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2018/05/20

部活動、生徒が教師と交渉し顧問契約を結ぶ。生徒指導部でなく生徒支援部を置く高校

部活動「指導」より「支援」を 横浜の高校、教研集会で報告|【西日本新聞】
2018年05月15日 20時00分

安倍首相が「ニッキョーソ、ニッキョーソ」と野党議員を野次り、「愛国者」の人々が日本人を堕落させるコミンテルンの手先として目の敵にする日教組。
しかしその日教組は毎年教育研究集会を開き、よりよい教育と学校運営を目指して熱心に意見交換する団体だ。こういう真面目な姿を多くの人々に知ってもらいたいと思う。

生徒が顧問選び契約各種行事も自主運営

 目からうろこの部活動の姿だった。静岡市で2月にあった教育研究全国集会(教研集会)。「生徒の自主性」などがテーマになった分科会で、神奈川県立希望ケ丘高校(横浜市)の先生はこんな発表をした。

   ◇   ◇

 〈部活動の顧問は、学校がお膳立てするのではなく、生徒が先生と交渉して決める。学校対応で納得がいかないことには、生徒が「公開質問状」を提出し、学校全体で話し合う〉

 先生たちの負担要因の一つになっている部活動。各部の生徒たちは毎年、顧問になってもらいたい先生と直接交渉し、約束事や条件を決める。「家庭の事情で土日の練習は見られない」と先生が言えば「じゃあ練習は平日だけにしよう」と折り合ったりするのだという。

 「顧問一人では荷が重い」という場合は、複数の先生と顧問契約を交わすことも可能で、8人の顧問がいる部活動もある。先生には「拒否権」もあり、契約は1年単位で更新。顧問が決まらなければ廃部という原則のため、生徒たちは必死に条件や活動内容を考え、交渉する。

 発表したのは駒村吉則教諭(58)。顧問を務めるラグビー部では、部費の管理や会計処理、用具の注文購入、活動届けなどの書類提出も全て生徒がこなしているそうだ。

 学校・先生中心ではなく、あくまで生徒同士の話し合い、生徒と先生の話し合いで運営していることに、私ばかりでなく、他校の先生たちからも驚きの声が上がった。

   ◇   ◇

 同校は1897年、神奈川県初の旧制中学校として創立された進学校でもある。東大安田講堂で学生と機動隊が激突した1969年、この高校でも生徒たちが声を上げ、生徒心得(校則)と制服が廃止された。「自律自制」を校訓とする。

 部活動に加え文化祭、合唱祭、球技大会なども、生徒が企画運営する。先生たちは「生徒指導部」ではなく、「生徒支援部」(8人)を置き、支援に徹しているという。

 合唱祭では、生徒たちが話し合い、書類提出が遅れたクラスには「ペナルティー」として、減点するルールに。行事運営のルールは「むしろ先生が決めるより厳しい」という。

 2009年には校舎の耐震補修工事をめぐり「仮設のプレパブ校舎を建てる場所が納得いかない」との質問状が生徒から提出され、校長が翌週の全校集会で説明したそうだ。

   ◇   ◇

 この取り組みの評価は分かれた。

 生徒の自主・主体性を尊重する運営を評価する声が多かったが「全ての学校で同じようにできるとは思えない」「教師の指導者意識が低くなるのでは」との声もあった。つまり進学校だからできると。

 駒村教諭は「私たち教師は、生徒にできることまで、やり過ぎているんじゃないかな。(教師が)言いたい、やりたいことを我慢し、生徒にやらせてみることが大切だと思う。学校に生徒がいるのではなく、生徒がいるから学校があるのですから」と話した。

 先生たちの多忙化軽減に向け、部活動をめぐっては本年度から、部活動指導員の導入(アウトソーシング)、休養日を設けること(メリハリ)などの文部科学省指針が示され、学校現場で導入され始めた。

 でも部活動の主役って、先生ではなく生徒。本来は生徒たちが練習計画を立て、リーダーを決め、それぞれの目標に向かって、心身の学びを積み上げていく。そんな場であることを忘れたくない。

 「先生が『指導』するのではなく『支援』することが、本来のあり方ではないか」

 駒村教諭はそうも話した。各学校の目指す方向やそれぞれの事情もあるだろうが、つい忘れがちな視点を突きつけられた気がした。

 ◆部活動 教育課程外の活動で、生徒の自発的な参加が原則。その一方で、スポーツ庁の2016年度調査によると、「教員全員が部活動の顧問になる」ことを原則としている中学校は約9割に上り、全生徒の部活動への加入を事実上、義務付けている学校も少なくない。日本の教員の課外活動時間は国際的にも突出して長く、部活動は深刻な長時間労働の一因になっているという指摘もある。同庁は3月、国公私立中学校について「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を策定。学期中は1日の活動時間を平日2時間、休日3時間程度までとし、週2日以上の休養日を設けるよう求めた。高校の部活動にも原則適用される。

=2018/05/13付 西日本新聞朝刊(教育面)=

この部活動顧問契約という発想は、高校の部活動だけでなく、いろいろな学校のいろいろな活動で応用できそうだ。まさに目から鱗が落ちる、生徒・学生との関係を考え直させる貴重な報告だと思う。それに、こういう関係の方が面白いことがやれそうでもある。

学生との関わり方をいろいろ考えて深めていきたいのだけれど、他の雑務に忙殺されて到底手が届かないんだよなあ……。


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