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2018年2月の10件の記事

2018/02/27

旧日本軍の朝鮮人慰安婦虐殺:米軍撮影の映像資料が公開される。

旧日本軍の朝鮮人慰安婦虐殺 映像資料を初公開=ソウル大研究チーム(聯合ニュース, 2018/02/27 16:08)

【ソウル聯合ニュース】韓国・ソウル市とソウル大人権センターは27日、韓中日の専門家が出席して行われた旧日本軍の慰安婦問題に関する国際カンファレンスで、同軍による朝鮮人慰安婦の虐殺を証明する映像(https://youtu.be/DbmcBD2aN-k)を初公開した。

 約19秒のこの記録映像は、太平洋戦争で日本が敗戦する直前の1944年9月に中国・雲南省の騰衝で米中連合軍が撮影したもので、44年9月13日夜に日本軍が朝鮮人女性30人を銃殺したという内容の米中連合軍の文書を裏付ける記録だ。朝鮮人慰安婦が日本軍によって虐殺された後、1カ所に捨てられた様子が収められており、遺体を埋めに来たとみられる中国軍の兵士が遺体の靴下を脱がせる場面もとらえられている。

 米中連合軍は44年6月から中国とミャンマーの国境地帯にある雲南省の松山と騰衝の日本軍占領地に対して攻撃を開始した。同年9月7日に松山を、1週間後の14日には騰衝を陥落させた。当時、ここには日本軍に連れてこられた朝鮮人慰安婦70~80人がいた。

 映像が撮影された日時は騰衝の陥落翌日の同年9月15日だ。陥落当時、連合軍の捕虜となり生き残った23人を除く朝鮮人慰安婦の大部分は日本軍が虐殺したと推定される。

 敗戦が近付くと、日本の作戦参謀だった辻政信は松山・騰衝に駐屯していた日本軍に「支援兵力が到着する10月まで抵抗を続けよ」と事実上の玉砕(集団自決)命令を下した。ソウル大人権センターの鄭鎮星(チョン・ジンソン)教授率いる研究チームは、これを拒否した朝鮮人慰安婦らが一部の民間人とともに虐殺されたと明らかにした。

 日本軍によるこのような慰安婦虐殺は、連合軍も把握していた。研究チームは騰衝の陥落直前の9月13日夜、日本軍が朝鮮人女性30人を銃殺したと記録した連合軍の情報文書を発見・公開している。

 これまで旧日本軍が慰安婦を虐殺したという証言や記事などが公開されたことはあったが、虐殺現場を収めた映像が公開されたのは初めてだ。

 今回公開された映像は、ソウル大研究チームが2016年に発見した慰安婦虐殺現場の写真と同じ場所で撮影されたものと確認された。写真と映像の中の遺体の服装が同じで、写真の中の中国人兵士が映像にも登場する。

 研究チームは、戦時に米軍写真部隊の写真・映像撮影担当兵士が2人1組になって動いた点に注目し、映像を追跡した。写真があるということは必ず同じ場所で撮影した映像もあるとみて、米国立公文書記録管理局(NARA)に保管されている資料をしらみつぶしに探し、ばらばらになったフィルムの山を一つずつ確認した。

 昨年7月に研究チームが初めて公開した旧日本軍の慰安婦の映像も、このような過程を経て発見された。

 研究チームは、慰安婦が虐殺されたことを示す写真を発見した翌年の昨年に映像も探し出したが、すぐには公開できなかった。虐殺という敏感な問題であることから、分析の正確度を高めるため研究に時間をかけた。

 研究チームに所属する聖公会大のカン・サンヒョン教授は「日本政府が(旧)日本軍の慰安婦虐殺を否定している中、戦争末期に朝鮮人慰安婦が直面していた状況と実態を教えてくれる資料だ」と説明した。

 鄭教授は「慰安婦被害者の証言以降、世界のあちこちで埋もれていた資料が発掘されている」とし、「これらの資料が(被害者の)おばあさんの証言と驚くほど一致することを確認した」と述べた。

 研究チームの資料発掘を16年から支援してきたソウル市は「戦争中に女性を戦場に動員し、性的慰安の道具に使用し虐殺したようなことを再び繰り返してはならない」とし、「日本はこれを否定するのではなく、認めて謝罪しなければ再発を防ぐことはできない」と強調した。

 研究チームに所属する東国大のパク・ジョンエ研究教授は「日本が責任を認め、慰安婦問題について心からの謝罪をすべきだ」とし、「世界的に起こっている(セクハラを告発する)『Me too』や(告発した人を支持する)『With you』運動も結局は(旧)日本軍慰安婦問題とつながっている」と主張した。

 日本の植民地支配に抵抗して1919年に起きた三・一独立運動から99年となることを記念し、ソウル市庁で開かれたこの日の国際カンファレンスでは、韓中日3カ国の慰安婦問題専門家が各国が所蔵する関連資料の状況を共有し、協力策を議論した。

 日本からは、「女たちの戦争と平和資料館」 (wam)の事務局長で、90年代から女性の人権と戦時中の性暴力問題に積極的に声を上げてきた渡辺美奈氏が出席した。

ynhrm@yna.co.kr

掲載図1:米軍の写真兵が撮影した、日本軍による朝鮮人慰安婦虐殺の現場(ソウル市・ソウル大人権センター提供)=(聯合ニュース)魚拓
掲載図2:昨年7月に初公開された慰安婦の姿を収めた映像の一場面(ソウル市・ソウル大人権センター)=(聯合ニュース)魚拓

記事が指している映像:일본군에 의한 조선인 위안부 학살 - YouTube(日本軍による朝鮮人慰安婦虐殺)

騰衝県 - Google マップ

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シラスウナギは結構価格弾力的なのかな?という話。

共同通信記事みたい。
シラスウナギ:輸入激減 前期の8%、記録的高値、品薄に - 毎日新聞
2018年2月2日 15時53分(最終更新 2月2日 16時13分)

 国内の養殖池で育てるため、主要取引先の香港から輸入されたニホンウナギの稚魚「シラスウナギ」の量が2017年11、12月は前年同時期の92%減となり、単価は2.4倍の1キロ当たり300万円超に高騰していることが財務省の貿易統計から2日、明らかになった。アジア全域で極度の不漁に陥っていることが背景とみられる。国内の漁獲量も低迷しており、業界関係者は「ウナギの消費がピークを迎える今夏は、品薄と高騰が避けられそうにない」と話している。

 日本は毎年シラスウナギを輸入しており、香港からが大半を占める。貿易統計によると、今期の漁が始まった昨年11月と12月、香港から輸入されたシラスウナギは257キロで、16年の同期間の3398キロと比べ7.6%にとどまった。同様に不漁だった12年11、12月の645キロに比べてもかなり少ない。

 1キロ当たりの価格は約315万円と、16年の約133万円から大幅に上昇した。1キロ5000匹とされており、1匹では600円超という「ほとんど例のない高価格」(輸入業界関係者)だ。

 16年の同時期には、フィリピンからニホンウナギとは別種とみられる稚魚の輸入も216キロあったが、今期はゼロだ。

 国内の漁獲量が減っていることや、早めに稚魚を確保するため、日本はアジアの国や地域からシラスウナギを輸入している。多い時には年末の2カ月で5000~6000キロに上った。ほとんどが香港からだが、香港にウナギ漁は存在せず、輸出を禁じる台湾から違法に持ち出されたシラスウナギが香港経由で日本に向かうとみられている。

ことば「シラスウナギ」
 ウナギの稚魚の総称。ニホンウナギの場合、太平洋のグアム島周辺で生まれ、海流に乗って日本沿岸などに回遊、河川に上る直前のものをいう。色が透明に近いため、この名がある。国内で採捕したり、輸入したりしたシラスウナギを育てた養殖物が、日本のウナギ消費のほぼ全てを占める。今期の漁獲量は東アジア全域で前期の数%程度と低迷。乱獲や環境破壊による減少が目立つ一方、価格高騰で密漁や密輸を招いているとの指摘がある。(共同)

供給量が92%減って140%上がったので、単純に考えると弾力性は1.5くらい。まあ奢侈品ぽい。変動幅が極端なので弾力性概念を当てはめるのはちょっと無理がありそうだけれども。

