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2016年12月の6件の記事

2016/12/27

変わらぬ女性蔑視

ミス日本候補者に農相が冗談連発 自身の発言も笑いに - 共同通信 47NEWS(2016/12/2 17:26)

 山本有二農相は2日、ミス日本の最終候補者9人の表敬訪問を受け、「(次期米大統領の)トランプさんを旦那さんにしていいと思う人は?」などと上機嫌で冗談を連発した。また「あんなとんでもない発言をしても、民主主義はああいう人が選ばれていく」と感想を述べた上で、「私も発言で失敗しちゃったんで」と、笑いを誘う一幕もあった。

 表敬訪問は農林水産省の大臣室で行われた。農相はトランプ氏に関し「3度目の結婚できれいな奥さんが隣にいる」などとし、「日本のこういう美しい人はひょっとしてみんな手を挙げるのではないかと」などと述べた。

初めて読んだとき、あまりに山本農相っぽいので嘘ニュースかと思ったのだが、共同通信配信だったので目をむいた。

「トランプさんを旦那さんにしていいと思う人は?」
などという愚劣で露骨な蔑視にさらされ続けて、この女性たちは何を感じただろうか。

そもそも、ミス日本候補者がなぜ農水大臣を表敬したのだろうか。ひょっとすると、女の品評会で見世物になる精神力を養うための試練だったりして(我ながら誰への嫌みなんだかわからんな…)。

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2016/12/15

天皇教が浸透している例

わりとどうでもいいんだけど。

はてなブックマーク - 「カジノ法、明治天皇も怒っている」 共産・大門氏:朝日新聞デジタル

ほとんどのコメントがこの発言に批判的だ。
「天皇制を否定している共産党が天皇の権威を利用するな」ということのようだが、この主張は一見もっともらしいように見えてもその実は感情的反発に過ぎない。

1.「ある前提を否定する人はその前提を用いた立論を行うべきではない」という主張は不当である。
 論敵を批判する時、相手の論拠や前提を利用してその立論の不当性を示すという方法はごく一般的に行われている。「あなたが支持する観念に基づいても、あなたの主張はおかしいですよね?」という指摘は、それ自体妥当なものである。「マルクスを否定する人がマルクスの権威を利用してマルクス主義を批判するのはおかしい」というと、「馬鹿じゃないの?」としか思えないでしょう?

2.論旨自体ではなく「誰が言ったか」で論旨の妥当性を判定する姿勢は正しくない。
カジノ法が明治時代の刑法の立法趣旨に反しているという指摘自体への批判ではない以上、この指摘は生き残っている。しかし「おまえが言うか」に意識を集中させると、ここで提起された問題、賭博は世を乱し経済を停滞させるという問題をどう考えるべきかという論点が忘れられてしまう。誰が賛成反対したかによらず、いったんカジノ法が成立すれば、それに伴って様々なことが起きる。何が起きるか、副作用にはどう対処するかこそが本質なのであって、その指摘を誰がしたかは副次的なことに過ぎない。
なお当然政治活動はカジノ法だけにとどまらないから共産党が(というか大門氏が、だけど)明治天皇を持ち出したことに他の政治的意図・効果がないとは言えないだろうが、今の共産党だしまあほとんど何の意味もないんじゃないか。

この報道記事自体、国会風景の一コマみたいな記事で天皇がどうとかいう話ですらなく、せいぜい自民や維新などが戦争責任や差別に関して「ジョーク」を飛ばしたみたいな位置づけに過ぎない。実際「明治天皇云々」はジョークに過ぎないわけで、天皇を相対化できているからこそ言えるネタだとも言え、それを「共産党が言うな」と思ってしまうこと自体が「あなたどれほど天皇制に染まっているの?」と問い返したいぐらいの話だ。結局、「共産党のくせに」云々という思いの根っこにあるのは、「あいつらは俺の大切なものを否定しているんだから、あいつらにはそれに触る資格などないんだ!」「おまえらは仲間じゃないんだから触るな!」ということである。

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まあ大門氏だって別に本気で明治天皇が怒ってるなんて思っているわけもなくて、言いたいことは「旧刑法の立法趣旨にも反している」というだけのことにすぎない。それを大門氏らしいというか、ちょっと毒を持たせた洒落を言ったら、早速そこ(だけ)に批判が集中するという(苦笑)。みんな、日頃から天皇制反対論者への怒りをためていたんだねえ。
論説の趣旨からすれば単なる修辞に過ぎない「明治天皇も怒っている」という部分だけに反発が集中していて、「天皇の政治利用」とか言っている人もいるくらいなのだから(天皇の政治利用ってそういう意味じゃないのにねえ…)、いかに我々の内面において天皇が大きな存在になっているかが分かる。まさに「神聖にして侵すべからず」になっているわけである。
……でも今の共産党は事実上天皇制を認めているってことには全然気づきもしないんだね。天皇を大事に思っている割にどの政治勢力が天皇をどうしようとしているかには関心がないのかねえ。

●追記

上では「明治天皇云々は大門氏のジョークにすぎない」と書いたが、ひょっとしたら大門氏が本気で思っているという可能性もないわけではない。何と言っても今の共産党だからなあ、明治天皇を日本近代化の立役者ぐらいに位置づけていても不思議ではない…。
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「カジノ法、明治天皇も怒っている」 共産・大門氏:朝日新聞デジタル(2016年12月14日22時53分)

■大門実紀史・共産党参院議員

 (刑法で)賭博が禁じられてきた理由の一つは、勤労の美風を損ない、経済活動を阻害することにあります。

 立法事実は江戸時代末期にさかのぼります。資料によれば、江戸後期から末期にかけて、世相は乱れ、町の辻々で昼間からばくちが行われ、博徒がはびこっていた。明治維新になって、「新しい日本の建設、経済発展のためには、まず賭博撲滅、風俗矯正だ」ということになり、明治天皇のもとで定められた刑法において厳しく賭博を禁止することになったのです。こういう最初の立法時の趣旨を知った上で、自民党の皆さんは「カジノが経済の目玉」などとのんきなことを言っているのでしょうか。明治天皇も雲の上で怒っています。「共産党、頑張れ」と言っているのではないでしょうか。(カジノ解禁法案を可決した14日の参院本会議の反対討論で)

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2016/12/10

自慢するときにも恨みを言わずにいられない人。

安倍さんって、本当に、何か正邪二元論というか、悪意を持って自分を攻撃し続ける邪悪な存在をひしひしと感じているというか、自分の外の世界に対して何か根深い恨みを抱き続けているんだなあ。

安倍首相「子供の貧困は大きく改善した」→ネットから疑問の声「使ったデータは?」(The Huffington Post | 執筆者: Chitose Wada
投稿日: 2016年12月09日 12時30分 JST 更新: 2016年12月09日 12時30分 JST)

随分、私も国会において、安倍政権で相対的貧困率が悪くなっているのではないか、とこういう批判を受けてきたわけですが、安倍政権の間はまだどうなっているのかという指標がこれ、出なかったんですね。出ないにも関わらず、どういうわけか安倍政権は批判をされていた状況が続いていたわけですが、幸い私たちが進めている政策によって改善した。
特に、子供の相対的貧困率が、大きく改善をしました。……中略……安倍政権で下がった。これは拍手をする場所ですから、さっそく世耕経済産業大臣が大きく拍手をしていただきました。
そりゃ世耕さんだし「大きく拍手」するよなあ(苦笑)。

ところで安倍氏のこの発言、事務的に要約すると
「私たちが進めている政策によって相対的貧困率が改善した。」
というだけのことなんだけど、彼が本当に言いたいことを要約すると、
「安倍政権は結果指標もないのに批判されてきたが、実は状況は改善していた。ざまあみろ。」
ということになる。

厚顔無恥のように見えながらも意外に心が弱くて、実はいろいろ批判が心に応えているのかもしれないなあとか、他人からの指摘や批判を人格攻撃や尊厳の侵害のように感じてしまう人なのかもなあとか、深層心理に絶えず不安を抱えているので一見自分を包容してくれるように見える人々や言説には無防備に飛びついてしまう傾向があるのかなあとか、思わず想像してしまう。
かわいそうな人ではあるなあと思いつつも、一番かわいそうなのは、この人から敵認定というか邪悪な存在側と認定されてしまった側の人間である。何と言っても、彼は国家の最高権力者なのだから。

閑話休題。

記事の指摘は、
1.「子供の相対的貧困率が低下している」とする安倍氏の根拠は、全国消費実態調査。
2.全国消費実態調査に基づく貧困指標は適切ではない恐れがある。
3.資料としてはまだ国民生活基礎調査の方がましで、政府やOECDが利用する(というか政府がOECDに報告している)データもこっち。
4.通例を破って今回わざわざ消費実態調査の結果を出したのは欺瞞ではないか。
という感じ。
全国消費実態調査と国民生活基礎調査との貧困率のズレの話は勉強になるので一読の価値あり。

*******
貧困率の話は技術的にいろいろ簡単ではなく、日本の格差が国際的に見てどうなのか、時間的に拡大縮小どっちの傾向なのかにも議論がある。ただ、報道などや人々の実感としては拡大傾向にあるとする向きが多いようだし、いろいろな指標を総合して見ても、大まかにはそういう傾向だとは言えるようだ。

近頃見た貧困率関係の話題

トランプ旋風 日本でも? 格差貧困実態は|NHK NEWS WEB(11月29日 22時45分)
上記のhuffingtonpostの記事に関連したNHKの記事。上記の二つの統計の違いについて書いている。

まずジニ係数について:全国消費実態調査と所得再分配調査の比較。
●平成26(2014)年の全国消費実態調査、2人以上の世帯のみのジニ係数
・年間収入のジニ係数:
  平成21(2009)年に比べて格差拡大。昭和59(1984)年以降、一貫して拡大。
・等価可処分所得のジニ係数:
  平成21(2009)年に比べて格差縮小。

●平成26(2014)年の所得再分配調査(平成26(2014)年)
再分配前のジニ係数:調査開始以降最も高い。昭和55(1980)年頃から増加傾向?
再分配後のジニ係数:平成16(2004)年をピークに縮小傾向。長期的には横ばい。

次に相対的貧困率について:全国消費実態調査と国民生活基礎調査との比較。

●平成26(2014)年の全国消費実態調査
平成21(2009)年に比べ0.2ポイント低下。データが捕捉できる平成11(1999)年以降では初めて。

●平成24(2012)年の国民生活基礎調査
平成21(2009)年に比べ0.1ポイント上昇。調査開始の昭和60(1985)年以降最悪。

国民生活基礎調査では確かにまだ安倍政権下の「結果」は出ていないので分からない。

記事では他に、「中間層の所得は減少の一途」として等価可処分所得の中央値が減少し続けていると報じている。

みずほ総合研究所の堀江奈保子上席主任研究員のコメント
1.アベノミクスによって格差や貧困が一段と拡大したという批判はあたらない
2.富の集中度が高いアメリカと日本では社会状況が異なっている
3.格差や貧困は拡大していないが、一部の例外を除いて、全所得階層がシフトダウンしている可能性がある
4.中間層が貧困層に転落するリスクも高まっている

とのこと。
「アベノミクス」が貧困を拡大したかどうかは別にして、貧困化や不平等化が緩やかに進んでいるとはおおよそ言えるのではないか。

おまけ

駐日デンマーク大使館さんのツイート: "デンマークは貧困率が最も低い国です! 母子家庭など一人親家庭の貧困率は世界最低です。 https://t.co/9bJ81PYH5A"(16:50 - 2016年11月30日)
これはちょっと牽強付会かなあとは思うけれども。例えば成人の単身世帯や二人世帯の貧困率で見れば日本はそれほど高くない。

子どもの貧困 「昔のほうが大変だった」への対処法(湯浅誠) - 個人 - Yahoo!ニュース(12/6(火) 7:16)
反対者をどうやって巻き込んでいくか、という運動論みたいなもの。
よく言われていることではあるし、包摂的な立場からすればその通りなのだけど、反対者の怒りや不満や恨みを抱き留めてあげればその人が善良な協力者になるとは限らないわけで。人を変えることはできないが、反対行動を取るのを止めるぐらいならしてもらえるかも、というような話かなあと。赤旗とかを読むとこの種の辛抱強い働きかけの話はよく出てくる。

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2016/12/06

カジノ法案:自民党の慢心と劣化の記録

まあ、すでに数知れず起こっているのでこれだけを記録してもあまり意味がないが。

カジノ法案提出者5人、業者の献金語らず 民進質問に:朝日新聞デジタル(2016年12月2日12時38分)

 カジノを含む統合型リゾート(IR)の整備を政府に促す議員立法「カジノ解禁法案」をめぐり、自民党と日本維新の会の法案提出者5人は2日午前の衆院内閣委員会で、カジノ関連業者からの献金やパーティー券購入の有無について質問を受けたが、事実関係を明らかにしなかった。

 民進党の緒方林太郎氏が「議論に入る前提として、カジノ業界や業界団体、遊戯産業関係業者、業界団体からの政治資金パーティー券の購入、さらには政治団体への寄付はそれぞれあるか」と質問した。

 これに対し、提出者である自民の西村康稔氏は「政治資金規正法にのっとって適正に処理している」と答弁。続いて自民の細田博之、岩屋毅両氏、維新の小沢鋭仁、松浪健太両氏がいずれも「同様です」とだけ答弁した。

 緒方氏が「(政治資金パーティー券の購入、政治団体への寄付が)あるかどうかを聞いている」と重ねて尋ねたが、西村氏は「質問通告なしに言われてもわからない」と答弁を拒んだ。

 このため、緒方氏は自民党の秋元司委員長に対し、各提案者の献金やパーティー券購入に関する資料要求を求めた。秋元氏は「理事会で協議いたします」と引き取ったが、与党は同日午後に委員会で法案を採決する方針だ。(南彰)

「質問通告なしに言われてもわからない」とか「理事会で協議する」と言いながら強行採決するとか、全く議論する気がない強引な運営。

そして象徴的な事案。

カジノ審議中、「般若心経」唱え時間消費 自民・谷川氏:朝日新聞デジタル(2016年12月5日20時15分)

 自民党がわずか5時間33分の審議時間で衆院内閣委員会で採決を強行したカジノ解禁法案の質疑では、推進派である自民党の谷川弥一・元文部科学副大臣(長崎3区)が「(質問)時間が余っている」と言って、法案の内容とは直接関係のない般若心経を唱えて解説し、自分の持ち時間を費やす場面があった。

 谷川氏は法案が審議入りした11月30日の衆院内閣委員会で、40分間の質問時間をもらって最初に質問に立った。最初はカジノ合法化の理由をただしていたが、28分が過ぎた時点で「一応質問が終わったのですが、あまりにも時間が余っているので」と前置きし、「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時……」と般若心経を唱え、「『般若波羅蜜多』は『般若』は知恵、『蜜多』は行く、『波羅』が彼岸、『幸せになるための道』ということなんです。『どうしたら幸せになるの?』といったら『無念無想で生き抜け』ということなんです」などとしゃべり続けた。

 それでも時間が余った谷川氏は、自身が愛読しているという夏目漱石の作品の紹介を開始。「やっぱり心を耕す仕事を考えないといかん。心を耕す仕事は何だといったら、文学であり、彫刻であり、陶芸であり、三味線であり、宗教なんです」などと語った。(南彰)

カジノ法案を支持する人々の惨状が目立つ。

先日の学会発表で、カジノが日本経済と地域経済を再生する!と熱心に説いていた人がいた。きっと元気にしておられることだろう。

それにしても、これだけで野党は審議拒否してもいいような案件。
実際審議拒否したのだが、採決を強行されてしまった。自民・公明・維新で圧倒的多数なので多勢に無勢なのである。与党はまさにやりたい放題。

とどのつまりは選挙で自民党などにフリーハンドを与えたことでこういう事態が起きているのだが、何を言っても、何をしても、いかに破廉恥であろうとも、世論には全く響かないどころか、選挙は大勝、安倍政権の支持率はむしろ上がるといった有様で、おごる平家は久しからずと言うものの、自民党はいくらおごってもその勢いに陰りすら見られないというわけで、もはや言葉を失うばかりである。

以下は無駄話。
選挙で自民党が安定的に強い一因に小選挙区制があることはよく指摘されている。小選挙区制は第1党だけが議席を独占できる制度だからだ。それで思うのだが、やがていずれ自民党が大敗して民進党のような勢力が第1党となるときがあったとしても、それでも小選挙区制は自民党に有利に働くんじゃないだろうか。
というのは、小選挙区制では政権交代がドラスティックに起きる。勢力が拮抗する二つの政党があったとして、A党が勝てば有権者の半数近いB党の得票が死票になり、B党が勝てばA党の得票が死票になる。オンとオフのスイッチみたいなもので、世論の大勢が同じでも、ほんのわずかな得票の違いが政治の方向を大きく変えることになる。
そこで、自民党からの政権交代では有権者が期待するよりも大きな変化が起きることになる。これに違和感を持つ人は多いだろう。つまり、小選挙区制の元では、政権交代は新しい政権に対する失望が起きやすく、新政権を担った政党は次の選挙までに支持を失うのではないか。
もっとも、小選挙区制で振り子のような政権交代が起きている国もある。だから小選挙区制だから自民党安定になるというのは変だと思うかもしれない。けれども、日本の場合、自民党以外に政権担当の経験がほとんどない。この条件が違うのではないか。未経験者ばかりの組織が政権交代でいきなり執政するのだから、いろいろ不手際が生じるのは当然で、その不手際は当然ながら攻撃と批判の対象になる。「せっかくやらせてみたのに、なんだこれは」とか「やっぱりダメだったか」とかいう声を後押しすることになるだろう。民主党政権の時に自民党が「やはりベテランの我が党に任せておけば安心ですよね」というメッセージを出していたのと同じことである。

そしてまた、自民党が長期(70年!)に政権を維持していたことによって、政界・財界・官界の緻密で強固な結合ができてしまっていることが、小選挙区制による政権交代の激しさをより大きくしてしまい、それがさらに新政権の存続を難しくするのではないか。

などと考えているといろいろと悲観的になってしまうのであった。

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2016/12/05

本物を見たい欲望、素の表情を撮りたい欲望、他人の破滅に美を見たい欲望

メモ。

ベルナルド・ベルトルッチ監督、『ラストタンゴ・イン・パリ』のセックスシーンは合意のないレイプだったと認める
『ラストタンゴ・イン・パリ』問題、厳密な意味でのレイプではなかった?

出演した女優がトラウマに苦しんでいたそうだ。

『ラストタンゴ・イン・パリ』に出演したマリア・シュナイダーは2011年に亡くなっています。そしてこの映画以降、彼女は「ポルノ女優」というレッテルを背負うことになり、うつ病を患ったりドラッグや自殺未遂など精神的問題に悩まされるようになりました。
日本のアダルトビデオの出演強要問題と共通している。

記事を読んで、アダルトビデオの市原克也監督のインタビュー記事を思い出した。
市原克也アダルトビデオ監督のインタビュー記事の感想: 思いついたことをなんでも書いていくブログ

ベルトルッチ監督と市原監督の言がよく似ている。女優から事前に納得を得ずに性行為を撮影することへの罪悪感のなさの点で。

ベルトルッチは「罪悪感はある」と言っているが、彼が言いたいのは「それも必要悪」ということだろう。芸術のためには犠牲が必要だと言いたいのだ。

「女優としてではなく、女の子としての反応を撮りたかった。彼女の屈辱をね。そのせいで彼女(マリア・シュナイダー)はマーロン・ブランドと私を嫌うようになった。なぜなら彼女にバターに関する詳細を伝えていなかったから。そのことで罪悪感を感じた。

(後悔はあるか?という質問に対し)

後悔はないが、罪悪感はある。しかし映画製作において、何かを得ようとした場合は完全なる自由でなければならない。私はマリアに屈辱や怒りを演じて欲しかったのではなく、屈辱や怒りを感じて欲しかったんだ。その結果、彼女は全人生を通して私を拒絶することになった」

市原監督はこのように言っている。

 −−そういった女優の「リアルな反応」を追求する作品は危険視される可能性がある?

 市原監督 あるある。あれがすごく嫌やねん。「ドキュメント・フェイク」とは言ってもセックスを超えることはしませんし、女優は「セックスOK」なんだから撮影はその枠内にある。……中略……だから、後はギャラの問題ですよね。

 −−人権団体などはそういった「意に沿わない撮影」も問題視します。

 市原監督 女優によっては「事前に言われない方がいい」という人もいる。撮影の朝に会って「これからセックスするけど、こうやってこうやるからな」って言います? 幼稚園の運動会じゃないんだから。多少分からなかった方がいい。

市原氏から見ても、女優の意思は映像の犠牲になっても仕方ないのだろう。

ただ、ベルトルッチ監督と市原監督の間には違いもある。
ベルトルッチ氏は女優マリア・シュナイダーの苦しみが自分の映画に深味を与えるという話はしていない。しかし市原氏はそのように言っている。

 --(引用者注 出演する女性自身が)AV出演で「一線を越えてしまう」「転落する」などとは思っていない?

 市原監督 そういうのは年に何人かしかいない。一つ一つの絡み(性行為)が意味を持つから、僕らはその方がありがたいんだけど……。

AV出演で「転落する」人が「年に何人か」の水準で出ているのなら到底正常な業界ではないと思うのだが、市原氏はそうは思わないらしい。「恥じらいがない」「軽くなっている」セックスではダメで、恥じらい、重くなければならない。市原氏は「絡み」に意味を持たせるべく、女優は「一線を越え」「転落」してしまったトラウマと苦悩を抱え込む女性でなければならないわけである。

市原氏は「人権団体の要請書など読む気もない」のだそうだ。自分は全く悪くない、ごく一部の人間が悪いだけに過ぎないと主張している。
そして、アダルトビデオ業界ではだいたいどこも同じような反応のようだ。

AV業界「ファン感謝祭」熱気むんむん 強要問題への取り組みは… - withnews(ウィズニュース)(2016年11月24日)

……前略……
 メーカーは、この「強要被害防止」をどう考えているのだろうか。以前、大手メーカーには電話とファクスで取材を依頼したが、即座に断られたり、無視されたりした。ブースを構えていた10社を訪ね、社長か社員に会って、直接、後日のインタビュー依頼をした。

 「ドグマ」代表には、「出たくない。何を言っても揚げ足を取られる。HRNがまとめた報告書は全てウソではないと思うが、現状では強要はないと思う」とその場で丁寧に断られた。

 他の9社には、取材依頼書を渡し、一週間後の17日までに返信をもらいたい旨を口頭でも念押しした。

 「アリスJAPAN」ブース経由で取材依頼をしたジャパンホームビデオ代表からは、「弊社ではIPPAにその対応の一切をお願いしているところです」と断りの文書がメールで届いた。同代表は、IPPA副理事長をしており、「AV OPEN」でも表彰のために登壇していた。

 「桃太郎映像出版」ブースでの取材依頼に対しては、「株式会社 桃太郎」の名前で、ジャパンホームビデオ代表とほぼ同じ文書が送られてきた。2社とも文書で「冠省」「草々」を使っており、中身も似たような文面だったのは、偶然の一致だろうか。

取材依頼に無反応のメーカーも…

 「ソフト・オンデマンド」(SOD)、「MAX-A」(マックスエー)、「アロマ企画」の各代表には直接会ったが、返信をもらえなかった。

 後日、ネットを調べると、SOD社長の野本ダイトリさんが、派手に自己PRしていた。彼は今年「35歳」で「年商150億円」の社長に就任したという。同社サイトの「就任のご案内」の中では、次のような記述があった。

 「代取になった途端、不安になったグループメーカーの離脱、それに伴う業績不振、そしてAV女優出演問題、社員からはやれトイレが少ないとか、パソコンが壊れたとかクレームの嵐……。僕はどうしたらいいんでしょうか?」

 社員経由で取材依頼書を渡した他の4社も、無反応だった。全10社には、JAEのルポに来ていること、こうした取材依頼活動も含めて記事化することは事前に伝えていた。

この記事で出てくるSOD社長の「ご挨拶」は以下。

野本ダイトリ 新代表取締役社長 挨拶魚拓1魚拓2
テキストが画像になっている、なぜか分からないが(苦笑)。

野本氏のインタビュー記事:SOD新社長はイケメンAV監督 - 日刊サイゾー(2016.10.20 木)

このように、日本の業界では出演強要問題はたいしたことではないらしいのだが、今回のベルトルッチ氏の告白については、ハリウッドでは大問題になっているそうだ。

女優の同意を得ない撮影強行。強姦を含む性行為の撮影。その後、女優は重い後遺症に苦しんでいる。
このように起きていることはよく似ているのに、業界の反応はまるで異なる。
この違いはいったい何によるものなのだろうか。興味深いと言わざるを得ない。

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アンダーコントロールの実情と廃炉ロボコンなどの役割など。

放射性廃棄物の缶は腐食?プールに雑然 東海再処理施設:朝日新聞デジタル(2016年12月5日05時00分)

福島原発の事故処理が「アンダーコントロール」なのだそうだから、他の平常な原発関連施設は当然「アンダーコントロール」なのだろう。

東海再処理施設の廃止には70年かかる見通しなのだそうだ。

東海再処理施設「廃止に70年」 原子力機構が見通し:朝日新聞デジタル(2016年9月8日23時51分)

70年。人の一生分の時間をかけて約30年稼働した施設の後始末をする。費用の見積もりはまだ立っていない。
もっとも、費用を見積もっても、70年間の総額をその金額以内に収める約束になるという保証はない。

福島原発事故:廃炉・賠償20兆円へ 従来想定の2倍 - 毎日新聞(2016年11月27日 21時38分(最終更新 11月28日 06時47分))

これによれば、福島第一原発の事故処理費用が2013年当初11兆円の見積もりが20兆円に変更になるという。70年にも満たないわずか3年ほどでこれである。東京五輪の例を想起すれば、この種の見積もりはもっと膨れると見てもいいだろう。
そして、これらの廃棄物処理は経済の生産力増加には寄与しない。公害の後始末のようなものだ。それに70年かかるという。

そして、廃棄物の最終処分は相変わらず棚上げ状態。

「核のごみ」19道府県が受け入れ拒否 朝日新聞調査:朝日新聞デジタル(2016年1月27日07時51分)

朝日新聞が2015年12月から2016年1月に47都道府県に対して行った調査。
・15府県は明確に拒否、4道県は事実上拒否。
・残りは未検討や情報収集中などで、「検討する余地はある」を選んだ都道府県は一つもなかった。
とのこと。

「トイレなきマンション」という表現は故武谷三男氏が80年代には唱えていたようだが、30年経っても状況は変わっていない。
『フェイルセイフ神話の崩壊』 武谷三男: Metaphysical Club 武蔵境
フェイルセイフ神話の崩壊 | 武谷 三男 |本 | 通販 | Amazon

この状況下でも原発再稼働と核燃料サイクル維持に執着し続ける日本政府。

東京新聞:新高速炉 負担増大も もんじゅ代替 18年に工程表:経済(TOKYO Web)(2016年12月1日 朝刊)

アンダーコントロールの実情である。

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そう言えば、「廃炉ロボコン」という催しがあったのだそうだ。

廃炉作業のロボットコンテスト 福島 楢葉町 | NHKニュース(12月3日 20時29分)

独立行政法人国立高等専門学校機構 福島工業高等専門学校専攻科 専攻科特命教授 北海道大学名誉教授 佐藤正知「廃炉に関する基盤研究を通じた 創造的人材育成プログラム」平成28年3月2日(火)15:30-16:00 いわき産業創造館

「廃止措置人材育成高専等連携協議会」なる団体があるそうだ。
この催しの主旨自体は結構なことだと思うが、原発予算に群がる「生態系」が着実に広がっている一つの現れであるだろう。

まず、この「廃炉ロボコン」は文科省の補助金事業である。「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業」の平成27年度採択課題になっている。
採択機関ページ 人材育成 -英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業魚拓
この補助金は元々「原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブ」と呼ばれていたものが、東日本大震災の後に復興対策と廃炉の研究に方向が変わったものだ。

次に、今回、「廃炉創造ロボコン実施概要」をウェブに掲載している団体は「イノベーション・コースト構想推進企業協議会」という。この団体のウェブサイトを見ると、経産省と密接な関係があることが分かる。

イノベーション・コースト構想推進企業協議会
東京電力株式会社福島第一原子力発電所について-原子力被災者支援-(METI/経済産業省)

この協議会、「福島県浜通りの復興と再生に資するプロジェクトの具体化を推進」しているのだが、なぜか事務局の所在地は東京都中央区にある。
会員と幹事会社はそのほとんどが大手上場企業で、電力、原発保守、重工、プラント、建設など。
会員企業 | イノベーション・コースト構想推進企業協議会
協議会の紹介 | イノベーション・コースト構想推進企業協議会
これらを見ると分かるように、原発関連に復興財源を引っ張ってくるための団体である。

幹事会社の株式会社アトックスは原発保守管理会社で、廃炉ロボコンを協賛している。
アトックス - Google 検索
(注意)原発作業員から一番酷い会社と名指しされている、悪徳企業アトックス(ATOX)について。portirland 山田花子
■呼びかけ【福島第一原発収束作業員の、人間の尊厳をかけた闘いに広範な支援を!】 - 旗旗

この「イノベーション・コースト構想推進企業協議会」の賛助会員である「株式会社AREVA ATOX D&D SOLUTIONS」はアレバとアトックスの関連企業である。

また、賛助会員の一つに「技術研究組合国際廃炉研究開発機構(IRID)」という団体があるのだが、この団体は、上述した文科省の「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業」のウェブサイト(JST)の上にもリンクがある。
そして、「国際」という名がついている割に、組合員はすべて日本企業である。
組織概要 | 技術研究組合 国際廃炉研究開発機構 - IRID魚拓

4.組合員(18法人)
国立研究開発法人
日本原子力研究開発機構、産業技術総合研究所
プラント・メーカー等
(株)東芝、日立GEニュークリア・エナジー(株)、三菱重工業(株)、(株)アトックス
電力会社等
北海道電力(株)、東北電力(株)、東京電力(株)、中部電力(株)、
北陸電力(株)、 関西電力(株)、中国電力(株)、四国電力(株)、
九州電力(株)、 日本原子力発電(株)、電源開発(株)、日本原燃(株)
上記の「イノベーション・コースト構想推進企業協議会」とメンバーの重複があることが分かる。また、このページの「国際廃炉研究開発機構の役割のイメージ」によれば、IRIDの会員ではないが、この廃炉生態系には三菱総研が事務局(金庫番)的な位置にいることも分かる。

ところで、廃炉を飯の種にする研究開発活動といえば、「原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)」という団体がある。
原子力損害賠償・廃炉等支援機構

もともと震災後の2011年9月に「原子力損害賠償支援機構」が設立されて、東電の賠償業務の支援をしていたのだが、2014年8月に「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」が「原子力損害賠償・廃炉等支援機構法」に改正?され、廃炉の研究開発も含むようになった団体である。資本金は政府70億円、原子力事業者等70億円の合わせて140億円。
どうでもいいが、財務明細によれば、この機構、NDFの常任役員は年に2千万円ぐらい報酬をもらっているようだ。NDFの主な仕事は東電に賠償関係資金(主に国債から)を交付することなのだが、その仕事の経費が年に40億円ぐらいかかっている。そのうち1億円ぐらいが役員報酬らしい。こういう経費も原発事故の費用の一部と言っていいのではないか。

それはともかく、このNDFの活動の一環として、大学、高専などでの「廃炉人材」の育成が掲げられている。
取組の全体像 | 廃炉研究開発情報ポータルサイト
人材育成 | 廃炉研究開発情報ポータルサイト

関わっている人たちの善意を疑っているわけではないが、良くも悪くも「廃炉ロボコン」とはこういう立ち位置の催しである。

以前述べたように、事故処理と廃炉には後出し的に予算を膨張させることが可能な条件がいくつもそろっている。
従って、この種の事業は今後もいろいろと考案・実施されていくであろう。
そして、そのたびに原発生態系のおこぼれに預かる人々は薄く広く社会全体に広がっていくだろう。
そのことは、原発や「核」に対する意識にどのような影響を与えるだろうか。

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放射性廃棄物の缶は腐食?プールに雑然 東海再処理施設:朝日新聞デジタル(2016年12月5日05時00分)

 貯蔵プールに乱雑に投入された放射性廃棄物入りのドラム缶、敷地内に残された中身のよくわからない廃棄物容器……。廃止が決まった原発の使用済み燃料再処理工場「東海再処理施設」(茨城県)を11月上旬に訪ねると、ずさんな廃棄物の管理や老朽化した施設の様子から、解体作業が極めて難航しそうな状況がわかってきた。

魚拓:図1(東海再処理施設=茨城県東海村)
魚拓:図2(高放射性固体廃棄物貯蔵庫のイメージ)
魚拓:図3(東海再処理施設廃止の流れ)

 使用済み燃料の再処理で出た廃棄物をプールで貯蔵する「高放射性固体廃棄物貯蔵庫」。11月7日、日本原子力研究開発機構の担当者が施設の前で、プール内の状況を写真で説明した。

 水が濁ったプール内には廃棄物入りのドラム缶が約800個、乱雑に積み上がっている。ドラム缶の山の高さは約7メートル。水中カメラを近づけると茶色い物体が舞い上がったという。「水あかか、さびなのかはわからない」

 ドラム缶の中身は、バラバラにした使用済み燃料の被覆管だ。1977~94年に投入された。つり下げたワイヤを切って投入したといい、プール内でワイヤが複雑に絡み合っているとみられる。ドラム缶が腐食し、廃棄物が漏れている可能性も指摘されている。

 水面の放射線量は毎時3ミリシーベルト。一般人の1年間の追加被曝(ひばく)限度の3倍を1時間で浴びる数値だ。水の浄化装置はない。

 また、敷地内には中身がよくわからない廃棄物の容器が多数あるといい、ふたを開けて分別し直す必要があるという。

 原子力規制委員会の担当者は「とても適当とは言えない状況が続いている。原子力機構だけでなく、旧科学技術庁も旧原子力安全・保安院も、見て見ぬふりをしてきた」と話す。

 このほか、極めて放射能の強いガラス固化体が約250本、低レベルの濃縮廃液が約3千立方メートル、低レベルのアスファルト固化体がドラム缶約3万本分ある。

 最もやっかいなのが、再処理の際に出た約400立方メートルの高レベル放射性廃液だ。人間が近づくと20秒で死亡する毎時1500シーベルトの線量がある。放射性物質を多く含み、放っておくと自ら発熱して水素が発生し、水素爆発する危険があるため、原子力機構は廃液をステンレス製のタンク6基に保管して水を循環させて冷やし、水素の換気も続けている。2011年の東日本大震災では40時間以上にわたって外部電源が失われ、非常用発電機でしのいだ。

 規制委は13年、廃液のままだと漏れ出す恐れがありリスクが高いとして、ガラスで固める作業の再開を再処理施設が新規制基準に適合する前に特例で認めた。今年、作業が再開されたが故障が相次ぎ、予定の4分の1で中断している。

■「ドラム缶取り出し、考慮していなかった」

 原子力機構は11月30日、廃止が完了するまでに70年かかり、当面10年間に約2170億円かかるとの工程を規制委に報告した。

 だが、作業は簡単には進みそうにない。高放射性固体廃棄物貯蔵庫のプール底のドラム缶について、原子力機構は「取り出しを考慮していなかった」。今後、装置を開発して、水中でワイヤを切りながら一つずつ持ち上げる方針だ。

 施設そのものも汚染されている。使用済み燃料を粉々にした施設の内部の放射線量は毎時200ミリシーベルト。担当者は「遠隔操作で機器を解体するのか、人が入れるまで除染するのか検討中」と語った。

 規制委は原子力機構が検討する廃止計画に再三、懸念を示してきた。9月の会合では規制委幹部が踏み込んだ。「実現性に疑問がある。廃止の検討が始まって3年たつのに、アバウトな計画しかない」

 文部科学省出身で原子力機構の田口康副理事長は「できていないのはけしからんが、これからちゃんとしたものを、どう作っていくかという話をさせていただきたい」と答えた。

 廃棄物の処分先も見通せない。高レベル廃棄物は地下300メートルより深い場所に10万年間埋める。国が年内にも処分に適した「科学的有望地」を示す方針だが、決まらなければ施設で保管し続けるしかない。(東山正宜、杉本崇)

     ◇

 〈東海再処理施設〉 原発の使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出す技術を得るために、約1900億円かけて建設された。1981年に本格運転を始め、原発約10基分にあたる1140トンの燃料を処理した。97年に廃棄物のアスファルト固化施設で爆発事故が起きた。2014年に廃止が決まった。運営する日本原子力研究開発機構は、高速増殖原型炉「もんじゅ」の運営主体でもある。

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東海再処理施設「廃止に70年」 原子力機構が見通し:朝日新聞デジタル(2016年9月8日23時51分)

 日本原子力研究開発機構は8日、原子力規制委員会の会合で、東海再処理施設(茨城県東海村)を廃止するまでに約70年かかるとの見通しを明らかにした。規制委は「老朽化する施設の補強も必要になる」などと指摘。廃止にかかる費用や人員などを検討し、11月末までに提出を求めた計画書に盛り込むよう指示した。

 東海再処理施設は、原発の使用済み核燃料を再処理するのを目的に1981年、本格運転を始めた。再処理はすでに終了し、施設は廃止が決まっている。原子力機構によると施設には34の建物があり、すべてを廃止するには約70年かかると説明した。

 一方、再処理で出た高レベルの放射性廃液が1月時点で約400立方メートル残っていた。ガラスと一緒に固める処理を進めていたが、設備のトラブルで止まっている。原子力機構は8日、ガラス固化は計画通り約20年で終えられるとした。

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東海再処理施設「廃止に70年」 原子力機構が見通し:朝日新聞デジタル(2016年9月8日23時51分)

 日本原子力研究開発機構は8日、原子力規制委員会の会合で、東海再処理施設(茨城県東海村)を廃止するまでに約70年かかるとの見通しを明らかにした。規制委は「老朽化する施設の補強も必要になる」などと指摘。廃止にかかる費用や人員などを検討し、11月末までに提出を求めた計画書に盛り込むよう指示した。

 東海再処理施設は、原発の使用済み核燃料を再処理するのを目的に1981年、本格運転を始めた。再処理はすでに終了し、施設は廃止が決まっている。原子力機構によると施設には34の建物があり、すべてを廃止するには約70年かかると説明した。

 一方、再処理で出た高レベルの放射性廃液が1月時点で約400立方メートル残っていた。ガラスと一緒に固める処理を進めていたが、設備のトラブルで止まっている。原子力機構は8日、ガラス固化は計画通り約20年で終えられるとした。

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福島原発事故:廃炉・賠償20兆円へ 従来想定の2倍 - 毎日新聞(2016年11月27日 21時38分(最終更新 11月28日 06時47分))

 東京電力福島第1原発事故の賠償や廃炉などにかかる費用が総額20兆円超に上り、従来の政府想定のほぼ2倍に膨らむと経済産業省が試算していることが27日、分かった。政府は拡大する費用の一部を東電を含めた大手電力と新電力(電力自由化で新規参入した業者)の電気料金に上乗せする方針で、国民負担の増大は必至だ。

魚拓:図(福島第1原発事故の費用は大きく膨らむ見通し)

 経産省は、東電の経営改革や資金確保策を協議する有識者会議を開催しており、年内にも結論を出す方針。試算は会議の議論のベースになるとみられる。

 政府の従来の想定は、賠償=5.4兆円▽除染=2.5兆円▽汚染土を保管する中間貯蔵施設の整備=1.1兆円▽廃炉=2兆円の計11兆円となっていた。

 新たな試算は、賠償が約8兆円、除染が4兆~5兆円程度に膨らむ見通し。廃炉も従来の2兆円が数兆円規模で拡大する公算が大きい。中間貯蔵施設の整備費は変わらないが、全体では20兆円を上回る見込みとなった。

 政府の従来想定は2013年末時点に見積もったが、賠償や除染の対象が増加している。廃炉も原発内に溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出し費用などが拡大。経産省は既に現状で年800億円の費用が年数千億円程度に達するとの試算を明らかにしている。

 費用の工面について、政府はこれまで、賠償は国の原子力損害賠償・廃炉等支援機構がいったん立て替え、東電を中心に大手電力が最終的に負担金を支払い▽除染は国が保有する東電株の売却益を充当▽中間貯蔵施設は電源開発促進税を投入▽廃炉は東電が準備--との枠組みを示してきた。

 政府は、賠償費の増加分について、原子力損害賠償・廃炉等支援機構の立て替え増額を検討。これとは別に、大手電力や新電力が送電会社の送電線を利用する料金への上乗せも検討している。この料金は政府の認可制となっており、最終的に電気料金に転嫁される。

 除染費も東電株の売却益で賄えない可能性が高く、東電などに負担を求める案が検討されている。その場合、最終的に電気料金に転嫁される可能性がある。

 廃炉費は、東電が他社との提携などによる経営効率化で捻出した資金を積み立てる制度の創設を検討する。ただ、東電が経営努力のみで賄いきれるかは不透明で、電気料金の引き上げにつながる可能性もある。【宮川裕章、岡大介】

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「核のごみ」19道府県が受け入れ拒否 朝日新聞調査:朝日新聞デジタル(2016年1月27日07時51分)

 原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物をめぐり、4割の19道府県がすでに最終処分場の立地を受け入れない方針を固めていることが、朝日新聞の調査でわかった。岩手、岐阜、高知、熊本など15府県は選択肢から「受け入れない」を選び、明確に拒否した。北海道、新潟、岡山、宮崎の4道県は「その他」を選んだが、記述欄で事実上拒否する考えを示した。

 残りの6割は未検討や情報収集中などで、「検討する余地はある」を選んだ都道府県は一つもなかった。

魚拓:図(都道府県の4割が最終処分場の受け入れを拒否している)

 高レベル放射性廃棄物の最終処分は原子力発電環境整備機構(NUMO)が担い、地下300メートルより深い地層に埋める。政府は昨年5月、公募方式から国主導で処分地を選ぶ方式に転換する基本方針を閣議決定。年内に処分に適した「科学的有望地」を示す方針だが、関連法は知事と市町村長の意見を聴いて十分に尊重するよう定めており、知事が拒否すれば立地は極めて困難になる。

