兵庫県、文科省の通知を受け、朝鮮学校補助金を減額。
県:18年度一般会計当初予算案(その2止) 県政150年で事業続々 /兵庫 - 毎日新聞
毎日新聞2018年2月16日 地方版(兵庫)
兵庫県をヨイショする毎日新聞。同じ面にある神戸空港を賞賛する記事とともに非常に気持ち悪い。
神戸空港:きょう開港12周年 旅客増、年間300万人超も /兵庫 - 毎日新聞
その中に、朝鮮学校への補助金を前年比37%も減らすという記事があった。
朝鮮学校補助金、減額へ記事では文科省の通知を受けての措置だと明記されている。
県は15日、2018年度当初予算案で、県内6校の朝鮮学校への補助金を3割強減額すると発表した。文部科学省が16年3月に朝鮮学校を認可している都道府県に補助金交付の公益性などを検討するよう求めた通知を受け、交付基準を見直した。県は外国人学校への補助金を学校運営分と教育充実分に区分。教育充実分は主要科目で日本の検定教科書を使用することなどが条件で、従来から朝鮮学校には交付していなかった。今回、文科省の通知を受け、教育充実分の補助金全体に占める割合を8分の1から2分の1に増額。この結果、朝鮮学校への補助金は18年度4600万円と前年度より2700万円減った。県は「今回の措置をしても、朝鮮学校の生徒1人当たりの補助金額は、外国人学校の全国平均を上回っている」と説明している。
この大きな記事は、読むと分かるとおり、情報源はほぼ完全に兵庫県庁だ。その中で「文科省の通知を受けて」と書かれている。
ところが、文科省は16年当時、次のように「釈明」していた。
朝鮮学校補助金:「停止や減額促す意図はない」文科相釈明 - 毎日新聞
2016年9月2日 21時03分(最終更新 9月2日 21時03分)
朝鮮学校に対する自治体独自の補助金の支出状況を文部科学省が調査していることについて、松野博一文科相は2日の閣議後記者会見で「毎年実施している外国人学校への補助金の調査の一環として進めている。朝鮮学校への補助金を停止、減額するよう促すような意図を持つものではない」と説明した。朝鮮学校への補助金を巡っては今年3月、当時の馳浩文科相が、朝鮮学校を認可している28都道府県に、公益性や透明性のある執行などを求める異例の通知を出した。北朝鮮の拉致問題への対応などを理由に、自民党が補助金停止を求めていた。
文科省は通知を受けた自治体の対応を確認するため、8月9日付で、今年度の補助金の支出状況や住民への情報提供などに関する調査を実施。8月末までの回答を求めたが、まだ一部の自治体しか回答していないという。
松野氏は調査結果の公表について「検討中」とした。文科省の一連の対応が「補助金の停止を求めていると受け取られかねない」との指摘には「そういった懸念がもし地方にあるとすれば、趣旨を適切に伝えていきたい」と述べた。【佐々木洋】
文科省の通知を理由に補助金を減額するのは文科省の趣旨に反するそうだから、兵庫県はただちに措置を見直すべきだ。
兵庫県が朝鮮学校への補助金を減らしたのは今回が初めてではなく、もう何年も続いている。2011年度は1億3211万2千円が交付されていたのと比べると3分の1近くにまで減っている。ものすごい減らし方である。近年になって朝鮮人差別が苛烈さを増してきていること、政府の姿勢がそれを後押ししている様子がうかがえる。
ところで、上記の毎日新聞記事の説明文にはよく分からないところがある。補助の区分と補助率の関係の所だ。
些末と言っていいことかもしれないが、差別や迫害は動機やホンネを剥き出しにせず、一見もっともらしく、穏やかな形をとって行われるものだ。「モリカケ」問題で役所が見せた忖度の技術と同様だ。だから、役所がどんな理屈や手段で朝鮮学校への迫害を正当化しているのかを知りたいと思っている。もっとも、理屈や技術がどうあれ、実態として朝鮮学校の狙い撃ちが起きている以上、理屈や技術の細部に拘泥しても大した意味はないのではあるけれど。
