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2017/11/09

私たち自身が、自らの手で、人を殺した。

「理解追いつかず」 青酸事件で裁判員会見、専門家求める声 : 京都新聞
2017年11月07日 23時25分

 京都地裁の裁判員裁判で初の死刑判決が言い渡された7日、裁判員3人が地裁で会見に臨んだ。

 長期審理だったが、女性裁判員は「評議や意見交換の機会があり、心理的・精神的負担は少なかった」と振り返った。青酸を用いた犯行手口から、証人尋問などで化学の専門用語が飛び交った。「理解が追いつかず質問も浮かばなかった。素人にも分かりやすい言葉で説明してほしかった」と言及した。

 被告の認知症については「病状の判断に関して複数の証人が必要だったかもしれない」「認知症の専門家が公判を傍聴し、意見を聞く機会があれば判断は変わっていた可能性もある」などの声が上がった。

 裁判では裁判員の負担軽減のため法廷に提出される証拠が絞られた。しかし、「被告の通帳も出てこず、借金がいくらあったのか最後まで分からず疑問が残った」「審理時間が掛かっても出せる証拠は全て出してもらい、判断したかった」と述べた。

 弁護側が控訴した点については、「私たちが考えた上での判決でやりきった感がある。控訴審ではプロの判断を仰ぎたい」。

心証はクロ。ほぼ被告の犯行だろうと思える。けれども、確信がない。何か腑に落ちない。検察の説明にもよく分からない部分や疑問が残っている。
そして、求刑は死刑。判決までの時間も無い。同調圧力も感じる。
そういうときに、私は自分一人だけで「もうちょっと待ってほしい」「死刑は本当に妥当なのか」などと言い続けることができるか。
私が、自らの意思で、人殺しに積極的に荷担する。それに立ち向かうことができるか。

人殺しではないけれど、人に処分を下すこと、間接的に人の処分につながる裁定をすることには、これまで何度も関わってきた。事情や道理を十分に(徹底的に)審理しないままに、原案作成者の意を汲んだり、その場の雰囲気に同調したりして、なんとなく判断したことも多い……というか、そういうことがほとんどだ。その意味では、私も小さな殺人に何度も手を染めてきた一人なのだ。

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京都新聞の関連報道。捜査や取り調べの問題も指摘されている。

青酸連続殺害、謎の中に高齢社会の影 26日に初公判 : 京都新聞
【 2017年06月23日 12時17分 】

 関西在住の高齢男性4人が青酸化合物で相次いで不審死した事件は26日、京都地裁で初公判を迎える。殺人罪などに問われる筧千佐子被告(70)の弁護側は無罪を主張する方針だ。事件を巡っては、結婚相談所で出会った高齢男性と結婚や交際を繰り返し、遺産相続したことが注目された。高齢男性が抱える老いと孤独、公正証書遺言を用いた相続-。「後妻業」という言葉が世間に広まるなど社会に衝撃を与えた。一方、真相は謎のままだ。死亡時に病死と判断された被害者もおり、捜査機関の初動対応の在り方も突きつけている。

■老いの孤独と不安

 「年金は少ないなと思ったけど、子どもさんがいないのがね、一番の魅力やったかな」

 結婚後約2カ月で死別した向日市の夫勇夫さん=当時(75)=との結婚理由を逮捕前の千佐子被告に尋ねた時の答えだ。2013年6月に結婚相談所を通じて知り合い、わずか5カ月でスピード婚。「彼のお金がどうのこうの思っていませんよ」ときっぱり語った。

 子どもがいない▽年金収入あり▽老後が安心-。千佐子被告が結婚相談所で見合い相手に求めていた条件だ。実際に連絡を取った男性は妻に先立たれたり、結婚経験がなかったという。勇夫さんは妻子を亡くし、大阪府貝塚市の本田正徳さん=当時(71)=らも妻に先立たれていた。知人男性(78)は、「もうすぐ結婚する」と喫茶店で千佐子被告を紹介する本田さんのうれしそうな姿を覚えている。

