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2018/06/15

「嘘は悪い」ではなく「誠実や正しさとは何か」を考えさせるべきと説く校長先生

改めて立派な先生なんだなと思わされたインタビューだった。

前川喜平氏を授業に招いた元校長、抗議殺到したが信念持つ│NEWSポストセブン
2018.06.15 07:00

 誤解を恐れず言えば、上役の求める“事実”を上手に編集して話せる人こそが出世している実態が連日、テレビや新聞を通じて明らかになったのが、森友・加計問題の“功績”かもしれない。つまり、エラくなりたければ、ウソつきにならなくてはいけない。翻って、わが子から「それでもウソはいけないの?」と問われたら──。教育者の上井靖さんは今年2月、校長を務めていた名古屋市内の中学校に前川喜平・前文部科学省事務次官を招き授業を開講。賛否が噴出したが、今もなお前川氏による授業は必要だったと考える。なぜか。上井さんが「わが子に『ウソはよくない』と教えてもいいですか?」という疑問に答えを出す。

 * * *
 ウソはついてはいけないもの。それはそうです。でもね、ウソは誰もがついてしまうものでしょう。

 子供もウソをついてしまったら、自分が悪いことをしたとわかっています。そこで大人が「ウソをつくなんていけないことだ」「本当のことを言いなさい」と頭ごなしに叱ってしまえば、子供はサッと心の蓋を閉じてしまう。それは、自分がなんでウソをついてしまったのか、わかろうともしてくれないことに失望するからです。

 子供のウソが発覚した時には、その裏にある気持ちの変化を確認し、同じようなことがあったらどうしたいか、どうするべきかを一緒に考え、子供自身に決めさせることが重要です。「これが正しい」「こうするべき」と大人が押しつけてしまえば、自分で考えて解決しようとする力、答えを見つける力が育たなくなってしまいます。

 加計学園問題で渦中の人となった前川喜平・前文科省事務次官を招いて授業をしてもらったのも、子供たちに、自分たちで何が正しいかを考えて判断する力をつけてほしいと思ったから。文科省から問い合わせがあっただけでなく、一般のかたからもクレームの電話が殺到しましたが、そんなときも考えていたのは「何がこの人をこうさせるのか」という背景です。子供たちにも同様の経験をしてもらいたかったので、「報道の人たちには、自分が思っていることを正々堂々と話していい」と伝えました。

 物事の正しさを自分で判断し、またその基準は常にアップデートされるべきです。「ウソはよくない」ではなく、「誠実や正しさとは何か」という問いで考えさせることで、一律に「ウソ=悪」という思考ではなくなります。人を傷つけるようなウソをついてしまうなど過ちを犯しても、それを受け入れ、謝罪するなどしてやり直し、誠実に変えることもできます。そうした可能性があることに気づかせる教育が必要だと思っています。

※女性セブン2018年6月28日号

文科省の圧力にも柔和でありながら毅然とした対応をしていて見事だったのが印象に残っている。陰にいた政治家らの圧力は言うに及ばず、市民からのクレームも殺到していたと聞き、学校・生徒に迷惑を掛けるという心苦しさや家族への心配、自己保身の誘惑もあったのではないかと思う。自分だったら簡単に屈してしまいそうで、そもそも「忖度」して「空気を読み」「自粛」してしまいそうだ。
この人は自分自身で「誠実や正しさとは何か」を考えてきた蓄積があるのだろうと思う。その強さを持ちたい。この先生に教わった生徒たちは幸せだと思う。

この先生は上井靖氏。1958年生まれらしい。教員の定年は60才なので昨年度末で退職されたのだろう。記事では元校長となっている。最後にいい仕事を遺された。

「過去の行為とは別」 前川氏講演、適切と中学校長:朝日新聞デジタル
2018年3月16日18時46分

 前川喜平・前文部科学事務次官が講演した名古屋市立八王子中学校(同市北区)の上井(うわい)靖校長が16日、市役所で記者会見した。文科省からの質問について「すごく抵抗があるわけではない」と述べる一方、「(前川氏は生徒を)とても勇気づけてくれる方だ」と講演は適切だったとの認識を示した。

 上井校長は約3年前に前川氏の講演を聞いて感銘を受け、今回の講演を依頼したという。「(前川氏が天下り問題に関与した)過去の行為とは切り離して考えた」と説明した。

 「質問には真摯(しんし)に答えた。文科省が内容を確認したい気持ちは分からなくはない」として、文科省への批判を避けた。

 文科省のメールは、質問の目的を明確にしていなかった。会見に同席した市教育委員会の藤井昌也指導室長は、「授業の内容に踏み込んでの質問はあまり経験したことがない。意図はきちんと聞いていかないといけない」と述べ、今後文科省に問い合わせる方針を示した。(関謙次)

     ◇

 上井靖・名古屋市立八王子中校長の記者会見での発言は次の通り。

 ――文部科学省から前川喜平・前文部科学事務次官の講演についての質問を受けたが。

 「文科省に対し腹が立っているということはない。こういう状態になっていることは自然体で受け止めている」

 ――前川氏を講演に招く時、文科省のこうした反応は考えなかったのか。

 「なかった。話が分かりやすく、ぜひ子どもたちにエールを送ってほしいという思いでお願いした」

 ――提供を求められた音声データを、なぜ渡していないのか。

 「記録用にビデオを撮った。ほとんどが前川さんの話なので、渡すなら前川さんの承諾が必要と思い、控えさせていただいた」

 ――文科省は繰り返し前川氏の天下り問題による辞職や出会い系バー利用について質問しているが。

 「そこを詳しく聞きたいのかなとは思った」

 ――文科省は、問題を起こした人物を教育現場に出すことは妥当かと質問しているが。

 「何かした人は絶対にだめだとは、人権教育の上でもしたくない。過去の行為を切り離して考えた。前川さんは多くの人が知っていて、講演には地域の方もたくさん参加した。どんな話をしたのか、文科省がきちんと把握したい、確認したいという気持ちは分からないでもない」

 ――林芳正文科相が記者会見で、学校が十分に調べずに前川氏を招いたのは「必ずしも適切とは言えず、もう少し慎重な検討が必要だった」と述べたが。

 「そう思われたんだな、というだけ。発言を否定するとかではなく、受け止めはいろいろあるのだろうと思っている」


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