カテゴリー「ツタヤ図書館問題」の9件の記事

2015/11/20

とりあえずブクマ

バッシングを浴びる「ツタヤ図書館」に見る増田宗昭氏の仕事術(前)|データマックス NETIB-NEWS

(前略)
非上場化してビジネスモデルを転換

 カードビジネスは当たったが、本業であるDVDのレンタルは、スマートフォンやタブレット端末を軸にしたネット配信の急速な普及に押されて減収を辿る。そこで、増田氏は2011年7月、MBO(経営者が参加する買収)を実施、非上場化。DVDのレンタル会社から企画会社にビジネスモデルの転換を図る。
 増田氏が言う企画とは、これまで世の中になかったビジネスを生み出すことだ。ポイントカード事業が典型。単なるレンタル店のポイントカードを、他の企業と提携することで大きなビジネスに育てることに成功した。
 Tカードとともに注力しているのが生活提案型の複合商業施設「T-SITE」の開発。東京・代官山を皮切りに神奈川県藤沢市に開業。さらに大阪・枚方市の近鉄百貨店跡にも建設中だ。
 既存の書店のように、品揃えだけで勝負しては、ネット書店には勝てないと考えた。コーヒーを飲みながら本を自由に何時間でも読むことができるなど、ネットとは対極の居心地を追及した。カフェ併設の大型店は当たった。
 その2匹目のドジョウを狙ったのがツタヤ図書館だ。図書館というより、カフェ併設の大型店の1つと考えればわかりやすい。武雄市図書館が今年9月に追加で購入した図書1万冊はすべて中古本だった。図書館は中古本を貸し出し、新刊本は併設する蔦屋書店での購入を促す。それがツタヤ図書館のビジネスモデルである。

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2015/10/27

ツタヤ図書館のリンク追加

CCCの旗色が悪くなっているように見えるが…さて?

「TSUTAYA図書館」が象徴する日本の没落する未来 - デイリーニュースオンライン(2015.10.22 07:00)

ネットで有名な?May_Romaさんこと谷本真由美氏のコラム。
なんか炎上?を狙うようなトゲをあちこちに撒いた文体だけれど、トゲの埋め込みが浅いのでそれは割と無視できる。

論旨がねじれているような気がするが、英米でも図書館の役割は変わりつつあるというレポートが紹介されている。
ツタヤ図書館的な場作りが全く間違っているわけではないという考えを傍証しているように思われる。これはこれで興味深い。

ちなみに、

出来レースの談合、利用者無視のハコモノ建てちゃいました、なぜか図書館がタジン鍋とおろし金を買ってみました、という、「ダンゴウジャパン」を絵に描いたような構図
ところで私は海老名図書館でおろし金を借りてみたいと考えています。
とおっしゃっているが、図書館はおろし金を買っていないと思う、たぶん。
購入予定リストの中におろし金などが入っていたのを市議会で問題にされ、それをネットに書かれて騒ぎになったというのが経緯で、市はその後でリストを修正したので、たぶん買ってないと思います。

閑話休題。書籍や文化資料、市民の雑多な知的活動への敬意を十分に払ってくれるなら、CCCが目指す空間作りも一つの方向性だし、面白い試みになり得るとは思うのだけれど、CCC自体が自分たちの目指す方向の可能性を今ひとつ分かっていないみたいだからなあ…。

CCCへの批判が高じたせいか、TRCが手を引くと表明?
ツタヤとの関係、TRC解消へ 「図書館の考え方違う」:朝日新聞デジタル(2015年10月27日11時35分)

 400館以上の公共図書館の運営を手がける民間企業、図書館流通センター(TRC)が、レンタル大手「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に、図書館事業で今後新たに組むことはないと5日に申し入れていたことがわかった。図書館に対する考え方の違いが原因で、共同運営する神奈川県海老名市の図書館事業も見直す意向という。

 TRCとCCCは共同事業体として海老名市から図書館運営を任され、1日に同市の中央図書館を改装オープン。愛知県小牧市でも新しい図書館計画の契約を交わしていたが、住民投票で建設計画が反対多数となり、契約解消を決めた。

 TRC広報部は「CCCの独自の図書分類は司書が本を探すのも非常に困難。図書館のあり方として、考え方に折り合いがつかなかった。海老名については、市も含め3者で今後協議していく」としている。一方、CCCは「申し入れがあったのは事実だが、始まったばかりの海老名の運営は共同で行う認識だった」とコメントした。海老名市教育委員会の担当者は「まだ聞いていない」としている。(竹内誠人)

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追記(2015年10月30日)

日経新聞が一転、契約継続という報道。ただ、現時点では他の報道が追随していない。

海老名の「ツタヤ」図書館、共同運営を一転継続 CCCとTRC  :日本経済新聞(2015/10/29 1:31日本経済新聞 電子版)

 神奈川県海老名市の図書館の運営を巡る方針の違いが表面化した図書館流通センター(TRC、東京・文京)とカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、今後も同市での共同運営を続ける見通しとなった。28日に内野優市長が入った話し合いが持たれ、両社が歩み寄った。

 両社は方針の違いや歩み寄った理由について具体的に明らかにしていないが、本の選び方や分類方法で対立があったとの見方がある。両社が図書館運営を巡…

海老名市の内野市長が仲介したという報道。さて…?
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カナロコがセンセーショナルな写真を公開している。

【動画】海老名市「ツタヤ図書館」を見る(上)|カナロコ|神奈川新聞ニュース(公開:2015/10/24 12:09 更新:2015/10/27 11:13)

うずたかく並べられた本…と思いきや、最上段はダミー
ヨーロッパ貴族の図書室のような、天井まで壁全体に蔵書が詰められているレイアウトなのだが、手が届かない上段には、古い洋書を模した厚紙のダミーが並べられている。

「TSUTAYA図書館」海老名にオープン/神奈川新聞(カナロコ) - YouTube(2015/09/30 に公開)
1分30秒あたりに映る本棚の上側がそのダミーのようだ。

別の情報?
きよすけさんはTwitterを使っています: "武雄市で反対派に高いところの本を何度も取るようにいわれた経験から高層書架にダミー突っ込んだと神奈川新聞に書いてあって二度見した"
きよすけさんはTwitterを使っています: "@wataridori2929 https://t.co/tGDzRy2VAj"

うわさ話的な。
TRC(図書館流通センター)とCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が手を組んだ経緯について(※推測) - Togetterまとめ

海老名市図書館の業者選定など
海老名市図書館を訪問、谷一統括館長と面談しました : 瑞穂図書館を考えるblog(2015年07月03日)

今回の業者選定に当たっては、一応入札が行われたそうですが、応募した
のは1グループだけ、実質随意契約でした。委託費は一括して支払われるそう
すがその内訳は不明、蔦屋書店、スターバックスが負担する家賃も非公開です。
今回同行していただいた福富氏が情報公開請求して入手した事業報告書を
見せてもらいましたが、肝心な部分はすべて黒塗り、内容がほとんどわからない
状態でした。
ほかにも参考になる記事がいくつか。

海老名市の市会議員である山口良樹氏がまとめた図書館問題リンク集。
議会リポート9速報3

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2015/10/21

ツタヤ図書館問題:周南市で署名運動、武雄市で監査請求、武雄市の利用者アンケート記事

周南市「ツタヤ図書館」、住民投票求め署名活動へ : 地域版 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)(2015年10月21日)

 周南市の徳山駅ビル建て替えに絡み、市が核施設となる図書館の運営について、レンタル大手「TSUTAYA(ツタヤ)」の企画会社を連携事業者にしたことに対し、同市の住民団体は20日、是非を問う住民投票を求めて、11月から署名活動を行うことを決めた。

 計画によると、新駅ビルは3階建てで、2018年度の開業を目指している。図書館運営について、市は13年秋、ツタヤを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と連携することで合意した。

 署名活動を行うのは、20日に発足した「県オンブズマン市民会議」。民間企業への委託は利益優先で図書館運営になじまないとして、有権者の50分の1の署名を集め、木村健一郎市長に住民投票条例の制定を直接請求する方針を決めた。

ツタヤ図書館で住民「税金の使い方がずさん」 市長に損害補填求める - 芸能社会 - SANSPO.COM(サンスポ)(2015.10.20 22:29 共同)
 「TSUTAYA(ツタヤ)図書館」として2013年4月に新装開館した佐賀県武雄市図書館をめぐり、新たな本を買うために市が1958万円を支出したのに、別の目的に流用されたのは違法として、住民20人は20日、市長が損害を補填するよう求めて監査請求した。代表者の大河内智さん(70)は「税金の使い方があまりにずさんだ」と話している。

 この図書館はレンタル大手TSUTAYAを展開する民間企業カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営している。武雄市は今年9月、新装開館時に1958万円で蔵書を増やす計画だったのに、館内の安全対策費用がかさみ、本代を約760万円に抑えていたと発表。この予算でやりくりするため、CCC側に選書を委託した結果、10年以上前の資格試験対策本や、埼玉県のラーメン店ガイド本を含む中古本が納入されたことも判明した。

 監査請求では、安全対策に使うには、新たな契約を結び直さなければならず、違法・不当な公金の支出に当たるとしている。(共同)

はてなブックマーク - 武雄市図書館、利用者アンケート結果発表|佐賀新聞LiVE
 武雄市図書館・歴史資料館は、9月上旬に実施した利用者アンケートの結果を発表した。図書館全体とサービスへの満足度がそれぞれ8割を超え、駐車場不足の指摘が多かった。

