて、社風で動く」
・「会社というのは、お客様に喜ばれたり感謝されることが先」

個別の項目は企業の考え方として特段珍しくもないものもある。しかしこれらが連合して一体的になると、ある種の特徴がにじんでくる。

******

家族への感謝を制度化している企業には、ほかに、アリさんマークの引越社とフジ住宅がある。

●アリさんマークの引越社
風邪引いて辛いのにやむを得ず仕事しているが、あまりにアレなのでメモ: 思いついたことをなんでも書いていくブログ
従業員の配偶者(妻)の誕生日に祝い金。有給休暇を取れる(プレゼント)。
※有休は自分の好きなときに取れるはずなのでちょっと奇妙。有休が1日多いということなのか、休むことを義務づけられているのか、単に奨励しているだけなのか。

●フジ住宅
フジ住宅と今井光郎氏の研究会: 思いついたことをなんでも書いていくブログ
「親孝行月間」という制度を設け、年に一度全社員に1万円を支給。必ず親のために使うことと、どのように使ったかを感想文にして提出することが課されている。

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2016/06/28

「視聴者の会」はNHKにも抗議しなくちゃまずいんじゃ?という話

報道圧力団体「視聴者の会」公開討論でリテラが安倍首相との癒着を徹底質問! 上念司と小川榮太郎が珍回答を連発|LITERA/リテラ(2016.06.17)

「視聴者の会」というのは、「放送法遵守を求める視聴者の会」が正式名称で、文芸評論家・小川榮太郎氏と経済評論家・上念司氏が呼びかけ人になっているそうだ。

同会のウェブサイトは以下の通り。
【公式】放送法遵守を求める視聴者の会ウェブサイト|「知る権利」を奪うメディアの偏向報道を見逃しません

ここは、番組ごとに、賛否両論が放送される時間(秒)を調べて、その時間が半分ずつになっているかどうかで、報道の偏りを測定しているのだそうだ。

例:安保法制報道における両論の放送時間比較
ここで説明されている調査方法は以下の通り。

一般社団法人 日本平和学研究所調べ
※2015 年 9 月 14 日 〜 9 月 18 日での各番組放送時間の統計
※調査方法:発言者や場面ごとに賛否についての判断を行い、複数調査員により複数回調査し平均を出しました。
「複数回調査し」というのがちょっとよくわからないが、それはまあいいとして。

ここで「日本平和学研究所」という団体名が出てきた。

公式サイト:一般社団法人 日本平和学研究所

この「研究所」については、やはりリテラが取り上げている。
『NEWS23』岸井攻撃の意見広告を出した団体の正体! 謎の資金源、安倍首相、生長の家、日本会議との関係|LITERA/リテラ(2015.11.27)

この記事は上記「視聴者の会」の背景が主題だが、これによると「日本平和学研究所」も日本会議と密接な関係にあり、「扶桑教ひとのみち教団」(現在のPL教団)より分裂した組織とつながっているらしい。「視聴者の会」の小川榮太郎氏が理事長で、小川氏は日本会議で講演するような関係らしい。

閑話休題。

で、「視聴者の会」は、一つの意見が放送される時間を計って、放送の公平性を調べている。
一番上に上げたリテラの記事では、リテラ記者とこんなやりとりをしている。

――あ、じゃあ内容についておうかがいします。活動内容についてです。たとえば、「視聴者の会」さんは、夜のニュース番組だけ、『(NEWS)23』ですとか『報道ステーション』、それだけをとって賛否の時間的な「公平性」を訊いている。でもこれ、おかしいじゃないですか。なんでワイドショーや朝の情報番組は調査しないんですか。たとえば……

上念 コストかかるからだよ(笑)。

小川 えっと、今の発言だけでは、わかりません。ようするに、その番組全体をまずきちっと……今ね、私ども検証報告本当にやっているんです、毎日。で、たしかにおっしゃるとおりでね、もっと全部やったほうがいいというご意見ももっともなんですよ。ただ、お金も人も、ないんです。だからね、調べたとき95対5とか極端だったTBSやテレビ朝日を先に優先してますけれども……
――「先に優先してる」って言ってるじゃないですか! 意図的ですよそれは。
小川 そりゃそう当たり前じゃないか! だから偏向してるから、偏向してるからね? それで、それを優先して視てるんでしょ? じゃあ次にお金の余裕が出たらちゃんと他もやりますから資金面の心配をしてください。
*******

というわけで、番組を視聴して時間を計るのって結構面倒だろうしなあ、などと思っていたら、似た発想をする人はいるもので、同じようなことを調べた人が現れた。

【メディア分析】NHKで安倍さんの露出時間が長いのは公職選挙法違反では?(水島宏明) - 個人 - Yahoo!ニュース(2016年6月26日 8時46分配信)

6月22日(水)のNHKニュース7。
各党の党首演説の映像の長さは下記の通りだったとのこと。

自民・安倍総裁1分1秒、民進党・岡田代表51秒、公明党・山口代表40秒、共産・志位委員長35秒、大阪維新・松井代表23秒、社民・吉田党首20秒、生活・小沢代表21秒、こころ・中山代表19秒、改革・荒井代表17秒。

明らかに安倍さんの演説の放映時間が長くなっています。
(中略)
議席数に差があるとはいえ、実際に国会に議席を持つ政党なのに自民党の安倍さんが1分1秒で、新党改革の荒井さんが17秒。

そして、その後の党首インタビューの時間は以下の通りだったとのこと。

自民・安倍22分35秒、民進・岡田22分10秒、公明・山口8分0秒、共産・志位7分4秒、大阪維新・松井6分4秒、社民・吉田4分18秒、生活・小沢3分48秒、こころ・中山4分10秒、改革・荒井3分47秒。

自民党と比べると共産党は3分の1以下、新党改革は6分の1程度。

水島氏が「視聴者の会」より優れているのは、同日の他局の報道番組でも報道時間を計って、それらの結果を比較していることだ。その結果、民放はおおむねどの局もすべての政党に均等に時間を配分していたのに対して、NHKだけは大きくその傾向がずれていた、主に自民党に大きな時間を割り当てていた、ということが分かった。

さて、「視聴者の会」は、公式サイトに「いかなる政治主張も公平に報道されなければなりません」とすごく大きな字で書いている。すごく大きな字なので、きっと同会にとって最重要な主張なのだろう。
また、2016年6月13日には、TBSに「TBS社による重大かつ明白な放送法4条違反と思料される件に関する声明」という文書と公開質問状を出している。その文書の一節にはこうある。

時間公平を強く要求することは、そのような不当な民主主義の破壊を防ぐ、現時点で最も簡単で有効な手段だと、当会は強く主張する。
そして、その上で、TBSに対して、以下のような「要望」を出している。
◆TBSへの要望

1.この度の当会の調査結果に対して、放送法第4条の二及び四を遵守していると考えるか否か。遵守しているとの判断ならば、その根拠を明確に示すこと。

2.放送法第4条の二及び四に抵触したことを認めるのであれば、その責任を明確にし、再発を防止するため直ちに全社的な対応を取ること。
よく言われるように放送法第4条が「倫理規定」であるのならば、その「倫理」をこれだけ守れていない以上、視聴者、スポンサー企業に対し、法的、社会的責任を自らとることを強く要求する。

3.責任の取り方として、以下の対応を求める。
(1)第三者による調査・改善委員会の設置。人選については多様な立場の専門家で構成し、対立する見解を持った構成員を最低限保証すること。「お友達委員会」であってはならない。
(2)調査においては、安保報道全期間とし、放送法第4条に抵触する「違法性」の所在を自ら明確にすること。
(3)原因究明と再発防止のための具体的方針を明らかにすること。
*とりわけ、個別の番組、また放映曜日によっても多数の制作会社、人員が関わっているにも関わらず、なぜここまで局全体の論調が統一されてしまうのか、その構造的原因を明らかにすること。それができない限り再発を防げないと当会は考える。
(4)経営陣が辞任を含めた明確な形で引責すること。

「視聴者の会」は、「民主主義の破壊」を何よりも防ぎたいと考えているのであるから、選挙という重大局面において「公平」を毀損しているNHKに対しても、同様の「声明」と「公開質問状」を出すべきではないかとおもうのだが、どうだろうか。

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2016/06/25

他山の石

ニコ生配信者が選挙カーで「暴言」 おおさか維新の会・三宅博前衆議院議員が謝罪 「聴くに堪えない演説」「担当者の手違い」 - ねとらぼ(2016年06月25日 00時04分 更新)

この弁士に依頼したときの経過が紹介されている。→画像

この依頼が軽すぎる。

「選挙カー上でしゃべると気持ちいいですよ」
「生放送しながらやって頂けるととてもありがたいです」
「なんでもありです」
「野田さんの持論を語って頂ければ最高です」

この雰囲気が自分にも心当たりがありすぎてギョッとした。

依頼を断られたくないとか、相手の気持ちを損ないたくない・嫌われたくないとか、相手をあまり拘束したくない=その人の自主性や裁量を尊重したいとか、その人オリジナルの良さを壊したくないとか、とにかくそういう気持ちがもやもやとして、
「何でも好きにやってもらっていいですよ」
と、つい迎合してしまう。