それにしても朝鮮学校からは何年も減額を重ねた上にさらに2700万円を削り、県庁舎の復刻をするのに3600万円を計上するそうだ。情けない限りである。
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県:18年度一般会計当初予算案(その2止) 県政150年で事業続々 /兵庫 - 毎日新聞
毎日新聞2018年2月16日 地方版(兵庫)
初代県庁を復元
150年前の兵庫県設置当初に神戸市兵庫区に置かれた県庁を復元するための基本設計費などとして、3628万円を盛り込んだ。2019年度着工、20年度の完成を目指す。初代県庁は1868年7月12日、現在の県南部に点在した江戸幕府領を県域として県が発足した際、江戸幕府の勤番所(幕府領を治める役所)を代用した。約4カ月使用され、初代県知事だった伊藤博文も執務した。
復元されるのは勤番所や官舎に当たる同心屋敷や土蔵などで、敷地面積は約2000平方メートル。復元場所は初代県庁所在地に近い神戸市兵庫区のイオンモール神戸南の南側が有力だ。総事業費は約3億円程度と見込まれ、別に県の歴史や文化を体感できる県政資料館(仮称)の基本構想も策定する。
中小製造業、IoTで支援
人手不足の中小製造業に、あらゆる機器をインターネットでつなぐIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、ロボット導入を支援する。システム開発費用の2分の1(上限500万円)の補助事業などがあり、神戸市とも連携。事業費は9600万円。県内でもIoT活用を試みる企業は出始めている。従業員が機械を見回る手間を省こうと、機械にセンサーを付けて稼働状況や故障の兆しをコンピューターに送信して一元管理したり、従業員にもタグをつけて勤務管理を自動化したりするケースがあるという。
県の新産業創造研究機構(NIRO)にAI、IoT、ロボット導入の相談窓口も設置。導入希望企業とIT企業をマッチングする商談会も年2回開催する。
2高校で遠隔授業導入
過疎地域の小規模な県立高校での授業充実を目指し、テレビ会議方式による「遠隔授業」を、宍粟市の千種高と朝来市の和田山高の間で導入する。少子化で高校の小規模化が進む中、統廃合以外の選択肢を研究する。事業費は570万円。
教室に100インチのパネル2枚を設置。ビデオで互いの様子を送信し授業する。生徒にタブレット端末も配布。教材や学習プリントも端末でやりとりすることも試みる。
千種高は1学年1クラスで、和田山高は1学年3クラス。千種高校は中学からの持ち上がりがほとんどで、多様な生徒との交流の効果を期待しているという。全国では宮崎県の山間部の高校と島根県の離島の高校が遠隔授業で交流し、文化の違いを学んだケースもあり、県教委も他県との交流学習も実施する方針。
暴力団対策、強化を推進 県警
県警関連の来年度当初予算案は総額1365億円(前年度比0・7%増)。暴力団事務所撤去の推進のほか、大規模災害対策として731万円を盛り込んだ。一部交番や駐在所などにスコップやのこぎり、ジャッキといった災害時の救出活動に使う道具をそろえる。他の新規事業では、交通取り締まり強化に向けた移動式の速度違反取り締まり装置の導入(2160万円)▽全国初の女性儀仗(ぎじょう)隊の創設(140万円)▽画像などデータ解析捜査の高度化(934万円)--などを計上する。【目野創】
朝鮮学校補助金、減額へ