 アンケートは9月7~13日に実施、531人が回答した。回答者は、住所が武雄市37%、武雄市を除く佐賀県35%、長崎県14%、福岡県10%など。利用頻度は「初めて」22%、「月1、2回」51%、「週1、2回」20%、「ほぼ毎日」7%という層だった。

 図書館への満足度は、「大いに満足」33・3%、「満足」51・7%、「どちらでもない」10・8%、「不満」3・6%、「大いに不満」0・6%。「満足」の85・0%は昨年の87・6%からわずかに下がった。

 スタッフのサービスは「大いに満足」32・6%、「満足」50・8%、「どちらでもない」15・8%、「不満」と「大いに不満」はいずれも0・4%。「満足」は83・4%で昨年より5・4ポイント上がった。

 「満足の内容」(複数回答)は321人が「年中無休」を挙げ、「居心地よい空間」(267人)、「スターバックス併設」(262人)が続いた。「館内で飲み物が飲める」(214人)、「販売用の本が館内で読める」(212人)と、コーヒーショップと書店があることが満足の要因になっている。

 「使いづらい点」(複数回答)は「駐車場が混んでいる」が177人で最多。「館内が混んでいる」(58人)、「館内がうるさい」(36人)、「借りたい本がない」(20人)が続いた。

 自由筆記では、「席やテーブルを増やして」「音楽や会話、電話が気になる」などの内容が目立ち、「書評コーナーを」「専門書を増やして」「本棚を低く」といった要望があった。

武雄市のアンケート調査発表を以下に。

図書館利用者アンケート結果を公表します | 市からのお知らせ | たけおポータル2015年09月28日(月)

利用者アンケート概要

実施日:平成27年9月7日(月)から9月13日(日)まで
調査場所:武雄市図書館・歴史資料館
調査人数:531人
調査方法:アンケートへの協力を依頼し、自由に回答頂いた(対面調査ではない)

調査結果:武雄市図書館・歴史資料館 アンケート調査FreezePage
参考資料:アンケート調査票FreezePage

粗悪な調査。簡単に感想を付す。
1.調査項目が図書館向けではない。せいぜい本屋のパブリックスペースの調査。
2.レポートが拙劣。回答実数を記載せず。
3.体裁がやっつけ仕事。まあ大目に見てもよい。
4.単純集計しかない。評価もない。市外からの来訪者がほとんどを占めているのにそこへの問題意識がない。
5.同じ人が何通も記入・提出する可能性を排除していない。
早い話が、何のために何を知り何を改善したいのかが全くない。ただ調査票を置いてみただけという調査。命じられたのでアリバイを作りました感がありあり。それにしても杜撰すぎる。武雄市はこんなものを堂々とネットで公表していると役所の知的水準を疑われるから削除した方がよい。低劣な文書は地元でだけ共有してればいいと思うよ。

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2015/10/20

小牧市のツタヤ図書館、計画撤回へ

ちょっと見ていないうちに話が進んでいた。以前クリップしたものに足しておく。
あとで補足部分を足しておかないと。

「ツタヤ図書館」を白紙撤回 愛知・小牧、住民反対多数:朝日新聞デジタル(2015年10月20日16時11分)

 「ツタヤ図書館」計画をめぐる住民投票で、反対多数となった愛知県小牧市は20日、レンタル大手「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)などとの契約を解消することを明らかにした。計画の事実上の白紙撤回で、今後については議会と相談し、市民の声も取り入れながら検討するとしている。

 計画を推進してきた山下史守朗(しずお)市長は「現在、委託契約している基本設計、アドバイザー業務の契約を解消することが適切であると判断した。それぞれの受注者と協議の上、契約を解消する方向で事務作業を進めている」とのコメントを出した。

住民投票直後、市長は本筋を見直さないような発言をしていたのでちょっとびっくり。

ツタヤ図書館、割れる賛否 来館者増加も選書で物議:朝日新聞デジタル(竹内誠人、塩原賢2015年10月19日21時23分)

 本を素材にした独創的な空間作りで評判の「ツタヤ図書館」は、中古本の購入などを批判されながらも、多くの来館者を集めている。図書館はどうあるべきなのか。ツタヤ流の発想からは、まったく違った姿が浮かび上がってくる。

■イベント評判、「学びの連鎖」ねらう

 天井まで届きそうな書架。館内にはジャズが流れ、入り口のそばの書店とカフェでは、学校帰りの中高生らがコーヒーを飲みながら読書や雑談を楽しむ。

 神奈川県海老名市で1日に改装オープンした市立中央図書館。レンタル大手「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理者として運営する。佐賀県の武雄市図書館に続く、全国2番目の「ツタヤ図書館」だ。

 2013年に開館した武雄では、年間来館者が改装前の3倍以上に。市が行った利用者アンケートでは、満足との回答が85%を占めるなど「成功例」とされる。だが、CCCの図書館カンパニー社長で、海老名の館長も務める高橋聡氏は、「今すごく迷っています。良かれと思ってやっていることがどんどん否定されていくので……」とこぼす。

 ツタヤ図書館の選書と分類方法を批判する専門家は少なくない。15日に東京都内で開かれた全国図書館大会。シンポジウムで登壇者が、図書の購入を決めること(選書)や適切に並べること(排架)の「大切さを勉強してから参入していただきたい」と発言すると、会場から拍手が起きた。

■ユニークな配置

 武雄と海老名では、10年以上前の資格試験対策の中古本や、海外の風俗店の情報も載った旅行本なども購入していた。そのため自治体側が選書をチェックするよう改めた。

 図書分類でも、多くの図書館は日本十進分類法を採用するが、CCCは独自のジャンル分けを導入。海老名では当初、東野圭吾の小説『手紙』が「手紙の書き方」の棚にあるなどしたため、利用者から「本が探せない」という指摘が相次いだ。

 愛知県小牧市では、建設予定だったツタヤ図書館への反対運動が起こり、4日の住民投票で反対が上回った。

 なぜ、これほどまでに物議を醸す選書や分類法になったのか。

 高橋氏によると、選書の際には、CCCが運営する東京の「代官山 蔦屋(つたや)書店」などでよく売れている本を参考に仮の購入リストを作成。図書館の利用者アンケートの結果も踏まえて購入本を決めるという。「CCCは書籍の販売、流通量では日本一。そのデータを使うことが僕たちの強みになる」

 分類法も、蔦屋書店の「発見性」を重視したユニークな並べ方が原点という。例えば海老名では、料理本の書架には食材や調味料別に図書が配置され、「カフェごはん」という項目もある。高橋氏は「生活シーンに合わせた分け方。今日のご飯は何にしようかと思った時のサポートになるし、新たなライフスタイルの提案もある」と説明する。

■カフェも朝ヨガも

 1日12時間365日開館するなど、利用者目線での運営には一定の評価もある。「市民生活がより豊かになる図書館」がCCCの理念だという。「本を読んで学ぶ姿が絵になる空間」を作り、カフェや雑誌の読み放題を目的に訪れた市民の間に「学びの連鎖」が起こることを狙う。武雄では昨年、120以上のイベントを実施。本の販売も絡めた著者のトークショーや、子ども向けバリスタ講座での調べ学習、朝ヨガなどに約7千人が参加した。「図書館は本だけではなく、集まった人やそこで起きていることからも学ぶ場所だと思う。今のみなさんが知っている『図書館』からすると、『公設ブック&カフェ』とか『市民読書センター』と呼んだほうがいいってことなんですかね」

 CCCの図書館事業は、武雄の来館者が予想を上回ったため人件費が増え、カフェや本の販売収益では採算が合わず、2年連続赤字となった。「利益が出る設定でおとなしく運営することもできたが、利用者により良いサービスを提供することを優先した」と高橋氏。海老名でも約600の雑誌を中心に本を販売するが、「狙いは、もっと本に接してもらうこと。ただ売り上げを上げるのが目的なら、コミックや売れ筋の本をそろえます」

 武雄市との指定管理の契約はあと2年半。高橋氏は、これまでの事業成否について回答を保留したが「そろそろ利用者や地域に良い変化が起こってくる」と推測する。「図書館運営は相当の力を込めないとできないが、今後も続けていきたい。都道府県に一つくらいこんな図書館があってもいいんじゃないか」

 ツタヤ図書館に関心を示す自治体側も、「子どもから大人までいつでも集える場所」として、街を活性化する機能を期待する。海老名市教育委員会は「CCCは独創的な空間デザインにたけている。多くの市民に足を運んでもらいたい」と話し、年間の来館者目標を約2・5倍の100万人に据える。

 図書館としての役割が見えにくくなるなか、慶応大学の糸賀雅児教授(図書館情報学)は「カフェや書店といった図書館と親和性のある物品販売で売り上げを確保しようとする戦略は悪くないが、空間作りにこだわりすぎると、選書や排架といった図書館の生命線がゆがんでしまう恐れがある」と指摘する。

 一方、地域の課題解決のための本をそろえたり、人材育成の拠点づくりをしたりといった「時間はかかるけれど必要な役割」を軽視してきた、これまでの図書館のあり方も問題だと言う。「どこまでを民間に任せ、図書館のどんな機能を守るのか、自治体はしっかり検討して欲しい」(竹内誠人、塩原賢)