 調査は47都道府県に対し昨年12月下旬~今月上旬に実施。「受け入れる」「受け入れを検討する余地はある」「受け入れない」などの選択肢を示し、理由とともに書面で回答を得た。明確な拒否は地方に多く、原発立地県は北海道、福島、新潟、石川、福井が拒否の姿勢。都市部では態度を明確にしない回答が目立つ。

 自治体側の拒否感は強いが、経済産業省資源エネルギー庁の放射性廃棄物対策課は「まずは有望地を示し、国民に関心を持ってもらうことに意義がある。すぐに自治体に受け入れの判断を迫るわけではない」と説明する。

■都市部は明示せず

 NUMOが公募を始めた2002年以降で唯一、07年に手を挙げた高知県東洋町では、その後、非難が集中して町長が落選。応募は撤回された。以来、正式に応募した自治体はない。

 高知県は今回、「受け入れない」を選び、「南海トラフ地震対策を抱え、最終処分場を安全に運営する余力はない」と説明した。尾﨑正直知事が昨年6月の記者会見で「受け入れる余地はない」と宣言している。

 ほかに明確に拒否した県は「原…

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東京新聞:新高速炉 負担増大も もんじゅ代替 18年に工程表:経済(TOKYO Web)(2016年12月1日 朝刊)

 政府は三十日、廃炉が濃厚な高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)に代わる新たな高速炉を国内で建設するため、今後十年程度で必要になる作業をまとめた工程表を二〇一八年中に示す方針を固めた。一兆円の国費を投じながら、ほとんど稼働していないもんじゅの反省もないまま、さらに天井の見えない負担が国民にのしかかる恐れが出てきた。 (吉田通夫)
 官民合同の三十日の「高速炉開発会議」で、今後の開発方針の骨子をまとめた。十二月中に関係閣僚会議を開き、もんじゅの廃炉時期と併せて正式に決める。
 高速炉の実用化には(1)実験炉(2)原型炉(3)実証炉-の段階を踏み、実験データを集めて研究を進めねばならない。日本では(2)の原型炉のもんじゅの段階でつまずいたが、政府は仏政府が計画する実証炉「ASTRID(アストリッド)」に資金を出して共同研究したり、(1)の実験炉「常陽」(茨城県、停止中)を活用すれば、(3)の実証炉での研究に進むために必要なデータを集められると判断。国内に新しい実証炉を建設する方向で調整している。
 しかし必要な費用は検証できない状態だ。アストリッドは設計段階で、建設費は固まらず日本の負担額は分からない。常陽も東日本大震災後、耐震など新たな規制基準に合わせる工事をしている途中で、費用は不明。さらに新たな高速炉を建設する場合、構造が複雑なため、建設費が通常の原発より数倍は高いとされる。規模によっては一兆円を超えるとの見方もある。
 会議後、経済産業省原子力政策課の浦上健一朗課長は記者団に「現段階で費用は示せない」と話すにとどめた。もんじゅを所管する文部科学省も、過去の会議では、もんじゅを再稼働する場合と廃炉にする場合の費用試算を示しただけ。それでも政府は、原発で使い終わった核燃料を再利用する「核燃料サイクル」には高速炉が必要だとする従来の考え方を強調し、開発続行の方針を打ち出した。
 原子力政策に詳しい原子力資料情報室の伴英幸(ばんひでゆき)共同代表は「政策の流れを変えられないから費用や反省点を検証せず続けるというのでは、新しい高速炉を造ってもうまくいかないだろう」と話した。

◆プルトニウムを増やさず 高速増殖炉と高速炉の違い
 「もんじゅ」は高速増殖炉の原型炉とされる。「増殖」は、消費した以上の燃料を作り出せるという意味。炉心の周囲に置いた燃えないウランを、燃えるプルトニウムに変えることができるからだ。
 しかしプルトニウムが余る時代となり、増殖の意義が薄れ、かえって核兵器の材料になるやっかいものを増やしてしまう。政府は、これからは増殖させない高速炉を開発するとしている。
 共同研究が想定されるフランスのASTRID(アストリッド)は、高速実証炉。周囲に燃えないウランを置かないので、プルトニウムの増殖はない。また長期間にわたって放射線を出し続ける核廃棄物を燃やし、処分期間の短縮につながる可能性もある。ただし、もんじゅ同様、核分裂で生じた熱を伝えるために、危険なナトリウムを用いる。
 なお「高速」とは、核分裂連鎖反応を起こす中性子の種類のこと。普通の原発では、燃料にぶつける中性子を水で減速させている。もんじゅなどは、中性子の減速をしないため、高速の名がある。

魚拓:図1(高速炉開発方針の骨子案)
魚拓:図2(高速炉開発の費用)

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廃炉作業のロボットコンテスト 福島 楢葉町 | NHKニュース(12月3日 20時29分)

東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業で使うことを想定したロボットのコンテスト「廃炉ロボコン」が福島県楢葉町で開かれ、全国各地から出場した高等専門学校の15チームが、その技術力を競いました。
「廃炉ロボコン」は、40年かかるとされる福島第一原発の廃炉作業について若い世代にも関心を高めてもらおうと、文部科学省などが初めて開きました。
地元・福島や東京など全国13の高等専門学校から合わせて15チームが出場し、原子炉が入っている建物の中を模した急な階段を上り下りしたり、高い場所の映像を撮影したりする課題に取り組みました。

電子機器が強い放射線にさらされる状況を想定して、作業の時間は5分から10分に限られ、コンクリートの厚い壁で電波が通らないため、ロボットは原則ケーブルを使って制御します。
各チームは走行用のベルトのほかヘリウムガスが入った風船や小型の無人機、ドローンを使ったロボットなどで課題に挑み、課題をうまくクリアすると会場から拍手が起きていました。

伸縮するアームを使って高い場所の撮影に成功した東京工業高専の男子学生は、「放射線の影響を考慮して電子部品を減らし、実際に使えるような仕組みを考えました。研究を進めて、いつか復興の役に立ちたいです」と話していました。

今回、課題に挑んだロボットについては、企業からの要請があれば、そのアイデアを生かした共同研究も行われるということです。

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