 高齢化と核家族化が進み、配偶者と離別や死別し、介護など今後の生活に不安を抱えて子どもと離れて独りで暮らす人は多い。結婚相談所は需要に応えて高齢者の出会いに対応したサービスを充実させてきた。一方で、国民生活センターによると、結婚相手紹介サービスをめぐるトラブル相談のうち、60歳以上の割合は増加しているという。

■公正証書遺言に課題

 財産の相続を約束する公正証書遺言-。一連の事件では、遺産相続の方法にも関心が集まった。

 公正証書遺言は裁判所の判決と同等の効力があり、死後速やかに遺言内容を実現できる長所がある。全国的に作成数が年々増えているが、作成者は法定相続人に相談することなく作成できるため遺産をめぐる訴訟に発展するケースもある。

 今回の事件では、本田さんと兵庫県伊丹市の日置稔さん=当時(75)=ら複数の男性が千佐子被告を相続人とする内容で作成していた。日置さんのケースでは、子らと遺産配分でトラブルになっていた。

■司法解剖の態勢不備

 なぜ青酸による死が見過ごされたのか。司法解剖を巡って、警察の初動捜査の遅れと態勢の不備が浮き彫りになった。被害男性2人は司法解剖されず、当初は病死などと判断された。本田さんは司法解剖されていたため、事件が顕在化した後に保存されていた血液を再鑑定し青酸が検出された。だが、保存は任意で、義務付ける法律はない。京都府警が、勇夫さんに関して司法解剖で事件性に着目したのが端緒だった。

 全国の警察が2013年に取り扱った変死体などは約17万体にのぼるが、司法解剖が実施されたのはわずか5%にとどまる。警察庁の有識者研究会による11年の報告では、犯罪死の見逃しは1998年以降で43件あり、うち38件は解剖されていなかったという。見逃し対策で死因究明推進法が2012年に成立したが、時限立法のため、14年に失効。国は同年に推進計画を閣議決定し、全国の都道府県に協議会の設置を要請している。

 本田さんらの不審死の見逃しを教訓とし、大阪府警は昨春からほぼ全ての変死体に対し、薬物使用の痕跡がないか調べる簡易検査を実施している。事件性の有無を専門に調べる「検視調査課」も新設し、態勢強化に努めている。

■財産目当て増える

 高齢男性の連続不審死事件を描いた小説「後妻業」の著者で直木賞作家の黒川博行さん(68)の話 団塊の世代が65歳を超える中、財産目当ての結婚をもくろむ女性は増える。知人が財産被害に遭い、結婚相談所を取材した。資産を持つ男性は高齢であるほど、女性にもてる。女性が資産狙いだと分かっていても付き合ってしまう。

 身の回りの世話をしてくれて、話し相手になる女性は高齢男性の孤独感を紛らわせてくれる存在だ。離れて暮らす息子や娘らから再婚を反対されても「俺の資産だから好きに使わせろ」と強く出る。男性ならではのさががそうさせてしまうのだろう。「後妻業」に防止策はない。今回の裁判は、離れて暮らす家族がいる人や独居男性など、広い層に身近な問いを突きつけている。


青酸連続殺害、筧被告は無罪主張 京都地裁初公判  : 京都新聞 http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20170626000059
【 2017年06月26日 12時10分 】

 結婚相談所で出会った高齢男性らに青酸化合物を服用させ殺害したなどとされる連続殺人事件で、向日市の夫らへの殺人罪3件と強盗殺人未遂罪に問われた筧千佐子被告(70)の裁判員裁判の初公判が26日午前、京都地裁(中川綾子裁判長)で始まった。千佐子被告は罪状認否で、文書を読み上げて、4事件いずれについても「全て弁護人に任せてあります」と話した。弁護側は男性たちの死因や飲ませた人物に疑問があるとして「青酸を飲ませたことはない。4事件全て争う」と無罪を主張した。

 物証や目撃者といった直接証拠が乏しい中、検察側が積み重ねる状況証拠を裁判員がどう判断するかが焦点となる。

 検察側は総括冒頭陳述で、4事件の共通点を挙げて、動機は遺産目的などとし「借金を抱え、高齢男性との見合い、交際、結婚を繰り返し、被害者はいずれも親しい間柄の高齢独身男性」と説明。事件直前に財産の遺贈を受ける旨の公正証書遺言が作成されたり、事件直後から金庫を開けようとしたりするなどの共通点を挙げた。殺人罪3件で相続した遺産は計約3470万円以上で、強盗殺人未遂罪では4千万円の借金を免れようとしたと述べた。