高橋聡氏が「良かれと思ってやっていることがどんどん否定されていく」と言うのは言い得て妙。公共の文化資産というものへの認識がたぶん根本的に違うので、発想が理解できないのだろう。それはたぶん「正統派」からも同じで、CCCの「良かれと思っていること」は理解できないだろう。というか、それは民間ベースでやってくれということなのだけれど。

ツタヤ図書館、混迷の小牧 「反対多数」で計画凍結:朝日新聞デジタル(松下和彦、柴田菜々子2015年10月15日17時11分)

 「ツタヤ図書館」に住民投票で反対の民意が示された愛知県小牧市。市は計画を凍結して「問題点を検証する」(山下史守朗〈しずお〉市長)としており、開館が遅れるのは必至だ。15日には臨時の市議会が始まり、図書館の問題も取り上げられる。先行きはみえない。

 「議会にどうアプローチしていくか、まだ決まっていません」。市新図書館建設推進室の担当者は「出だしが重要なので」と慎重に進める考えを強調する。

 レンタル大手「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と連携した図書館計画。4日の住民投票での「反対多数」を受け、山下市長は「市民の代表による協議体やアンケート」を例示し、問題点を検証する考えだ。だが、具体案は示していない。同室は「市側から議会に案を示すかどうかも含めて検討中」とする。

 市側が慎重なのは、現計画が「市民の声を聴いていない」と批判されたうえに、市議会も態度を硬化させつつあるからだ。

 市が全戸配布した「住民投票のお知らせ」に、「市が議会に説明していないことも書かれていた」と議会側が反発。住民投票と同日にあった市議選では、反対を明言して当選した議員も少なくない。15日からの臨時議会では、この「お知らせ」が住民投票条例で定められた「中立性の保持」に違反するのではないかと市側を追及する構え。山下市長が投票前日の3日に「当選祝い」の文書を一部議員に配った問題も、取り上げられる見通しだ。

 42億円をかけて延べ床面積を2・6倍とし、書店やカフェも併設するという現計画は、住民投票を受けて完全に止まっている。「来年度着工、2018年度初めに開館」という当初の目標が遅れるのは必至だ。

 ただ、山下市長は「反対理由は金額か、民間との連携か、デザインか。投票結果だけでは判断できない」と話す。住民投票は反対56%、賛成44%。「賛成の市民も少なからずいる」とも語り、名鉄小牧駅前の振興との「一石二鳥」を狙った現計画への執着がにじむ。

 CCCとの連携では、佐賀県の武雄市図書館に続き、神奈川県海老名市でも図書館が開館。同社によると、18年度までに小牧市を含めて、さらに5カ所で計画されている。

 その武雄市では、選書のあり方が問題視された。蔵書1万冊の中に「ラーメンマップ埼玉」など、かけ離れた地域の本が何冊もあった。朝日新聞記者が8月、地元サッカーチームの「サガン鳥栖」を蔵書検索すると1件のみで、埼玉の「浦和レッズ」は17件あった。海老名市では、タイの風俗店案内を載せたガイド本があり、批判を浴びた。

 選書問題や小牧市の住民投票の結果は、各地に影響を及ぼし始めている。18年度の開館を計画する山口県周南市の木村健一郎市長は今月1日、「色々な事態が生じていることは十分理解している。少し状況をみていきたい」と慎重な姿勢を示した。(松下和彦、柴田菜々子)

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2015/10/09

とりあえず記事クリップ:小牧市のツタヤ図書館問題の朝日新聞の記事

ツタヤ図書館、なぜ「ノー」に? 愛知・小牧の住民投票:朝日新聞デジタル(2015年10月9日05時13分)

 全国で開設や計画が相次ぐ「ツタヤ図書館」。書店やカフェもあって利用者が増える、と自治体は説明するが、愛知県小牧市では「反対」の住民の方が多かった。なぜなのか。

■街活性化?市側の皮算用

 反対3万2352票、賛成2万4981票。小牧市で計画されている新図書館建設を巡る4日の住民投票の結果、レンタル大手「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と連携する計画は、一時停止に追い込まれた。

 市は昨年4月に新図書館の計画を発表し、同8月にCCCを連携事業者に選んだ。老朽化し、蔵書スペース不足が目立つ現在の図書館は建て替える必要がある一方、再開発が進まず活気がない中心市街地に「ツタヤ図書館」を建てれば人が集まり活性化する。そんな「1粒で2度おいしい」をもくろんだ計画だった。建設費は約42億円。延べ床面積を約2・6倍、最大収容冊数を2倍強に増やし、書店やカフェを併設。3年後の開設をめざしていた。

 参考にしたのが、佐賀県武雄市が2013年に開設した全国初の「ツタヤ図書館」。CCCが指定管理者として運営している。初年度の訪問者は92万3千人と当初見込みのほぼ倍。市外からの訪問も多く、武雄市は食事や土産など年間の経済効果を約20億円とはじく。

■利益優先?選書に不安も

 小牧市民はなぜ「ツタヤ図書館」に反対したのか。住民に聞くと「税金の無駄づかいでは」(会社員の西田秀樹さん)、「ツタヤのサービスはツタヤで利用すればいい」(パート従業員の島村厚子さん)。高額な建設費に対する批判が目立ったが、「民間企業が本を選ぶと利益優先になる」という懸念も多く出た。

 武雄市図書館では、CCCと出資関係があった古本業者から中古本を購入していたことが発覚。市民から「在庫本の押しつけ」「貴重な郷土資料などが蔵書からなくなる」といった批判や不安が出た。今月1日に神奈川県海老名市が開設した「ツタヤ図書館」では、市が購入本を全て点検したが、海外の風俗店を案内する不適切な本が開設後に見つかった。

 住民投票を求める署名活動の中心となった市民グループ「小牧の図書館を考える会」の渡辺育代共同代表は「民間に運営を任せると、住民にとって必要かを考えずに業者の都合で選書されてしまったり、収容冊数の確保を優先し必要性がない本を購入したりすることにならないか」と心配する。

 小牧市教委の新図書館建設推進室によると、指定管理者の業者は市が定める選書基準に沿って本を購入。業者が基準通りに選んでいるかを定期的にチェックし、現地査察や利用者アンケートもするという。本の購入費の管理を市が直接担うか業者に任せるかは未定だ。

 CCCの高橋聡・図書館カンパニー長は9月30日の会見で「武雄市のときは、ど素人で、時間も予算もない特殊な状況だった」と話し、選書が「利益優先」でないことを強調した。

■ニーズは?話し合い必要

 慶応大の糸賀雅児教授(図書館情報学)は小牧市の住民投票結果について「住民に対する市の情報提供が不十分で、住民側に『CCCに任せると利益を優先しがち』というイメージが広がったのではないか」と指摘する。CCCの手法は、本の販売収入やカフェの収益を図書館運営費に回し、年中無休や長時間開館といった他の公共図書館にはないサービスを提供するのが特徴。糸賀教授は「『ツタヤ図書館』が提供するサービスと住民のニーズが合致するのか、市と住民が時間をかけて話し合うことが必要です」と話す。(滝沢隆史、千葉卓朗)

「ツタヤ図書館」を開設・計画している自治体
佐賀県武雄市 2013年4月開設
神奈川県海老名市 2015年10月開設
宮城県多賀城市 2016年3月予定
岡山県高梁市 2016年12月予定
宮崎県延岡市 2017年度予定 読書空間のある公共複合施設
山口県周南市 2018年度予定
愛知県小牧市 2018年度予定
※子弟管理者が未定の自治体を含む

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2015/10/04

海老名市のツタヤ図書館の記事など

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追記(2015年10月5日0時31分)

・海老名市の蔵書分類が悲惨すぎて、現代の怪談かブラックユーモアになっているという記事を追加。

・2015年10月7日8時47分
海老名市図書館のウェブサイトが「無断リンク禁止」としている件を追加
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書いたものを消してしまった……。
とりあえず、リンク先だけ挙げておく。

TSUTAYA管理の海老名市立中央図書館を観察してきた: 松浦晋也のL/D

訪問記。使い勝手など厳しい評価。

「大人のバンコク極楽ガイド」「タイバンコク夜遊び地図」CCCが海老名市図書館に納入 - IRORIO(イロリオ)

上記記事の情報源が以下。

議会リポート8速報
図書館問題(第2弾)......山口良樹後援会速報
教育長が見直した選書に愕然 !  これが市立図書館に?

