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2017/03/22

古い記事:原発事故は「天罰」。元原子力安全院長が笑いながら。

2016年3月の記事。知らなかったのでメモ。

原発事故は「運命」…元原子力安全委トップが笑顔で大放言 | 日刊ゲンダイDIGITAL(2016年3月9日)

 震災発生時の原子力安全委員会トップが大放言だ。8日放送の「みんなのニュース」(フジテレビ系)で、班目春樹・元原子力安全委員長が原発事故を笑いながら「天罰」「運命」と表現するシーンが放送された。

 班目氏が出演したのは、シリーズ特集「震災から5年 あの日から今へ」。3回目となる8日は、VTRに登場した班目氏が番組司会の伊藤利尋アナウンサー(43)に対し、福島第1原発事故の対応と問題点を振り返る内容だった。

 インタビューで班目氏は、当時の菅直人首相(69)から「水素爆発はあるのか?」と尋ねられたことを明かし、格納容器の中に酸素はないため爆発はしない、と回答したと説明。しかし、その数時間後に1号機建屋で水素爆発が発生した。

 このことについて班目氏は、格納容器から水素が漏れ出して建屋内で爆発する可能性までは菅首相に説明していなかったことを「大失敗だったとは思う」と後悔しつつ、間違った説明ではなかったとの認識を示した。また、爆発後、菅首相から信頼されなくなったことを「ひしひしと感じました」とも語った。

 その後の事故対応について、「あんな人(菅首相)を総理にしたから天罰が当たったんじゃないかって、このごろ運命論を考えるようになっちゃってますよ」と笑いながら回答。伊藤アナから「唯一の専門家として、もうちょっと(何とか)できなかったか」と尋ねられても、「あの時、(専門家は)ずっと私1人だけだった」「原子力保安院が図面を持ってこなかった」などと、終始のらりくらりと答えていた。

 他人ごとのように5年前を振り返った班目氏。当時の責任者がこれでは、最悪の事故を招いたのも当然だ。

斑目氏が当時の菅首相を恨んでいるらしいことは割と広く知られていると思う。
しかしこの惨状を招いた事故とその事故につながる体制を主導的に支えた人として「天罰」や「運命論」を公言するのはかなりひどい。案の定、「斑目 運命」で検索すると、憤慨した人を沢山見つけることができる。

「フクシマ」への警戒を解かない人たちを「非科学的」と批判する声はいろいろあって、確かに「心配しすぎ」とか「不安を煽る」とかいう場合もあるだろうけれども、しかし私としては、そうした不安の根本には、この斑目氏が象徴するような体制への強い不信感があるのだと思う。「じゃあ自分で勉強しろよ」「その選択の結果は自己責任だから今後一切の補償は不要だろう」などなどという声が出てきそうだが、しかし生活に忙殺されている庶民ができることには限りがある以上、とりあえず安全側に振っておく、すなわち権力側の情報は懐疑的に受け取るという態度は合理的たりうる。そして斑目氏のような人々の存在は、この態度への信頼を補強することになる。これはスパムメールの広告や訪問販売などのうまい話への警戒心と同じ、いわば庶民の知恵である。だから、どんなに科学者の人たちが「原発は安全だ」とか「福島は安全だ」と言い続けても、いや、言い続けるからこそ、不安が払拭されることはないだろう。原発への信頼を回復するには、PAを熱心にすることよりも、原発を支える制度と関係者が十分信頼でき、万一の時には権力の頂点にある人たちがまさに身命をなげうって誠実にその被害に寄り添い続けるのだという確信を国民に与えるしかない。正すべきは反原発の人々の不信感ではなく、原発運用と被害救済のの体制である。


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