東京都政の真の権力者は自民都連幹事長の内田茂都議であり、それは都庁と一体化した「「東京の意思決定システム」を形成しているという話
この記事をきっかけにちょっと検索してみた。週刊誌レベルでは以前から何度も出ていた話のようで、つまり、よく知られたことのようだ。それが大手新聞にも出てくるようになったということだろうか。
舛添都知事:辞職 「英断ありがとう」「所詮タレント学者」 混乱回避へ都職員安堵 - 毎日新聞(2016年6月17日 東京朝刊)
東京都の舛添要一知事の辞職決定から一夜明けた16日、ひとまず都政の混乱は収束することになり、都職員からは安堵(あんど)の声が漏れた。一方で、都議会と対立しなかった舛添氏の退場による都政の変化への心配も聞かれた。都職員が桝添氏を冷たく切って捨てるのは職員個人個人の見解だろうし、都庁内で何があったか知らないので、とやかくは言わない。ただ見苦しいと思うだけだ。舛添氏の公私混同問題で、知事の政策をサポートする政策企画局には今月9日までに、約3万2900件の抗議が電話やメールで寄せられた。
同局職員は「やっと通常の業務ができる。都議会を解散し、改選後に不信任案再可決という最悪の事態も想定していたので、知事に『英断くださり、ありがとうございます』と言いたい」と語った。都幹部は「地方行政は本来、足元を見る仕事だが、知事がやったのは都市外交と美術館巡りだった。結局、目立つことが好きなタレント学者が政治家のように振る舞っていただけ」と切って捨てた。
都政はここ十数年、自民都連幹事長の内田茂都議を中心に回ってきた実情がある。局長級幹部によると、事務方が重要な条例案や新規事業を承認してもらう時は、事前に内田氏に報告していた。猪瀬直樹・前知事はこうした「根回し」を嫌う傾向があったが、議会との関係がおおむね良好だった舛添氏は、内田氏への説明先行に文句を言わなかった。
東京駅周辺地域を国家戦略特区とするための提案、税収が豊かな都を念頭に政府が打ち出した「自治体間の税収の格差是正を目的とする法人住民税の一部国税化」についても、事務方が内田氏と対応策を練ったという。この幹部は「新知事が従来の『東京の意思決定システム』を変えれば、都政は大混乱する。議会に刃向かわなかった舛添氏は、その意味で最高の知事だった」と振り返った。
舛添氏は16日、都庁に姿を見せたが、登庁・退庁時とも硬い表情で報道陣の問いかけに無言を貫いた。【篠原成行、川畑さおり、飯山太郎】
で、気になったのは以下。
都政はここ十数年、自民都連幹事長の内田茂都議を中心に回ってきた実情がある。局長級幹部によると、事務方が重要な条例案や新規事業を承認してもらう時は、事前に内田氏に報告していた。猪瀬直樹・前知事はこうした「根回し」を嫌う傾向があったが、議会との関係がおおむね良好だった舛添氏は、内田氏への説明先行に文句を言わなかった。つまり、東京都の真の権力者は内田茂都議だというわけだ。
内田氏を頂点とする都自民党の権勢が東京都を支配する構造はもう十数年続いていて、「東京都の意志決定システム」として定着しているということらしい。
気持ち悪いのは、その「意思決定システム」をどうやら都職員が歓迎し、守りたいと思っているらしいこと。
「新知事が従来の『東京の意思決定システム』を変えれば、都政は大混乱する。議会に刃向かわなかった舛添氏は、その意味で最高の知事だった」
というコメントは、都知事などまさに傀儡に過ぎず、知事選など一種の政治ショーでしかないということを浮かび上がらせる。大衆の耳目を集め、興奮させ、満足させる供物のようなものだというような。何となくローマ帝国の元老院を思い起こさせる。後世の歴史家はこの政治をどう評するのだろうか。
そしておそらく、桝添氏のお金の使い方はやり玉に挙がっても、それは桝添氏個人のこととして切り捨てられ、公金浪費の是正そのものや都議会・都庁を含む他の事例の告発にはつながらないのだろう。記事に上がっているコメントからは余裕が感じられる。
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で、この毎日新聞記事をきっかけにちょっと検索してみて出てきたのが以下のような記事。内田氏は都の公共工事を左右する力があり、その利権が強いみたいな記事が出てきた。そうなればなるほどオリンピックや卸売市場の移転にこだわったり、その他いろいろな再開発が続いているのも分かる気がする。
2013年の話。
猪瀬都知事と犬猿の仲“都議会のドン”が復活で五輪招致が大混乱 - ライブドアニュース(2013年7月3日 16時0分)
6月23日に行なわれた東京都議選で、自民党は立候補者全員が当選するという大勝利を収めた。この結果は“猪瀬都政”にどのような影響を及ぼすのか?この記事には前報となる記事がある。自民党は昨年の都知事選で猪瀬直樹氏を支援していた。普通に考えれば、民主党が後退して自民党が躍進したことは猪瀬知事にとって追い風だと思える。しかし、現実はそう簡単ではないようだ。
自民党本部関係者が証言する。
「都知事選の際、全国組織である自民党本部は最初から猪瀬さん支持で固まっていました。猪瀬さんは小泉政権時代、強硬に抵抗する道路関係四公団を民営化する改革の中心メンバーとして尽力してくれました。われわれの間には信頼関係があるのです。
さらに、党本部が都知事選前に行なった世論調査でも猪瀬さんの支持率は飛び抜けていた。打算で考えても自民党が猪瀬さんを支援するのは当然なのです。
しかし、自民党の地方組織である東京都連は違いました。猪瀬さんへの支持を断固拒絶し、ギリギリまで独自候補の擁立を模索していました。でも、声をかけた全員から断られ、都連は猪瀬さん支持に渋々応じたんです」
自民党都連がそこまで猪瀬氏を嫌う理由はなんなのか?
「都連というより、巷で“都議会のドン”とも呼ばれている内田茂さん(千代田区)が猪瀬さんを敵視しているんです。彼は過去に東京都議会の議長も務めた都政の大物で、2009年の都議選では民主党の若手候補に敗れたにもかかわらず、都連の幹事長を務め続けてきた権力者です。
彼は公共事業などの予算づけから施工業者選定までを自由自在に差配できる立場にあり、その利権の“おこぼれ”を側近議員たちに与えて勢力を拡大してきました。ところが、07年に内田さんが中心となって手がけた参議院議員宿舎建設事業に対し、副知事に就任したばかりの猪瀬さんが『ムダだから中止しましょう』と石原(慎太郎)知事(当時)に進言し、土壇場でご破算になったのです。
以来、内田さんは明らかに猪瀬さんを恨んでいます。今回の都議選では内田さんも当選しましたし、自民党の議席数が大幅に増えた。おそらく内田さんは、自分に権限が与えられなければ猪瀬都政を全力で妨害すると思いますね」(前出・自民党本部関係者)しかし、自民党が大幅に議席を増やしたということは、内田氏の影響を受けない新人議員も多く生まれたということじゃないのか?
今回の選挙で当選した、ある都議が話してくれた。
「今回の都議選、自民党から公認をもらえれば、ほぼ確実に当選できる情勢でした。そりゃあ議員になりたい人間なら誰もが公認を欲しいですよ。誰に公認を与えるかを決める権限を持っているのは都連幹事長、つまり内田さんです。新人議員も彼に頭が上がらないと思います。
都政において、知事と議会は対等の立場です。自民党が猪瀬知事と対立関係になれば、国政における“衆参ねじれ”と同じ状態に陥ってしまいます。もちろん、連立を組む公明党の出方にもよりますが、都議会が空転を続ける可能性も否定できません」
都議会が空転すると、具体的にはどのような政策で支障が出るのだろうか?
「オリンピックの東京開催が決まったとしても、その予算の使い方をめぐって対立するかもしれません。天然ガス発電所の建設も、内田さんにメリットがなければ反対しかねないし、東京電力改革も、もし東電が内田さんを味方につければ改革が頓挫するかもしれません……」(前出・都議)
今後の都政は“都議会のドン”に注目する必要がありそうだ。
(取材・文/菅沼慶)
「猪瀬都知事誕生」を妨害する自民党“都議会のドン”の存在 - 政治・経済 - ニュース|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト](2012年11月29日)
野田総理の“自爆解散”により、12月16日に衆院選が行なわれることになった。おかげですっかり影が薄くなってしまったのが、同日に行なわれる東京都知事選。しかも日本維新の会や自民党ら多数の政党が支援する猪瀬直樹氏の圧勝ムードが漂っており、緊張感もまったく感じられない状態だ。だが、自民党が猪瀬氏への支援を決めるまでの舞台裏で、思わぬ内紛劇が繰り広げられていた。自民党本部の幹部、A氏がタメ息交じりに話す。
「われわれが猪瀬さんへの支援を決めるまでの間、自民党では独自の候補者を擁立する動きとして、ほかの方の名前が挙がったり消えたりしていたでしょ? 具体的には安藤優子さんや舛添要一さんなどですね。自民党本部としては、小泉政権時代に断行した道路関係四公団の民営化に協力していただいた縁もありますし、独自に行なった世論調査でも圧倒的な人気でしたので、最初から猪瀬さんを推したかった。でも、同じ自民党の東京都連が猪瀬さんを嫌ったんです」
こう聞くと自民党の都議会議員の多くが猪瀬氏を否定しているように聞こえるが、実際は自民党内で“都議会のドン”とも呼ばれている内田茂・自民党東京都連幹事長と、その取り巻きたち数名が、アンチ猪瀬に執念を燃やしているのだという。
「内田さんは前回(2009年)の都議会議員選挙で落選したんですが、今も自民党都連の幹事長を務めている人物です。都連幹事長は自民党から立候補する都議会議員候補に公認を与えるかどうかの決定権を持っています。都連内の人事権も幹事長が握っている。来年7月には都議会議員選挙を控えているので、都議会議員たちは特に今の時期、幹事長には逆らえないんです。従って、いかにも都連の総意のような形で、自民党本部が猪瀬さんを支持する動きを妨害したワケです」(A氏)
なぜ内田氏は猪瀬氏を嫌っているのだろうか。
「話は2007年にさかのぼります。この年の6月、猪瀬さんが東京都の副知事に就任しました。そして手始めに猪瀬さんがやった仕事が、内田さんの利害に触れてしまったんですよ。東京都千代田区紀尾井町にある、紀州徳川藩邸の跡地で建設が予定されていた参議院議員宿舎の工事を、猪瀬さんが『無駄だから中止しよう』と言い出した。そして石原(慎太郎)さんが猪瀬さんに同意し、建設の中止を決断した」(A氏)
この参議院宿舎の新築工事については、施工業者の手配などを千代田区選出(当時)の内田氏が取り仕切っていたのだという。つまり、政治家と業者の癒着と利権の構図に、猪瀬氏は踏み込んでしまったのだ。
「長年かけてきた“おいしい仕事”を、仕上げの段階になって土壇場で新参者の猪瀬さんにひっくり返された。メンツも潰された。それ以来、内田さんは猪瀬さんを目の敵(かたき)にしているというか、完全に恨んでいますね。だから知事にさせたくなかっただろうし、党本部が猪瀬さんへの支援を決定した今になっても、まだガタガタと言っている」
実際、石原氏の特別秘書だった2名が、仕事の継続性を持たせるため知事の辞職後「専門委員」という役職に就いたが、内田氏一派からクレームが入り、ともに21日に辞職したという。
「こういったイヤがらせ行為はおそらく、猪瀬さんが知事になった後のことを考えての布石です。まず内田さんは自民党の都議会議員団が“アンチ猪瀬”だというポーズを示しておく。そして議会運営で猪瀬さんに協力してやる代わりに、予算をどこにつけるだとか人事面だとかを、絶対オレに仕切らせろよという暗黙のメッセージを送っているのです。今から駆け引きが始まっているんですよ」(A氏)
もしこういう古いタイプの政治家が全国の地方組織にウヨウヨいるのだとすれば、自民党に政権を戻すのは恐ろしすぎる……。
次は桝添氏と内田氏の記事。桝添氏は自民党にとっても使いやすい人だったんだなあ。それが五輪問題でねじれた。
五輪問題がこじれたのはそもそも計画や運営がグダグダで、実行困難な構想を上層部がぶち上げ、無責任体制+無能な実務組織がボロボロ穴を開け、さらに無責任な人たちが公金をおもちゃにしたあげくに放言したりしたことが原因だと思うのだが、そちらの方は問題ではなく、そこにちょっと手を付けようとした人がクビになったということのようだ。なかなか倒錯している。
東京新聞:<始動 桝添都政>(中)自公への「負債」重く 独自性発揮できる?:東京都知事選2014:特集・連載(TOKYO Web)(2014年2月11日)
「アベノミクスで経済が上り調子にある。東京から経済を牽引(けんいん)したい」。東京都知事に当選して一夜明けた十日夕。舛添要一(65)は、国会で開かれた自民党役員会に顔を出した。首相の安倍晋三(59)ら党幹部を前に、政権を持ち上げながら抱負を語った。
安倍から「国も舛添都政を支援したい」とエールを送られ、がっちり握手を交わす。入室した時の緊張した表情とは打って変わり、顔には穏やかな笑みが広がっていた。
舛添は二〇〇一年の参院選で、自民から立候補して政界入りした。しかし、自民が野党に転落した一〇年、「歴史的使命は終わった」と飛び出した。
「無所属」を強調して立候補した今回の都知事選。かつて除名された自民と、国政与党の公明党と政策を擦り合わせ、手厚い支援を受けた。
節目になったのが告示一週間前、一月十六日の自民都連会議。舛添が出席し、「まったく新しい人間として、皆さんと共に何とか都政を立て直したい」と、自民議員らに頭を下げた。
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「あのせりふはね、われわれが舛添に言わせたんだよ」。自民幹部が、その舞台裏を明かす。除名した相手を支援するための「みそぎ」がどうしても必要だったのだ。
これで、自民の支援にエンジンがかかった。告示後の二十七日、党本部八階のホール。選挙の「集票マシン」となる各種業界団体の集会に、舛添は呼ばれた。建設、運輸、医療、教育…。千人近い出席者がホールを埋め、廊下にもあふれた。
「これは舛添さんだけの人気じゃない。まず肝に銘じていただきたい」。文部科学相の下村博文(59)が壇上で念を押した。
都議たちも舛添のために支持者を動員、個人演説会を各地で毎晩開いた。舛添は計四十カ所以上を回って支持を訴えた。
ベテラン都議の内田茂(74)はこうくぎを刺す。「恩はちゃんと返す。約束したことは実行する。政治の基本だよな」
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車の両輪に例えられる首長と議会。首長は大統領的な強い権限を持つが、どんなにすばらしいプランを描いても、議会で議案が否決されれば「絵に描いたもち」に等しい。
舛添は「知事も都議会のみなさんも選挙で選ばれている。あらゆる会派と議論を重ねながら政策を進める」と、全方位での対話を目指す姿勢を強調する。ともに新党改革をつくった参院議員荒井広幸(55)も、舛添の長所を「しがらみがない。無党派の声というのかな。だから、斬新なことができる」と評する。
しかし、今回つくった自民への「借り」は、重くのしかかりそうだ。
舛添の選挙政策集をめくっていた都の幹部が、こう苦笑した。「待機児童ゼロも防災も、自民党が言っていることそのまんま。議会と対立した前知事と違って、安定感が出るのは歓迎すべきことだ」
そして続けた。「でも、こんなにがんじがらめじゃ、独自性なんて発揮できない。舛添さんがどこまで我慢できるか、だね」 (敬称略)
舛添都知事の続投に都議会自民党のドンからのお墨付き 国会議員以上の影響力 (デイリー新潮) - Yahoo!ニュース(2016年6月8日(水)5時53分配信)
“辞任やむなし”の大合唱もどこ吹く風。ここに来て、自称“トップリーダー”に持ち前のふてぶてしさが戻ってきた。しかも、税金で懐を肥やして恥じない厚顔ぶりだけが理由ではないという。舛添要一都知事(67)が余裕を覗かせるウラには、犬猿の仲と噂された“都議会自民党のドン”のお墨付きがあった。***
5月27日の定例会見に臨んだ舛添氏は時折、目を剥きながら、開き直り発言を繰り返した。曰く、
〈疑惑と言ってもたくさん出ていて、全てが“黒”ではありません。私に言わせれば、「全く誤解ですよ」というのもあります〉〈調査結果を早く出してほしいと私が一番思っています〉
都政担当の記者によれば、
「これまでの会見と違って、明らかに強気でした。6月1日から都議会が始まり、百条委員会が設置される可能性もあるのですが……」
変わり身の早さが身上の舛添氏だが、何を追及されても“精査している”のひと言で逃げ回っていた7日前とは大違いである。
自民党都議によれば、この豹変ぶりの背景には、“ドン”こと内田茂都議(77)のひと言があるという。
「実は、最近になって内田さんが舛添さんにこう伝えました。“一旦、撃ち方やめだ。当分は様子見にする”とね。つまり、舛添さんの知事続投を認め、都連として守るということです」
内田氏は都議会自民党の顔役として知られ、その影響力は代議士を凌ぐとの声もある。実際、
「安倍総理が返り咲いた2012年の総裁選では、森元総理に頼まれて内田さんが都連の党員票を取りまとめたとされる。そのため、昨年12月に内田さんの妻が亡くなると、安倍総理も通夜へと駆けつけました」(先の記者)
■電話を無視
だが、都知事と内田都議は長いこと蜜月とはほど遠い関係にあった。「両者の仲がこじれたのは、舛添さんが独断で東京五輪の会場計画の見直しを進めたからです。特に、都内3会場の建設を白紙撤回したことが決定的でした。都議会自民党の利権を奪う格好となり、一気に溝が深まった。また、エンブレム問題が取り沙汰された時も、騒ぎが拡大することを嫌った内田さんは、会見でこの件に触れないよう舛添さんに頼んでいました。しかし、舛添さんは調子に乗って持ち出してしまった」(同)
“言ってはいけない”ことを口にしてドンの逆鱗に触れた舛添氏。その結果、
「昨年末まで内田さんは舛添さんからの電話を無視して、留守電が残っていてもコールバックすらしない状況が続きました」(同)
これには、さすがの都知事も焦りを募らせ、都連関係者と会う度に、“内田さん、何か言ってる?”と尋ねるようになったという。
「石原慎太郎さんが都知事になった時には、懐柔策として伸晃さんを都連会長に担ぐなど、老獪さでは内田さんが一枚上手。それを理解したからこそ、今年1月の宜野湾市長選で舛添さんは、縁もゆかりもない自民党候補を応援するために沖縄入りした。全ては内田さんの指示です」(別の都議)
犬猿の仲から従順な飼い犬に転じて、ひとまず都知事のクビは繋がった。だが、
「内田さんにとって最大の関心事は来年の都議選です。今回の不祥事がさらにエスカレートするようなら、一転して舛添おろしに動く可能性もある」(先の記者)
“マスゾエ”続投を決めたものの、“マキゾエ”は御免というワケである。
「ワイド特集 言ってはいけない」より
「週刊新潮」2016年6月9日号 掲載
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以下、「後で読む」的にクリップしておく。
都議選に続き千代田区長選でも惨敗! 民意を得られない「自民党都連のドン」内田茂氏に次の一手はあるか? | 伊藤博敏「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社](2013年02月07日(木) 伊藤 博敏)
自民党都連には、石原伸晃都連会長をしのぐ実力者がいる。幹事長の内田茂前都議(73)である。前職で身分がないのに、自民党の都連を牛耳る。それが実力者の証であり、「都連のドン」の異名を取る。生まれも育ちも千代田区。千代田区議を4期、千代田区選出の都議を5期務めた。千代田区には、永田町(政)と霞が関(官)と丸の内(業)がある。「政官業」の中心に位置する地域の行政を、長年、束ねてきたことが、この人を知られざる実力者にした。
自民党だけでなく公明党にも太いパイプを有し、議会を操る内田氏には、剛腕の石原慎太郎前都知事も敵わなかった。
「泣いて馬謖を斬る」
05年の都議会で、石原氏の「側近中の側近」といわれた浜渦武生副知事が、民主党都議を利用した「やらせ質問」を行ったとして百条委員会が設置され、議会は空転、石原氏はこの言葉を残して「浜渦切り」を行った。
この時、追及の急先鋒に立ったのが、当時、都議会議長だった内田氏。以降、「石原を屈服させた男」として怖れられ、「都連のドン」の座に磨きがかかった。
石川雅己区長と内田氏との長年の確執
しかし、都議会では権勢を誇る内田氏が、2月3日投票の千代田区長選で、選挙民から「ノー」を突き付けられた。今回の千代田区長選挙は、4万972人の有権者にとって理解しにくい構図だった。
保守分裂の選挙。前回、自民党と公明党の推薦を受けた石川雅己区長(71)が無所属となり、自公の推薦候補となったのは、副区長として長年、石川氏を支えてきた大山恭司氏(71)だった。
結果は、投票率42.27%で、石川氏が8287票、大山氏が7023票。石川氏が4選を果たした。「自公」の基礎票が9000票といわれるなか、推薦を受けずに1200票以上の差をつけたのだから、石川氏の圧勝である。
3期12年務めた石川氏に、失政やスキャンダルがあったという話は聞かない。大山氏出馬の理由は、「議会との関係正常化」だった。なぜ、石川氏と議会がギクシャクし始めたのか。政界関係者が口を揃えるのは、「議会というより、石川さんと内田さんの長年の確執」である。
もともと東京都の官僚だった石川氏を区長に引っ張ってきたのは内田氏だった。だが、大手町再開発などヤマほどある千代田区内の大型プロジェクトに口を出す内田氏に反発した石川区長は、内田氏を無視するようになったという。「都連のドン」への反乱が、石川区長の議会運営を難しくした。
内田氏が仕掛けた遺恨試合だが、この強引さは都知事選でも見られた。
都知事選では猪瀬直樹都知事は、「石原後継」を受け、430万票あまりを獲得して圧勝したが、スンナリと後継が決まったわけではなかった。理由は、自民党都連の反対である。
「猪瀬副知事は議会運営を軽視している」
これが都連の言い分だ。千代田区の理屈と同じである。「都連のドン」の内田氏を軽視しているということであり、自民党本部が猪瀬支持を決めているに、都連は小池百合子、東国原英夫など、独自候補にこだわった。
最後は、猪瀬支持で一本化するが、都連が積極的な選挙応援をしたわけではない。西新宿の猪瀬選対本部に詰めていたのは、兵藤茂、高井英樹、半田修次、鈴木重雄ら「石原秘書軍団だった。
鼻っ柱の強い猪瀬氏からすれば、そんな内田氏は煙たくて仕方がないだろう。しかし、実力者ゆえに表立った排除もできない。今回、"本音"では石川区長を支援したかったが、旗幟鮮明というわけにはいかなかった。
ただ、1月27日の公示日、石原伸晃都連会長など大物が、大山候補の事務所に駆け付けたのに、特別秘書に就任した鈴木氏が、石川候補の選挙事務所を訪れたところに、猪瀬氏の"意向"がうかがえる。
「都連のドン」としてパワーにも陰りが
それにしても、「都連のドン」は「民意」を読み取れないし、支援も受けられない。前回の2009年の都議選で、内田氏は告示9日前に立候補を表明した民主党の栗下善行氏に敗れた。その時、栗下氏は米国の大学を卒業、企業に勤め始めたばかりの26歳。いかに自民党に逆風が吹いた選挙とはいえ、弱過ぎる。
自らの敗戦と、都知事選での選択ミスと、「代理戦争」だった千代田区長選での敗退。「まだ去就は明らかにしていないが、これだけ負け続ければ、引退するのではないか」(都議会関係者)という声が聞かれる。内田事務所は「時間が取れない」ことを理由に、私の取材に応じることはなかった。
しかし、内田氏の去就はともかく、「政官業」の取りまとめ役は、必ず必要とされる。今回、ゼネコンと不動産という政治と最も密接な業界は、濃淡に差はあったものの、自公推薦の大山候補に乗った。石川区長としては面白くない。各社は、さっそく石川区長との関係修復に動いているという。
そのうえで、「人からコンクリートへ」と、大きく舵を切った安倍晋三政権のもと、公共工事頼みの業界は誰を頼りとするのか。
一度は内田氏と対立した浜渦氏は、やがて内田氏との関係を修復させ、大手町再開発、築地移転などで「行政との調整役」を担った。また、実現しなかったが、東京五輪招致の段階で、浜渦-内田コンビが了解する五輪施設の青写真が引かれていたという。
しかし石原氏引退後も、浜渦氏が権力を持ち続けることはないだろうし、相次ぐ敗戦は、たとえ今年の都議選で返り咲いたとしても、内田氏の「都連のドン」としてパワーに陰りを生じさせる。といって、ノンフィクション作家として、利権構造にメスを入れ続けた猪瀬氏が、石原氏のように「秘書軍団」を使って利権を差配することはあるまい。
それでも「調整役」と「仕切り役」は必要とされ、それは誰になるのか。その動向を見守るのは、猪瀬都政の真価を問うことにもなるだけに、注視していきたい。
自民党の内田茂都議を書類送検…町会に金券配布 [転載禁止]©2ch.net
1は2014/12/31(水) 23:19:10.10。
事情に関連する情報が若干。
その結果。
“ビール券配布”内田茂都議を不起訴処分(2015/01/23 21:06)
東京都議会議員選挙の告示前に地元選挙区内でビール券を配ったとして書類送検されていた内田茂都議(75)について、東京地検は不起訴処分としました。金額が小さくて微罪だから不起訴なのだとのこと。自民党都連幹事長の内田都議は、おととしの都議選の告示前に選挙区内でビール券を配ったことが公職選挙法違反にあたるとして告発され、警視庁が先月、書類送検していました。東京地検は23日、ビール券は内田都議の政治団体による寄付と認定したうえで、選挙事務所を設置する際にあいさつ名目で配ったことは公選法違反にあたると判断しました。しかし、金額が少ないことなどから起訴猶予としました。一方、地元の町内会に祭りの奉納名目で配ったことについては、選挙に関連した寄付とは言えないとして嫌疑不十分としました。内田都議の事務所は「ご支援を受けた方々にはご心配をお掛けしましたことを深くおわび申し上げます」とコメントしています。
東京五輪を仕切るのは力不足の都知事ではなくこの4人 | 伊藤博敏「ニュースの深層」 | 現代ビジネス+[講談社](2013年09月12日(木))
「猪瀬(直樹・東京都知事)さんは、本当に運の強い人だ。東京オリンピック招致の"功労者"として、都議会は猪瀬さんとの対立構図を解消、一丸となって取り組むだろう。もともと434万票を獲得、都民の支持は得ているわけで、これで怖いものはなくなった」全然関係ないが、浪花節で政治をやっている人。情実政治の根源。自民党関係者が、こんな感想を漏らすのも無理はない。都議会最大与党・自民党との関係は、これまで良くなかった。
落選中でも自民党都連幹事長を続けた「都議会のドン」の内田茂都議が、「反猪瀬」を鮮明にしていたのが主な理由。内田氏は、「議会への説明不足」と猪瀬都知事を批判するのだが、要は自分を立てない猪瀬都知事が気に入らない。
都知事と都議会のドンの関係修復は不可能
2人の関係悪化は、内田氏が手がけてきた参院議員宿舎の建設事業を、副知事に就任したばかりの猪瀬氏が、「ムダだから中止にしましょう」と、石原慎太郎都知事に進言、事業が中止に追い込んでからだ。人に頭を下げることが嫌いな猪瀬氏は、都知事就任後、都議選で、内田氏の対立候補にエールを贈るなど、ケンカを買って出ているが、鼻っ柱の強さなら内田氏も負けない。2人の関係は修復不能で、都民の支持は取り付けていても、猪瀬氏が議会運営に苦労するのは必至だった。
だが、石原氏が成し得なかったオリンピック招致を猪瀬都知事は成功させた。
それに、これから7年で、直接投資だけで約4,600億円、交通インフラなど間接投資も含めれば、幾らになるか、まだ試算もされていない一大事業に、都をあげて取り組まなくてはならない。対立している場合ではない。都と議会が、一丸となったオリンピック体制が組まれるが、仕切り役は猪瀬都知事では力不足だろう。
なにより、行政間、業者間、行政と業者間の調整など、これまでやったことがないし、捌けるだけの側近がいない。ゼネコン幹部が率直にいう。
「猪瀬さんのところに陳情に行ってもムダでしょうね。オリンピックは東京都だけでなく、文部科学省が絡む国家プロジェクト。国レベルなら文科省に顔が効く森喜朗元首相と、現役なので背後に控える形となる麻生太郎財務相、都のレベルなら内田都議と浜渦(武生)元副知事でしょう」
まず、ゼネコンが待望するのは37の競技会場のうち、「最大のハコもの」にして、オリンピックのメイン会場となる新国立競技場の工事を受注することである。
新競技場のデザインを国際コンペで射止めたのは、ロンドン在住の女性建築家のザハ・ハディド氏(62)である。総工費1,300億円を予定。だが、宇宙船を思わせる斬新なデザインに従って工事すれば、それを上回る事業規模になるのは必至だという。
メイン会場に選手村、ゼネコンには工事を選ぶ余裕も
このメイン会場の次に大きいのが選手村。中央区晴海の都有地44ヘクタールを整備、工事費1,100億円を想定している。そのほか夢の島競技場、ホッケー場、アクティクスセンター、メディアセンターなどが次々に建設されることになっており、ゼネコン業界には、工事を選ぶ余裕さえ生まれる。「首都高速中央環状線の完成が前倒しで急がれるでしょうし、地下鉄、バスなどの24時間運航に備えて、設備投資が必要になる。ホテルなどの宿泊施設の新設・改装工事も出てきます。被災地の復興工事、原発処理や除染作業も続いている。対応仕切れるかどうかの方が心配です」(別のゼネコン幹部)
そうなると必要なのが、各種調整を行う仕切り役である。
それが国レベルで「森-麻生」、都レベルで「内田-浜渦」のラインになるという業界の見解は伝えた。
例えば、新国立競技場の事業主体は、文科省傘下の独立行政法人「日本スポーツ振興センター」である。これだけの工事になると、ゼネコンだけでなくサブコンから設備までのあらゆる業者がツテを求めて陳情合戦を行うだろうが、「文科族のドン」を長く続けた森事務所への"挨拶"は欠かせない。
一方、内田氏とともに仕切り役を期待されている浜渦元副知事とは何者か。
「石原前都知事の側近で、05年に都知事を退くまでは、いつも不在の石原さんの代役を務める浜渦氏のところに、都の幹部が列をなす実力者でした。その頃までは、両雄並び立たずで、内田、浜渦の両氏は対立関係にありましたが、浜渦氏が一歩退いたことで、実力を認め合った2人は組むようになった。それが今も続いています」(都議会関係者)
浮かび上がるかつての敵 内田-浜渦ライン
内田氏への接近とともに、浜渦氏は石原氏も含め、前都知事周辺とは"疎遠"になる。
石原禅譲を受けた猪瀬氏は、石原秘書軍団といわれる側近グループに支えられて都知事選に大勝。選対事務局長だった石原氏元秘書の鈴木重雄氏を特別秘書に迎えたが、選挙期間中、浜渦氏の姿はなかった。石原氏周辺は、猪瀬氏を利権に走らせるつもりはない。
私は8月1日配信のこのコラムで、猪瀬氏がパーティー券2万円の石原氏の「昼食会」を継承したことを紹介した。石原人脈がそのまま猪瀬人脈として残れば、年に3~4回開かれる「猪瀬直樹の会昼食会」で、数千万円の政治資金は確保される。無理をしなくて済む金額だろう。
そうなると、やはり大型プロジェクトの仕切り役は猪瀬都知事周辺以外であり、東京オリンピックというビッグプロジェクトが加わった以上、過去を知り、人脈があり、実力を兼ね備えた人でなければ無理である。
それは、猪瀬氏との恩讐を超えることになる内田-浜渦コンビということになりそうだ。
第504回「名前の出ない日はない?」深谷隆司の言いたい放題(2014年01月21日)
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追記(2016年6月22日)
自民党が最後まで舛添氏を守った「そういう事情」~彼らにとっては、実に都合のいい知事だったんです | 伊藤博敏「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社](2016年06月16日(木))
舛添氏は「好都合」な存在だった
都議会自民党は、6月14日、断腸の思いで「舛添(要一都知事)斬り」を決断、それを受けて舛添都知事は、15日午前、辞職願を提出し、長い騒動にケリがついた。解散風をチラつかせ、当初は都議会自民党の辞職要求を拒否するなど、しぶとさを見せつけた舛添氏だが、自民・公明の都議会与党と都知事との関係は、すこぶる良好だった。
東京五輪事業、築地市場の跡地利用、お台場カジノ構想など、政治的な調整が必要なビッグプロジェクトに舛添氏は関与せず、有力者に任せ、都知事は政策と対外的な“顔”としての役割に注力する、という約束が、14年2月、自公の推薦を受けて立候補した時からできていたという説がある。
数々の事業を抱える東京都には、政治と行政と業界の調整役が欠かせない。限られた予算で、業者を効率的に配備、ムダな争いを避けて、スケジュール通りに工事を進める必要があるためだ。
利権調整は行わないし、行うタマでもない舛添氏は、だから今回のトラブルまで、議会と揉めたことはなかった。
語学が堪能な国際政治学者でもある舛添氏が、「東京の顔」として海外に出かけるのは、都議会自民党のボスたちにとってむしろ歓迎である。ファーストクラスやスイートルーム使用に何の問題もなく、週末の「湯河原行」にも不都合はなかった。
むしろ、都知事が事業調整の分野に口出ししてきた時の方が困る。それは過去の実力派の都知事と議会とのトラブルが証明する。
舛添氏に釘を刺していた
「必要悪」でもある利権調整役は、得意分野や地域によって複数存在、その権限をめぐって互いにケンカすることがある。それがある時は捜査当局の介入を招き、ある時は都議会の混乱につながり、都民の目に利権の存在がさらされる。1999年に初当選した石原慎太郎元知事が、側近の浜渦武生副知事に権限を移譲して築地市場の移転を含む事業の推進を委ねたことで、05年、「都議会自民党のドン」といわれる大物・内田茂都議会議長(当時)とバッティングしたことがあった。