選書し直したリストの一覧がある。

議会リポート7速報

選書リスト問題で問題化した元々の選書リストがリンクされている。
メガネふきなどが選書されている。

海老名のツタヤ図書館に関するメモ #図書館 - Togetterまとめ

市議会の議事録や資料など。

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追記(2015年10月5日0時31分)

面白い話が続々と出てきてワクワクしますな。(ブラックユーモア的な意味で。)

旧約聖書「出エジプト記」が旅行ガイド? 海老名市立図書館の配架がちぐはぐすぎて不安視する声 - ねとらぼ(2015年10月04日 14時56分 更新)

海老名市立中央図書館の分類がおかしいとのこと。

検索結果の例

・「出エジプト記」→「旅行/海外旅行/アフリカ/エジプト」に分類
・「伊勢物語」や「奥の細道」のいくつか→「旅行」
・有川浩の小説「阪急電車」→「趣味実用/鉄道」
・図説食人全書 → 料理・教養・読み物・食文化

書棚の並びの例

・中国の漢詩やイザベラ・バードの「中国奥地紀行」→国内旅行の中国・四国地方

だとか。

NDC(日本十進分類法)を使わない(理解しない?)ツタヤ書店の都合に合わせた分類が、配架を混乱させ、検索性を大きく劣化させているという指摘は、上記の訪問記にもある。

TSUTAYA管理の海老名市立中央図書館を観察してきた: 松浦晋也のL/D

多くの人が指摘しているように、武雄市図書館にせよ海老名市の例にせよ、この混乱は、CCCとツタヤが書物を商材だとしか見ることができないことから発している。

ツタヤでもブックオフでも、店の配架はたいていろくでもない。だが、唯一、ブックオフで配架が悪くなかった店を見たことがある。それは鹿児島市の高見馬場のブックオフだった。だから、ブックオフの配架は店ごとにある程度自由になるのかもしれない。

だがちょっとツタヤ・CCCを擁護しておきたい。他のロードサイド型の大型書店でもツタヤやブックオフと同様に配架は悲惨の一言だ。
たとえば「喜久屋書店」。そもそも雑誌と実用書、マンガに若干の売れ筋文芸書しか置いていないが、ここも分類は適当だ。まあ硬い本がそもそも少ないので分類のしようがないというべきかもしれない。また、鹿児島市のイオンには「未来屋書店」というのが入っている。これはイオン系だが、配架・分類どころか品揃えがお粗末の限りだ。あれは本屋ではない。コンビニの雑誌コーナーの拡大版と言うべきだ。それに、小さな町の本屋さんでも事情は似たようなものだ。だから、ツタヤだけが悪いのではない。そもそも、この手の書店が図書館の蔵書分類のような仕事をしていない(必要がない)し、書物が公共の文化資源だという見方をしていては生き残れないのである。

NDCによる配列はしていないが、分類の重要性を理解している大型書店を挙げるとしたら、ジュンク堂と丸善、紀ノ国屋、旭屋書店という順序になるのではないか。専門書の棚を見ると、そこの担当者がどれくらいその分野について考えているかが分かる。例えば、大学生協の書店も結構きちんとしていて信頼性が高い。

同じ書店であっても配架がこれほど違うのは、店の性格、ターゲットの市場が異なるからだと思う。ツタヤは「町の小さな本屋さん」が担っていた雑誌や実用書、ベストセラーなどの売れ筋の市場を食い、小さな本屋さんを潰すことで成長した。ツタヤにとって書物はレンタルDVDなどと同次元の商材にすぎず、買いそろえ、蓄積すべき文化資源ではない。他方、ジュンク堂などは貯蔵し折に触れて参照するための書物をそろえる場所という地位を確保しており、経営上は負担だと思われるが、美術書や学術書のニーズにもある程度は対応せざるをえない。

したがって、ツタヤが今後も図書館運営を本格化させたいのであれば、組織的なエートスを修正していく必要があるだろう。もっとも、彼らがそうする前に、図書館を税金で運用するツタヤ的レンタル店で十分だという方向へ意識が変わるかもしれないが。

**********
CCCが運営する海老名市立図書館の公式サイトは「無断リンク禁止」 | スラド IT

「CCCの広報担当者によると、武雄市図書館の蔵書問題が騒ぎになったのを受けて「慎重な対応」を行うことにしたため」だとか。
「無断リンク禁止」の時代遅れ感がアレすぎて、スラドやはてブが盛り上がっている。

はてなブックマーク - CCCが運営する海老名市立図書館の公式サイトは「無断リンク禁止」 | スラド IT
はてなブックマーク - サイトポリシー | 海老名市立図書館

海老名市立図書館のサイトを見ると確かにこう書かれている。

サイトポリシー | 海老名市立図書館

リンクについて
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尚、本サイトに掲載している内容は、予告なく変更・削除することがありますのでご了承ください。
あまりに恥ずかしいから、そのうち変更されるのではなかろうか。

海老名市立図書館
トップの画像が大きすぎて使いづらい。スマホ用かな?それにしても無駄だと思うけれど…。

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ツヤタ図書館、海老名市で頑張ってます! TRCと市教委もCCCと一丸に。

以前この記事でちょっと触れた件。
CCC・ツタヤ図書館、海老名市でも問題か?: 思いついたことをなんでも書いていくブログ(2015/09/18)

ハフポストで記事が出ていた。

「武雄市図書館の時はド素人でした」 海老名市でオープンした2館目のTSUTAYA図書館は何が違う?(投稿日: 2015年09月30日 22時34分 JST 更新: 2015年10月01日 08時55分 JST)
Chika Igaya氏の投稿。プロフィールは

明治大学大学院文学研究科考古学専修博士前期課程修了後、産経新聞文化部記者などを経て、ドワンゴコンテンツでニコニコ動画のニュースを担当。2013年4月から現職。
とのこと。

この記事は、CCCから来た高橋図書館長らの記者会見コメントがベースになっている。
以下、記事から経過をまとめ、若干の感想コメントを付ける。

●選書リスト問題の経緯と武雄市での経験について

9月17-18日
海老名市議会で選書リストが問題になる。「図書館の蔵書として疑問視される書籍が含まれていた」
9月18日、市教育委員会の伊藤文康教育長が選書をやり直すと答弁、謝罪(9月18日)。

9月30日
海老名市立中央図書館の高橋聡館長(CCC所属)が記者会見。以下その内容。

・行政手続としては問題ないと、武雄市には言われていた。
・武雄市図書館の時、僕たちはド素人でした。一館もやってない状態。
・時間も予算もないという「特殊な状況」→もっと良いことができたのではないかと反省

※樋渡氏に振り回されて迷惑だったという感想がにじみ出ているようだ。
※「ド素人」が武雄市民に巨大な迷惑を掛けたという謝罪はないように見える。

・武雄では13人の司書メンバーとともに2年半、しっかり手順を踏みつつやってきた

※司書の存在、司書問題へのコミット、「しっかり手順」など、頑張っている感、苦労しているんだぞ感をアピール。

●問題の選書リスト8300冊について。

問題化の後、見直し作業は、3段階のチェックを経ているとのこと。

1.CCCが基礎的なデータを作成
2.図書館流通センター(TRC)がチェック
3.海老名市が確認

結構大変そうだ……。

9月の議会で問題化して、18日に見直しすると表明。その後9月30日までにこの3段階の手間が終わったのが、約7000冊だそうである。すごいハイペースに見えるが、どういう作業だったのだろうか。

●再び、CCC所属の高橋図書館長の説明。

9月30日現在で、

1.発注段階:7161冊
2.入荷可能な冊数:6997冊

3.9月25日から入荷が始まった。その後、

一冊、一冊、教育長に見ていただいて、確認の作業をしてきた
とのこと。

9月25日(金)から30日(水)までの6日間で、
6997冊を
「一冊、一冊、教育長に見ていただいて」
「確認の作業をしてきた」
のだそうである。

9月18日(金)から作業スタートとして、OKの本はすぐに発注するとして、約1週間後の25日から本が入荷しだしたということだろう。そして、その段階から教育長が「一冊、一冊」確認しはじめたということだろう。そして、30日までに7000冊を「一冊、一冊」見終えた、と。

土日は返上したのだろうか?
教育長はこの6日間、通常業務はどうしていたのだろうか?

いやまあ、本当はたぶん教育長じゃなくて、教委の職員たちが見たんじゃないかと思うんだけど…?

************
市議会で、教育長が
「私が1冊 1冊、手にとって、市民に説明できるような形で配架したい。」
市長が、
「疑惑や疑念、市民のご理解が得られれないものについては購入をしないという対応の指示をいたします」
と答弁していたのだそうだ。
そりゃ、「教育長が」と言わざるを得ないよね。

参考:山口良樹議員の「議会リポート8速報
************

それにしても、
「一冊、一冊見ていただいて」というのは、具体的にどういう行為を意味しているのだろうか?
文脈的には、
1.全ての本について、
2.その内容を直接参照して、
3.図書館にふさわしいかを審査した
という意味だと思うのだが、それってこんな短期間にできるのかという気がすごくする。

そして、肝心の選書リストの作成方法については、

・作成担当者が誰かは、「ノウハウに関わるので」と明言を避けた
・CCCの書籍販売データを利用して選書している。

販売データをどのような形で生かしているのだろうか?
まさか売れ筋かどうかの判断だけではないと思うが…。
良書なのか、収集・保存すべき資料なのか、公共性が高いのか等について、販売データからどのような情報を得られるのだろうか?

●次に、図書館が購入する雑誌について。

1.以前は148タイトルを購入していた。→ 51タイトルに削減。
2.削減理由は、蔦屋書店が中央図書館で約600タイトルを販売するから。
3.仕方ないので、ツタヤが入らない有馬図書館で、TRCが購読タイトルを増やした(バックナンバー保存のため)。

●そして職員体制。司書問題への貢献をアピール。

・司書数:以前の12人→18人に増員
・他に、司書資格のないスタッフが15人、搬送業務の担当者3人

・司書の給与体系が非常に低いという問題意識→スキルのあるスタッフは正社員登用したい
・4階のキッズライブラリーに武雄市で有期雇用だった司書を抜擢して配置。4階のリーダーに。

※ここは素直に司書の地位向上と待遇改善に頑張って欲しい。

●TRC会長のコメントが味わい深い。

・CCCはまだまだ業務に慣れていない→郷土資料やレファレンスを手伝う

商業ベースに乗らない貴重資料の管理と図書館サービスの肝であるレファレンスが弱いという指摘。やんわりと味わい深い。

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2015/09/18

CCC・ツタヤ図書館、海老名市でも問題か?

とりあえずメモだけ。

海老名市立ツタヤ図書館、驚愕の実態 - ナムラーのブログ - Yahoo!ブログ


1.CCC導入に伴う改修工事費11億円を全額海老名市が負担、建物の最もよい場所をスターバックスとツタヤに割り当てる

2.購入書籍に武雄市と同様、無価値と思われる新古書が多く含まれている

27年度1万冊購入としていて、これまで8343冊購入しているが、購入した書籍名が明らかにされたが、武雄市と同様新古本、廃刊本が大部分を占めている。
8343冊の内訳
 工学・工業分野(料理、建築関連等)    6500冊
 自然分野(美術、健康等)         150冊
 芸術分野               430冊
 地理・歴史分野(旅行ガイド等)      1200冊 
  その他                 63冊 

驚いたことに工学・工業分野(料理、建築関連等)6500冊の中身、料理本が4126冊、1991年から2000年代に発行された雑誌「スタジオ・ボイス」7冊、1976年から2009年に発行されたカルチャー雑誌、1992年から1998年に発行された雑誌「オリーブ」11冊、1982年に発行された女性雑誌、また、全集本でありながら歯抜けで購入。
さらに驚いたことには「アイミクロンメガネクロス」20件、「スピード・サラダ・オロシ」(おろし金)1650円、「シリコン製タジン鍋」、「サラダスライサー」、[フライパン]、「ドレッシングボトル」これらが購入されています。
購入総予算2137万円、1冊あたり2137円です。教育長は苦し紛れにこれらは「文化」「時代時代に出たものを所蔵することが、図書館の使命」と、詭弁を弄して答弁していた。
さらに驚いたことには、問題のある物は購入しても書架には出さない、つまり買ってもお蔵入りにすると答弁、ますます疑念が深まるばかりである。
今のところ、この人の記事だけで他からの情報が分からないので、論評はしない。改修費が11億円というのもずいぶん大きい気がするし、市議会でこんな内容が明かされたのなら大騒ぎになっているのではないかという気がするし。

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追記(2015年9月19日7時03分)

海老名市立図書館、選書やり直しへ 武雄市図書館問題が「飛び火」

平成27年第3回海老名市議会定例会9/18氏家議員質疑メモ #公設ツタヤ問題 - Togetterまとめ

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追記(2015年10月4日17時31分)

タジン鍋など、指摘されたもののうち、「アイミクロン メガネクロス」が選書リストに含まれているのが分かった。

山口良樹海老名市議会議員が公表している選書リスト(1)の中に、

No. 6043 ベビーピンク
No. 6046 浮世絵【歌川広重】東海道五十三次 品川・日之出
No. 6053 浮世絵【歌川広重】東海道五十三次 日本橋・朝之景
No. 6086 セージグリーン
No. 6107 ブラウン
No. 6108 四日市・三重川
No. 6134 ホワイトベージュ
No. 6168 レモンイエロー
No. 6363 フレッシュピーチ
No. 6364 浮世絵【歌川広重】東海道五十三次 品川・日之出
No. 6434 富岳三十六景 凱風快晴

がある。興味深いのは、No. 6046と6364とが重複していることだ。

一応、上記の「ナムラーのブログ」の記述は部分的には確認できたことになる。

あと、タジン鍋などの記述に関する他の記事など。

海老名市立図書館に行ってみタジン鍋 - Togetterまとめ

眼鏡ふき・おろし金・シリコン鍋……武雄市に続き来月新装開館予定の海老名市立中央図書館でも「疑惑の選書」が発覚か | ガジェット通信(DATE:2015.09.18 05:25 BY: 84oca)

一見すると書籍とは思えないこれらの商品ですが、例えば『アイミクロンメガネクロス』は実用書や児童書を出版している永岡書店がISBNコードを付与して書店流通で販売しているためAmazonや楽天ブックスなどのネット書店でも「単行本」のカテゴリに分類されています。同様に『スピードサラダおろし』は主婦の友社が、『シリコン製タジン鍋』はコスミック出版がそれぞれの調理器具の使用例として料理のレシピを掲載したブックレットを付けて書店流通で販売しており、流通経路上は確かに「書籍」と言えなくもありませんが公立図書館の蔵書としてふさわしいものとは考えにくいと言わざるを得ません。

武雄市の場合は「目標冊数を揃えるためにTSUTAYAがフランチャイジーとして加盟している古書店から不良在庫を大量に買い取ったのではないか」という指摘がありますが、海老名市でも同様にカルチャー雑誌『STUDIO VOICE』が7冊、女性誌『Olive』が11冊などいずれも1990年代発行のバックナンバーが細切れで購入されているとのことで武雄市と同様に冊数優先で古書店から不良在庫を買い取った可能性を指摘する声が『Twitter』などで挙がっています。

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2015/09/12

武雄市図書館、毎日新聞の記事のクリップ

たまたま見つけたので拾っておく。

*****************
追記:2015年9月12日18時35分

佐賀新聞の記事を末尾に追加した。
「2年半の間に一度も借りられていない本」1630冊を別の本と入れ替えるとのこと。
これで、選書への批判をかわそうということらしい。
だが、二つの意味で余計に悪手だと思う。追加記事の下に簡単に私見を述べておく。

さらに追記:2015年9月13日1時55分
樋渡氏がブログでコメントしていたのを追記。

さらにさらに追記:2015年9月15日15時57分
安倍首相が武雄市図書館を「アベノミクスの象徴」と紹介していたとの記事を追加。
*****************

武雄市図書館:カンパニー長・高橋さんインタビュー 80万来館者「足場固めた結果」 /佐賀 - 毎日新聞(2015年04月08日 地方版)

 ◇昨年度から語学教室や留学生講座 地域おこし、人材育成

 レンタル大手TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理する武雄市図書館は7日、民営化2年目の昨年度の来館者数を80万736人と発表した。初年度の92万3036人に比べ13・25%の減。CCC執行役員で図書館カンパニー長の高橋聡さん(43)は「地道に足場を固めた当然の結果」と分析する。【渡部正隆】

 −−足場を固めたとはどんな意味か

 確かに来館者数は図書館人気を測るバロメーターだが、我々は開館前から図書館は社会教育施設と認識し「地域のためになる図書館づくり」を目指してきた。初年度は想定外のブームに沸いたが、2年目は来館者数が落ち着くと考えていた。

 −−2年目は運営方針を変えたのか

 初年度は「本に触れていない人も来て」とさまざまなイベントや著名人の講演会で来館者増を図った。それが達成され、2年目からは本来の機能磨きに専念する。来館者数も昨年後半から回復しており、長期的視点に立って取り組める。

 −−「地域のためになる図書館」とは?

 市民の自己成長をサポートし、知識や可能性を広げたい。それで昨年10月から英会話教室を始め、先月からは韓国語教室も始めた。また、留学を支援するセミナーにも取り組んでいる。語学力とプログラミング能力が、これからの地域おこしの人材には必要だ。

 −−初年度は「急増した来館者対策で人件費が増え、赤字になった」と言っていたが、2年目の収支は?

 職員のスキルの向上で収支はトントンの感じが出てきた。リニューアル時に本の検索や貸し出しのシステムを全面的に変更したので職員はまずその使い方を覚えるのに大変だったと思うが、2年目はその使い方にも慣れ、接客マナーや仕事の効率化を考えて仕事ができるように成長した。

 −−主な改善点は?

 元キャビンアテンダントの職員の指導で接客マナーは全員が一定のレベルに達した。司書も利用者の調べものを支援する「レファレンスのプロ」を育てたいと思っていたが、13人のうち3人のスキルが向上した。今月から3人を契約社員から正社員にした。今後も正社員を増やす方針だ。

 −−図書館カンパニーとして公立図書館の運営は増えているのか

 宮城県多賀城市、山口県周南市、神奈川県海老名市に加え、新たに宮崎県延岡市、岡山県高梁市、愛知県小牧市の図書館づくりに協力している。このうち海老名市立図書館は図書館流通センターと共同指定管理者になり、今年10月に開館する。

 −−武雄と同じく年中無休・12時間開館・カフェ併設なのか

 我々は必ず開館前にアンケートで市場調査をするが、どこでもこの3点は要望が高い。それで結果的にこの3点が共通になるが、それぞれの図書館が抱える課題は異なる。人口減が止まらないとか、駅前のにぎわいを取り戻したいとかだ。

 −−武雄市は市長が代わり、現市長は児童図書館の建設に慎重姿勢だが、影響はある?

 武雄市図書館の当面の課題は来館者数に比べて駐車場が狭く、席数も少ないこと。アンケートでもこの要望は強く、何らかの対策は必要。しかし、費用対効果なども考えなければならない。いろんな選択肢を考え、市長に提案したい。

武雄市:樋渡氏、アドバイザーに 教育改革で助言 /佐賀 - 毎日新聞(2015年07月02日 地方版)
 武雄市の小松政市長(39)は1日、前市長で地方活性化を目指す民間会社「樋渡社中」の樋渡啓祐社長(45)を市の地方創生アドバイザー(無給の市特別顧問)に委嘱した。樋渡氏が地方自治体のアドバイザーに就任するのはこれで11カ所目。

 小松市長は4月、樋渡氏に「その知見と人脈を私の政策に生かしたい」と公式に顧問就任を要請した。一方、樋渡氏は「私が出しゃばって小松市政の障害になっては」とタイミングを計っていた。

 樋渡氏は6月29日、官民ファンドの地域経済活性化支援機構(東京)の社外取締役兼内閣府地域経済活性化支援委員会委員に就任した。その際、機構の社長から「支援の必要な自治体との橋渡し役をしてほしい」と頼まれたこともあり、顧問就任を引き受けた。

 小松市長は「官民一体型学校など教育改革が私の一番大事な政策。その面で助言を頂きたい」と求めた。樋渡氏は「教育改革は、私が(市長時代に秘書課長だった)小松市長と二人三脚で進めた政策なので、大変光栄です」と応じた。

 2人は定期的に会談するのではなく、樋渡氏が市長の相談相手として随時、諮問に答える。任期は来年3月までの9カ月間。社外取締役の1年間より更に短いが、樋渡氏は「短期間で成果の出ないものは(長くしても)出ない」と述べた。【渡部正隆】

武雄市図書館:不要本、市教委「安全対策で図書費削った」 - 毎日新聞(2015年09月12日 10時39分(最終更新 09月12日 11時56分))
 佐賀県の武雄市図書館が公費で不要な本を購入していたとインターネット上や週刊誌で指摘されたことを受け、同市教委は11日「書架の安全対策が緊急に必要となり、図書購入費を削ってやり繰りした結果」と説明した。一方、指定管理者のCCC(カルチァー・コンビニエンス・クラブ)は新たに1630冊を図書館に寄贈すると発表した。

 同図書館は一昨年4月、民間のCCCが運営する全国初の公立図書館として改装開館した。開館前に約1万冊を新規購入し「20万冊の知と出合える」をうたい文句にした。

 インターネットと週刊誌は先月以来、20万冊の蔵書の中に11年前の公認会計士の試験問題や埼玉県のラーメン店のガイド本など「読まれるとは思えない本」が含まれ、不良在庫の一括購入疑惑などを指摘していた。

 市教委によると、図書購入費として当初2056万円を計上していた。しかし、書架からの本の落下防止などに1224万円が必要となり、図書費を756万円に減額した。

 購入はCCCが請け負い、古本を選んだ。市教委は「古本は了解していた。CCCの選書に、有害図書が含まれていると困るので、書名も市の担当者がチェックしたはずだが、当時は改装開館直前のあわただしい時期。時間的余裕はなかった」と言う。

 CCCは蔵書を調査し、開館から今月9日までの2年半に「一度も借り出されていない本」が1630冊あると公表。同数の本を図書館に寄贈するという。市教委の浦郷究教育長は「CCCとは互いに信頼し合い今日の図書館を築いてきた。これまで予想以上のことをしてもらったという思いもある」と述べ、今後も運営委託する方針を強調した。【渡部正隆】

しらを切る、ウソをつく、証拠は隠し隠滅する、責任逃れを画策する。これは人間と組織の本性。同じ境遇に立ったとき、自分も同じ言動をしないという自信はない。だからこれは他山の石だが、だからこそ規制と監視が必要であり、「お友達」感覚の裁量拡大は戒められなければならない、特に公的分野においては。

→神戸市議会の自民党の不正経理事件はこの真実を示す一つの典型になっている。

初めは不正疑惑自体を否定していたが、それが否定しきれなくなると、一転して「私は知らなかった」を連発。しかし、その後関与を示す証拠が出てきたという段階。
自民党会派は、亡くなった人に全てをかぶせ、自らが関係者を告発することで逃げ切るつもりのようだ。

政務費 選挙流用か/神戸 自民系市議団が1120万円(赤旗:2015年8月13日(木))

 神戸市議会の「自民党神戸」市議会議員団による政務活動費不透明支出問題で、調査委託名目で支出した約1120万円が4月に行われた市議選で「陣中見舞い」として現職議員ら16人に渡されていたことが明らかになりました。

 10日に開かれた会派代表者会議で、不透明支出の窓口となっていた大野一・元議員(6日に死去)の代理人・阪本豊起弁護士が明らかにしたもの。

 阪本弁護士によると、「自民党神戸」市議会議員団が、カンスケインターナショナルに調査委託名目で支出した約1120万円を、3月末に現職議員12人に1020万円、新人候補5人に100万円渡したとしています。当時の会派代表の浜崎為司議員もこのことを認めています。代表者会議で浜崎議員は「議員団総会で封筒に入れて渡した」と発言しています。渡された現職議員のうち一人は翌日に返金、新人の内一人には渡されていません。代表者会議までに10人から返金されたとしています。未返還分も含め、大野議員が全額、政務活動費として不適切だとして神戸市に返還しています。

 浜崎議員は「政務活動費とは知らなかった」としていますが、阪本弁護士は「誰に配るか、いくら渡すか、大野議員は関与していない」としており、一層疑惑は深まっています。こうした現金のやりとりが常態化していたのではないかとの疑惑も出ています。

 日本共産党の松本則子団長は、真相解明のために、市民が傍聴できる特別委員会を立ち上げ、原因の究明と再発防止、関係者からの事情聴取等を求め続けています。

神戸新聞NEXT|社会|見解に矛盾深まる疑惑 弁護士説明と食い違い 神戸市会政活費流用か(2015/8/11 07:00)
 神戸市議会の会派「自民党神戸」で繰り返されていた政務活動費(政活費)を使った架空委託は、選挙のための「裏金」づくりだった疑いが浮上した。10日に会見した市議3人は、政活費の流用について否定する一方、「封筒に入った現金が用意されていたので配った」「どんなお金かいちいち確認しない」などと市民感覚とはかけ離れた説明に終始。大野一元市議の代理人との見解の食い違いも目立った。

 報道陣の質問は、3月下旬に同会派の市議ら17人に用意された計1120万円に対する認識に集中。元市議の代理人阪本豊起弁護士は「寿司(すし)店経営」会社への架空委託で工面した、と指摘したが、3人は「知らなかった」と淡々と繰り返した。

 当時の団長として現金の配布役を担った浜崎為司市議は「会派の事務員が、小分けにして持ってきた現金入りの封筒を配った。どういうお金かは全く聞いていない」と説明。大野元市議の関与を知ったのは、政活費をめぐる一連の疑惑が発覚した6月末ごろとし、「親分肌の人だったので、ご自分で資金捻出を考えたのだろう」。阪本弁護士は「大野元市議が単独で現金を配ろうとしたとは考えられない」と反論した。

 一方で、3人は、現金の名目が、市議選を控えた陣中見舞いだったことは認めた。梅田幸広、坊池正両市議は、ともに100万円ずつ受け取ったと証言する一方、領収書を切らない現金のやりとりに疑問を感じなかったという。梅田市議は「これまでの選挙でも企業などから受け取っていたが、お金の出どころを確認することはない。『ありがとうございます』と喜んで使っている」と話した。

 また、不透明支出が発覚した後の行動についても認識が分かれた。阪本弁護士によると、大野元市議が市に返還した約1530万円に充てるため、市議らが元市議側に返した金額は、全て陣中見舞いで配られた額と一致しているという。

 阪本弁護士は「常識で考えれば、(陣中見舞いを受け取った市議らが)お金の意味や出どころを分かっていることになる」と強調。この指摘に対し、浜崎市議は「たまたま一致したんだと思う」と答えた。

(小川 晶、紺野大樹、斉藤正志)

<自民市議団が大野氏ら告発>

 神戸市議会の会派「自民党神戸」の政務活動費(政活費)をめぐる問題で、会派「自民市議団」は10日、今月6日に亡くなった大野一元市議ら2人について、虚偽公文書作成・同行使の容疑で兵庫県警に告発した。県警は今後、告発状の受理について検討する。

 自民市議団の安達和彦団長によると、大野元市議は2011~12年、調査を委託したとする業者の男性1人とともに、実際には行っていない調査4件分の関連書類を作成するなどした疑いがある、としている。

 安達団長は、大野元市議が自民党神戸で団長を務めていた期間の調査委託を告発対象にしたと説明。4件で支出された政活費は計約370万円という。

神戸新聞NEXT|社会|政活費流用疑惑 「陣中見舞い」選挙費用報告書に未記載 神戸市会11市議(2015/8/12 06:50)
 神戸市議会の会派「自民党神戸」が4月の市議選前、政務活動費(政活費)の架空委託で捻出したとみられる現金を会派の市議らに「陣中見舞い」として配っていた問題で、受け取った当時の現職11人=直後に返還の1人を除く=が市議選の「選挙運動費用収支報告書」に収入として記載していないことが、11日に公開された同報告書で分かった。告示後の選挙運動資金として受け取っていれば「寄付」と記載する必要があり、公職選挙法に抵触する可能性もある。

 神戸市選挙管理委員会によると、公選法は候補者が選挙運動に使った収入を「寄付」と「その他の収入」に分けて同報告書に記載するよう規定。1万円を超える場合は、提供を受けた個人の氏名や団体名などの記入も義務づけている。

 この問題は10日、架空委託の窓口だった大野一元市議=6日に病死=の代理人弁護士が会見で指摘。プールされた1千万円超の「裏金」が市議選前の3月下旬、同会派所属の現職12人らに陣中見舞い名目で配られたとし、会見に同席した浜崎為司、梅田幸広、坊池正の3市議=いずれも現在は別会派=も現金の受け取りを認めた。