逃げてはダメだと改めて教えられた気がする。

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2016/06/21

東京都政の真の権力者は自民都連幹事長の内田茂都議であり、それは都庁と一体化した「「東京の意思決定システム」を形成しているという話

この記事をきっかけにちょっと検索してみた。週刊誌レベルでは以前から何度も出ていた話のようで、つまり、よく知られたことのようだ。それが大手新聞にも出てくるようになったということだろうか。

舛添都知事:辞職 「英断ありがとう」「所詮タレント学者」 混乱回避へ都職員安堵 - 毎日新聞(2016年6月17日 東京朝刊)

 東京都の舛添要一知事の辞職決定から一夜明けた16日、ひとまず都政の混乱は収束することになり、都職員からは安堵(あんど)の声が漏れた。一方で、都議会と対立しなかった舛添氏の退場による都政の変化への心配も聞かれた。

 舛添氏の公私混同問題で、知事の政策をサポートする政策企画局には今月9日までに、約3万2900件の抗議が電話やメールで寄せられた。

 同局職員は「やっと通常の業務ができる。都議会を解散し、改選後に不信任案再可決という最悪の事態も想定していたので、知事に『英断くださり、ありがとうございます』と言いたい」と語った。都幹部は「地方行政は本来、足元を見る仕事だが、知事がやったのは都市外交と美術館巡りだった。結局、目立つことが好きなタレント学者が政治家のように振る舞っていただけ」と切って捨てた。

 都政はここ十数年、自民都連幹事長の内田茂都議を中心に回ってきた実情がある。局長級幹部によると、事務方が重要な条例案や新規事業を承認してもらう時は、事前に内田氏に報告していた。猪瀬直樹・前知事はこうした「根回し」を嫌う傾向があったが、議会との関係がおおむね良好だった舛添氏は、内田氏への説明先行に文句を言わなかった。

 東京駅周辺地域を国家戦略特区とするための提案、税収が豊かな都を念頭に政府が打ち出した「自治体間の税収の格差是正を目的とする法人住民税の一部国税化」についても、事務方が内田氏と対応策を練ったという。この幹部は「新知事が従来の『東京の意思決定システム』を変えれば、都政は大混乱する。議会に刃向かわなかった舛添氏は、その意味で最高の知事だった」と振り返った。

 舛添氏は16日、都庁に姿を見せたが、登庁・退庁時とも硬い表情で報道陣の問いかけに無言を貫いた。【篠原成行、川畑さおり、飯山太郎】

都職員が桝添氏を冷たく切って捨てるのは職員個人個人の見解だろうし、都庁内で何があったか知らないので、とやかくは言わない。ただ見苦しいと思うだけだ。

で、気になったのは以下。

都政はここ十数年、自民都連幹事長の内田茂都議を中心に回ってきた実情がある。局長級幹部によると、事務方が重要な条例案や新規事業を承認してもらう時は、事前に内田氏に報告していた。猪瀬直樹・前知事はこうした「根回し」を嫌う傾向があったが、議会との関係がおおむね良好だった舛添氏は、内田氏への説明先行に文句を言わなかった。
つまり、東京都の真の権力者は内田茂都議だというわけだ。
内田氏を頂点とする都自民党の権勢が東京都を支配する構造はもう十数年続いていて、「東京都の意志決定システム」として定着しているということらしい。

気持ち悪いのは、その「意思決定システム」をどうやら都職員が歓迎し、守りたいと思っているらしいこと。
「新知事が従来の『東京の意思決定システム』を変えれば、都政は大混乱する。議会に刃向かわなかった舛添氏は、その意味で最高の知事だった」
というコメントは、都知事などまさに傀儡に過ぎず、知事選など一種の政治ショーでしかないということを浮かび上がらせる。大衆の耳目を集め、興奮させ、満足させる供物のようなものだというような。何となくローマ帝国の元老院を思い起こさせる。後世の歴史家はこの政治をどう評するのだろうか。

そしておそらく、桝添氏のお金の使い方はやり玉に挙がっても、それは桝添氏個人のこととして切り捨てられ、公金浪費の是正そのものや都議会・都庁を含む他の事例の告発にはつながらないのだろう。記事に上がっているコメントからは余裕が感じられる。

***************************************
で、この毎日新聞記事をきっかけにちょっと検索してみて出てきたのが以下のような記事。内田氏は都の公共工事を左右する力があり、その利権が強いみたいな記事が出てきた。そうなればなるほどオリンピックや卸売市場の移転にこだわったり、その他いろいろな再開発が続いているのも分かる気がする。

2013年の話。
猪瀬都知事と犬猿の仲“都議会のドン”が復活で五輪招致が大混乱 - ライブドアニュース(2013年7月3日 16時0分)

6月23日に行なわれた東京都議選で、自民党は立候補者全員が当選するという大勝利を収めた。この結果は“猪瀬都政”にどのような影響を及ぼすのか?

自民党は昨年の都知事選で猪瀬直樹氏を支援していた。普通に考えれば、民主党が後退して自民党が躍進したことは猪瀬知事にとって追い風だと思える。しかし、現実はそう簡単ではないようだ。

自民党本部関係者が証言する。

「都知事選の際、全国組織である自民党本部は最初から猪瀬さん支持で固まっていました。猪瀬さんは小泉政権時代、強硬に抵抗する道路関係四公団を民営化する改革の中心メンバーとして尽力してくれました。われわれの間には信頼関係があるのです。

さらに、党本部が都知事選前に行なった世論調査でも猪瀬さんの支持率は飛び抜けていた。打算で考えても自民党が猪瀬さんを支援するのは当然なのです。

しかし、自民党の地方組織である東京都連は違いました。猪瀬さんへの支持を断固拒絶し、ギリギリまで独自候補の擁立を模索していました。でも、声をかけた全員から断られ、都連は猪瀬さん支持に渋々応じたんです」

自民党都連がそこまで猪瀬氏を嫌う理由はなんなのか?

「都連というより、巷で“都議会のドン”とも呼ばれている内田茂さん(千代田区)が猪瀬さんを敵視しているんです。彼は過去に東京都議会の議長も務めた都政の大物で、2009年の都議選では民主党の若手候補に敗れたにもかかわらず、都連の幹事長を務め続けてきた権力者です。

彼は公共事業などの予算づけから施工業者選定までを自由自在に差配できる立場にあり、その利権の“おこぼれ”を側近議員たちに与えて勢力を拡大してきました。ところが、07年に内田さんが中心となって手がけた参議院議員宿舎建設事業に対し、副知事に就任したばかりの猪瀬さんが『ムダだから中止しましょう』と石原(慎太郎)知事(当時)に進言し、土壇場でご破算になったのです。


以来、内田さんは明らかに猪瀬さんを恨んでいます。今回の都議選では内田さんも当選しましたし、自民党の議席数が大幅に増えた。おそらく内田さんは、自分に権限が与えられなければ猪瀬都政を全力で妨害すると思いますね」(前出・自民党本部関係者)

しかし、自民党が大幅に議席を増やしたということは、内田氏の影響を受けない新人議員も多く生まれたということじゃないのか?

今回の選挙で当選した、ある都議が話してくれた。

「今回の都議選、自民党から公認をもらえれば、ほぼ確実に当選できる情勢でした。そりゃあ議員になりたい人間なら誰もが公認を欲しいですよ。誰に公認を与えるかを決める権限を持っているのは都連幹事長、つまり内田さんです。新人議員も彼に頭が上がらないと思います。

都政において、知事と議会は対等の立場です。自民党が猪瀬知事と対立関係になれば、国政における“衆参ねじれ”と同じ状態に陥ってしまいます。もちろん、連立を組む公明党の出方にもよりますが、都議会が空転を続ける可能性も否定できません」

都議会が空転すると、具体的にはどのような政策で支障が出るのだろうか?

「オリンピックの東京開催が決まったとしても、その予算の使い方をめぐって対立するかもしれません。天然ガス発電所の建設も、内田さんにメリットがなければ反対しかねないし、東京電力改革も、もし東電が内田さんを味方につければ改革が頓挫するかもしれません……」(前出・都議)

今後の都政は“都議会のドン”に注目する必要がありそうだ。

(取材・文/菅沼慶)

この記事には前報となる記事がある。

「猪瀬都知事誕生」を妨害する自民党“都議会のドン”の存在 - 政治・経済 - ニュース|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト](2012年11月29日)

野田総理の“自爆解散”により、12月16日に衆院選が行なわれることになった。おかげですっかり影が薄くなってしまったのが、同日に行なわれる東京都知事選。しかも日本維新の会や自民党ら多数の政党が支援する猪瀬直樹氏の圧勝ムードが漂っており、緊張感もまったく感じられない状態だ。

だが、自民党が猪瀬氏への支援を決めるまでの舞台裏で、思わぬ内紛劇が繰り広げられていた。自民党本部の幹部、A氏がタメ息交じりに話す。

「われわれが猪瀬さんへの支援を決めるまでの間、自民党では独自の候補者を擁立する動きとして、ほかの方の名前が挙がったり消えたりしていたでしょ? 具体的には安藤優子さんや舛添要一さんなどですね。自民党本部としては、小泉政権時代に断行した道路関係四公団の民営化に協力していただいた縁もありますし、独自に行なった世論調査でも圧倒的な人気でしたので、最初から猪瀬さんを推したかった。でも、同じ自民党の東京都連が猪瀬さんを嫌ったんです」

