ゴミ発電:失敗と混乱(三重県)
RDF発電、終了1年半前倒し 来年9月まで:三重:中日新聞(CHUNICHI Web)
2018年7月20日
県内十二市町が参加し、可燃ごみを燃料にして発電するRDF発電事業は、二〇二〇年度末の予定だった事業終了を一九年九月までと一年半前倒しすることが十九日決まった。「生ごみが燃料になる」と銘打った事業は、非効率な発電で県と参加市町に数十億円の余分な負担をもたらし、火災による死亡事故も起こした末に、十七年で幕を閉じる。県と十二市町でつくるRDF運営協議会が津市内で総会を開き、終了前倒しを決議した。事業は生ごみを加熱、乾燥し圧縮した燃料「RDF」を、桑名市多度町の発電所で燃やして発電する。ごみが資源になり収益も見込めると県が旗を振り、二十六市町村が参加して〇二年に稼働した。
稼働前には県が市町村に「RDF加工後の費用は不要」と説明していたが、実際には発電コストが通常の発電所の倍以上かかるなど、県の見通しが極めて甘かった。現在はRDF一トンあたり市町が約一万四千円を負担。市町にとって通常のごみ処理の倍以上の負担となっている。
稼働翌年には、RDF貯蔵タンクで火災が起き、消火中に爆発。消防士二人が死亡する事故も起きた。
県は発電所建設に九十億円を費やし、各市町も多額の負担をしてごみをRDFに加工する施設などを整備した。RDF製造に代わるごみ処理施設整備も難しいため、非効率でもやめられない状況が続き、二〇年度末までの運転継続が予定されていた。
だが昨年四月、最大のRDF供給元の桑名広域清掃事業組合が、RDF後を見据えて整備を進めてきたごみ処理場が稼働する一九年九月にRDF搬入を停止すると表明。同組合に次ぐRDF供給量の伊賀市も同時の脱退を希望したため、発電継続は不可能になった。
残る県南部の一市六町が別のごみ処理方法を確保できるかが課題となったが、民間委託などでの処理にめどが立ったため、終了前倒しが決まった。
今後も発電所の解体処理には九億円程度かかり、県が負担する。県の甘い見通しに市町が振り回された側面が強いことから、鈴木英敬知事はこの日の運営協議会で、市町の新たなごみ処理体制への移行に対し「県も責任を持って取り組む」と述べ、市町へ一定の資金援助をすることも表明した。県企業庁電気事業課は「発電所運営業者への違約金支払いなどもあり、終了までにどれだけの費用がかかるかはまだ分からない」と話している。
(森耕一)
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