家族に孝行することを制度化している会社
新たなサンプルが見つかったので、今回新たにエントリを建てた。
●税理士法人 古田土会計
聞いたことがない! 両親への「ありがとう」が業務命令:日経ウーマンオンライン【こんな会社で働きたい!】(2016年6月28日)
東京都・江戸川区に「日本一明るい会計事務所がある」と聞き、やってきたのは西葛西駅からほど近いオフィスビル。なんでも親孝行が“業務命令”の会計事務所があるらしいのです。税理士法人 古田土会計が実施している「親孝行制度」とは一体どんな制度なのか?というわけで、こういうPR記事こそ香ばしさがあふれているもの。
入り口を抜けると、オフィスの隅々から「いらっしゃいませ! こんにちは!」と張りのある挨拶の声が次々と。席に座っていた社員の皆さんが、一様に仕事の手を止め、立ち上がり、笑顔を向けてくれています。思いもよらぬ“大歓迎ムード”に目が覚めるような思い。高校にはこういう学校がたくさんある。で、学校を一歩でも出ると、この種の「挨拶」と「笑顔」ってなくなるんだよね。まあ何というか、挨拶と笑顔も業務の一つというわけで、別に相手に好意を持っているわけでも親切にしたいわけでもない。あくまで業務、ルーチンワークの一環としての「笑顔」であり接遇である。これが「おもてなし」の神髄でもある。
まあそれはともかくとして、この記事によると、
・これは「親孝行制度」といい、「税理士法人古田土会計をはじめとするエムケーコンサルティンググループが12年ほど前から導入した」
・「毎年4月21日~5月20日を「親孝行月間」とし、入社3年目までの社員を対象に、「実家まで両親(社会人になるまでお世話になった保護者)に会いに行き、御礼の挨拶をする。初めての給料で買ったプレゼントを贈る」という制度。」「実家までの交通費は支給される。」
・業務命令で親孝行をする。「確かに親孝行したことを証明するために、贈り物をしているシーンや御礼の言葉を述べているシーンを撮影した“証拠写真”と共に、後日レポートにしてチームリーダーに提出。さらに総務課もチェックした上で“業務完了”となる」
で、「業務命令で親孝行することに違和感はなかったのか」という質問への社員の反応。→「業務命令だからこそ、やりやすかった」
親に感謝の気持ちを表すきっかけをもらえて助かったということらしい。また、その副産物として、
「それまでの私は『自分が何かしたとしても、相手を喜ばせるような大したことはできないのではないか』と思い込んで、どこか消極的なところがありました。親孝行を通じて両親が喜んでくれる姿を見たことで、私の行動一つで相手に大きな喜びを与えることができること、そしてその喜びが何倍にもなって自分に返ってくることを実感できました」という気持ちの変化が生じたことと、
以来、お弁当を作ってくれる母親に「今日もおいしかったよ」「ありがとう」と言った一言を意識的に伝えられるようになったそうです。という行動の変化があった、という話。なんとなく、就活の「成長しました」作文みたいな臭いも感じられるが、まあそれはいいとして。
この記事には後編があるらしいので、もっと詳しい話が出てくるだろう。
で、この会社のサイトから。
会社を知る - 税理士法人 古田土会計採用サイト(エムケーコンサルティンググループ)
「三つの文化」として、挨拶・朝礼・掃除を掲げているとのこと。その理念は「職場は仕事をするためだけの場ではなく、人間性を高める場でもある」というもの。
挨拶 出社したら、全員が全員と握手して挨拶します。最初に挨拶するのは、入口前に席がある古田土所長とです。朝礼 TV東京「たけしのニッポンのミカタ!」に紹介されたほどの朝礼。いままで、300社以上、1,184名の方が見学に来られました。
掃除 毎週火曜日~木曜日の朝は西葛西の駅前から事務所の近所まで、社員全員で清掃を行っています。
会計事務所通信:税理士法人古田土会計/株式会社古田土経営
給料日に従業員が募金する箱があり、募金したらその従業員が太鼓を打ち鳴らすらしい。
社長の古田土氏の誕生日は「毎年、朝礼そっちのけでお祝い」だとのこと。
~代表社員 古田土 満 誕生日パーティー~ 税理士法人古田土会計|月次決算書の使い方徹底講座 - 税理士・会計事務所向けに古田土会計・古田土経営のノウハウ公開
日本商工会議所「光る!リーダーシップ!「若者・女性の活躍推進」取組事例【23】株式会社 古田土経営 グループ」
(日本商工会議所: 光る!リーダーシップ!)
社内のワークライフバランスの重視、業務平準化の取り組みの紹介など。
従業員とその家族の集合写真が掲載されている。
社員が嫌がることでもやりなさい!~社員も家族も幸せにする経営術~|Visionet(ビジョネット)
「成功した企業のリーダーたちから業績アップのヒントとノウハウを学ぶ『ビッグインタビューズ』」として、古田土氏のインタビューがDVDとして販売されている。
いくつか特徴的なことが書かれている。
・「社員を幸せにする」という言葉が経営理念に入っている
・小中学校に出向いてトイレ掃除をしている
・「朝礼の定義は何かというと、情報提供の場でもコミュニケーションの場でもない。訓練の場であると。」
・「人は何で動くかというと、個人の考えだけで動くのではなくて、社風で動く」
・「会社というのは、お客様に喜ばれたり感謝されることが先」
個別の項目は企業の考え方として特段珍しくもないものもある。しかしこれらが連合して一体的になると、ある種の特徴がにじんでくる。
******
家族への感謝を制度化している企業には、ほかに、アリさんマークの引越社とフジ住宅がある。
●アリさんマークの引越社
風邪引いて辛いのにやむを得ず仕事しているが、あまりにアレなのでメモ: 思いついたことをなんでも書いていくブログ
従業員の配偶者(妻)の誕生日に祝い金。有給休暇を取れる(プレゼント)。
※有休は自分の好きなときに取れるはずなのでちょっと奇妙。有休が1日多いということなのか、休むことを義務づけられているのか、単に奨励しているだけなのか。
●フジ住宅
フジ住宅と今井光郎氏の研究会: 思いついたことをなんでも書いていくブログ
「親孝行月間」という制度を設け、年に一度全社員に1万円を支給。必ず親のために使うことと、どのように使ったかを感想文にして提出することが課されている。
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 日本大使館、正しい日本理解「日本は検閲の国」というイメージ広報に成功。(2019.11.06)
- 伊勢市教委、日本の戦争責任批判・犠牲者の鎮魂は許さないという姿勢を明瞭にする。(2019.10.31)
- 歴史修正主義の走狗となりアメリカで破廉恥な圧力を掛ける日本外務省(2019.10.30)
- 反天皇や日本の戦争責任を問う展示は中止、朝鮮人差別の展示は続行。(2019.10.28)
- 朝鮮学校の無償化訴訟、東京と大阪で敗訴が確定。(2019.09.03)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント