毎日新聞が煽る嫌中意識
産経ほど露骨ではないが、産経と同じぐらい差別意識が強い。
余録:キトラ古墳(奈良県明日香村)の石室天井に描かれた… - 毎日新聞(2016年9月25日)
キトラ古墳(奈良県明日香村)の石室天井に描かれた「天文図」が初めて一般公開された。350もの金箔(きんぱく)の星、星を朱で結んだ星座群。誰がいつ見た星空なのか。ロマンをかき立てられるが、最近の研究では古代中国で観測された星空という説が有力だそうだ▲中国では日食や流星など天体の変化は現実社会の吉凶を占う「天意」とされ、歴代王朝が天文台を置いて観測技術を向上させた。キトラ古墳に中国の天文知識が反映されているのは自然なことだ▲日食時には皇帝自ら儀式を行い、予測に失敗した役人が処罰されることもあったという。そうした伝統の影響もあるのだろうか。現代中国でも宇宙開発は政治と密接不可分な形で進められている▲「中秋の名月」の今月15日、無人宇宙実験室「天宮2号」が打ち上げられ、中国メディアは「習近平国家主席が宇宙の夢を先頭で指揮」と報じた。一方で、1日に衛星打ち上げに失敗した際、主要メディアの報道はなかった。成否が政権の権威に関わるからだろう▲「天宮2号」には今後、宇宙飛行士が乗り込んで長期滞在する予定だ。2022年には独自の宇宙ステーション完成を目指しており、日米露などが参加する国際宇宙ステーション(ISS)に代わって宇宙の主役となる可能性もある▲中国は国連を通じて国際協力を受け入れる考えを示しているが、米国などは消極的だ。国際基準と異なる中国の政治体質や閉鎖性を敬遠しているのだろう。唐代にはインド人が天文台長となり、観測の指揮を執った歴史もある。より開かれた宇宙開発で再び、知恵の伝達者となる道を目指せないものか。何も関係ない話で、中国への警戒感を煽っている。「中国は危ない」というメッセージだけで、実質的な情報が全くない駄文。
こういう文章をさらっと書いてしまい、また、それを紙面に出してしまえるのが現在の毎日新聞でもある。
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まあ毎日新聞がこういうヘイト扇動記事を自然に書いてしまえるのには背景がある。
日中共同世論調査:対中印象悪化「良くない」91.6% - 毎日新聞(2016年9月23日 19時46分(最終更新 9月23日 21時53分))
非営利団体「言論NPO」(工藤泰志代表)と中国国際出版集団は23日、第12回日中共同世論調査の結果を発表した。相手国の印象が「良くない」「どちらかと言えば良くない」との回答は、日本側が計91.6%で、昨年の前回調査から2.8ポイント増。2005年の調査開始後、14年の93%に次いで2番目に高い数字になった。8月上旬に沖縄県・尖閣諸島周辺で中国公船が領海侵入を繰り返したことなどが影響した。中国側は同1.6ポイント減の76.7%だった。調査は8月13日~9月4日、日中両国の18歳以上の男女を対象に実施。日本は1000人、中国は1587人から回答を得た。
相手国への印象が良くない理由(複数回答)について、日本側は「尖閣諸島周辺の領海・領空をたびたび侵犯しているから」が64.6%で最多。「中国が国際社会でとっている行動が強引で違和感を覚えるから」が51.3%で続いた。中国側は「侵略した歴史をきちんと謝罪し反省していないから」が63.6%で最も多かった。
相手国の印象が「良い」「どちらかと言えば良い」は、日本側が計8%で、こちらも過去2番目の低さ。中国側はほぼ横ばいの21.7%だった。
現在の日中関係について「悪い」「どちらかと言えば悪い」は、日本は前回と同じ計71.9%。中国は計78.2%で前回より11ポイント悪化した。
領土を巡る日中間の軍事紛争について「起こると思う」(「数年以内に」「将来的に」の合計)と考える人は、中国側の62.6%に対し、日本側は28.4%だった。
工藤氏は記者会見で「安全保障面での相手政府の行動を不安視する見方が大きくなっている」と指摘した。【小田中大】
相手国の印象が「良くない」「どちらかと言えば良くない」の合計
日本側:91.6%(+2.8ポイント)
中国側:76.7%(-1.6ポイント)
相手国の印象が「良い」「どちらかと言えば良い」の合計
日本側:8%
中国側:21.7%
現在の日中関係について「悪い」「どちらかと言えば悪い」
日本側:71.9%(前回と同じ)
中国側:78.2%(-11ポイント)
領土を巡る日中間の軍事紛争について「起こると思う」(「数年以内に」「将来的に」の合計)
日本側:28.4%
中国側:62.6%
簡単にいえば、両国民共に相手のことをあまり好ましく思っていないのだが、その度合いは日本の方が激しい。日本人のほとんどが中国を嫌っているのである。(その対象が中国人なのか、中国政府なのか、中国社会なのかは曖昧で、実はこれらを区別することは非常に重要なのだが、この記事では分からない。)
他方、中国人が軍事衝突を恐れているのに対し、日本人はあまり気にしていない。中国人の対日感情が戦争への不安という内実を伴っているのに対し、日本人の対中感情は、中国の覇権主義・大国主義が気に入らないというやや漠然としたものになっているようだ。
この調査を行った言論NPOによれば、対日感情、対中感情はメディアの論調に左右されやすいことが分かるという。毎日新聞の「余録」は、この点で紛れもなくヘイト扇動記事なのである。
参考
日中関係は政府だけでは解決が難しい局面にある12回目の日中共同世論調査で分かったこと | 言論外交の挑戦 | 特定非営利活動法人 言論NPO
「第12回日中共同世論調査」結果 | 言論外交の挑戦 | 特定非営利活動法人 言論NPO
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