県は15日、2018年度当初予算案で、県内6校の朝鮮学校への補助金を3割強減額すると発表した。文部科学省が16年3月に朝鮮学校を認可している都道府県に補助金交付の公益性などを検討するよう求めた通知を受け、交付基準を見直した。県は外国人学校への補助金を学校運営分と教育充実分に区分。教育充実分は主要科目で日本の検定教科書を使用することなどが条件で、従来から朝鮮学校には交付していなかった。今回、文科省の通知を受け、教育充実分の補助金全体に占める割合を8分の1から2分の1に増額。この結果、朝鮮学校への補助金は18年度4600万円と前年度より2700万円減った。県は「今回の措置をしても、朝鮮学校の生徒1人当たりの補助金額は、外国人学校の全国平均を上回っている」と説明している。
県政150周年の記念事業(抜粋)
▽県内全域の県立美術館・博物館・人と防災未来センターなど9施設を、県が誕生した7月12日から16日までの5日間無料で開放。<89万円>▽但馬地域で観光・文化関連の職業教育を行う専門職大学の基本計画策定に向けた調査やシンポジウム、学生確保に向けたイベント開催。但馬、淡路両地域での専門職大学開設準備委員会の設置。<1015万円>
▽「みなとこうべ海上花火大会」の打ち上げ数を昨年の神戸港開港150年記念と同じ1万5000発(例年の1.5倍)に拡大。<3000万円>
▽人と防災未来センターの展示改修を検討する委員会設置<100万円>
▽有馬富士公園(三田市)内で、造形作家・新宮晋さんの風車13基を設置した「風のミュージアム」を活用。子どもが自然に親しめるプログラムを実施しながら、新宮さんとリニューアル構想を検討<1260万円>
▽甲山森林公園(西宮市)の正面広場を芝生広場に改修するとともに駐車場(25台分)も整備して、「子育て支援型公園」としてリニューアル<6434万円>
▽県産日本酒をPRするため、“五国”の酒蔵の日本酒を詰め合わせた「五国の酒蔵日本酒セット」のパッケージをデザイン。参加する酒類販売事業者を募り、パッケージ生産費用の半額を補助<90万円>
▽大阪から鳥取駅までしか直通列車が運行されていないJR山陰線で、鳥取駅より西の米子駅(鳥取県)と城崎温泉駅の間で貸し切りの観光列車を運行。需要を調査し、直通運転区間の拡大や増便に結びつける<640万円>
〔神戸版〕
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神戸空港:きょう開港12周年 旅客増、年間300万人超も /兵庫 - 毎日新聞
2018年2月16日 地方版
神戸空港(神戸市中央区)は16日で開港12周年を迎える。旅客数は引き続き好調で、2017年度は開港後最高だった3年目の07年度(297万人)を超え、300万人の大台に到達する勢いだ。開港前から紆余(うよ)曲折が続いた同空港だが、“上昇気流”に乗った状態で、4月には市から民間事業者に引き継がれる。久元喜造市長は「市民の間でも今も賛否のある中、関係者の努力で旅客数が近年順調に回復した。感無量の思いだ」と12年間を振り返った。【栗田亨】神戸空港の17年度の旅客数は1月現在、254万人と前年同期比32万人増で、搭乗率も78・5%と過去最高だった16年度(77・4%)を超えている。このままいけば、16年度の旅客数(272万人)を上回ることは確実で、今年4月から経営を引き継ぐ、関西・伊丹両空港を運営する関西エアポートの子会社「関西エアポート神戸」が22年度の目標として掲げた300万人を超える見通しだ。
旅客数の増加は、15年秋から休止していた仙台便が昨年7月に復活し、1日30往復の発着枠がほぼ埋まったことや、那覇、長崎便などの好調ぶりが押し上げている。市空港事業部は「定時運航が向上したことや、観光客増などが要因」と分析している。
神戸空港の運営権売却(コンセッション)手続きは昨年9月、市が関西エアポート神戸に42年間の運営権を移管する実施契約を締結。今年4月からの開始を目指し、1月後半から空港業務の引き継ぎ作業が本格化している。また、運営権の移管に伴い、神戸空港管理事務所所属の市職員の一部が関西エアポート神戸に出向し、滑走路管理業務の引き継ぎにあたる。市は、空港ターミナルビルを管理する第三セクター、神戸空港ターミナルからビルの所有権を3月末に39億円で取得。ビル管理業務を関西エアポート側に委ねる。
