「北朝鮮人権侵害啓発週間」に断固反対します。
「啓発週間」だとかで、JR車内で吊り広告が出ている。一目見てぞっとした。
図案・内容は、ほぼ右記ポスターと同じ。→2017年度の啓発ポスター
初めはトンデモ右翼の扇動活動かと思った。よく見ても広告主が分からないのだ。気持ち悪い怪文書と同じである。それでウェブ検索してどうやら法務省が主体らしいと見当が付いた。
法務省のサイト:「法務省:北朝鮮当局による人権侵害問題に対する認識を深めましょう」
このキャンペーンはとんでもない差別・排外主義を体現したヘイトスピーチである。
私がそう考える理由は以下の通り。
1.北朝鮮による人権侵害の解決に何の役にも立たないこと。
2.人権侵害の具体的内容や何が人権侵害に当たるのかという本質的な啓発内容がなく、「北朝鮮」という主体を敵視し悪魔化する表現に終始していること。
この問題の解決に当たる主体は第一義的に政府である。法務省は外務省と共にその担当官庁である。それが、「国民が声を上げることが後押しになる」など、何をやる気のないことを言っているのか。安倍政権がこの期間まったく無為無策だったのは、国民の声(要求)が不足しているせいだと言うつもりなのか。
黒い背景に灰色で朝鮮半島を浮き上がらせ、北朝鮮領を赤く強調する表現は、北朝鮮を危険物と認識させようとしているとしか思えない。文面も「拉致問題その他の北朝鮮当局による人権侵害」とあるだけで、読み手が「人権侵害」の内容を知っていることを前提にして意識喚起を図るだけの内容しかない。これは到底人権侵害の理解を深める「啓発」とは言えない。このポスターから受けるメッセージは「北朝鮮は人さらいをする危険な国家だ」という以上のものではない。そして、この認識は北朝鮮に関係する人々への敵意に容易に転化する。
人権侵害啓発週間と称して他国・他国民そして在日朝鮮人への憎悪を煽る。途方もないえげつなさである。このような愚劣かつ非道なキャンペーンを継続している法務省が人権を守る官庁だとは到底信じられない。(実際、入管がらみでの虐待や死亡事故、代用監獄と冤罪、社会運動への弾圧など、枚挙に暇がないわけだが。そして、法務省内の職員の待遇ですら人権意識どころか順法精神すらない管理がなされていたりする。法務省なのに!)
そもそも、この問題は一にも二にも外交交渉なのであって、「国際シンポジウム」など開いている場合ではないのである。何をのんきにやっているだろうか。人の寿命が有限なのを知っているのか。実際、12月11日、曽我ひとみさんの夫、チャールズ・ジェンキンスさんが亡くなり、翌12日には増元るみ子さんの母信子さんが亡くなった。もう時間がないのだ。こんな調子では、国内向けに「やっています」アピールしかやっていないと言わざるを得ない、しかもヘイトを煽る最悪の方法で。
というわけで、私はこの「啓発週間」は直ちに中止すべきだと考えます。広告屋とJRに数千万から数億の金を使うぐらいなら、外交交渉の旅費と会場代にでもしたらどうか。
参考:安倍首相が横田早紀江さんの直訴の手紙を2年間、無視し続けていた! 政治利用の裏で拉致被害者家族への冷淡|LITERA/リテラ
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