こう聞くと自民党の都議会議員の多くが猪瀬氏を否定しているように聞こえるが、実際は自民党内で“都議会のドン”とも呼ばれている内田茂・自民党東京都連幹事長と、その取り巻きたち数名が、アンチ猪瀬に執念を燃やしているのだという。

「内田さんは前回(2009年)の都議会議員選挙で落選したんですが、今も自民党都連の幹事長を務めている人物です。都連幹事長は自民党から立候補する都議会議員候補に公認を与えるかどうかの決定権を持っています。都連内の人事権も幹事長が握っている。来年7月には都議会議員選挙を控えているので、都議会議員たちは特に今の時期、幹事長には逆らえないんです。従って、いかにも都連の総意のような形で、自民党本部が猪瀬さんを支持する動きを妨害したワケです」(A氏)

なぜ内田氏は猪瀬氏を嫌っているのだろうか。

「話は2007年にさかのぼります。この年の6月、猪瀬さんが東京都の副知事に就任しました。そして手始めに猪瀬さんがやった仕事が、内田さんの利害に触れてしまったんですよ。東京都千代田区紀尾井町にある、紀州徳川藩邸の跡地で建設が予定されていた参議院議員宿舎の工事を、猪瀬さんが『無駄だから中止しよう』と言い出した。そして石原(慎太郎)さんが猪瀬さんに同意し、建設の中止を決断した」(A氏)

この参議院宿舎の新築工事については、施工業者の手配などを千代田区選出(当時)の内田氏が取り仕切っていたのだという。つまり、政治家と業者の癒着と利権の構図に、猪瀬氏は踏み込んでしまったのだ。

「長年かけてきた“おいしい仕事”を、仕上げの段階になって土壇場で新参者の猪瀬さんにひっくり返された。メンツも潰された。それ以来、内田さんは猪瀬さんを目の敵(かたき)にしているというか、完全に恨んでいますね。だから知事にさせたくなかっただろうし、党本部が猪瀬さんへの支援を決定した今になっても、まだガタガタと言っている」

実際、石原氏の特別秘書だった2名が、仕事の継続性を持たせるため知事の辞職後「専門委員」という役職に就いたが、内田氏一派からクレームが入り、ともに21日に辞職したという。

「こういったイヤがらせ行為はおそらく、猪瀬さんが知事になった後のことを考えての布石です。まず内田さんは自民党の都議会議員団が“アンチ猪瀬”だというポーズを示しておく。そして議会運営で猪瀬さんに協力してやる代わりに、予算をどこにつけるだとか人事面だとかを、絶対オレに仕切らせろよという暗黙のメッセージを送っているのです。今から駆け引きが始まっているんですよ」(A氏)

もしこういう古いタイプの政治家が全国の地方組織にウヨウヨいるのだとすれば、自民党に政権を戻すのは恐ろしすぎる……。

次は桝添氏と内田氏の記事。桝添氏は自民党にとっても使いやすい人だったんだなあ。それが五輪問題でねじれた。
五輪問題がこじれたのはそもそも計画や運営がグダグダで、実行困難な構想を上層部がぶち上げ、無責任体制+無能な実務組織がボロボロ穴を開け、さらに無責任な人たちが公金をおもちゃにしたあげくに放言したりしたことが原因だと思うのだが、そちらの方は問題ではなく、そこにちょっと手を付けようとした人がクビになったということのようだ。なかなか倒錯している。

東京新聞:<始動 桝添都政>(中)自公への「負債」重く 独自性発揮できる?:東京都知事選2014:特集・連載(TOKYO Web)(2014年2月11日)

 「アベノミクスで経済が上り調子にある。東京から経済を牽引(けんいん)したい」。東京都知事に当選して一夜明けた十日夕。舛添要一(65)は、国会で開かれた自民党役員会に顔を出した。首相の安倍晋三(59)ら党幹部を前に、政権を持ち上げながら抱負を語った。
 安倍から「国も舛添都政を支援したい」とエールを送られ、がっちり握手を交わす。入室した時の緊張した表情とは打って変わり、顔には穏やかな笑みが広がっていた。
 舛添は二〇〇一年の参院選で、自民から立候補して政界入りした。しかし、自民が野党に転落した一〇年、「歴史的使命は終わった」と飛び出した。
 「無所属」を強調して立候補した今回の都知事選。かつて除名された自民と、国政与党の公明党と政策を擦り合わせ、手厚い支援を受けた。
 節目になったのが告示一週間前、一月十六日の自民都連会議。舛添が出席し、「まったく新しい人間として、皆さんと共に何とか都政を立て直したい」と、自民議員らに頭を下げた。
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 「あのせりふはね、われわれが舛添に言わせたんだよ」。自民幹部が、その舞台裏を明かす。除名した相手を支援するための「みそぎ」がどうしても必要だったのだ。
 これで、自民の支援にエンジンがかかった。告示後の二十七日、党本部八階のホール。選挙の「集票マシン」となる各種業界団体の集会に、舛添は呼ばれた。建設、運輸、医療、教育…。千人近い出席者がホールを埋め、廊下にもあふれた。
 「これは舛添さんだけの人気じゃない。まず肝に銘じていただきたい」。文部科学相の下村博文(59)が壇上で念を押した。
 都議たちも舛添のために支持者を動員、個人演説会を各地で毎晩開いた。舛添は計四十カ所以上を回って支持を訴えた。
 ベテラン都議の内田茂(74)はこうくぎを刺す。「恩はちゃんと返す。約束したことは実行する。政治の基本だよな」
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 車の両輪に例えられる首長と議会。首長は大統領的な強い権限を持つが、どんなにすばらしいプランを描いても、議会で議案が否決されれば「絵に描いたもち」に等しい。
 舛添は「知事も都議会のみなさんも選挙で選ばれている。あらゆる会派と議論を重ねながら政策を進める」と、全方位での対話を目指す姿勢を強調する。ともに新党改革をつくった参院議員荒井広幸(55)も、舛添の長所を「しがらみがない。無党派の声というのかな。だから、斬新なことができる」と評する。
 しかし、今回つくった自民への「借り」は、重くのしかかりそうだ。
 舛添の選挙政策集をめくっていた都の幹部が、こう苦笑した。「待機児童ゼロも防災も、自民党が言っていることそのまんま。議会と対立した前知事と違って、安定感が出るのは歓迎すべきことだ」
 そして続けた。「でも、こんなにがんじがらめじゃ、独自性なんて発揮できない。舛添さんがどこまで我慢できるか、だね」 (敬称略)

舛添都知事の続投に都議会自民党のドンからのお墨付き 国会議員以上の影響力 (デイリー新潮) - Yahoo!ニュース(2016年6月8日(水)5時53分配信)

“辞任やむなし”の大合唱もどこ吹く風。ここに来て、自称“トップリーダー”に持ち前のふてぶてしさが戻ってきた。しかも、税金で懐を肥やして恥じない厚顔ぶりだけが理由ではないという。舛添要一都知事(67)が余裕を覗かせるウラには、犬猿の仲と噂された“都議会自民党のドン”のお墨付きがあった。

 ***

 5月27日の定例会見に臨んだ舛添氏は時折、目を剥きながら、開き直り発言を繰り返した。曰く、

〈疑惑と言ってもたくさん出ていて、全てが“黒”ではありません。私に言わせれば、「全く誤解ですよ」というのもあります〉〈調査結果を早く出してほしいと私が一番思っています〉

 都政担当の記者によれば、

「これまでの会見と違って、明らかに強気でした。6月1日から都議会が始まり、百条委員会が設置される可能性もあるのですが……」

 変わり身の早さが身上の舛添氏だが、何を追及されても“精査している”のひと言で逃げ回っていた7日前とは大違いである。

 自民党都議によれば、この豹変ぶりの背景には、“ドン”こと内田茂都議(77)のひと言があるという。

「実は、最近になって内田さんが舛添さんにこう伝えました。“一旦、撃ち方やめだ。当分は様子見にする”とね。つまり、舛添さんの知事続投を認め、都連として守るということです」

 内田氏は都議会自民党の顔役として知られ、その影響力は代議士を凌ぐとの声もある。実際、

「安倍総理が返り咲いた2012年の総裁選では、森元総理に頼まれて内田さんが都連の党員票を取りまとめたとされる。そのため、昨年12月に内田さんの妻が亡くなると、安倍総理も通夜へと駆けつけました」(先の記者)

■電話を無視
 だが、都知事と内田都議は長いこと蜜月とはほど遠い関係にあった。

「両者の仲がこじれたのは、舛添さんが独断で東京五輪の会場計画の見直しを進めたからです。特に、都内3会場の建設を白紙撤回したことが決定的でした。都議会自民党の利権を奪う格好となり、一気に溝が深まった。また、エンブレム問題が取り沙汰された時も、騒ぎが拡大することを嫌った内田さんは、会見でこの件に触れないよう舛添さんに頼んでいました。しかし、舛添さんは調子に乗って持ち出してしまった」(同)