〔神戸版〕
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朝鮮学校補助金:3県が予算化後、不交付 文科省通知で 16年度 - 毎日新聞
2017年4月13日 東京朝刊
朝鮮学校への補助金を巡り、文部科学省が昨年3月に「透明性」などを求める通知を出したのを受け、茨城、三重、和歌山の3県が昨年度の予算に計上した補助金を交付しなかったことが分かった。今年度は3県と群馬県が初めて予算計上を見送った。自治体に権限がある補助金に関する異例の通知について、文科省は「停止、減額を促す意図はない」と説明していたが、自治体の判断に影響を与えた。【水戸健一、金秀蓮、鈴木敦子】日本の幼稚園と小中高に当たる朝鮮学校は、28都道府県に休校中も含め66校(昨年5月時点、文科省調べ)ある。学校教育法で「各種学校」と位置付けられ、自治体はインターナショナルスクールなどと同様に「外国人学校」の一つとして運営費や交流事業費の名目で補助金を出す制度を設けている。
毎日新聞が各都道府県に取材したところ、昨年度は18道府県が予算に補助金を計上し、13道府県が交付を決めた。交付を見送った5県のうち、茨城は橋本昌知事が2月、文科省の通知に加え、北朝鮮の弾道ミサイルの発射など日本の安全を脅かす行為が続いていることを理由に約160万円を交付しないと表明した。三重、和歌山は「通知を重く受け止めた」などとして、300万円と235万円の交付をやめた。栃木、新潟は通知とは関係なく、交付の前提となる財務の健全性などを確認できないことが理由だった。
通知を受け、以前より慎重に交付を検討した県もある。岐阜は関係者へのヒアリングなど朝鮮学校の検査を強化し、3月末になって交付を決めた。滋賀も小学校にあたる初級学校の検査に朝鮮語の分かる担当者を同行させ、肖像画を掲げていないことなど、北朝鮮の現体制を礼賛する教育が行われていないことを確認して交付した。
今年度は14道府県が予算計上した。群馬は予算編成時に昨年度分の交付を巡る調査が続いていたため見送り、学校側に教科書に拉致問題を記載するなどの交付条件を課した。
専門家「公平性欠く」
補助金が打ち切られた朝鮮学校の関係者からは、再開を求める声が上がっている。今年度の予算計上を見送った群馬県にある群馬朝鮮初中級学校の児童の母親(43)は「自分のルーツを知ってほしいと思って通わせている。北朝鮮の現体制を支持しているわけではない」と強調する。
別の母親(42)も「指導者を礼賛する歌を音楽の授業で扱うこともない。親子ともに日本で生まれ、私はこの国に貢献したいと思って働いているのに、朝鮮学校が北朝鮮のスパイを養成しているかのように言われて悔しい」と話す。
茨城朝鮮初中高級学校の尹太吉(ユンテギル)校長は「政治や外交の問題など、教育とは関係のない理由で補助金が打ち切られた。国の意向に沿って県が判断をしたことが残念」と語った。
名古屋大学の中嶋哲彦教授(教育行政学)は「学校教育における政治的中立の確保が通知の目的なら、補助金を受けているすべての学校を対象にすべきだ。朝鮮学校を攻撃する意図が透けて見え、行政として公平性を欠いている。国の一方的な通知に対して、補助金支給の権限がある地方自治体は必ずしも従う必要はない」と指摘している。
■ことば
朝鮮学校への補助金交付に関する通知
馳浩文部科学相(当時)名で昨年3月29日、朝鮮学校の設置を認可する28都道府県に出された。北朝鮮と密接な関係がある朝鮮総連が、朝鮮学校の教育内容や人事、財政に影響を及ぼしているとして▽補助金の公益性や教育振興上の効果の検討▽補助金の趣旨や目的に沿った適正かつ透明性のある執行の確保--を求めた。
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