この記事では、今夏もウナギ出荷価格が高騰しそうという声を伝えている。
先日、農水相が出したコメントでは、今夏は価格高騰しない、高騰が危ぶまれるのは来夏だ(なぜならシラスウナギは2年養殖だから)というのが政府見解になっていた。怪しい声明だと思って今夏の推移には注目したいと思っていたところ。

他方、読売新聞では、価格高騰は来夏が心配と言っていて、今夏の話はしていない。上記記事の3週間ほど後の記事。

ウナギ稚魚、前年の1割…歴史的不漁で高値に : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
2018年02月27日 09時00分

 ニホンウナギの稚魚「シラスウナギ」が深刻な不漁に陥っている。


 国内の養殖池に入れられた稚魚は1月末時点で前年同期の1割程度にとどまり、稚魚の取引価格は1キロ・グラムあたり300万円超と前年平均の約3倍の高値となっている。ウナギとして出荷される来年以降、品薄と値上がりは避けられそうにない。

 「今期はとにかくシラスウナギが取れない。漁場に足を運ばなくなった人もいる」。全国有数のウナギの産地、浜松市の天竜川白子うなぎ採捕組合の池田惇組合長(72)は、ため息交じりに嘆く。天竜川河口は稚魚の漁が盛んだが、今期の漁獲量は極端に少ない。

 国内のシラスウナギ漁は、11月から春までが漁期だ。国内に出回るウナギの大半は養殖もので、稚魚を養殖池で成魚に育てて、市場に出荷している。(ここまで334文字 / 残り505文字)

読売新聞は政府見解や保守派界隈に忠実なのでこの論調は理解できる。

ちなみに、農水省・水産庁は、先日も「漁はまだ始まったばかりで、これから増えるかもしれないから、まだ不漁とは言えない」とコメントしていた。漁期も終盤に入ったわけだが、さて。

それにしても、共同通信も読売新聞も「絶滅危惧」という話は一切出さない。これほどまで徹底して種の保存という考え方を避けるのは一体なぜなのだろう。

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Bullet Men, または「モルゲッソヨ(分からない)」:作者の深い意図を知って感心した話。

全く知らなかったのだけれど、感心したのでメモ。
日本では、この彫刻が韓国を差別し、嘲笑する対象になっていたらしい。愚かなことだ。この作者のインタビューを読むと、こうした人々がいかに矮小でみすぼらしいかが浮き彫りにされる。この人はこれらの日本人の精神の遙か先を行っている。藤田太郎記者のインタビュー。

平昌五輪の謎彫刻、狙いは何か モルゲッソヨの作者語る - 2018平昌オリンピック(ピョンチャンオリンピック)- 五輪特集:朝日新聞デジタル
2018年2月26日19時30分

 25日に閉幕した平昌五輪では、メディア施設近くに置かれた彫刻像がインターネット上で話題を呼んだ。正式名は「Bullet Men(弾丸マン)」だが、日本のスポーツ紙が取材した際、スタッフが「分かりません(モルゲッソヨ)」と返したことから、その名が定着してしまった。作品を手がけた本人はどのように受け止めているのだろうか。韓国人の彫刻家キム・ジヒョンさん(50)にインタビューした。

 ――この彫刻像が、男性器に見えると指摘する人がいます。

 「第一印象が男性器なのは否定できません。社会的な男性性、欲望の象徴です。男性のたくましい体の頭を覆うヘルメットの形は見ての通り、滑らかな弾丸のイメージと男性器を二重にイメージ化したものです。家父長的な文化で、男性中心的な社会を生きていかなければならないという意味で、武装の概念であるヘルメットを作り、その中には弱い人間の本性があることを表現したのです。美術史において裸は純粋な人間の本性を意味しますが、それが『弾丸マン』を、男性器を露出した裸にした理由でもあります」

 ――この作品を出した時、どんな反響がありましたか?

 「観客からの反応は、魅力的だけど見苦しいという反応がありました。私は欲望の殻を表現しただけなのに、世の中は依然としてタブー視する視線で裸の彫刻像を見ていることがわかりました。薄いパンツをはかせたこともあります」

人間の欲望とは?
 ――表現しようとした人間の欲望とは、どのようなものですか?

 「我々が夢見る隠されている男性的な欲望をあらわにすることでした。男性性はいろんなジェンダーが集まっている世の中で、自分も知らずに自分の体に覆われるものだと思います。女性も同じです。我々は現代を生きていく『欲望の塊』と言えるかも知れません。男性的な優越性(権力と欲望)と社会、経済的な成功など、内面の欲望を誇張して表したわけです」

 ――作品の構想を得たきっかけは?男性器をテーマにした作品は以前にもあったのでしょうか?

 「2008年の個展で初めて発表しました。翌年の別の個展で、欲望によりさらに巨大化した『弾丸マン』を彫刻(台座を含めて4・5メートル)で発表しました。私たちは欲望を満たすために武装して世の中に、社会に出ていきますが、結局自ら見えない境界を作り、硬直した暮らしをするしかありません。欲望の神殿に立たせる神像が必要でした。大学時代、授業で裸のモデルを勉強したことはありますが、男性器をテーマにした活動はしていません」

なぜ平昌に置かれた?
 ――平昌にはどのような経緯で置くことになったのですか?また、なぜ3体に増えたのですか?

 「2013年の平昌ビエンナーレに選ばれ、展示後に江原道文化財団が購入して、現在の場所に置かれました。彫刻像は『私を含めた私たち』という概念で、3体ではなく、10体や100体にもなり得るという意図を込めています」

 ――キムさんの作品は、どのような経験やルーツから生まれたのですか?

 「『人間とは何なのか』『私たちはどこに立っているのか』という実存的な問いが信念になっています。2001年に米国留学に行きました。同時多発テロが起きた時、ニューヨークのマンハッタンにいて、ツインタワーからおびただしい煙が立ち上がるのを目にしました。交通もまひし、歩いて橋を渡って帰宅しました。隣に住んでいた韓国人がテロで夫を亡くし、数日後にはブッシュ大統領(当時)が報復攻撃を始め、また何の罪もない多くの犠牲者が出ました。当時、新たな文化に適応しなければならなかった身で、『なぜここにいるのか?人間とは何なのか?平和とは?』など、答えの見つからない問いかけが始まりました」

日本での反応に思うこと
 ――日本ではインターネット上で話題になり、二次創作も生まれています。

 「ある意味で興味深く思っています。こんなにも反応があるとは予想しませんでした。SNSが発達した今日、多様な反応が出てくるのは当たり前なことです。作家にとって作品の意図を完全に読み取ってもらえれば最高ですが、かと言って作家の意図通りに見てもらうよう強制するわけにはいきません。多様な反応が出るのはむしろいいことで、わいせつな解釈をする人はそんな見方でしか見られない人ですし、その裏にある弱い人間の本性を読み取れる人はそこまで考えられる人だと思います。うわべだけではなく、作品の流れを理解していただきたいとは思います」

 ――「誤解されている」と感じる部分はありますか?本当に考えてもらいたいことは何なのでしょうか?

 「この作品は、自分自身を強く批判する内容です。『分からない(モルゲッソヨ)』という言葉が皮肉なことに、現代人が直面している状況を物語っているという気がしました。自分の欲望が何なのか知らないまま生きているのではないか、という気もします。ある意味で『モルゲッソヨ』は適切な作品名かもしれません。『弾丸マン』は美化された暴力と欲望をあらわにしています。ところが、その内面には弱い人間の本性が存在します。武装しているけれど、実際には一寸先も見ることができない弱い人間なのです」

 ――日本の人々に伝えたいことはありますか?

 「慰安婦像の横に『弾丸マン』を置いた嫌な画像も見ました。もし、その弾丸マンが自分自身だとすればどんな気持ちになるか、一度考えてほしいです。私たちは、家庭で、小さいコミュニティーで、自分が所属している社会で、自分たちを守るためにフェンスを立てて、さらには暴力と偏見で武装して、他人を排斥しながら生きています。昔、自分たちが行った過ちを反省することがそんなに難しいのか。男性的、または社会的権威に大きな傷がつくのか。問いたいと思います」

 ――韓国には、第2次世界大戦や朝鮮戦争などの「弾丸」、経済成長や通貨危機などの「富」を考えさせる歴史があります。影響は受けていますか?