“言ってはいけない”ことを口にしてドンの逆鱗に触れた舛添氏。その結果、

「昨年末まで内田さんは舛添さんからの電話を無視して、留守電が残っていてもコールバックすらしない状況が続きました」(同)

 これには、さすがの都知事も焦りを募らせ、都連関係者と会う度に、“内田さん、何か言ってる?”と尋ねるようになったという。

「石原慎太郎さんが都知事になった時には、懐柔策として伸晃さんを都連会長に担ぐなど、老獪さでは内田さんが一枚上手。それを理解したからこそ、今年1月の宜野湾市長選で舛添さんは、縁もゆかりもない自民党候補を応援するために沖縄入りした。全ては内田さんの指示です」(別の都議)

 犬猿の仲から従順な飼い犬に転じて、ひとまず都知事のクビは繋がった。だが、

「内田さんにとって最大の関心事は来年の都議選です。今回の不祥事がさらにエスカレートするようなら、一転して舛添おろしに動く可能性もある」(先の記者)

“マスゾエ”続投を決めたものの、“マキゾエ”は御免というワケである。

「ワイド特集 言ってはいけない」より

「週刊新潮」2016年6月9日号 掲載

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以下、「後で読む」的にクリップしておく。

都議選に続き千代田区長選でも惨敗! 民意を得られない「自民党都連のドン」内田茂氏に次の一手はあるか?  | 伊藤博敏「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社](2013年02月07日(木) 伊藤 博敏)

 自民党都連には、石原伸晃都連会長をしのぐ実力者がいる。幹事長の内田茂前都議(73)である。前職で身分がないのに、自民党の都連を牛耳る。それが実力者の証であり、「都連のドン」の異名を取る。

 生まれも育ちも千代田区。千代田区議を4期、千代田区選出の都議を5期務めた。千代田区には、永田町(政)と霞が関(官)と丸の内(業)がある。「政官業」の中心に位置する地域の行政を、長年、束ねてきたことが、この人を知られざる実力者にした。

 自民党だけでなく公明党にも太いパイプを有し、議会を操る内田氏には、剛腕の石原慎太郎前都知事も敵わなかった。

「泣いて馬謖を斬る」

 05年の都議会で、石原氏の「側近中の側近」といわれた浜渦武生副知事が、民主党都議を利用した「やらせ質問」を行ったとして百条委員会が設置され、議会は空転、石原氏はこの言葉を残して「浜渦切り」を行った。

 この時、追及の急先鋒に立ったのが、当時、都議会議長だった内田氏。以降、「石原を屈服させた男」として怖れられ、「都連のドン」の座に磨きがかかった。

石川雅己区長と内田氏との長年の確執
 しかし、都議会では権勢を誇る内田氏が、2月3日投票の千代田区長選で、選挙民から「ノー」を突き付けられた。

 今回の千代田区長選挙は、4万972人の有権者にとって理解しにくい構図だった。

 保守分裂の選挙。前回、自民党と公明党の推薦を受けた石川雅己区長(71)が無所属となり、自公の推薦候補となったのは、副区長として長年、石川氏を支えてきた大山恭司氏(71)だった。

 結果は、投票率42.27%で、石川氏が8287票、大山氏が7023票。石川氏が4選を果たした。「自公」の基礎票が9000票といわれるなか、推薦を受けずに1200票以上の差をつけたのだから、石川氏の圧勝である。

 3期12年務めた石川氏に、失政やスキャンダルがあったという話は聞かない。大山氏出馬の理由は、「議会との関係正常化」だった。なぜ、石川氏と議会がギクシャクし始めたのか。政界関係者が口を揃えるのは、「議会というより、石川さんと内田さんの長年の確執」である。

 もともと東京都の官僚だった石川氏を区長に引っ張ってきたのは内田氏だった。だが、大手町再開発などヤマほどある千代田区内の大型プロジェクトに口を出す内田氏に反発した石川区長は、内田氏を無視するようになったという。「都連のドン」への反乱が、石川区長の議会運営を難しくした。

 内田氏が仕掛けた遺恨試合だが、この強引さは都知事選でも見られた。

 都知事選では猪瀬直樹都知事は、「石原後継」を受け、430万票あまりを獲得して圧勝したが、スンナリと後継が決まったわけではなかった。理由は、自民党都連の反対である。

「猪瀬副知事は議会運営を軽視している」

 これが都連の言い分だ。千代田区の理屈と同じである。「都連のドン」の内田氏を軽視しているということであり、自民党本部が猪瀬支持を決めているに、都連は小池百合子、東国原英夫など、独自候補にこだわった。

 最後は、猪瀬支持で一本化するが、都連が積極的な選挙応援をしたわけではない。西新宿の猪瀬選対本部に詰めていたのは、兵藤茂、高井英樹、半田修次、鈴木重雄ら「石原秘書軍団だった。

 鼻っ柱の強い猪瀬氏からすれば、そんな内田氏は煙たくて仕方がないだろう。しかし、実力者ゆえに表立った排除もできない。今回、"本音"では石川区長を支援したかったが、旗幟鮮明というわけにはいかなかった。

 ただ、1月27日の公示日、石原伸晃都連会長など大物が、大山候補の事務所に駆け付けたのに、特別秘書に就任した鈴木氏が、石川候補の選挙事務所を訪れたところに、猪瀬氏の"意向"がうかがえる。

「都連のドン」としてパワーにも陰りが
 それにしても、「都連のドン」は「民意」を読み取れないし、支援も受けられない。

 前回の2009年の都議選で、内田氏は告示9日前に立候補を表明した民主党の栗下善行氏に敗れた。その時、栗下氏は米国の大学を卒業、企業に勤め始めたばかりの26歳。いかに自民党に逆風が吹いた選挙とはいえ、弱過ぎる。

 自らの敗戦と、都知事選での選択ミスと、「代理戦争」だった千代田区長選での敗退。「まだ去就は明らかにしていないが、これだけ負け続ければ、引退するのではないか」(都議会関係者)という声が聞かれる。内田事務所は「時間が取れない」ことを理由に、私の取材に応じることはなかった。

 しかし、内田氏の去就はともかく、「政官業」の取りまとめ役は、必ず必要とされる。今回、ゼネコンと不動産という政治と最も密接な業界は、濃淡に差はあったものの、自公推薦の大山候補に乗った。石川区長としては面白くない。各社は、さっそく石川区長との関係修復に動いているという。

 そのうえで、「人からコンクリートへ」と、大きく舵を切った安倍晋三政権のもと、公共工事頼みの業界は誰を頼りとするのか。

 一度は内田氏と対立した浜渦氏は、やがて内田氏との関係を修復させ、大手町再開発、築地移転などで「行政との調整役」を担った。また、実現しなかったが、東京五輪招致の段階で、浜渦-内田コンビが了解する五輪施設の青写真が引かれていたという。

 しかし石原氏引退後も、浜渦氏が権力を持ち続けることはないだろうし、相次ぐ敗戦は、たとえ今年の都議選で返り咲いたとしても、内田氏の「都連のドン」としてパワーに陰りを生じさせる。といって、ノンフィクション作家として、利権構造にメスを入れ続けた猪瀬氏が、石原氏のように「秘書軍団」を使って利権を差配することはあるまい。

 それでも「調整役」と「仕切り役」は必要とされ、それは誰になるのか。その動向を見守るのは、猪瀬都政の真価を問うことにもなるだけに、注視していきたい。

自民党の内田茂都議を書類送検…町会に金券配布 [転載禁止]©2ch.net
1は2014/12/31(水) 23:19:10.10。
事情に関連する情報が若干。

その結果。
“ビール券配布”内田茂都議を不起訴処分(2015/01/23 21:06)

 東京都議会議員選挙の告示前に地元選挙区内でビール券を配ったとして書類送検されていた内田茂都議(75)について、東京地検は不起訴処分としました。

 自民党都連幹事長の内田都議は、おととしの都議選の告示前に選挙区内でビール券を配ったことが公職選挙法違反にあたるとして告発され、警視庁が先月、書類送検していました。東京地検は23日、ビール券は内田都議の政治団体による寄付と認定したうえで、選挙事務所を設置する際にあいさつ名目で配ったことは公選法違反にあたると判断しました。しかし、金額が少ないことなどから起訴猶予としました。一方、地元の町内会に祭りの奉納名目で配ったことについては、選挙に関連した寄付とは言えないとして嫌疑不十分としました。内田都議の事務所は「ご支援を受けた方々にはご心配をお掛けしましたことを深くおわび申し上げます」とコメントしています。

金額が小さくて微罪だから不起訴なのだとのこと。

東京五輪を仕切るのは力不足の都知事ではなくこの4人  | 伊藤博敏「ニュースの深層」 | 現代ビジネス+[講談社](2013年09月12日(木))

「猪瀬(直樹・東京都知事)さんは、本当に運の強い人だ。東京オリンピック招致の"功労者"として、都議会は猪瀬さんとの対立構図を解消、一丸となって取り組むだろう。もともと434万票を獲得、都民の支持は得ているわけで、これで怖いものはなくなった」

 自民党関係者が、こんな感想を漏らすのも無理はない。都議会最大与党・自民党との関係は、これまで良くなかった。

 落選中でも自民党都連幹事長を続けた「都議会のドン」の内田茂都議が、「反猪瀬」を鮮明にしていたのが主な理由。内田氏は、「議会への説明不足」と猪瀬都知事を批判するのだが、要は自分を立てない猪瀬都知事が気に入らない。

都知事と都議会のドンの関係修復は不可能
 2人の関係悪化は、内田氏が手がけてきた参院議員宿舎の建設事業を、副知事に就任したばかりの猪瀬氏が、「ムダだから中止にしましょう」と、石原慎太郎都知事に進言、事業が中止に追い込んでからだ。

 人に頭を下げることが嫌いな猪瀬氏は、都知事就任後、都議選で、内田氏の対立候補にエールを贈るなど、ケンカを買って出ているが、鼻っ柱の強さなら内田氏も負けない。2人の関係は修復不能で、都民の支持は取り付けていても、猪瀬氏が議会運営に苦労するのは必至だった。

 だが、石原氏が成し得なかったオリンピック招致を猪瀬都知事は成功させた。
 それに、これから7年で、直接投資だけで約4,600億円、交通インフラなど間接投資も含めれば、幾らになるか、まだ試算もされていない一大事業に、都をあげて取り組まなくてはならない。対立している場合ではない。

 都と議会が、一丸となったオリンピック体制が組まれるが、仕切り役は猪瀬都知事では力不足だろう。
 なにより、行政間、業者間、行政と業者間の調整など、これまでやったことがないし、捌けるだけの側近がいない。

 ゼネコン幹部が率直にいう。

「猪瀬さんのところに陳情に行ってもムダでしょうね。オリンピックは東京都だけでなく、文部科学省が絡む国家プロジェクト。国レベルなら文科省に顔が効く森喜朗元首相と、現役なので背後に控える形となる麻生太郎財務相、都のレベルなら内田都議と浜渦(武生)元副知事でしょう」

 まず、ゼネコンが待望するのは37の競技会場のうち、「最大のハコもの」にして、オリンピックのメイン会場となる新国立競技場の工事を受注することである。

 新競技場のデザインを国際コンペで射止めたのは、ロンドン在住の女性建築家のザハ・ハディド氏(62)である。総工費1,300億円を予定。だが、宇宙船を思わせる斬新なデザインに従って工事すれば、それを上回る事業規模になるのは必至だという。

メイン会場に選手村、ゼネコンには工事を選ぶ余裕も
 このメイン会場の次に大きいのが選手村。中央区晴海の都有地44ヘクタールを整備、工事費1,100億円を想定している。そのほか夢の島競技場、ホッケー場、アクティクスセンター、メディアセンターなどが次々に建設されることになっており、ゼネコン業界には、工事を選ぶ余裕さえ生まれる。

「首都高速中央環状線の完成が前倒しで急がれるでしょうし、地下鉄、バスなどの24時間運航に備えて、設備投資が必要になる。ホテルなどの宿泊施設の新設・改装工事も出てきます。被災地の復興工事、原発処理や除染作業も続いている。対応仕切れるかどうかの方が心配です」(別のゼネコン幹部)

 そうなると必要なのが、各種調整を行う仕切り役である。

 それが国レベルで「森-麻生」、都レベルで「内田-浜渦」のラインになるという業界の見解は伝えた。

 例えば、新国立競技場の事業主体は、文科省傘下の独立行政法人「日本スポーツ振興センター」である。これだけの工事になると、ゼネコンだけでなくサブコンから設備までのあらゆる業者がツテを求めて陳情合戦を行うだろうが、「文科族のドン」を長く続けた森事務所への"挨拶"は欠かせない。

 一方、内田氏とともに仕切り役を期待されている浜渦元副知事とは何者か。

「石原前都知事の側近で、05年に都知事を退くまでは、いつも不在の石原さんの代役を務める浜渦氏のところに、都の幹部が列をなす実力者でした。その頃までは、両雄並び立たずで、内田、浜渦の両氏は対立関係にありましたが、浜渦氏が一歩退いたことで、実力を認め合った2人は組むようになった。それが今も続いています」(都議会関係者)

浮かび上がるかつての敵 内田-浜渦ライン
 内田氏への接近とともに、浜渦氏は石原氏も含め、前都知事周辺とは"疎遠"になる。
 石原禅譲を受けた猪瀬氏は、石原秘書軍団といわれる側近グループに支えられて都知事選に大勝。選対事務局長だった石原氏元秘書の鈴木重雄氏を特別秘書に迎えたが、選挙期間中、浜渦氏の姿はなかった。

 石原氏周辺は、猪瀬氏を利権に走らせるつもりはない。
 私は8月1日配信のこのコラムで、猪瀬氏がパーティー券2万円の石原氏の「昼食会」を継承したことを紹介した。

 石原人脈がそのまま猪瀬人脈として残れば、年に3~4回開かれる「猪瀬直樹の会昼食会」で、数千万円の政治資金は確保される。無理をしなくて済む金額だろう。

 そうなると、やはり大型プロジェクトの仕切り役は猪瀬都知事周辺以外であり、東京オリンピックというビッグプロジェクトが加わった以上、過去を知り、人脈があり、実力を兼ね備えた人でなければ無理である。
 それは、猪瀬氏との恩讐を超えることになる内田-浜渦コンビということになりそうだ。

全然関係ないが、浪花節で政治をやっている人。情実政治の根源。
第504回「名前の出ない日はない?」深谷隆司の言いたい放題(2014年01月21日)

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追記(2016年6月22日)

自民党が最後まで舛添氏を守った「そういう事情」~彼らにとっては、実に都合のいい知事だったんです  | 伊藤博敏「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社](2016年06月16日(木))

舛添氏は「好都合」な存在だった
都議会自民党は、6月14日、断腸の思いで「舛添(要一都知事)斬り」を決断、それを受けて舛添都知事は、15日午前、辞職願を提出し、長い騒動にケリがついた。

解散風をチラつかせ、当初は都議会自民党の辞職要求を拒否するなど、しぶとさを見せつけた舛添氏だが、自民・公明の都議会与党と都知事との関係は、すこぶる良好だった。

東京五輪事業、築地市場の跡地利用、お台場カジノ構想など、政治的な調整が必要なビッグプロジェクトに舛添氏は関与せず、有力者に任せ、都知事は政策と対外的な“顔”としての役割に注力する、という約束が、14年2月、自公の推薦を受けて立候補した時からできていたという説がある。

数々の事業を抱える東京都には、政治と行政と業界の調整役が欠かせない。限られた予算で、業者を効率的に配備、ムダな争いを避けて、スケジュール通りに工事を進める必要があるためだ。

利権調整は行わないし、行うタマでもない舛添氏は、だから今回のトラブルまで、議会と揉めたことはなかった。

語学が堪能な国際政治学者でもある舛添氏が、「東京の顔」として海外に出かけるのは、都議会自民党のボスたちにとってむしろ歓迎である。ファーストクラスやスイートルーム使用に何の問題もなく、週末の「湯河原行」にも不都合はなかった。

むしろ、都知事が事業調整の分野に口出ししてきた時の方が困る。それは過去の実力派の都知事と議会とのトラブルが証明する。

舛添氏に釘を刺していた
「必要悪」でもある利権調整役は、得意分野や地域によって複数存在、その権限をめぐって互いにケンカすることがある。それがある時は捜査当局の介入を招き、ある時は都議会の混乱につながり、都民の目に利権の存在がさらされる。

1999年に初当選した石原慎太郎元知事が、側近の浜渦武生副知事に権限を移譲して築地市場の移転を含む事業の推進を委ねたことで、05年、「都議会自民党のドン」といわれる大物・内田茂都議会議長(当時)とバッティングしたことがあった。

この時は、浜渦副知事の「やらせ質問」(浜渦副知事が民主党の議員に、ある問題を都議会で追及するように依頼していた)を契機に、百条委員会が設置され、石原氏サイドが折れ、浜渦氏は副知事を退任、内田氏サイドが勝利を収めた。

しかし、長い政歴を誇る石原氏も、千代田区議を経て都議となり、都議会議長、都議会自民党幹事長を歴任する内田氏も政治のプロだ。都連会長に石原氏の長男・伸晃氏を迎え入れて関係を改善、都知事と都議会自民党との蜜月は、「石原後継」を鮮明に打ち出して当選した猪瀬直樹・前都知事の時代まで続いた。 

12年12月の都知事選は、石原陣営が猪瀬氏を物心両面で支え、当選後の政治資金の面倒まで見る手厚さだった。4期半ばに都政を放り出して国政に戻った石原氏とその周辺からすれば、各種事業の遅延なき進行のために猪瀬氏の取り込みは欠かせなかった。

しかし、鼻っ柱の強い猪瀬氏は、石原後継ではあっても手足を縛られるつもりはなかった。選挙期間中、石原陣営の知らないうちに、「23区内への病院建設」を悲願とする徳洲会の工作を受け、5000万円を手にした。

秘密のハズだったが、この件が徳洲会事件捜査で明るみに出て、14年1月、猪瀬氏は退任。また猪瀬氏は在任中、「ドン」の内田氏をないがしろにしたとして、「議会軽視」を指摘され、議会との関係がギクシャクしていた。