この時は、浜渦副知事の「やらせ質問」(浜渦副知事が民主党の議員に、ある問題を都議会で追及するように依頼していた)を契機に、百条委員会が設置され、石原氏サイドが折れ、浜渦氏は副知事を退任、内田氏サイドが勝利を収めた。
しかし、長い政歴を誇る石原氏も、千代田区議を経て都議となり、都議会議長、都議会自民党幹事長を歴任する内田氏も政治のプロだ。都連会長に石原氏の長男・伸晃氏を迎え入れて関係を改善、都知事と都議会自民党との蜜月は、「石原後継」を鮮明に打ち出して当選した猪瀬直樹・前都知事の時代まで続いた。
12年12月の都知事選は、石原陣営が猪瀬氏を物心両面で支え、当選後の政治資金の面倒まで見る手厚さだった。4期半ばに都政を放り出して国政に戻った石原氏とその周辺からすれば、各種事業の遅延なき進行のために猪瀬氏の取り込みは欠かせなかった。
しかし、鼻っ柱の強い猪瀬氏は、石原後継ではあっても手足を縛られるつもりはなかった。選挙期間中、石原陣営の知らないうちに、「23区内への病院建設」を悲願とする徳洲会の工作を受け、5000万円を手にした。
秘密のハズだったが、この件が徳洲会事件捜査で明るみに出て、14年1月、猪瀬氏は退任。また猪瀬氏は在任中、「ドン」の内田氏をないがしろにしたとして、「議会軽視」を指摘され、議会との関係がギクシャクしていた。
猪瀬氏が退任を余儀なくされたために、都議会自民党は党本部ともども、「猪瀬の二の舞」を避けるために、「舛添推薦」にあたって事業への関与をしないようにクギを刺さねばならなかったのだろう。
利権に関心がなかった舛添氏
舛添氏に異論はなかった。なにより舛添氏は、陳情を受け、それを行政につないで捌いたり、業者間の利権調整を行うような政治家ではない。どこまでも東大助教授の尻尾を引きずる学者政治家。政治家の副業収入が印税と講演料という人である。自宅に置いた二つの政治団体「グローバルネットワーク研究会」(14年)と「新党改革比例区第四支部」(同)を眺めてみよう。
グルーバル研の「本年収入」は約2933万円で、その内訳は勉強会収入50万円、パーティ収入が533万円。残りは薬剤師連盟からの寄付100万円を除くと新党改革第四支部からの寄付金である。
新党改革第四支部の場合、「本年収入」は約4651万円。新党改革本部からの政党交付金が4600万円でほとんどすべて。残る寄付は1万円の個人献金がひとりと1000円の個人献金がひとり。法人献金は記載のない小口が50万円だ。
世話をしないし、するつもりもない姿勢が「支援者の顔が見えない報告書」によく表れており、だから政治資金で家族を遊ばせ、公用車をタクシー代わりに使う。
事業に対して口出ししない都知事は、五輪を仕切る森喜朗・東京五輪組織委員会会長や、内田都議に代表される各種事業の仕切り役にとって都合がいい。舛添氏が、最後まで強気を通した背景には、森氏や内田氏の「しばらく様子見をする」という“密かなる支援”を受けたからだという。
確かに、都議会自民党も自民党本部も、舛添辞職という事態を避けたかったし、追い込むのを最後までためらった。そこには、「蓮舫が予想される民進党候補に対抗できる候補者がいない」という事情もあった。
利権調整は、長い年月をかけて行われており、都知事が交代したぐらいでひっくり返るものではない。だが、スムーズな運営が妨げられるのは確かであり、すべてをわきまえた舛添氏のもとで、東京五輪を見据えて準備を進めたかった。
その思いは、マスコミと都民が一体となった「舛添バッシング」の前では、封印せざるを得なかった。舛添氏のため息が出るような吝嗇と誠実さのカケラもない言葉が、ボスたちとの黙契を吹き飛ばしたのだが、その契の正体は、利権がらみのとても褒められたものではなかったのである。
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追記(2016年7月14日)
内田氏がこのところ注目を集めているようだ。
高齢でもあり、娘婿が地盤を引き継ぐだろうと見られていることもあって、話題の表に出てくるようになったという辺りだろうか。
内田氏が引退した後は、内田家がその権勢を引き継ぐのか、それとも他の人がすでに準備しているのか。あるいは自民都連と都庁の中で内紛が生じるのか。
いろいろな人がいろいろな布石を打っているのだろうなあ。
猪瀬直樹が語る「東京のガン」NEWS PICKS(2016/7/13)
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