 現職への陣中見舞いの額は1人50万~100万円とされ、市選管は「選挙運動に充てる資金として受け取っていれば、『寄付』と報告する必要がある」と指摘。だが、受領した現職11人の同報告書に該当する記載はなかった。

 一方、選挙運動資金ではなく「政治資金」として受け取っていれば、別の報告が必要。兵庫県選管によると、政治資金規正法は、資金管理団体など市議の政治団体が受けた年間の寄付を、翌年3月末までに報告するよう規定している。

 受け取った市議の一人は「選挙向けの資金との認識はあったが、告示日までの政治活動で使ったと思う」と説明。自身の政治団体の収支報告書に記載する予定という。(小川 晶、紺野大樹)

 神戸市議会の政務活動費問題 会派「自民党神戸」が2010~14年度、政活費を使って調査などを委託した業者が、収支報告書に添付された領収書の住所に存在しないことが6月に発覚。委託の窓口だった大野一元市議が約1120万円分について、架空だったことを弁護士を通じて認めていた。別の業者への273万円分についても架空だったとみられる。

政活費不正:領収書ネット公開へ 神戸市議会、初会合 - 毎日新聞(2015年09月03日 13時20分)
 神戸市議会の会派「自民党神戸」が政務活動費を不正に受け取り、今年4月の市議選前に陣中見舞いとして議員らに分配していた問題で、市議会は3日、原因究明や不正防止策を考える検討会を設置し、初会合を開いた。政活費の領収書などをインターネットで公開する見通しになったほか、当時の自民党神戸の所属議員や関係者に検討会への出席と説明を求めることが決まった。

 神戸市議会の政活費は、会派に一括支給され、領収書付きの収支報告書を会派が作成する仕組みで、チェックは会派に委ねられている。初会合には、各会派の代表ら15人が出席し、不正防止策について意見を提出。領収書のネット公開以外に、会計士など第三者が収支報告をチェックする案なども出されたが、詳細は次回以降の協議に持ち越された。

 一方、陣中見舞いとして政活費が配られた経緯は解明されておらず、会合では当時自民党神戸に所属していた議員ら関係者を招いて今月中旬に事情を聴くことが決まった。

 自民党神戸を巡っては、2010〜14年度に架空のアンケート委託費で約1400万円を調達していたことが判明。陣中見舞いとして配られていたことを委託窓口だった大野一市議(8月に病死)の代理人が明らかにし、会派ぐるみだった疑惑が浮上している。【久野洋、井上元宏】

神戸新聞NEXT|社会|神戸市会の自民神戸 政活費の“裏帳簿” 複数市議関与か(2015/9/11 07:02)
 神戸市議会の会派「自民党神戸」が政務活動費(政活費)を使って架空委託を繰り返していた問題で、架空委託による裏金づくりや所属市議らへの「陣中見舞い」などの収支を記載した“裏帳簿”が存在することが10日、神戸新聞社の調査で分かった。既に判明している架空委託以外にも政活費から裏金を捻出したとみられる記載などがあり、同会派をめぐる疑惑はさらに広がりそうだ。

 裏帳簿はほぼ全て手書きで、同会派関係者がメモしていたとみられる。神戸新聞社が入手した裏帳簿のコピーによると、2010年3月以降、政活費からとみられる収入が少なくとも二千数百万円記載されていた。

 自民党神戸の政活費問題では、架空委託の窓口だった大野一元市議=8月に病死=の弁護士が8月10日、架空委託でプールされた1千万円超の裏金が市議選の陣中見舞いとして同会派の市議らに配られた-と説明。弁護士のこうした指摘は、この裏帳簿などに基づいたものとみられる。

 裏帳簿の記録は10年3月末~15年4月。収入欄には「調査委託料 180万円」「政務活動費より 494万円」などと記載され、架空の委託先とされた業者や、一部には関係する市議の名前が書かれていた。既に架空だったことが判明している調査委託では、一部を除いて裏帳簿に記載があり、同会派の政活費収支報告書に添付された領収書の金額と、裏帳簿に記された収入額とが一致した。

 また、「印刷代」として収支報告書に委託業者発行の領収書が添付されているものの、全く同じ金額が裏帳簿に収入として記載されているケースが複数あり、判明分以外にも架空委託が横行していた疑いも強まっている。

 複数の市議らの関与を裏付ける裏帳簿の存在について、自民党神戸の幹部だった市議は神戸新聞社の取材に対し、「そのような帳簿があったことも知らなかったし、見たこともない」としている。(紺野大樹、小川 晶)

 【神戸市議会の政務活動費】 市議の調査研究のため、所属会派に議員1人当たり月額38万円が交付される。会派の所属人数に応じて政務調査員を配置でき、1人につき最大で月額34万円が加算される。調査委託、管外調査、広報費など10項目の支出が認められている。2007年7月分から1円以上全ての支出について領収書の添付が義務付けられた。

神戸新聞NEXT|社会|神戸市会政活費流用2千万円超か “裏帳簿”で金の流れ鮮明に(2015/9/12 06:50)
 神戸市議会の会派「自民党神戸」が政務活動費(政活費)から捻出した裏金約1千万円を今春の市議選前、会派の市議らに「陣中見舞い」として配ったとされる問題で、裏金の収支を記録した“裏帳簿”に、今年1月にも当時の所属市議ら16人に計約700万円を配ったと記されていることが11日、分かった。裏帳簿には市議らへの支出の記載がほかにも複数あり、総額は2011年以降で2千万円超に上っている。

 裏帳簿の存在は10日に判明。神戸新聞社が入手した裏帳簿のコピーからは、政活費の架空委託などで捻出した裏金が市議らに流れる構図が鮮明に浮かび上がる。また、こうした裏金が同会派の経理責任者を務めた市議名義の銀行口座で管理されていたことも11日、新たに分かった。

 自民党神戸の政活費問題では、架空委託の窓口だった大野一元市議=8月に病死=の弁護士が、架空委託でプールされた1千万円超の裏金が、市議選前の陣中見舞いとして同会派の市議と新人立候補予定者計16人に配られた、と指摘。当時の所属市議は、1人当たり最高100万円の受領を認めている。

 一方、裏帳簿には市議選前の陣中見舞いとは別に、今年1月5日の日付で「議員12名(全員)に各50万円手渡す」▽同6日の「次期市議選出馬予定者4名に各20万円」-という記載や、11年の市議選や13年の市議補選でも陣中見舞いを配ったとみられる記録があった。一部には関与した市議らの名前も書かれていた。

 1月の現金受け取りについて、神戸新聞社の取材に対し複数の市議らが「(昨年12月か今年1月に)『もち代』名目で受け取った」「現金は受領したが、10万円か20万円ぐらいだった」などと認めている。

 また裏帳簿からは、陣中見舞いなど以外で市議らに支出しているケースとして、中華料理店での打ち上げ(約19万円)▽かにを食する会(7人で約14万円)▽ゴルフ(7人で約26万円)-などの記載が確認できた。

 神戸市議会は14、15日、真相究明や再発防止策を議論する検討会を開き、同会派に所属していた市議ら関係者から事情を聴く。

(紺野大樹、小川 晶)

神戸新聞NEXT|社会|神戸市会政活費流用 “裏帳簿”作成認める 政務調査員(2015/9/12 06:55)
 神戸市議会の会派「自民党神戸」の裏金の収支が記録された“裏帳簿”について、同会派の政務調査員として経理などを担当していた女性が11日、神戸新聞社などの取材に、自身が作成したと認める一方、出入金は、大野一元市議と、当時会派の幹事長だった岡島亮介市議に指示されていたと証言した。

 裏帳簿はほぼ全て手書きで、2010年3月末~15年4月の収支を記録。架空委託などで捻出したとみられる裏金や、所属市議らへの「陣中見舞い」などの収支が書かれ、既に判明している分以外にも架空委託が疑われる記載がある。

 女性は、裏金を専用の銀行口座で管理していたことを明かし、「初めは(何の金か)分からなかったが、徐々に裏金の口座だと感じるようになった」と話した。(紺野大樹、藤村有希子)

神戸新聞NEXT|社会|神戸市会政活費不透明支出 委託先「調査していない」(2015/7/7 07:30)
 神戸市議会の会派「自民党神戸」が業者に委託した調査などで政務活動費(政活費)に不透明な支出が見つかった問題で、委託先の一つとされる神戸市内の人材派遣会社の男性社長(36)が6日、神戸新聞社などの取材に応じ、「友人の男性に頼まれて2、3回、会社名義の領収書を発行した。(会社として)調査はやっていない」と証言した。

 政活費の収支報告書によると、自民党神戸は2011~12年度、大野一市議(62)=現在は別会派=が窓口になり、市政についてのアンケート4件を同社に委託。政活費から1回当たり42万円~126万円、計273万円を支出し、報告書にはこの会社名義の領収書を添付していた。

 この社長によると、領収書の使途は空欄にし、友人の指示通りの金額と「自民党神戸」の宛名を記入して渡していたという。社長は「古くからの友人に頼まれた。安易に考えていた」と説明。友人が同社でアルバイトの経験があるとしたが、詳細は明かさず、実際に友人が調査をしていたかどうかについては「分からない」と答えるにとどめた。