猪瀬氏が退任を余儀なくされたために、都議会自民党は党本部ともども、「猪瀬の二の舞」を避けるために、「舛添推薦」にあたって事業への関与をしないようにクギを刺さねばならなかったのだろう。

利権に関心がなかった舛添氏
舛添氏に異論はなかった。なにより舛添氏は、陳情を受け、それを行政につないで捌いたり、業者間の利権調整を行うような政治家ではない。どこまでも東大助教授の尻尾を引きずる学者政治家。政治家の副業収入が印税と講演料という人である。

自宅に置いた二つの政治団体「グローバルネットワーク研究会」(14年)と「新党改革比例区第四支部」(同)を眺めてみよう。

グルーバル研の「本年収入」は約2933万円で、その内訳は勉強会収入50万円、パーティ収入が533万円。残りは薬剤師連盟からの寄付100万円を除くと新党改革第四支部からの寄付金である。

新党改革第四支部の場合、「本年収入」は約4651万円。新党改革本部からの政党交付金が4600万円でほとんどすべて。残る寄付は1万円の個人献金がひとりと1000円の個人献金がひとり。法人献金は記載のない小口が50万円だ。

世話をしないし、するつもりもない姿勢が「支援者の顔が見えない報告書」によく表れており、だから政治資金で家族を遊ばせ、公用車をタクシー代わりに使う。

事業に対して口出ししない都知事は、五輪を仕切る森喜朗・東京五輪組織委員会会長や、内田都議に代表される各種事業の仕切り役にとって都合がいい。舛添氏が、最後まで強気を通した背景には、森氏や内田氏の「しばらく様子見をする」という“密かなる支援”を受けたからだという。

確かに、都議会自民党も自民党本部も、舛添辞職という事態を避けたかったし、追い込むのを最後までためらった。そこには、「蓮舫が予想される民進党候補に対抗できる候補者がいない」という事情もあった。

利権調整は、長い年月をかけて行われており、都知事が交代したぐらいでひっくり返るものではない。だが、スムーズな運営が妨げられるのは確かであり、すべてをわきまえた舛添氏のもとで、東京五輪を見据えて準備を進めたかった。

その思いは、マスコミと都民が一体となった「舛添バッシング」の前では、封印せざるを得なかった。舛添氏のため息が出るような吝嗇と誠実さのカケラもない言葉が、ボスたちとの黙契を吹き飛ばしたのだが、その契の正体は、利権がらみのとても褒められたものではなかったのである。

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追記(2016年7月14日)

内田氏がこのところ注目を集めているようだ。
高齢でもあり、娘婿が地盤を引き継ぐだろうと見られていることもあって、話題の表に出てくるようになったという辺りだろうか。
内田氏が引退した後は、内田家がその権勢を引き継ぐのか、それとも他の人がすでに準備しているのか。あるいは自民都連と都庁の中で内紛が生じるのか。
いろいろな人がいろいろな布石を打っているのだろうなあ。

猪瀬直樹/inosenaokiさんのツイート: "自民党都連内田茂幹事長のいじめに耐えられずに自殺した樺山都議の遺書です。写真。インタビューといっしょにご覧ください。https://t.co/T0nDZHPJ17 / 猪瀬直樹が語る「東京のガン」 https://t.co/4HT7VwnLNI #NewsPicks"

猪瀬直樹が語る「東京のガン」NEWS PICKS(2016/7/13)

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2016/06/17

「道徳」の科目化と成績評価、長妻昭衆院議員の資料

2016年6月10日(金)【今週の活動報告】子どもの道徳心に成績をつける? | 長妻昭 オフィシャルWEBサイト
【悲報】2~3年後、小中学校において「道徳心」「愛国心」に成績をつける、と文科省が決定。 - Togetterまとめ

この件。
「道徳」を科目化すると必然的にこうなるので、科目化方針を変えない以上文科省の態度は変わらないだろう。「彼ら」からすれば勝利は決定済みの事案である。

この教育を受けた子供たちが成長し、選挙権を持ち、社会の中核を担うようになる頃、つまり今から20年後より先の時代が気になる。あの重苦しい時代が再来するのかという思いを禁じ得ない。

だが、あの時代の前にも、当時より開放的な時代があったはずだ。その頃の空気を吸って育ち大人になった人たちは、あの息苦しい統制の時代を迎えてどうしていたのだろうか。その人たちの姿は、ひょっとしたら私たちが将来どのように振る舞うようになるのかにヒントを与えてくれるかもしれない。

日米開戦後に各地で行われた犬猫供出において、当時の大人達は我が子にこう語っていたという。

「そねーなことをして見つかったら、大事じゃ。憲兵に連れて行かれる。軍のお達しじゃ、聞かないけん」

「お母ちゃんかてわかってる。でも命令やから、守らんといかんのや。」

「今はお国の非常時でしょ。回覧板はお国の大事な連絡なの。守らないわけにはいかないの。(中略)命令に従わなければ、非国民といわれてしまうの。」
「りっちゃん、わがままいわないで。(中略)うちだけ見のがしてもらうことはできないの。」

臣民根性の行き着く果て―「戦時犬猫供出」 - 読む・考える・書く

これらの言葉は、次のような指摘につながっているのではないだろうか。

「転換の時代に」2006-11-16 - kom’s log

(理系大学院卒業生たちがオウム真理教に入信してサリンを合成したことについて)今思うのはかれらが「狂信的」だったからではなく、単に他律的だったからなのだと思う。一本やり上意下達システムを所与とする他律的個人にとって、じつはそのシステムがいかなる目的・理念を持っているかということはどうでもよい。(中略)一本やり上意下達システムを所与とするかぎり、そのシステムがオウム真理教であっても日本国家であってもあまり変わりがない。動員されるという事態に無意識、無抵抗という点において同一なのである。すなわち、麻原を信じる科学者がサリンを作ったように、”国家を愛する”科学者はサリンを合成する。
犬猫供出に抵抗した我が子を説得した大人たちや、サリンを合成した科学者たちは、私たちの明日の姿になるかもしれない。だとすれば、私たちは来るべき次の時代を「無力な個人」としてどう生き延びるかを考えるだけでなく、いつどこで「サリンを合成しない私」とならねばならないかをも考えなければならないのではないか。そして、私たちにつながる人々に「サリンを合成しなくてよい社会」を遺さねばならないのではないだろうか。

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参考:犬 猫 供出 - Google 検索

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衆議院のウェブサイトの質問主意書と答弁
第190回国会 質問の一覧
第259番:「小学生・中学生の道徳心や愛国心を評価する学習指導要領の改訂に関する質問主意書」
第317番:「小学生・中学生の道徳心や愛国心を評価する学習指導要領の改訂に関する再質問主意書」