 「最初から歴史的、社会的なテーマに注目して作業したわけではありません。むしろその反対です。韓国や日本は依然として家父長的で、男性中心的な社会文化システムに慣れて生きています。真の人間性の問題意識のないまま、与えられた社会・政治・文化的なイデオロギーの中を過ごさなければなりません。実は、私の父は植民地時代、日本に強制徴用されました。朝鮮戦争当時は、北朝鮮軍として参戦し、その体制が嫌で捕虜として南に残り、その後は韓国の軍隊に入隊し、悲運の時代を生きました。北朝鮮に残した家族(娘たち)への思いを抱いたまま、亡くなりました。私の父の世代はこうした激変する時代の暴力の犠牲になってきました。こうした経験から、社会、文化、政治的な現象に批判的な目を持つようになったように思います」

 ――五輪には「より速く、より高く、より強く」という理念があります。「弾丸マン」はこの理念に共鳴するものでしょうか?

 「五輪に向けて作った作品ではないので、言うことはありません。ただ、国単位の競争を見て、本当に公正な競争とは何なのかを考えます。勝者には賛辞を、敗者にはその労苦に対する慰めの言葉を贈ることが真の平和な競争だと思います。作品と関連させると、私たち現代人は、他人より優越すべきなのか?支配すべきなのか?などを考えてみるべきだと思います」

     ◇

 キム・ジヒョン 1968年、韓国・江原道出身。幼い時から創作が好きだった。86年、ソウル大学美術大彫塑(ちょうそ)科に進学。その後同大学院へ。2001年から米国留学。日本でも個展を開いたことがある。(藤田太郎)


掲載図1:平昌のメディア施設前に置かれている「弾丸マン」の彫刻像=韓国・平昌魚拓
掲載図2:「弾丸マン」を制作した韓国人彫刻家のキム・ジヒョンさん=本人提供魚拓
掲載図3:平昌五輪のメディア施設前に置かれている「弾丸マン」の彫刻像=韓国・平昌魚拓
掲載図4:平昌五輪のメディア施設前に置かれている「弾丸マン」の彫刻像=韓国・平昌魚拓

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2018/02/22

「働き方改革」の怪しさが分かる記事。朝日:時々刻々から

朝日新聞の力が入った記事。上西充子氏のツイートで知った。

ネットがあるから既存メディアは用無しだという意見をしばしば目にするが、この水準を維持して継続的に報じる機能は依然として既存メディアの独壇場だ。実力ある記者が専門分野を掘り下げて取材し続ける場を維持できているのは現状では既存メディアしかない。

(時時刻刻)首相、問われる答弁姿勢 「裁量労働、一般より長く労働」 説明受けるも触れず:朝日新聞デジタル
2018年2月21日05時00分

 安倍晋三首相肝いりの「働き方改革」に、改めて疑問符がついた。20日の衆院予算委員会では、関連法案作成に関わる厚生労働省の労働政策審議会に説明不十分な調査データが示されていたことが発覚。首相は、自ら撤回した裁量労働制に関する答弁の責任を同省に押しつける姿勢を示した。法案の正当性だけでなく、首相の姿勢も問われる事態になりつつある。

 裁量労働制で働く人の労働時間は、一般労働者より長くなるのか、短くなるのか――。

 20日の衆院予算委では、首相が裁量労働制で働く人の方が一般労働者より労働時間が長いという調査結果を知りながら、1月29日の衆院予算委で触れなかったことが明らかになった。

 首相は1月29日、裁量労働制で働く人の労働時間について、厚労省のデータをもとに「平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもある」と述べた。後に撤回することになったものの、裁量労働制で働く人の方が労働時間が短いと受け取られかねない答弁だった。

 ところが、首相は20日、1月29日朝に答弁を準備する中、裁量労働制で働く人の方が一般労働者より労働時間が長いとする独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の調査結果について説明を受けたと明らかにした。この調査結果については、首相はその日の答弁で触れなかった。

 20日の衆院予算委では、希望の党の山井和則氏が機構の調査について質問した。首相は「裁量労働制が適用されることで、適用前より労働時間が長くなることを示したものではない」と反論。山井氏は「ひどい」と不満をあらわにし、「裁量労働制の方が短い時はそのことしか答弁せず、裁量労働制の方が長いというデータしかなくなったらその調査は不十分な点があると(言う)。裁量労働制の方が労働時間が長いということは不都合なのか」と指摘した。

 一方、立憲民主党の長妻昭代表代行は、働き方改革関連法案の作成過程に疑問をぶつけた。「労働政策審議会に示したデータも非常に問題がある。(調査手法について)全然説明がなく、委員の先生は分からない」

 長妻氏が問題視したのは、厚労省が2013年10月に労政審に示した「労働時間等総合実態調査」。裁量労働制で働く人の労働時間や一般労働者の残業時間などを調べたもので、国会への提出が検討されていた労働基準法改正案を審議する労政審の委員に参考にしてもらうためだった。

 この調査では、一般労働者の「平均的な人」の1週間の残業時間を、注釈をつけずに「平均2時間47分」と記載していたが、これは1カ月のうち残業時間が「最長の1週間」を集計した値だった。

 これは、首相が撤回した答弁の根拠になった、一般労働者と裁量労働制で働く人の1日の労働時間を比べたデータと同様の手法で集計した数字だ。調査結果の意味が伝わっていなければ、メンバーの議論の役に立たなかったとも言える。

 (米谷陽一)

 ■データの責任「厚労省」

 20日の衆院予算委。厚労省が19日に、不適切に比べたデータを使った首相答弁だったことを認めてから初めて、安倍首相が国会審議に臨んだ。野党は首相に批判の矛先を向けた。

 「データを知らないで答弁したのか」「答弁は虚偽だったということでいいか」。立憲の長妻氏が矢継ぎ早に質問を浴びせると、首相はこう答えた。「担当大臣は厚労大臣だ」

 首相はさらに「すべて私が詳細を把握しているわけではない」「答弁は厚労省から上がってくるわけで、それを私は参考にして答弁した」などと述べ、こうしたデータを出した責任は厚労省にあるとの認識を示した。

 首相の姿勢を、長妻氏は「無責任だ」と批判。裁量労働制の対象を広げるためにあえて都合の良いデータを作らせたのではないかという疑念もぶつけた。首相は「私や私のスタッフから指示を行ったことはない」と強調し、首相官邸側の関与を否定した。

 国会審議で、首相の答弁はどのように作られるのか。

 首相が出席して国政全般を議論する予算委は、午前9時から計7時間開かれるケースが多い。首相は午前7時ごろには官邸に入り、首相秘書官らと答弁に向けた勉強会に臨む。答弁案は国会議員から前日までに出された質問通告を受け、各省庁の担当部局が作成。首相秘書官が修正し、首相に渡す仕組みだ。

 「(質問は全部で)100問近いので、一つの質問に2分ぐらいしか時間をかけられない」「一つ一つの資料を正しいか確認しろなんてことはあり得ない」「役所から上がってきた資料については、ある程度信頼して答えざるを得ない」

 首相はこの日の衆院予算委で、こうした事情に理解を求めた。自民党の森山裕国会対策委員長は20日、記者団に「厚労省から上がってきた資料を信頼して国会の答弁に使われるのは当然のことだ。首相がすべてを点検するということはあり得ない」とかばった。

 だが、政府のトップである首相が自身の国会答弁の責任を役所に押しつける姿勢には疑問の声も上がっている。そもそも通常国会を「働き方改革国会」として関連法案の成立を最大のテーマに位置づけたのは、首相自身だ。

 希望の党の玉木雄一郎代表は20日の記者会見で「首相も含めて深刻に考えてもらわないといけない」と指摘し、こう続けた。「(データが)役所から上がってきたときに『本当にそうかな』と思う感覚がないことが問題だ」

 (中崎太郎、清宮涼)

 ■<解説>裁量労働制拡大にお墨付き 労政審、政権方針を「追認」

 「すでに労政審で議論しており、その中では、労働時間などについての資料も含めて審議をしたと了解をしている」。安倍首相は20日の衆院予算委で、野党が求める法案の撤回や調査のやり直しを、こう言って突っぱねた。裁量労働制の拡大については労政審のお墨付きをもらっているから修正の必要はない――。これが政府の言い分だ。