 大野市議は今月3日の会見で、「個人と契約を結ぶ発想がなく、(この社長の友人に)どこかの会社の社員として契約し、会社で領収書を発行してもらうよう頼んだ」などと話していた。社長は、友人が大野市議の指示を受けていたことは知らなかったという。

 自民党神戸による政活費の不透明な支出をめぐっては、同社の他に10~14年度、報告書に添付された領収書の住所に存在しない業者に計約1120万円かけてアンケートを委託。大野市議は、2社から受け取ったという計15件のアンケート結果を公表したが、対象者の性別や年代が分からず、設問と回答がかみ合っていないなど、一般的な調査の体を成していない点が目立った。(小川 晶、紺野大樹)

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追記(2015年9月12日18時35分)

貸し出しなし1630冊 CCC新たに選書、寄贈へ|佐賀新聞LiVE(2015年09月12日 09時53分)

 武雄市図書館の指定管理者カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、図書館をリニューアルする準備段階で購入した本のうち2年半の間に一度も借りられていない本が1630冊あったとして、同じ数の別の本を市に寄贈すると発表した。ネット上などで「10年以上前の不要な本が購入されている」などと問題視されたことに対処した。CCCの増田宗昭社長は同社ホームページで「より精度の高い選書を行うべきだった事を反省している」としている。

 CCCや武雄市教委によると、市は2012年度、13年4月からの指定管理委託を前に新図書館サービス環境整備業務の委託費としてCCCに4100万円を支出した。CCCはこのうち760万円で1万132冊を当時グループ会社だった「ネットオフ」などから中古本を中心に購入した。

 購入書籍の中に「図解2000年の会計」「2009年の狙い目株」といった10年以上前に出版された本などが含まれていることを疑問視する意見がネットで広がり、週刊誌などが報じた。

 CCCは10日、ホームページに社長名で「初期蔵書の強化で購入した蔵書について、より精度の高い選書を行うべきだった」という内容の「お知らせ」を掲載。対応策として新たに選書した同数の本を市に寄贈する方針を明らかにした。

 CCC広報は「借りられなかった本がある事実を重く受け止め、今回の対応になった。アンケートを反映させるなど精査したつもりだが、さらに精度を高めるべきだった。開館まで時間がなかったことや、初めての図書館運営委託だったことも影響した」と釈明した。グループ会社から中古本を購入したことは「経費削減が必要になり、中古本の幅広い蔵書がある会社を選択した」としている。

 武雄市教委は「20万冊開架を目指す中で本の落下防止対策費が必要になり、教委の判断で中古本を購入して2056万円の予定額を756万円に抑えた。本の内容も確認していた」などと説明した。浦郷究教育長は、市議会や関係者にそうした経緯の説明を欠いていたことや、委託業務に関する訴訟が起きて説明が遅れたことを陳謝した。

 選書について、CCCは「精度を高める必要はあったが基準は逸脱していない」と答え、市も問題視していない。

疑問視される購入図書の一部

・「2009年の狙い目株」

・「海外金融商品全ガイド2001」

・「図解わかる確定申告2002年3月申告版」

・「あなたの街の評判歯医者さん2005東京」

・「子どもとでかける大阪あそび場’98」

「2年半の間に一度も借りられていない本」と同じ冊数を「寄贈」するのは、悪手だと思う。

1.閲覧回数が少ない本が「不要な本」だと批判されているわけではない。
2.「寄贈」される本の選書をどうするのかが示されていない。

1.については、「公共図書館の蔵書としてふさわしくない」という批判が核心なのに、「選書には問題がなかった」とその批判から逃げている。こういう態度が「図書館を運営する能力・資格がない」という批判を補強することになっている。これはCCCだけでなく、武雄市の図書館運営能力という、より根本的なところへの不信感へつながる。樋渡氏とCCCだけから、市役所全体への疑いへと問題を深くしてしまっている。

2.については、情報を公開し、市民参加によって蔵書の質を高めるという作業を通じて、CCCへの信頼を取り戻すよい機会にできるのに、そのチャンスを逸している。上記1.とも関連するが、「一度も借りられなかった」ことは寄贈の理由にはならないから、本来はそもそもの選書のまずさに触れねばならない。本来はそれを正面から取り上げて再発防止策を明言するのが企業の危機管理対策としても正しい。しかしそこから逃げたことで、かえって責任問題回避を印象づける悪手となっている。

CCCにとって、1冊5千円で2千冊でも1千万円程度の出費で済むから、本来は批判に真っ正面から取り組んだ方がもうけは大きくなるはずである。にも関わらず、それをしないのは、企業側に何らかの事情か組織体質があるのか、武雄市の側に何らかの事情があるのか、あるいは樋渡氏などの人脈上の都合があるのか、のどちらかだろう。

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さらに追記(2015年9月13日1時56分)

武雄市図書館リニューアルオープン時の蔵書購入について | 樋渡社中(日付不明だが本文記述から9月12日に書かれたものと思われる)

昨日は伊賀市でセミナー。テーマはずばり「図書館」。当然ながら多くの取材陣がお見えになり、市民の皆さんからいろいろなご質問を頂きました。

図書館の選書に関するものもありましたが、セミナーが終わってからも、「なぜ選書体制が完全ではなかったのか」「意図的に不要な古書を買ったのではないか」「何らかの癒着があったのではないか」「まだ何か隠していることはないのか」というご質問を頂きました。

まず申し上げたいのは、一企業を利するような意図はなかったということです。武雄市教育委員会から本日、発表があったように開館準備を進める上で図書館の安全対策費用が発生し、その費用捻出の為に中古本を使用した蔵書購入でコストダウンを図ったのが経緯です。

CCCは、教育委員会の指示により、2056万円の蔵書購入費を756万円に圧縮し、緊急に発生した安全対策費用を捻出しておりました。その捻出に当たってのプロセスについては武雄市教育委員会も了解をして進めておりました(CCCの発表資料はこちらです。)。

この決定プロセスについては、教育委員会及び現場に委ねており、当時の行政の最高責任者である私が詳細まで関知していなかったことについて、反省の上、お詫び申し上げます。

確かに、行政手続として問題はなかったにしても、プロセスについて説明を怠っていたことは所管の武雄市教育委員会、そして、予算編成権を有する市長であった私の責任は重い。

とは言え、追加で必要な費用が発生し、追加予算措置を行なう時間と捻出体力も無い武雄市にとって、限られた予算で効率化をはかり、より高い市民価値を実現しようとしたことは間違ってはいなかったと思っています。

武雄市図書館のリニューアル準備の時間はわずか1年弱。講演などで冗談交じりに話していましたが、「オープンを伸ばしてください。さもないと倒れます」とCCC担当者に泣きつかれて、「分かりました。リニューアルしてから倒れていただけないでしょうか」とお願いしたのは、本当の話です。

政令指定都市でもなければ、無名の地方の一市町村である武雄市が、スピードを持って価値を形にしなければ、埋没してしまう。着任当初から、強烈な危機感がありました。とにかく早く形にして、魅力ある図書館をつくって、市の財産として皆さんと共に育てていきたいと思いました。また、修正すべきものは市民の皆さんのご意見を伺いながら、速やかに修正していく、その姿勢を堅持して参りました。

しかし、そのスピードというしわ寄せが大きく、条例改正や議決、予算確保に追われながら、本来最も重視するべき行政の説明責任が機能しなかったのは、自身の責任以外にないと思います。申し訳ありませんでした。

図書館を使ってくださる市民のみなさまのために、遠くからはるばる武雄市図書館に訪れてくださったみなさまのために、このようなことが再発することない防止策を徹底し、速やかに軌道修正していくこと、そのために必要な情報を速やかに開示していくこと、引き続き、図書館の価値向上に全力を挙げていくことが重要であると思っています。

初期に納入された蔵書の内容についてもいくつか指摘を受けておりますが、当時のCCCも武雄市も今から考えると選書に弱さがあったことは、率直に認めます。過去に戻れば「ああすれば良かった」と気付く点については開館2年を経て、より成長した武雄市とCCCの共同体制で不断の見直しを行なってもらうことを期待しています。

最後に、どうか、多くのご意見をお寄せください。より良い図書館をつくっていくために、力を貸してください。よろしくお願い申し上げます。

ご本人は自分に火の粉が飛んでこないと考えて涼しい顔のようだが、道義的に不穏な発言がいくつか見られる。ただ、マスコミ記者多数からの質問に、さすがに無視や揶揄もできかねる状況であるとは考えているようである。

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さらにさらに追記:2015年9月15日15時57分

樋渡啓祐氏「総理、『武雄市図書館はアベノミクスの象徴だ、と言われている』と発言」~武雄市長物語より(130):|NetIB-NEWS|ネットアイビーニュース(2013年7月16日 18:57)

本件を考察しているブログ記事。
武雄市図書館がアベノミクスの象徴だなんてありえないから。: さまよう金の髭

この方の分析によれば、安倍首相が「象徴」と直接認定したのではなく、「象徴と言われている」と伝聞調で述べたに過ぎないとのこと。
ただ、この方も言うとおり、選挙応援演説でこのことを肯定的に取り上げ、称揚している以上、安倍氏が「象徴」と見てもよいと思っていたとは言える。

そして、事実関係は異なっていても、マインドが同質だという点で、まさに武雄市図書館は「アベノミクス」の象徴であると私は思う。これは橋下氏などが公共の資産・インフラを「民間」に安価に払い下げて「活力」を生むという発想と同根である。

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