上記1つめの質問と答弁
質問

 二年後からは全国の小学校で、三年後からは全国の中学校で、道徳を教育課程上「特別の教科」と位置付けた上で、児童・生徒の道徳に対する評価をするとしている。その評価は、数値による評価でなく、記述式の評価であり、他の児童・生徒との比較による相対評価ではなく、その児童・生徒がいかに成長したかを評価するとしている。その道徳科の指導内容としては「国や郷土を愛する心をもつこと」、いわゆる「愛国心教育」も含まれるとしている。
 私は、「道徳心」や「愛国心」は重要であると考えるが、児童・生徒一人ひとりの「道徳心」や「愛国心」を評価する、つまり成績をつける、ということには強い違和感を持つ。国に対する批判を自粛する空気が広がる等、非常に息苦しい社会が到来するのではないかとの懸念を持つ。
 そこでお尋ねする。
 文部科学省は、児童・生徒の道徳に関する評価は、「入試選抜には使わない」と説明しているが、それは事実か、内閣の見解を問う。
 その上で、中学受験や高校受験の内申書に児童・生徒の道徳の評価が入るのか否かについてお尋ねする。
 各都道府県教育委員会が作成する内申書の様式に児童・生徒に対する道徳の評価を盛り込むのか否か。この点について、平成二十八年二月五日衆議院予算委員会で、馳浩文部科学大臣は「入学者選抜とはなじまない側面があることを前提とし、更に専門的な検討が行われている」「専門家会議では年度内を目途に基本的な考え方を示すこととしている」と答弁している。すでに「年度内」は経過したが、いつまでにどのような結論を出すのか。お示し願いたい。
 同時に各都道府県教育委員会が作成する内申書の様式に児童・生徒に対する道徳の評価を盛り込むのか否か、現時点での内閣の見解を問う。
 児童・生徒の道徳を評価するということは、ペーパーテスト等を実施するということなのか。そうでなければ、作文などを実施することを想定しているのか。そうでなければ、授業中の発言を評価するのか、発言を評価するとすれば授業中に発言が無い児童・生徒に対する評価はどうするのか。何に基づいて評価するのか、お示し願いたい。
 児童・生徒の道徳の評価の基準が全国でばらつきがあってはならないと考えるがいかがか。
 全国の評価基準をある程度、一致させるためには評価をする教員に対して、あるべき道徳心・愛国心とは何か、評価すべき道徳心・愛国心とは何か、を教える必要があると考えるが、いかがか。
 その場合、評価すべき道徳心・愛国心とはどのようなものかは、誰が決めるのか。
 評価の基準を策定しないとすれば、児童・生徒の道徳に関する成長を、恣意的にならずに、どのように評価をするのか、わかりやすく説明願いたい。
 さらに文部科学省は「国や郷土を愛する心をもつこと」を教育することは、いわゆる「愛国心教育」とは異なるとするが、それぞれの意味するところをお示し願いたい。
 また、文部科学省は、道徳に対して「評価をする」ことは、「成績をつける」ことと違うとしているが、どこが異なるのか、それぞれの意味をお示し願いたい。
 以上、内閣の見解を問う。
 右質問する。
答弁
 お尋ねの特別の教科である道徳(以下「道徳科」という。)における児童生徒の学習の評価(以下「道徳科における評価」という。)と高等学校等における入学者選抜との関係については、平成二十八年二月五日の衆議院予算委員会における長妻昭委員の質疑に対する安倍内閣総理大臣の答弁及び馳文部科学大臣の答弁において述べているとおりであり、文部科学省においては、従前から、これらの答弁における説明の趣旨と同様の趣旨を説明してきているところである。
 お尋ねの「道徳教育に係る評価等の在り方に関する専門家会議」(以下「専門家会議」という。)における議論の結論については、できるだけ早期に得たいと考えているが、結論を得る具体的な時期及びその内容について現時点でお答えすることは困難である。また、お尋ねの「内申書の様式に児童・生徒に対する道徳の評価を盛り込むのか否か」の意味するところが必ずしも明らかではないが、高等学校等の入学者選抜に用いられる調査書の様式等は都道府県教育委員会等入学者選抜の実施者が決定するものである。なお、専門家会議においては、入学者選抜との関係をも踏まえて、道徳科における評価の在り方について検討しているところであり、また、平成二十七年文部科学省告示第六十号による改正後の小学校学習指導要領(平成二十年文部科学省告示第二十七号。以下「小学校学習指導要領」という。)及び平成二十七年文部科学省告示第六十一号による改正後の中学校学習指導要領(平成二十年文部科学省告示第二十八号。以下「中学校学習指導要領」という。)の道徳科の解説(以下単に「解説」という。)においては、他の児童生徒と比較して優劣を決めるような評価はなじまないことに留意する必要がある旨を記述している。
 お尋ねの道徳科における評価の資料や方法については、中央教育審議会で平成二十六年十月二十一日に取りまとめられた「道徳教育に係る教育課程の改善等について(答申)」(以下「答申」という。)において「児童生徒の作文やノート、質問紙、発言や行動の観察、面接など、様々な方法で資料等を収集」した上で「例えば、指導のねらいに即した観点による評価・・・など多種多様な方法の中から適切な方法を用いて評価を行い、課題を明確にして指導の充実を図ることが望まれる」とされていること等を踏まえ、専門家会議において検討しているところである。
 「評価の基準」に関するお尋ねについては、お尋ねの「評価の基準」がどのような評価を行うためのものなのか及びどのような基準を意味しているのかが必ずしも明らかではないため、いずれのお尋ねについてもお答えすることは困難であるが、教育課程の基準である小学校学習指導要領及び中学校学習指導要領の解説において、先に述べたとおり、他の児童生徒と比較して優劣を決めるような評価はなじまないことに留意する必要がある旨を記述しており、また、答申において「児童生徒が自らの成長を実感し、学習意欲を高め、道徳性の向上につなげていくとともに、評価を踏まえ、教員が道徳教育に関する目標や計画、指導方法の改善・充実に取り組むことが期待される」と指摘されていること等を踏まえ、専門家会議において、道徳科における評価について、数値による評価ではなく記述式の評価とすること、他の児童生徒との比較による相対評価ではなく児童生徒がいかに成長したかを積極的に受け止め励ます評価とすること、「善悪の判断、自律、自由と責任」といった個々の内容項目ごとではなく大ぐくりなまとまりを踏まえた評価とすること等の点を検討しているところである。
 お尋ねの「いわゆる「愛国心教育」」については、政府として、その定義について特定の見解を有しておらず、様々な意味で用いられているものと承知していることから、「いわゆる「愛国心教育」」の意味するところについてお答えすることは困難であるが、お尋ねの「「国や郷土を愛する心をもつこと」を教育すること」については、道徳科の指導内容として、小学校学習指導要領において「我が国や郷土の伝統と文化を大切にし、先人の努力を知り、国や郷土を愛する心をもつこと」等と規定し、中学校学習指導要領において「優れた伝統の継承と新しい文化の創造に貢献するとともに、日本人としての自覚をもって国を愛し、国家及び社会の形成者として、その発展に努めること」等と規定しており、前者の意味するところについては、小学校学習指導要領の解説において「ここでいう「国や郷土を愛する」とは、教育基本法において教育の目標として「伝統と文化をはぐくんできた我が国や郷土を愛する態度」(第二条第五号)を養うと定めているのと同様の趣旨であり、我が国や郷土を愛する「態度」と「心」は、教育の過程を通じて、一体として養われるものである」等と記述し、後者の意味するところについては、中学校学習指導要領の解説において「「国を愛し」とは、歴史的・文化的な共同体としての我が国を愛し、国家及び社会の形成者として、その発展を願い、それに寄与しようとすることであり、そのような態度は心と一体として養われるものであるという趣旨である」等と記述している。また、ここにいう「国」については、小学校学習指導要領及び中学校学習指導要領の解説において、政府や内閣などの統治機構を意味するものではなく、歴史的に形成されてきた国民、国土、伝統、文化などからなる歴史的・文化的な共同体としての国を意味するものである旨記述している。
 お尋ねの道徳科において「「評価をする」こと」と「「成績をつける」こと」については、先の答弁書(平成二十八年一月十二日内閣衆質一九〇第一〇号)でお答えしたとおりであり、お尋ねの「成績をつける」の意味するところが必ずしも明らかではないが、道徳科における評価については、小学校学習指導要領及び中学校学習指導要領において、児童生徒の「学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し、指導に生かすよう努める必要がある。ただし、数値などによる評価は行わないものとする」としており、また、先に述べたとおり、専門家会議において検討しているところである。
再質問
 前回の内閣からの答弁書は「国会答弁を参照せよ」というような趣旨の答弁であり、答弁になっていなかった。再度、質問をするので、今度はしっかりと答弁願いたい。
 約二年後の平成三十年四月からは全国の小学校で、約三年後の平成三十一年四月からは全国の中学校で、道徳を教育課程上「特別の教科」と位置付けた上で、児童・生徒の道徳に対する評価をするとしている。その評価は、数値による評価でなく、記述式の評価であり、他の児童・生徒との比較による相対評価ではなく、その児童・生徒がいかに成長したかを評価するとしている。その道徳科の指導内容としては「国や郷土を愛する心をもつこと」、いわゆる「愛国心教育」も含まれるとしている。
 私は、道徳心や愛国心は重要であると考えるが、児童・生徒一人ひとりの道徳心や愛国心を評価する、つまり成績を付ける、ということには強い違和感を持つ。しかも、それが、中学受験や高校受験の内申書(中学や高校の入学者選抜に用いられる調査書)にも記載される可能性が否定されてはいない。
 私は、子どもたちの「道徳心」や「愛国心」を評価することによって、国に対する批判を自粛する空気が広がったり、政府が望ましいと考える道徳心だけが推奨され多様な価値観が損なわれたりする等、非常に息苦しい社会が到来するのではないかとの懸念を持つ。
 そこでお尋ねする。
 まず、ここまで述べた私の見解について、内閣のご意見をお示し願いたい。また、事実関係について誤りがあるとすればお示し願いたい。
 また、中学受験や高校受験のいわゆる内申書に児童・生徒の道徳の評価が記載される可能性があるのか、無いのか、あるいは検討中なのか、お尋ねする。
 また、入学者選抜には使わせないとした上で、受験先の中学、高校に送る内申書には道徳の評価を記載するという可能性はあるのか、無いのか、お答え願いたい。
 中学や高校の入学者選抜に用いられる調査書の様式等は、都道府県の教育委員会等入学者選抜の実施者が決定するものであるため、都道府県の教育委員会の判断次第では受験の内申書に道徳の評価を記載する可能性があると考えて良いか。
 前回の答弁書では、「平成二十八年二月五日の衆議院予算委員会における長妻昭委員の質疑に対する安倍内閣総理大臣の答弁及び馳文部科学大臣の答弁において述べているとおり」との答弁であった。具体的にどの答弁部分なのかを示した上で、今回の質問の答弁となるように文言を補足・整理して、答弁願いたい。
 右質問する。
答弁
 お尋ねの「見解」及び「事実関係」の具体的な範囲が必ずしも明らかではないが、お尋ねにある「私は、道徳心や愛国心は重要であると考えるが、(中略)否定されてはいない。私は、子どもたちの「道徳心」や「愛国心」を評価することによって、国に対する批判を自粛する空気が広がったり」するとの見解及びお尋ねにある「約二年後の平成三十年四月からは(中略)いわゆる「愛国心教育」も含まれるとしている」との事実関係については、先の答弁書(平成二十八年一月十二日内閣衆質一九〇第一〇号。以下「一〇号答弁書」という。)及び先の答弁書(平成二十八年五月十三日内閣衆質一九〇第二五九号。以下「二五九号答弁書」という。)においてお答えしたとおりである。また、お尋ねにある「政府が望ましいと考える道徳心だけが推奨され」の意味するところが必ずしも明らかではないが、特別の教科である道徳(以下「道徳科」という。)における児童生徒の学習の評価については、一〇号答弁書で答弁したとおり数値などによる評価は行わないこととしており、また、一〇号答弁書で述べた学習指導要領の解説も踏まえれば、お尋ねにある「多様な価値観が損なわれたりする等、非常に息苦しい社会が到来するのではないかとの懸念」は当たらないものと考えている。
 「中学受験や高校受験のいわゆる内申書に児童・生徒の道徳の評価が記載される可能性があるのか、無いのか、あるいは検討中なのか」及び「中学や高校の入学者選抜に用いられる調査書の様式等は・・・決定するものであるため・・・内申書に道徳の評価を記載する可能性があると考えて良いか」とのお尋ねについては、一〇号答弁書及び二五九号答弁書でお答えしたとおりである。また、「入学者選抜には使わせないとした上で、受験先の中学、高校に送る内申書には道徳の評価を記載するという可能性はあるのか、無いのか」とのお尋ねについては、「入学者選抜には使わせないとした上で」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、道徳科における児童生徒の学習の評価と調査書との関係は、一〇号答弁書及び二五九号答弁書でお答えしたとおりである。
 御指摘の「平成二十八年二月五日の衆議院予算委員会における長妻昭委員の質疑に対する安倍内閣総理大臣の答弁及び馳文部科学大臣の答弁」におけるお尋ねの「部分」は、安倍内閣総理大臣が、入学者選抜の方法や調査書の書式等は、都道府県教育員会等が設定するものであるとした上で、道徳科の評価は数値による評価ではないため、教科の評定のように入試において他の生徒と数値の上での優劣を付けるような扱いがなされることはないものと考えている旨を述べた部分及び馳文部科学大臣が、道徳科の評価については入学者選抜とはなじまない側面があることを前提とし、更に専門的な検討が行われている旨を述べた部分である。

