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2016/12/06

カジノ法案:自民党の慢心と劣化の記録

まあ、すでに数知れず起こっているのでこれだけを記録してもあまり意味がないが。

カジノ法案提出者5人、業者の献金語らず 民進質問に:朝日新聞デジタル(2016年12月2日12時38分)

 カジノを含む統合型リゾート(IR)の整備を政府に促す議員立法「カジノ解禁法案」をめぐり、自民党と日本維新の会の法案提出者5人は2日午前の衆院内閣委員会で、カジノ関連業者からの献金やパーティー券購入の有無について質問を受けたが、事実関係を明らかにしなかった。

 民進党の緒方林太郎氏が「議論に入る前提として、カジノ業界や業界団体、遊戯産業関係業者、業界団体からの政治資金パーティー券の購入、さらには政治団体への寄付はそれぞれあるか」と質問した。

 これに対し、提出者である自民の西村康稔氏は「政治資金規正法にのっとって適正に処理している」と答弁。続いて自民の細田博之、岩屋毅両氏、維新の小沢鋭仁、松浪健太両氏がいずれも「同様です」とだけ答弁した。

 緒方氏が「(政治資金パーティー券の購入、政治団体への寄付が)あるかどうかを聞いている」と重ねて尋ねたが、西村氏は「質問通告なしに言われてもわからない」と答弁を拒んだ。

 このため、緒方氏は自民党の秋元司委員長に対し、各提案者の献金やパーティー券購入に関する資料要求を求めた。秋元氏は「理事会で協議いたします」と引き取ったが、与党は同日午後に委員会で法案を採決する方針だ。(南彰)

「質問通告なしに言われてもわからない」とか「理事会で協議する」と言いながら強行採決するとか、全く議論する気がない強引な運営。

そして象徴的な事案。

カジノ審議中、「般若心経」唱え時間消費 自民・谷川氏:朝日新聞デジタル(2016年12月5日20時15分)

 自民党がわずか5時間33分の審議時間で衆院内閣委員会で採決を強行したカジノ解禁法案の質疑では、推進派である自民党の谷川弥一・元文部科学副大臣(長崎3区)が「(質問)時間が余っている」と言って、法案の内容とは直接関係のない般若心経を唱えて解説し、自分の持ち時間を費やす場面があった。

 谷川氏は法案が審議入りした11月30日の衆院内閣委員会で、40分間の質問時間をもらって最初に質問に立った。最初はカジノ合法化の理由をただしていたが、28分が過ぎた時点で「一応質問が終わったのですが、あまりにも時間が余っているので」と前置きし、「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時……」と般若心経を唱え、「『般若波羅蜜多』は『般若』は知恵、『蜜多』は行く、『波羅』が彼岸、『幸せになるための道』ということなんです。『どうしたら幸せになるの?』といったら『無念無想で生き抜け』ということなんです」などとしゃべり続けた。

 それでも時間が余った谷川氏は、自身が愛読しているという夏目漱石の作品の紹介を開始。「やっぱり心を耕す仕事を考えないといかん。心を耕す仕事は何だといったら、文学であり、彫刻であり、陶芸であり、三味線であり、宗教なんです」などと語った。(南彰)

カジノ法案を支持する人々の惨状が目立つ。

先日の学会発表で、カジノが日本経済と地域経済を再生する!と熱心に説いていた人がいた。きっと元気にしておられることだろう。

それにしても、これだけで野党は審議拒否してもいいような案件。
実際審議拒否したのだが、採決を強行されてしまった。自民・公明・維新で圧倒的多数なので多勢に無勢なのである。与党はまさにやりたい放題。

とどのつまりは選挙で自民党などにフリーハンドを与えたことでこういう事態が起きているのだが、何を言っても、何をしても、いかに破廉恥であろうとも、世論には全く響かないどころか、選挙は大勝、安倍政権の支持率はむしろ上がるといった有様で、おごる平家は久しからずと言うものの、自民党はいくらおごってもその勢いに陰りすら見られないというわけで、もはや言葉を失うばかりである。

以下は無駄話。
選挙で自民党が安定的に強い一因に小選挙区制があることはよく指摘されている。小選挙区制は第1党だけが議席を独占できる制度だからだ。それで思うのだが、やがていずれ自民党が大敗して民進党のような勢力が第1党となるときがあったとしても、それでも小選挙区制は自民党に有利に働くんじゃないだろうか。
というのは、小選挙区制では政権交代がドラスティックに起きる。勢力が拮抗する二つの政党があったとして、A党が勝てば有権者の半数近いB党の得票が死票になり、B党が勝てばA党の得票が死票になる。オンとオフのスイッチみたいなもので、世論の大勢が同じでも、ほんのわずかな得票の違いが政治の方向を大きく変えることになる。
そこで、自民党からの政権交代では有権者が期待するよりも大きな変化が起きることになる。これに違和感を持つ人は多いだろう。つまり、小選挙区制の元では、政権交代は新しい政権に対する失望が起きやすく、新政権を担った政党は次の選挙までに支持を失うのではないか。
もっとも、小選挙区制で振り子のような政権交代が起きている国もある。だから小選挙区制だから自民党安定になるというのは変だと思うかもしれない。けれども、日本の場合、自民党以外に政権担当の経験がほとんどない。この条件が違うのではないか。未経験者ばかりの組織が政権交代でいきなり執政するのだから、いろいろ不手際が生じるのは当然で、その不手際は当然ながら攻撃と批判の対象になる。「せっかくやらせてみたのに、なんだこれは」とか「やっぱりダメだったか」とかいう声を後押しすることになるだろう。民主党政権の時に自民党が「やはりベテランの我が党に任せておけば安心ですよね」というメッセージを出していたのと同じことである。

そしてまた、自民党が長期(70年!)に政権を維持していたことによって、政界・財界・官界の緻密で強固な結合ができてしまっていることが、小選挙区制による政権交代の激しさをより大きくしてしまい、それがさらに新政権の存続を難しくするのではないか。

などと考えているといろいろと悲観的になってしまうのであった。


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