 弁護側は、「(被告は)死んでほしい、死んでも構わないと考えたことはない」と殺意を否定。被告は、昨年の地裁による精神鑑定で「軽度の認知症」と指摘されており、弁護側は冒頭手続きで住所が思い出せなかったことを挙げ、「事件のこともほとんど記憶にない。事件当時は物事の善悪の判断や感情のコントロールができなかった。法廷で自分の権利を守ることができない」と話し、責任能力の有無や訴訟能力も争う姿勢を示した。

 公判前の争点整理段階で、弁護側は捜査段階での一部関与を認める調書について「直前の記憶すら不明瞭で、捜査官の厳しい取り調べが続き、正常な判断ができないまま迎合してしまった」として任意性と信用性を否定しており、公判の大きな争点になる。今後の公判では、捜査員の証言や取り調べを録音録画したDVDの証拠採否も焦点になりそうだ。

・事件の起訴事実  起訴状によると、筧千佐子被告は2013年12月28日夕、向日市の自宅で、夫の勇夫さん=当時(75)=に致死量の青酸化合物を服用させ、青酸中毒で死亡させた。12年3月に本田正徳さん=同(71)=、13年9月に兵庫県伊丹市の日置稔さん=当時(75)=を同様の手口で殺害した。07年12月に借金返済を免れようと、神戸市の末広利明さん=09年に79歳で死亡=に青酸化合物を服用させ殺害しようとした、としている。判決は11月7日。実審理期間は裁判員裁判で過去2番目の長さとなる135日間。開廷回数は48回の予定。

青酸連続死「殺して遺産手に」 調書公開、弁護側は任意性争う : 京都新聞
【 2017年08月08日 23時00分 】

 京都府向日市などの高齢男性4人に青酸化合物を服用させたとされる連続殺人事件で、殺人罪などに問われた筧千佐子被告(70)の裁判員裁判の第18回公判が8日、京都地裁(中川綾子裁判長)であった。内縁の夫の本田正徳さん=当時(71)、大阪府貝塚市=について、被告が殺害した動機などを語った捜査段階の供述調書などが公開された。

 供述調書は本田さん事件で大阪府警に再逮捕された後の2015年2月13日に検察官が作成した。

 供述調書を巡っては、弁護側は任意性を争い、無罪を主張している。被告は逮捕された時はすでに認知症で「直前の記憶すら不明瞭だった」とし、供述は「厳しい取り調べが連日続き、取調官に迎合した作り話で信用できない。真実ではなく、記憶にないことを想像した調書」と指摘。本田さん事件について自白する直前も長時間の追及を受け続けていたと批判している。

 【公開された供述調書】

 莫(ばく)大な借金を抱え、返済を援助してくれる男性を捜そうと見合いを繰り返していました。借金によって私の悪い部分が出てきました。うそをついてでも他人から金を借りようとし、交際男性を遺産目当てで、毒で殺したことがありました。他人を殺すことは精神的に負担がかかるもので、できれば殺さずにお金の援助を受けたいという気持ちが強くありました。

 本田さんを積極的に殺したいと思った訳ではありません。自分自身の中の悪い部分が出る前に援助を受けることを望んでおり、殺すのは最終手段であって、自然なお付き合いの中でお金をもらいたいとの思いがありました。

 当初、本田さんは借金を理解していてくれて非常にうれしかったですし、殺す気持ちも薄れてきました。しかし、本田さんのお金に対する態度が変わってきたように思います。最初に言っていたのと違うなと思い始め、お金の援助を期待できなくなってきました。私の悪い部分が再び強くなり、殺して遺産を手に入れようと思ったのです。

青酸連続死「証拠は不十分」 弁護側、3件目審理で主張 : 京都新聞
【 2017年08月25日 12時30分 】

 京都府向日市などの高齢男性4人に青酸化合物を服用させたとされる連続殺人事件で、殺人罪などに問われた筧千佐子被告(70)の裁判員裁判の第20回公判が25日、京都地裁(中川綾子裁判長)であり、知人の末広利明さん=死亡時(79)、神戸市=への強盗殺人未遂罪の審理が始まった。