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「レイプに反対するなら、地位協定を変えるべきです」

東京新聞の記事。

  • 強姦被害者を嘲笑う警察官。
  • 強姦現場で被害者を裸にして検証写真を撮る警察。
  • 被害者の要請を無視し、加害者の精液採取もせず不起訴にする警察組織。
  • 加害者を帰国させるアメリカ政府。
  • 加害者に民事訴訟で勝訴したあと、加害者の代わりに「見舞金」を支払う防衛省。
  • 「日本にとって重要な事例以外は裁判権を放棄する」という密約を改める気がない日本政府、そしてそれを放置するアメリカ政府。
  • 日本のレイプ被害者支援センターは全国で二十数カ所しかなく大半が平日昼間だけの開所。「二十四時間火事は起き続けないからって、平日の昼間だけ消防署を設置しますか?」
このような惨状を今後も続けるのか、改めさせるのか。それは我々の責任である。

涙のあとは乾く | キャサリン.ジェーン・フィッシャー, 井上 里 | 本 | Amazon.co.jp

東京新聞:レイプ被害の体験記出版 強いられた闘い今も キャサリン・ジェーン・フィッシャーさん:土曜訪問(TOKYO Web)(2015年6月13日)

 ページをめくるのが、どうにもつらい。電車の中で読んでいたら、あっという間に視界がぼやけた。ところが読み進めると、だんだん力が湧いてきた。なぜ?
 その本が、先月末出版された『涙のあとは乾く』(講談社)。著者はオーストラリア出身で、日本に住むキャサリン・ジェーン・フィッシャーさん。二〇〇二年、神奈川県横須賀市内で、米兵にレイプされた。勇気を出して立ち上がり、犯人や日本の警察、被害を隠す日米両政府と闘った記録をつづった。
 「わたしが、日本で最初の米兵のレイプ被害者だと思っていました。調べたら、ものすごい数の日本人が被害にあっていた。日本政府は、いったい今まで何をしていたの?」
 流暢(りゅうちょう)な日本語で話しながら、キャサリンさんは巻物のような紙を取り出した。どんどんのばすと大蛇のように部屋中に広がった。戦後沖縄で起きた米兵の性犯罪をまとめた年表だ。
 キャサリンさんは弁護士だった父の転勤で、三十五年前に来日した。沖縄出身の男性と結婚し、三人の息子に恵まれた。離婚して英会話講師の仕事と子育てに奮闘していた時、事件は起きた。
 ホテルのバーで酒に薬物を入れられ、見知らぬ男にレイプされた。犯人は米軍横須賀基地の空母乗組員。基地への通報後、日本の警察が来た。男はすぐ見つかり、身元が判明した。
 だが、さらなる悪夢が待っていた。「検証写真を撮る」と横須賀署員に現場へ連れ戻された。下着もつけていない。怖くておぞましくて泣いた。「あんたもヤリたかったんだろ」。警察官の忍び笑いが聞こえた。
 傷だらけの体が痛んだ。病院へ行きたいと頼んだが「開いてない」と言われた。犯人の精液採取もされないまま、我慢の限界に達し「法医学的証拠は、尿と一緒に出て行った」。極度の疲労と睡眠不足で「家に帰して」と訴えても聞き入れられない。事情聴取は翌日まで十四時間に及んだ。
 直後から心的外傷後ストレス障害(PTSD)が襲った。眠れず食べられず、感情が制御できない。「レイプされたのはこの女だ!と空から指さされている気がした」。同居していた母までストレスで腸に穴が開き、生死をさまよった。
 日本の検察は三カ月後、米兵を不起訴にした。理由の説明はなかった。その後、民事訴訟中なのに犯人は帰国。勝訴後、防衛省が代わりに見舞金を払った。
 「このままでは終われない、と思ったの。だって、私は悪くない」
 ネットで情報提供を呼びかけた。米国在住の別の被害女性から連絡があり、犯人の行方を突き止めた。米国でも訴えを起こし、勝った。その裁判では「米軍の命令で帰国した」という犯人の証言も引き出した。
 問題の根本は、日本側の犯罪捜査や裁判権を制限する日米地位協定にある。「日本にとって重要な事例以外は裁判権を放棄する」との密約まで存在する。その不条理を訴えたが、日米両政府には無視された。手弁当の闘いで、家賃や光熱費すら払えなくなった。
 〇八年、米兵犯罪に抗議する沖縄の集会で、レイプ被害者として初めて、六千人の前で話した。七十代の女性が近づいてきて、「五十年前に米兵にレイプされたことを黙ってきたけれど、あなたのおかげで自分は悪くないと分かった。ありがとう」と泣いた。
 欧米諸国では当たり前の二十四時間体制のレイプ被害者支援センターが日本で整備されていないことに憤る。被害直後の緊急支援からその後のケアまで担う重要施設だが、国が十分な予算を出さず、まだ全国で二十数カ所。大半が平日昼間だけの開所だ。「二十四時間火事は起き続けないからって、平日の昼間だけ消防署を設置しますか?」
 被害者からの相談を受け続けている。名刺には「レイプに反対するなら、地位協定を変えるべきです」と書かれている。米兵の犯罪を公平に裁く制度ができ、全国にセンターができるまで、祖国には帰れない。
 今でも、後遺症で時折体調を崩す。「レイプ被害を思い出さない日は一日もない。でもわたしは、決してあきらめません」 (出田阿生)

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2016/06/14

偉大な領袖による被災地激励をNHKが報道

安倍首相 東北復興へ外国人観光客の宿泊増を支援 | NHKニュース(6月14日 18時26分)

安倍総理大臣は宮城県石巻市で街頭演説し、東日本大震災からの復興について、農地のおよそ9割で作付けが可能となったなどと実績を強調したうえで、今後も外国人観光客の宿泊を増やすための支援を行うなどして復興を加速化していく考えを示しました。 この中で安倍総理大臣は、東日本大震災からの復興について、「3年半前政権を奪還し、直ちに復興の加速化に取りかかった。高台移転は計画すらなかったが、計画を作り4分3の造成が完了している。農地の約9割で作付けが可能となり、水産加工施設も9割が復旧した」と述べ、実績を強調しました。 そのうえで安倍総理大臣は、「ことしを東北の『観光復興元年』にし、2020年までに外国人観光客の宿泊を3倍に増やす目標を立てた。そのためのプロモーションには、国がちゃんとお金を付けてしっかりと前に進めていく」と述べ、復興を加速化していく考えを強調しました。

参考
新 恭(あらた きょう)「NHK籾井会長による「粛清人事」が止まらない。退任迫るイジメ左遷も - まぐまぐニュース!」(2016.03.28)の3ページ目

この国は、あまりにも内閣総理大臣に権限が集中しすぎている。最高裁長官も、検事総長も、日銀も、会計検査院も、表向きは独立性を謳っているが、内閣が任命、指名できる権限を握っている以上、見識の低い総理大臣のもとでは独立性が低いといわざるをえない。

***************
追記(2016年6月16日)

舛添氏説得 首相が引導 直接電話、語気強め  :日本経済新聞(2016/6/16 2:00)

我らの領袖は偉大ですなあ。うん、実に。
まるで歌舞伎の大一番を見ているようです。
で、次は甘利さんとかにお渡しになるんでしょうね、引導。

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