 裁量労働制の拡大は、経済界が要求していた規制緩和の一つ。13年6月に閣議決定された「日本再興戦略」に盛り込まれたものだ。12年12月に発足した第2次安倍政権は当時、「世界で一番企業が活躍しやすい国」をぶち上げた。労政審の議論は13年秋から始まったが、政権の方針はその前から決まっていた。このため、当時の議論は結論ありきで進んでいた。

 労政審は厚生労働相の諮問機関。有識者と労使の代表らで構成される。労働政策は政府だけが決めるのでなく、労働者側、経営者側の代表を加えた「3者構成」で決めるという国際労働機関(ILO)の原則にのっとった組織だ。

 労働法制を大きく変える時は通常、厚労省が必要に応じた調査を実施し、専門家が考え方を整理する。労政審では、その考え方を前提に議論が進む。たとえば13年4月に施行された改正労働契約法のときは、こうした手順を踏んでいる。

 政府は労政審のお墨付きを盾に、裁量労働制を巡る不適切データ問題の幕引きを図る構えだが、安倍政権の労働政策は、産業競争力会議や規制改革会議(当時)など官邸主導の会議が先に方針を決めることが目立つ。こうした会議には労働組合の中央組織の連合は加わっていない。働き方改革実現会議には連合の神津里季生会長が加わったが、官邸主導の会議である点は変わらない。

 裁量労働制の拡大も、年収が高い専門職を労働時間規制から外す高度プロフェッショナル制度の創設も、事実上、政権が決めた結論を労政審が追認した格好になっている。自ら形骸化を進めてきた労政審を盾に、政権が法案の正当性を主張するのは説得力を欠く。

 (編集委員・沢路毅彦)

掲載図1:安倍首相の20日の発言魚拓
掲載図2:労働政策審議会の形骸化が進んでいる魚拓

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2018/02/20

クウェートでのフィリピン人労働者虐待問題、比政府が就労目的での渡航禁止と余波

虐待か無職か フィリピン人出稼ぎ労働者に突き付けられる究極の選択 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News
2018年2月20日 10:07 発信地:マニラ/フィリピン

【2月20日 AFP】クウェートでメイドとして働いていたフィリピン人女性が殺害された事件をきっかけに、同国で家事労働をしていた多数の女性たちがフィリピンの首都マニラに相次いで帰国している。彼女のたちの多くは雇用主による虐待や暴力を経験しているが、それでも再び国外で働くリスクを負う覚悟をしている。自国の家族を養う必要性が、時として劣悪な環境やクウェート警察の目をかいくぐりながら生活することの危険性を上回っているからだ。

 富裕国クウェートで5年近く働いたというマリッサ・ダロット(Marissa Dalot)さん(40)は、「雇用主の母親に暴力を振るわれました。厚底の靴で殴られ、体にあざができましたが、それでもとどまりました」と語った。

「子どもたちが学校に通っている間は、帰国せずに働き続けたかったんです」と話すダロットさんは、結局先週末に帰国することに決めた。

 国外で働くフィリピン人労働者は約1000万人。その職業はさまざまだが、中央銀行によると彼らが国に送金した金額は去年だけで計280億ドル(約3兆円)を上回り、フィリピン経済の屋台骨となっている。

 クウェートで家事労働をする人々の環境をめぐる問題は、フィリピン人のジョアンナ・デマフェリス(Joanna Demafelis)さんが遺体となって冷凍庫から発見されたことによって浮き彫りにされた。

 激怒したフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は、アラブ人らは雇ったフィリピン人女性らを日常的にレイプし、毎日21時間働かせ、残飯を食べさせていると非難した。

 クウェートで働くフィリピン人労働者は約25万2000人。多くはメイドとして雇われており、虐待や搾取が横行しているという報告もある。

 ドゥテルテ大統領は、自国民に対して、就労を目的としたクウェートへの渡航を禁止した。すでに同地で就労している労働者を法的に保護する手立ては、現在閣僚らが検討している。また、クウェートからの出国を希望する家事労働者には無料の航空券を手配している。

■「つらい生活待っていても国外で働きたい」

 先週末に帰国したミシェル・オベデンシオ(Michelle Obedencio)さん(34)も、雇用主から暴力を受けた一人だ。雇用主の下で2年耐えた後に逃げ出し、労働許可のないまま美容室で働いた。警察の目を逃れながらの不法就労だったが、労働環境は改善したという。

 オベデンシオさんはAFPの取材に対して、6年の間に経験した国外でのつらい生活とリスクを鑑みても、機会があればまた出稼ぎに出ると話した。

「もしここ(フィリピン)で安定した仕事が見つからず、国外で私を雇ってくれる人がいるとしたら、私は戻るつもりです。学校に通っている子どもが3人いて、一番上は大学で勉強しています。夫は無職なので、私が国外に出る努力をしないといけません。クウェートでなくてもいいんです」

 フィリピン政府によると、今回の本国帰還プログラムによってこれまでに約1700人が帰国している。その一部は、クウェート政府が2月22日までに帰国する不法就労者は罪に問わないという方針を発表したことで、帰国を決断したという。

 しかし多くの労働者はほぼ身一つで帰って来た。AFPがマニラで取材した女性の多くは、貯金は全くないと語った。何人かの月収はわずか80クウェート・ディナール(約2万8000円)ほどで、それらは全て家族の家計と教育費のために本国に送金されていた。

■スキル要する技術職でもフィリピンでは月収10万円

 政府の資料によると、フィリピンでは、コンピューターエンジニアのようにスキルを必要とする仕事でも4万9300ペソ(約10万円)ほどの月収しか得られない。そのため労働者らは自国では得られない額の給料に魅力を感じている。

 出稼ぎ労働者らは経済に貢献するため、国を支える英雄としてたたえられる。その一方で、彼らが他国の出稼ぎ先で受ける虐待は、頻繁に政治問題として議題に上がる。

 ロレザ・タグル(Loreza Tagle)さん(37)は、クウェートでは雇用主から超過労働を強いられ、食べ物を十分に与えてもらえなかったと語る。彼女はフィリピンで待つ4人の子どもと、収入が少ない夫を支えるため、5年間、レストランで不法就労していた。

 しかし帰国してからの先の見えない将来の話をすると、タグルさんの目にはみるみる涙がたまっていった。

「仕事が見つかる保証もなく帰国するのは本当に恐ろしい。クウェートでは何があっても、たとえ警察に捕まる可能性があっても、何かしら仕事はありました。ここは、そんな心配はないかもしれないけれど、その代わり無職になるかもしれないんです」(c)AFP/Mynardo MACARAIG

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2018/02/19

太陽光発電のコストが下がっているという記事

太陽光の発電コストは20年までに半減 化石燃料下回る  :日本経済新聞(2018/1/17 6:00)

 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、2010年から現在までに太陽光発電のコストが73%、陸上の風力発電のコストが約25%下落したとの調査結果を2018年1月13日に発表した。同機関は、太陽光発電のコストが2020年までに2017年比で半減する可能性があると見込む。

 IRENAがアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開催した第8回総会で公開した調査報告書「再生可能エネルギーの2017年の発電コスト」によるもの。

 陸上風力と太陽光のグローバル加重平均コストは、過去12カ月間でkWh当たりそれぞれ6セントと同10セントまで下落しており、最近の入札結果からも今後のプロジェクトではこれらの平均コストを大幅に下回る公算が大きいとしている。

 現在、陸上風力発電のコストは4セント/kWh程度で商業運転を開始することが普通になってきたという。

 化石燃料による火力発電では、発電コストがkWh当たり5~17セントの範囲にある。バイオマス、地熱、水力など、太陽光と風力以外の再生可能エネルギーによる発電プロジェクトでも、過去12カ月間で化石燃料による発電コストと比較して遜色ないレベルとする。

 IRENAは、2019年までに陸上風力と太陽光のいずれでも、優良なプロジェクトでは発電コストがkWh当たり3セント以下となり、現在の化石燃料による発電コストを大幅に下回ると見込む。

 このようなコスト低減が可能となった要因としてIRENAは、継続的な技術の進展に加えて、競争入札などの調達の増加や、豊富な開発実績を持ちグローバル市場で競い合う中~大規模のプロジェクト開発事業者が数多く台頭してきたことなどを指摘している。

 IRENAのアドナン・アミン事務局長は、「これらの動きは、エネルギー分野で重大なパラダイム転換が起きていることを示している。さまざまな発電技術におけるコスト下落はかつてない規模であり、再エネが世界のエネルギーシステムにもたらしている破壊的な変革の1つだ」と述べている。

(日経BP総研 クリーンテック研究所 大場淳一)

[日経テクノロジーオンライン 2018年1月16日掲載]

世界の太陽光コストは2020年までに半減、化石燃料を下回る水準に - スマートジャパン(2018年01月22日 07時00分)

 世界150カ国以上が加盟するIRENA(国際再生可能エネルギー機関:International Renewable Energy Agency)は、2018年1月13日に再生可能エネルギー電源のコスト動向をまとめた報告書「Renewable Power Generation Costs in 2017(再生可能エネルギーの2017年の発電コスト)」を公表した。2010年から現在までの約7年間で、太陽光発電のコストは73%、陸上風力発電のコストは約25%低下しており、再生可能エネルギーは着実に競争力のある電源になりつつあるとした。

 2017年の世界における太陽光発電の加重平均による均等化発電原価(LCOE)は10セント/kWh(キロワット時)、陸上風力発電は6セント/kWh、水力発電は5セント/kWh、バイオマスおよび地熱発電は7セント/kWhだったと試算した。

 IRENAによると、2017年のG20諸国の化石燃料を利用する電源の発電コストは5〜17セント/kWhと推定されている。このことからも、再生可能エネルギーの発電コストは、化石燃料を利用する電源と比較しても遜色ないレベルまで下がっている。

太陽光は2020年までにさらに半減
 報告書では、太陽光発電については、さらに2020年までにコストが半減する見通しだという。さらに、陸上風力発電も同年までに5セント/kWhまで下落するとしている。

 こうした予測を支える要因の1つとなっているのが、2017年に世界で非常に低価格で応札された太陽光・風力発電プロジェクトが複数登場したからだ。太陽光、風力ともに発電コストが3セント/kWhを下回る事例が生まれている。

 こうしたグローバルな競争入札の拡大の他、技術革新のさらなる進展、中~大規模の開発事業者の台頭などが、さならるコストの低下を推し進める。こうした影響によって、IRENAは2020年には太陽光発電と陸上風力発電の優良な案件については、3セント以下の発電コストが主流になると予測。つまり、化石燃料を利用する電源の発電コストを下回るという試算だ。

2年前の記事。
太陽光・風力発電のコストが急速に低下、海外で単価3円を切る電力の契約も (1/3) - スマートジャパン(2016年12月12日 09時00分)
ここに挙げられている事例。

ペルーでは2016年2月に144MW(メガワット)の太陽光発電の電力を1kWhあたり4.8セント(約5.3円)で契約
ドバイでは2016年5月に800MWの太陽光発電の電力を2.99セント/kWh(約3.3円)で契約
アブダビでは2016年9月に350MW超の太陽光発電の電力を2.42セント/kWh(約2.7円)で契約
デンマークの電力会社が2016年6月にオランダ沖の洋上風力発電の電力を1kWhあたり8セント(約9円)で契約
スウェーデンの電力会社が2016年9月にデンマーク沖の洋上風力発電の電力を6セント/kWh(約7円)で契約
同じスウェーデンの電力会社が2016年11月にデンマーク沖の600MWの洋上風力発電の電力を49.9ユーロ/1000kWh(約6円/kWh)で契約
「陸上風力の発電コストが半減した(図6)。1kWhあたりのコストは8.3セント(約9円)まで下がって、石炭火力と同程度になり、天然ガス火力よりも安くなっている。」
「いまや海外では再生可能エネルギーの発電コストが火力や原子力よりも低くなって、主力の電源に位置づけられるようになってきた」とのこと。

半年前の記事。
太陽光発電がコスト低下で躍進へ、将来最安の選択肢にも - Bloomberg(2017年7月5日 11:29 JST)
「太陽光発電のコストは低下が続いており、今や多くの地域で石炭火力発電を下回っている。10年もしないうちに、ほぼすべての場所で風力や天然ガスを下回る、最もコストの安い選択肢になる公算が大きい」
「多くの電力会社は、気候変動対策に対する政治家の意欲が高まっていることから、価格面の優位性に欠けていたとしても、二酸化炭素を排出しないエネルギー源の重要性は高まるとみる。多くの場所では、太陽光発電を巡る論点は、補助金で太陽光発電を育成するべきか否かという点から、太陽光発電の利用者は送電網の維持費用をどの程度負担するべきかなど、かつては末端の問題とみなされていた論点に移っている」とのこと。

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天皇教の一事例

「天皇陛下をひざまずかせるとは」「誰か止めるやつはいなかったのか」「天皇陛下がひざまずいているのに、被災者があぐらをかいて迎えるなんて何事だ」。両陛下の訪問後、町役場には報道を見た人から批判や怒りの電話が相次いだ。
「ひざまずいた」のでなくて「膝をついた」んだけど、そうは思えなかったんだろう。

ちょっと面白いのは、93年の奥尻島では批判電話がかかってきたのに、95年の神戸市にはそうした反応がなかったということ。別の記事では86年の三原山噴火の避難民を慰問したときには既に天皇夫妻が膝をついていたとのことなので、それを畏れ多いとする人はそれほど多くはないのだろう。奥尻島の場合には、絵柄として被災者が横柄に見える形で報道されたということかもしれない。尊い存在が下賤の民を慰問する姿に尊崇の念を強める一方で、その慈愛への感謝が不十分な被災者には怒りを抱き、抗議までする人がいる。それを配慮して、恭しくお迎えしているような絵作りで報道すれば、そうした態度が天皇への接し方のマナーとして流布することになるだろう。

ところで、全然関係ないんだけど、仮に自分が被災したところに天皇が慰問に来たとして、嬉しいと感じるだろうか。自問してみたけれど、なんとも微妙で対応に困りそうだ。知人や身内なら感情的つながりもあるし、今後の相談など話すこともある。役所や政治家の人なら、いろいろな手続きや見通しなどの話も出来る。でも天皇に来てもらってもなあ、何の話をしていいか分からない。いや、お見舞いはありがたいんですよ、それは誰に来てもらってもありがたい。でも何というか、何の関係もない(よく知らない)有名人が突然お見舞いに来てくれても、「はい、ありがとうございます……」ぐらいしか言えない感じがする。せいぜい記念写真を撮って後の話題にするぐらいだろうか。でも天皇の場合はたぶん一緒に記念写真とかダメそうな気がするから握手してもらうぐらいかな。

「陛下をひざまずかせるとは」被災の島に批判が相次いだ:朝日新聞デジタル
2017年11月21日05時05分

 ■「天皇をひざまずかせるとは」。両陛下の訪問後、町に批判の電話が相次いだ。
 北海道南西沖地震から16日目の1993年7月27日、奥尻島・青苗地区。津波と火災になめ尽くされ、家の残骸やつぶれた車などが広がる現場に、天皇、皇后両陛下が現れた。
 「いまだに一人も見つかっていません」。親類の一家7人が行方不明という女性の言葉に天皇陛下は絶句した。皇后さまは子どもらの肩を抱くようにして「大丈夫でしたか。お友だちのためにも頑張って」と話しかけた。
 奥尻空港で被害状況の説明を受けた両陛下は車で青苗地区に向かう途中、空港近くの仮設住宅に立ち寄った。皇后さまは「ご苦労さまです。工事をされている方ですか。頑張って下さい」と励ました。
 移動中、特別養護老人ホーム「おくしり荘」の前で出迎えた車いすなどのお年寄りを見つけると両陛下は車から降り、芝生を横切って歩み寄り、声をかけた。同行職員が「そろそろ時間です」と声をかけたが、皇后さまは「大丈夫ですか」と一人一人を励ました。
 避難所の青苗中学校体育館(当時)で天皇陛下はひざをつき、「どうぞ元気で」などと声をかけた。震災後、対岸の江差町内の檜山支庁(当時)から奥尻町役場に応援に入り、体育館の外から様子を見守った渡部和正(わたなべかずまさ)さん(69)は衝撃を受けた。天皇陛下はそんなことをするもんじゃないと思っていたからだ。
 「天皇陛下をひざまずかせるとは」「誰か止めるやつはいなかったのか」「天皇陛下がひざまずいているのに、被災者があぐらをかいて迎えるなんて何事だ」。両陛下の訪問後、町役場には報道を見た人から批判や怒りの電話が相次いだ。町職員だった竹田彰(たけだあきら)さん(64)は十数件に対応した。「両陛下の優しい思いやりから出た自然な行動」「町が頼んだわけでもなく、両陛下に意図はない」などと説明に追われ、仕事もままならなかった。
 だが95年に両陛下が阪神大震災の被災地を見舞った後に竹田さんが神戸市職員に聞いたところ、陛下がひざをついたことへのクレームは市に一件も寄せられなかったという。「当たり前の行動として国民に受け入れられるようになったのでは。陛下の被災地に対する思いが伝わったんだろう」(多田晃子)
 (No.371)

 ◆てんでんこ 互いにちゃんと避難する。そんな相互信頼の日常的な醸成も新たな意味に。

ひざをつく両陛下、被災者と同じ目線 まず皇后陛下から:朝日新聞デジタル
2017年12月6日05時10分

 「皇室と震災」シリーズをこの週で終えるにあたり、天皇、皇后両陛下が築き上げてきた被災地訪問のスタイルやその意義について、改めて考えてみたい。
 まず、両陛下が被災者の前でひざをついて語りかける姿について。象徴天皇制を研究する河西秀哉(かわにしひでや)・神戸女学院大准教授(40)や瀬畑源(せばたはじめ)・長野県短大准教授(41)、森暢平(もりようへい)・成城大教授(53)はテレビ番組や新聞記事を皇太子夫妻時代からさかのぼって調べた。
 たとえば皇太子明仁さまが1959年10月、天皇の名代として伊勢湾台風の被災地を訪れた際は、座っている被災者に、自身は立ったままで話しかけている。一方、皇太子妃美智子さまは、結婚後間もない62年に九州を訪れた際、宮崎や鹿児島の児童施設で子どもが横たわるベッドにかがみ込んだり、ひざをついたりして子どもたちに語りかけていた。
 結婚後27年の86年11月になると、姿勢に変化がみられる。今連載第3部初回でも紹介した通り、伊豆大島三原山噴火で東京都心に集団避難中の島民を慰問した際、ご夫妻でひざをつき、被災者と同じ目の高さで話した。91年の雲仙普賢岳のときの姿勢とほぼ同様だ。
 「皇太子は最初は人々との接し方に距離感があったが、美智子妃の姿を間近で見て、次第にその意識を変化させていったのではないか」と河西さんは推測する。
 ひざをつく姿勢は、昭和天皇にはなかったものだ。原武史(はらたけし)・放送大教授(55)は「昭和天皇は国民を抽象的な『臣民』ととらえていた。明仁天皇は自らひざをつき、国民一人ひとりと1対1で向き合った」と指摘する。
 皇后さまの姿勢の原点は、どこにあるのか。河西さんは「聖心女子大で学んだキリスト教主義的思考や、皇室がもともと持つ慈恵主義的な意識とともに、静養中からかかわるようになった精神科医の神谷美恵子(かみやみえこ)の影響があるのでは」と指摘する。神谷医師は、国立ハンセン病療養所長島愛生園(岡山県)の精神科医長を務めた。美智子皇太子妃が流産などで体調を崩した際、田島道治(たじまみちじ)・元宮内庁長官の勧めで60年代半ばから7年間ほど、お住まいの東宮御所に相談相手として通った。
 神谷医師からハンセン病の話を聞いたことがきっかけで、お二人は68年から国内各地のハンセン病療養所訪問を始め、2014年、全国14園の訪問を達成している。(北野隆一)
 (No.382)
掲載図:「鹿児島市の児童養護施設で子どもに声をかける美智子さまと、立って職員と話す皇太子明仁さま=1962年5月8日、朝日新聞社撮影」(略)

連載記事一覧 てんでんこ 皇室と震災 第3部:朝日新聞デジタル

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2018/02/18

兵庫県、文科省の通知を受け、朝鮮学校補助金を減額。

県:18年度一般会計当初予算案(その2止) 県政150年で事業続々 /兵庫 - 毎日新聞
毎日新聞2018年2月16日 地方版(兵庫)

兵庫県をヨイショする毎日新聞。同じ面にある神戸空港を賞賛する記事とともに非常に気持ち悪い。

神戸空港:きょう開港12周年 旅客増、年間300万人超も /兵庫 - 毎日新聞

その中に、朝鮮学校への補助金を前年比37%も減らすという記事があった。

朝鮮学校補助金、減額へ
 県は15日、2018年度当初予算案で、県内6校の朝鮮学校への補助金を3割強減額すると発表した。文部科学省が16年3月に朝鮮学校を認可している都道府県に補助金交付の公益性などを検討するよう求めた通知を受け、交付基準を見直した。

 県は外国人学校への補助金を学校運営分と教育充実分に区分。教育充実分は主要科目で日本の検定教科書を使用することなどが条件で、従来から朝鮮学校には交付していなかった。今回、文科省の通知を受け、教育充実分の補助金全体に占める割合を8分の1から2分の1に増額。この結果、朝鮮学校への補助金は18年度4600万円と前年度より2700万円減った。県は「今回の措置をしても、朝鮮学校の生徒1人当たりの補助金額は、外国人学校の全国平均を上回っている」と説明している。

記事では文科省の通知を受けての措置だと明記されている。
この大きな記事は、読むと分かるとおり、情報源はほぼ完全に兵庫県庁だ。その中で「文科省の通知を受けて」と書かれている。

ところが、文科省は16年当時、次のように「釈明」していた。

朝鮮学校補助金:「停止や減額促す意図はない」文科相釈明 - 毎日新聞
2016年9月2日 21時03分(最終更新 9月2日 21時03分)

 朝鮮学校に対する自治体独自の補助金の支出状況を文部科学省が調査していることについて、松野博一文科相は2日の閣議後記者会見で「毎年実施している外国人学校への補助金の調査の一環として進めている。朝鮮学校への補助金を停止、減額するよう促すような意図を持つものではない」と説明した。

 朝鮮学校への補助金を巡っては今年3月、当時の馳浩文科相が、朝鮮学校を認可している28都道府県に、公益性や透明性のある執行などを求める異例の通知を出した。北朝鮮の拉致問題への対応などを理由に、自民党が補助金停止を求めていた。

 文科省は通知を受けた自治体の対応を確認するため、8月9日付で、今年度の補助金の支出状況や住民への情報提供などに関する調査を実施。8月末までの回答を求めたが、まだ一部の自治体しか回答していないという。

 松野氏は調査結果の公表について「検討中」とした。文科省の一連の対応が「補助金の停止を求めていると受け取られかねない」との指摘には「そういった懸念がもし地方にあるとすれば、趣旨を適切に伝えていきたい」と述べた。【佐々木洋】

文科省の通知を理由に補助金を減額するのは文科省の趣旨に反するそうだから、兵庫県はただちに措置を見直すべきだ。

兵庫県が朝鮮学校への補助金を減らしたのは今回が初めてではなく、もう何年も続いている。2011年度は1億3211万2千円が交付されていたのと比べると3分の1近くにまで減っている。ものすごい減らし方である。近年になって朝鮮人差別が苛烈さを増してきていること、政府の姿勢がそれを後押ししている様子がうかがえる。

ところで、上記の毎日新聞記事の説明文にはよく分からないところがある。補助の区分と補助率の関係の所だ。

些末と言っていいことかもしれないが、差別や迫害は動機やホンネを剥き出しにせず、一見もっともらしく、穏やかな形をとって行われるものだ。「モリカケ」問題で役所が見せた忖度の技術と同様だ。だから、役所がどんな理屈や手段で朝鮮学校への迫害を正当化しているのかを知りたいと思っている。もっとも、理屈や技術がどうあれ、実態として朝鮮学校の狙い撃ちが起きている以上、理屈や技術の細部に拘泥しても大した意味はないのではあるけれど。

それにしても朝鮮学校からは何年も減額を重ねた上にさらに2700万円を削り、県庁舎の復刻をするのに3600万円を計上するそうだ。情けない限りである。

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県:18年度一般会計当初予算案(その2止) 県政150年で事業続々 /兵庫 - 毎日新聞
毎日新聞2018年2月16日 地方版(兵庫)

初代県庁を復元
 150年前の兵庫県設置当初に神戸市兵庫区に置かれた県庁を復元するための基本設計費などとして、3628万円を盛り込んだ。2019年度着工、20年度の完成を目指す。

 初代県庁は1868年7月12日、現在の県南部に点在した江戸幕府領を県域として県が発足した際、江戸幕府の勤番所(幕府領を治める役所)を代用した。約4カ月使用され、初代県知事だった伊藤博文も執務した。

 復元されるのは勤番所や官舎に当たる同心屋敷や土蔵などで、敷地面積は約2000平方メートル。復元場所は初代県庁所在地に近い神戸市兵庫区のイオンモール神戸南の南側が有力だ。総事業費は約3億円程度と見込まれ、別に県の歴史や文化を体感できる県政資料館(仮称)の基本構想も策定する。

中小製造業、IoTで支援
 人手不足の中小製造業に、あらゆる機器をインターネットでつなぐIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、ロボット導入を支援する。システム開発費用の2分の1(上限500万円)の補助事業などがあり、神戸市とも連携。事業費は9600万円。

 県内でもIoT活用を試みる企業は出始めている。従業員が機械を見回る手間を省こうと、機械にセンサーを付けて稼働状況や故障の兆しをコンピューターに送信して一元管理したり、従業員にもタグをつけて勤務管理を自動化したりするケースがあるという。

 県の新産業創造研究機構(NIRO)にAI、IoT、ロボット導入の相談窓口も設置。導入希望企業とIT企業をマッチングする商談会も年2回開催する。

2高校で遠隔授業導入

 過疎地域の小規模な県立高校での授業充実を目指し、テレビ会議方式による「遠隔授業」を、宍粟市の千種高と朝来市の和田山高の間で導入する。少子化で高校の小規模化が進む中、統廃合以外の選択肢を研究する。事業費は570万円。

 教室に100インチのパネル2枚を設置。ビデオで互いの様子を送信し授業する。生徒にタブレット端末も配布。教材や学習プリントも端末でやりとりすることも試みる。

 千種高は1学年1クラスで、和田山高は1学年3クラス。千種高校は中学からの持ち上がりがほとんどで、多様な生徒との交流の効果を期待しているという。全国では宮崎県の山間部の高校と島根県の離島の高校が遠隔授業で交流し、文化の違いを学んだケースもあり、県教委も他県との交流学習も実施する方針。

暴力団対策、強化を推進 県警
 県警関連の来年度当初予算案は総額1365億円(前年度比0・7%増)。暴力団事務所撤去の推進のほか、大規模災害対策として731万円を盛り込んだ。一部交番や駐在所などにスコップやのこぎり、ジャッキといった災害時の救出活動に使う道具をそろえる。

 他の新規事業では、交通取り締まり強化に向けた移動式の速度違反取り締まり装置の導入(2160万円)▽全国初の女性儀仗(ぎじょう)隊の創設(140万円)▽画像などデータ解析捜査の高度化(934万円)--などを計上する。【目野創】

朝鮮学校補助金、減額へ
 県は15日、2018年度当初予算案で、県内6校の朝鮮学校への補助金を3割強減額すると発表した。文部科学省が16年3月に朝鮮学校を認可している都道府県に補助金交付の公益性などを検討するよう求めた通知を受け、交付基準を見直した。

 県は外国人学校への補助金を学校運営分と教育充実分に区分。教育充実分は主要科目で日本の検定教科書を使用することなどが条件で、従来から朝鮮学校には交付していなかった。今回、文科省の通知を受け、教育充実分の補助金全体に占める割合を8分の1から2分の1に増額。この結果、朝鮮学校への補助金は18年度4600万円と前年度より2700万円減った。県は「今回の措置をしても、朝鮮学校の生徒1人当たりの補助金額は、外国人学校の全国平均を上回っている」と説明している。

県政150周年の記念事業(抜粋)
 ▽県内全域の県立美術館・博物館・人と防災未来センターなど9施設を、県が誕生した7月12日から16日までの5日間無料で開放。<89万円>

 ▽但馬地域で観光・文化関連の職業教育を行う専門職大学の基本計画策定に向けた調査やシンポジウム、学生確保に向けたイベント開催。但馬、淡路両地域での専門職大学開設準備委員会の設置。<1015万円>

 ▽「みなとこうべ海上花火大会」の打ち上げ数を昨年の神戸港開港150年記念と同じ1万5000発(例年の1.5倍)に拡大。<3000万円>

 ▽人と防災未来センターの展示改修を検討する委員会設置<100万円>

 ▽有馬富士公園(三田市)内で、造形作家・新宮晋さんの風車13基を設置した「風のミュージアム」を活用。子どもが自然に親しめるプログラムを実施しながら、新宮さんとリニューアル構想を検討<1260万円>

 ▽甲山森林公園(西宮市)の正面広場を芝生広場に改修するとともに駐車場(25台分)も整備して、「子育て支援型公園」としてリニューアル<6434万円>

 ▽県産日本酒をPRするため、“五国”の酒蔵の日本酒を詰め合わせた「五国の酒蔵日本酒セット」のパッケージをデザイン。参加する酒類販売事業者を募り、パッケージ生産費用の半額を補助<90万円>

 ▽大阪から鳥取駅までしか直通列車が運行されていないJR山陰線で、鳥取駅より西の米子駅(鳥取県)と城崎温泉駅の間で貸し切りの観光列車を運行。需要を調査し、直通運転区間の拡大や増便に結びつける<640万円>

〔神戸版〕


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神戸空港:きょう開港12周年 旅客増、年間300万人超も /兵庫 - 毎日新聞
2018年2月16日 地方版
 神戸空港(神戸市中央区)は16日で開港12周年を迎える。旅客数は引き続き好調で、2017年度は開港後最高だった3年目の07年度(297万人)を超え、300万人の大台に到達する勢いだ。開港前から紆余(うよ)曲折が続いた同空港だが、“上昇気流”に乗った状態で、4月には市から民間事業者に引き継がれる。久元喜造市長は「市民の間でも今も賛否のある中、関係者の努力で旅客数が近年順調に回復した。感無量の思いだ」と12年間を振り返った。【栗田亨】

 神戸空港の17年度の旅客数は1月現在、254万人と前年同期比32万人増で、搭乗率も78・5%と過去最高だった16年度(77・4%)を超えている。このままいけば、16年度の旅客数(272万人)を上回ることは確実で、今年4月から経営を引き継ぐ、関西・伊丹両空港を運営する関西エアポートの子会社「関西エアポート神戸」が22年度の目標として掲げた300万人を超える見通しだ。

 旅客数の増加は、15年秋から休止していた仙台便が昨年7月に復活し、1日30往復の発着枠がほぼ埋まったことや、那覇、長崎便などの好調ぶりが押し上げている。市空港事業部は「定時運航が向上したことや、観光客増などが要因」と分析している。

 神戸空港の運営権売却(コンセッション)手続きは昨年9月、市が関西エアポート神戸に42年間の運営権を移管する実施契約を締結。今年4月からの開始を目指し、1月後半から空港業務の引き継ぎ作業が本格化している。また、運営権の移管に伴い、神戸空港管理事務所所属の市職員の一部が関西エアポート神戸に出向し、滑走路管理業務の引き継ぎにあたる。市は、空港ターミナルビルを管理する第三セクター、神戸空港ターミナルからビルの所有権を3月末に39億円で取得。ビル管理業務を関西エアポート側に委ねる。

〔神戸版〕

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朝鮮学校補助金:3県が予算化後、不交付 文科省通知で 16年度 - 毎日新聞
2017年4月13日 東京朝刊

 朝鮮学校への補助金を巡り、文部科学省が昨年3月に「透明性」などを求める通知を出したのを受け、茨城、三重、和歌山の3県が昨年度の予算に計上した補助金を交付しなかったことが分かった。今年度は3県と群馬県が初めて予算計上を見送った。自治体に権限がある補助金に関する異例の通知について、文科省は「停止、減額を促す意図はない」と説明していたが、自治体の判断に影響を与えた。【水戸健一、金秀蓮、鈴木敦子】

 日本の幼稚園と小中高に当たる朝鮮学校は、28都道府県に休校中も含め66校(昨年5月時点、文科省調べ)ある。学校教育法で「各種学校」と位置付けられ、自治体はインターナショナルスクールなどと同様に「外国人学校」の一つとして運営費や交流事業費の名目で補助金を出す制度を設けている。

 毎日新聞が各都道府県に取材したところ、昨年度は18道府県が予算に補助金を計上し、13道府県が交付を決めた。交付を見送った5県のうち、茨城は橋本昌知事が2月、文科省の通知に加え、北朝鮮の弾道ミサイルの発射など日本の安全を脅かす行為が続いていることを理由に約160万円を交付しないと表明した。三重、和歌山は「通知を重く受け止めた」などとして、300万円と235万円の交付をやめた。栃木、新潟は通知とは関係なく、交付の前提となる財務の健全性などを確認できないことが理由だった。

 通知を受け、以前より慎重に交付を検討した県もある。岐阜は関係者へのヒアリングなど朝鮮学校の検査を強化し、3月末になって交付を決めた。滋賀も小学校にあたる初級学校の検査に朝鮮語の分かる担当者を同行させ、肖像画を掲げていないことなど、北朝鮮の現体制を礼賛する教育が行われていないことを確認して交付した。

 今年度は14道府県が予算計上した。群馬は予算編成時に昨年度分の交付を巡る調査が続いていたため見送り、学校側に教科書に拉致問題を記載するなどの交付条件を課した。

専門家「公平性欠く」
 補助金が打ち切られた朝鮮学校の関係者からは、再開を求める声が上がっている。

 今年度の予算計上を見送った群馬県にある群馬朝鮮初中級学校の児童の母親(43)は「自分のルーツを知ってほしいと思って通わせている。北朝鮮の現体制を支持しているわけではない」と強調する。

 別の母親(42)も「指導者を礼賛する歌を音楽の授業で扱うこともない。親子ともに日本で生まれ、私はこの国に貢献したいと思って働いているのに、朝鮮学校が北朝鮮のスパイを養成しているかのように言われて悔しい」と話す。

 茨城朝鮮初中高級学校の尹太吉(ユンテギル)校長は「政治や外交の問題など、教育とは関係のない理由で補助金が打ち切られた。国の意向に沿って県が判断をしたことが残念」と語った。

 名古屋大学の中嶋哲彦教授(教育行政学)は「学校教育における政治的中立の確保が通知の目的なら、補助金を受けているすべての学校を対象にすべきだ。朝鮮学校を攻撃する意図が透けて見え、行政として公平性を欠いている。国の一方的な通知に対して、補助金支給の権限がある地方自治体は必ずしも従う必要はない」と指摘している。

 ■ことば

朝鮮学校への補助金交付に関する通知
 馳浩文部科学相(当時)名で昨年3月29日、朝鮮学校の設置を認可する28都道府県に出された。北朝鮮と密接な関係がある朝鮮総連が、朝鮮学校の教育内容や人事、財政に影響を及ぼしているとして▽補助金の公益性や教育振興上の効果の検討▽補助金の趣旨や目的に沿った適正かつ透明性のある執行の確保--を求めた。

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2018/02/15

詐術と苦悩

この国政を許しているのは本土の我々。

・国の補助金依存の地域経済
・基地問題に一切触れない与党候補
・与党候補が当選した後、民意は基地移設賛成だと発言する首相

内閣は基地移設に抵抗する自治体への補助金カットを続けている。

もう見慣れたものではあるが、こうした論法が政治不信を生んでいる。しかしその政治不信が野党への投票や政治参加に向かわず棄権や浮動票に流れ、与党を利する構図になっている。でたらめをやればやるほど支持が盤石になるという構図。

名護市長選 与党、熾烈な“総力戦”の裏側|日テレNEWS24
2018年2月5日 20:16

アメリカ軍普天間基地の移設の是非が争点となっていた沖縄県の名護市長選挙で、政府・与党が支援した渡具知武豊氏が現職を破って勝利した。移設推進を目指して総力戦で臨んだ政府・与党、その熾烈な選挙戦の裏側を取材した。

     ◇

4日に行われた名護市長選挙で、自民党などが推薦した渡具知氏が現職の稲嶺市長を破った。普天間基地の辺野古への移設を進めたい安倍政権と、移設阻止を掲げる翁長知事の“代理戦争”。与党系の市長誕生は8年ぶりだ。

政府・与党が総力を挙げて臨んだ今回の選挙。選挙戦で繰り返し強調したのは「与党系の候補が勝てば、地元経済は良くなる」という点だった。与党側はこの激戦をどう制したのだろうか。

◆投票後に回される“紙”の正体は─

先週、名護市内の投票所には、期日前の投票をするため多くの有権者が訪れていた。さらに日没後には、仕事帰りだろうか、作業着を着たまま投票に訪れた男性たちの姿が。投票を終えるとまっすぐ帰るのではなく、1枚の紙を回している。

彼らが持っていた紙は、名前や住所が書かれた名簿。“絆の会”と書かれている。

──“絆の会”というのは何?

「分からないです」

──人数を集約している?

「自分もよく分からないけど、名前を書いてます」

その中の1人は、地元でアメリカ軍基地の建設工事に携わっているという。

──名簿を書いていたが、あれはどういうもの?

「あれは、同じ派の“人数集め”というか…」

──会社で票の取りまとめをする?

「この期日前(投票)が終わった時に、開票前に(会社に)全部出して、最初に票をあらかじめ計算する」

この名簿は、建設会社に勤める人たちが与党系の渡具知氏に投票したことを確認・報告するためのものだった。選挙戦中、応援に入った自民党議員の1人は「党本部の指示で地元の業界団体に票集めを徹底させている」と話す。

◆公共事業に依存する地元経済の実態も

国による大規模な公共事業が進む名護市。こうした事業に地元経済が依存している実態もある。

渡具知氏も選挙戦でこの点を徹底的に訴えた。

渡具知武豊氏(先月22日)「政府としっかり協議をし、ありとあらゆる予算を獲得するために自ら汗をかき、そして、名護市民のために使っていくんです」

一方で、名護市の辺野古沖で建設が進むアメリカ軍の基地問題には一言も触れない。そして先月31日、自民党が投入したこの人も─

自民党・小泉進次郎議員「子供たちの未来のために何をやるかという政策論争が、一番大事なんじゃないですか」

この日、3か所で行った演説で、基地問題に触れることはほとんどなかった。

◆基地建設反対の現職・稲嶺氏は

一方、辺野古への基地移設に反対する稲嶺氏。

稲嶺進氏「相手の予定候補(渡具知氏)は辺野古の“へ”の字も出てきません。変な話です」

稲嶺氏の選挙ビラを見せてもらうと、基地移設反対を見開きで訴えていた。市内でそのビラを一軒一軒配り歩いている人たちを見つけた。

京都から応援に来た共産党員「僕は共産党です。全都道府県から応援をする。負けられへんさかい、ほんまに」

今回、共産党など野党側が稲嶺氏を全面的に支援。しかし、政府・与党を挙げての攻勢には及ばなかった。

翁長沖縄県知事(5日午後)「(移設反対の)県民の民意というのは、生きているということは当然」

◆秋には県知事選挙が…移設は?

秋に行われる県知事選挙に向けて勢いづく政府・与党。

安倍首相「基地問題については、市民のみなさまのご理解を頂きながら、最高裁の判決に従って進めていきたい」

有権者の理解は得られたとして、名護市へのアメリカ軍基地の移設を着実に進める構えだ。

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2018/02/14

朝鮮人追悼碑の更新不許可は違法 前橋地裁、県の裁量権逸脱認める - 共同通信

朝鮮人追悼碑の更新不許可は違法 前橋地裁、県の裁量権逸脱認める - 共同通信
2018/2/14 18:44

 群馬県高崎市の県立公園にある朝鮮人労働者の追悼碑の設置期間更新を県が許可しなかったのは違法として、管理する市民団体が不許可処分の取り消しを求めた訴訟の判決で、前橋地裁(塩田直也裁判長)は14日、「裁量権の逸脱があった」と認め処分を取り消した。

 原告側が年に1度、碑の前で開いた式典で、出席者が戦時中の朝鮮人動員を「強制連行」と述べたことなどが、建立許可の際に県が付けた「政治的行事を行わない」との条件に違反するかどうかが主な争点だった。判決は一部式典が条件違反と認めたが、憩いの場としての公園の役割は失われなかったとして「裁量権の逸脱があり違法」と結論付けた。

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