 検察側は冒頭陳述で「金銭の返済を免れる目的で末広さんを毒殺しようとした」と述べ、弁護側は「病気や青酸化合物以外の薬毒物で障害が発生した可能性がある」などと無罪を主張し、殺意や動機も否定した。

 起訴状では、2007年12月18日午後2時ごろ、約4千万円の借金の返済を免れようと、神戸市中央区で青酸化合物を服用させ、殺害しようとした、としている。末広さんは高次機能障害や視力障害が残り、09年5月に亡くなった。

 検察側は、事件発覚後に救急搬送先の検査データなどを精査した結果、「青酸中毒と矛盾しない症状だった」と指摘。事件の2年前から投資名目で被告は末広さんと多額の金銭をやりとりし、「当日は返済約束日で会っていたが、返済資金はなかった」と述べた。

 弁護側は司法解剖や毒物検査が実施されていないことから、「末広さんの身体から青酸成分が検出された証拠はない。青酸中毒とするには疑問が残り、証拠は不十分だ」と批判した。認知症を理由として訴訟能力も争う姿勢を示した。

 裁判は起訴された殺人罪3件と強盗殺人未遂罪の計4件を事件ごとに審理。末広さん事件は3件目で、9月4日に被告人質問、6日に中間論告と弁論がある。

「殺した」「イメージない」被告の供述変遷 京都・青酸連続死 : 京都新聞
【 2017年09月26日 22時50分 】

 京都府向日市などの高齢男性4人に青酸化合物を服用させたとされる連続事件で、殺人罪などに問われた筧千佐子被告(70)の裁判員裁判の第32回公判が26日、京都地裁(中川綾子裁判長)であった。2013年に亡くなった内縁関係の日置稔さん=当時(75)、兵庫県伊丹市=に対する被告人質問で、「逮捕されているから殺したと思う」と殺害を認める一方、「殺したイメージが湧かない」と否定するなど被告の供述が変遷した。

 被告人質問は起訴された4事件ごとにあり、最後となった。被告は全事件で殺害や関与を認めたが、直後に否定するなど不安定な供述が目立った。弁護側は「認知症の影響で責任能力と訴訟能力がない」と全事件で無罪を主張している。

 被告は殺害を認めたが「殺してもメリットがない」「殺すほどのうらみもない」などと否定もした。遺産の取得については「(殺害理由には)遺産もある」「一銭も手にしていない」などと揺れ動いた。裁判長が公正証書や遺産取得の一覧表などを示し、被告に記憶を問う場面もあった。

 裁判員の質問には、4事件で殺した認識があるのは夫の筧勇夫さん=当時(75)、向日市=だけ、と被告は答えた。その上で、「遺族にどう償うか」と問われると、「私が死ぬ以外どうして償えますか。申し訳ないという気持ちはある。今すぐにでも死刑にしてください」と述べた。

筧被告の個別審理終了 青酸連続死、4事件全て : 京都新聞
【 2017年10月02日 13時41分 】

 京都府向日市などの高齢男性4人に青酸化合物を服用させたとされる連続事件で、殺人罪などに問われた筧千佐子被告(70)の裁判員裁判の第34回公判が2日、京都地裁(中川綾子裁判長)であった。内縁の夫だった日置稔さん=当時(75)、兵庫県伊丹市=への殺人罪の中間論告と中間弁論があり、起訴された4事件の個別審理は全て終了した。

 裁判は、殺人罪3件と強盗殺人未遂罪1件を個別に審理し、事件ごとに中間論告と中間弁論を実施した。5日に4件の遺族の意見陳述、10日に検察側から4事件全体の最終論告と求刑があり、11日に弁護側が最終弁論をして結審する。判決は11月7日。

 弁護側はこの日の弁論で、「被告は(認知症の影響で)被告人質問で同じ話を繰り返し、異なる理由を説明する」などとして訴訟能力を否定した。弁護側は責任能力や死因、動機なども争っており、全事件で無罪を主張している。


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