たまたま見つけたので拾っておく。
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追記:2015年9月12日18時35分
佐賀新聞の記事を末尾に追加した。
「2年半の間に一度も借りられていない本」1630冊を別の本と入れ替えるとのこと。
これで、選書への批判をかわそうということらしい。
だが、二つの意味で余計に悪手だと思う。追加記事の下に簡単に私見を述べておく。
さらに追記:2015年9月13日1時55分
樋渡氏がブログでコメントしていたのを追記。
さらにさらに追記:2015年9月15日15時57分
安倍首相が武雄市図書館を「アベノミクスの象徴」と紹介していたとの記事を追加。
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武雄市図書館:カンパニー長・高橋さんインタビュー 80万来館者「足場固めた結果」 /佐賀 - 毎日新聞(2015年04月08日 地方版)
◇昨年度から語学教室や留学生講座 地域おこし、人材育成
レンタル大手TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理する武雄市図書館は7日、民営化2年目の昨年度の来館者数を80万736人と発表した。初年度の92万3036人に比べ13・25%の減。CCC執行役員で図書館カンパニー長の高橋聡さん(43)は「地道に足場を固めた当然の結果」と分析する。【渡部正隆】
−−足場を固めたとはどんな意味か
確かに来館者数は図書館人気を測るバロメーターだが、我々は開館前から図書館は社会教育施設と認識し「地域のためになる図書館づくり」を目指してきた。初年度は想定外のブームに沸いたが、2年目は来館者数が落ち着くと考えていた。
−−2年目は運営方針を変えたのか
初年度は「本に触れていない人も来て」とさまざまなイベントや著名人の講演会で来館者増を図った。それが達成され、2年目からは本来の機能磨きに専念する。来館者数も昨年後半から回復しており、長期的視点に立って取り組める。
−−「地域のためになる図書館」とは?
市民の自己成長をサポートし、知識や可能性を広げたい。それで昨年10月から英会話教室を始め、先月からは韓国語教室も始めた。また、留学を支援するセミナーにも取り組んでいる。語学力とプログラミング能力が、これからの地域おこしの人材には必要だ。
−−初年度は「急増した来館者対策で人件費が増え、赤字になった」と言っていたが、2年目の収支は?
職員のスキルの向上で収支はトントンの感じが出てきた。リニューアル時に本の検索や貸し出しのシステムを全面的に変更したので職員はまずその使い方を覚えるのに大変だったと思うが、2年目はその使い方にも慣れ、接客マナーや仕事の効率化を考えて仕事ができるように成長した。
−−主な改善点は?
元キャビンアテンダントの職員の指導で接客マナーは全員が一定のレベルに達した。司書も利用者の調べものを支援する「レファレンスのプロ」を育てたいと思っていたが、13人のうち3人のスキルが向上した。今月から3人を契約社員から正社員にした。今後も正社員を増やす方針だ。
−−図書館カンパニーとして公立図書館の運営は増えているのか
宮城県多賀城市、山口県周南市、神奈川県海老名市に加え、新たに宮崎県延岡市、岡山県高梁市、愛知県小牧市の図書館づくりに協力している。このうち海老名市立図書館は図書館流通センターと共同指定管理者になり、今年10月に開館する。
−−武雄と同じく年中無休・12時間開館・カフェ併設なのか
我々は必ず開館前にアンケートで市場調査をするが、どこでもこの3点は要望が高い。それで結果的にこの3点が共通になるが、それぞれの図書館が抱える課題は異なる。人口減が止まらないとか、駅前のにぎわいを取り戻したいとかだ。
−−武雄市は市長が代わり、現市長は児童図書館の建設に慎重姿勢だが、影響はある?
武雄市図書館の当面の課題は来館者数に比べて駐車場が狭く、席数も少ないこと。アンケートでもこの要望は強く、何らかの対策は必要。しかし、費用対効果なども考えなければならない。いろんな選択肢を考え、市長に提案したい。
武雄市:樋渡氏、アドバイザーに 教育改革で助言 /佐賀 - 毎日新聞(2015年07月02日 地方版)
武雄市の小松政市長(39)は1日、前市長で地方活性化を目指す民間会社「樋渡社中」の樋渡啓祐社長(45)を市の地方創生アドバイザー(無給の市特別顧問)に委嘱した。樋渡氏が地方自治体のアドバイザーに就任するのはこれで11カ所目。
小松市長は4月、樋渡氏に「その知見と人脈を私の政策に生かしたい」と公式に顧問就任を要請した。一方、樋渡氏は「私が出しゃばって小松市政の障害になっては」とタイミングを計っていた。
樋渡氏は6月29日、官民ファンドの地域経済活性化支援機構(東京)の社外取締役兼内閣府地域経済活性化支援委員会委員に就任した。その際、機構の社長から「支援の必要な自治体との橋渡し役をしてほしい」と頼まれたこともあり、顧問就任を引き受けた。
小松市長は「官民一体型学校など教育改革が私の一番大事な政策。その面で助言を頂きたい」と求めた。樋渡氏は「教育改革は、私が(市長時代に秘書課長だった)小松市長と二人三脚で進めた政策なので、大変光栄です」と応じた。
2人は定期的に会談するのではなく、樋渡氏が市長の相談相手として随時、諮問に答える。任期は来年3月までの9カ月間。社外取締役の1年間より更に短いが、樋渡氏は「短期間で成果の出ないものは(長くしても)出ない」と述べた。【渡部正隆】
武雄市図書館:不要本、市教委「安全対策で図書費削った」 - 毎日新聞(2015年09月12日 10時39分(最終更新 09月12日 11時56分))
佐賀県の武雄市図書館が公費で不要な本を購入していたとインターネット上や週刊誌で指摘されたことを受け、同市教委は11日「書架の安全対策が緊急に必要となり、図書購入費を削ってやり繰りした結果」と説明した。一方、指定管理者のCCC(カルチァー・コンビニエンス・クラブ)は新たに1630冊を図書館に寄贈すると発表した。
同図書館は一昨年4月、民間のCCCが運営する全国初の公立図書館として改装開館した。開館前に約1万冊を新規購入し「20万冊の知と出合える」をうたい文句にした。
インターネットと週刊誌は先月以来、20万冊の蔵書の中に11年前の公認会計士の試験問題や埼玉県のラーメン店のガイド本など「読まれるとは思えない本」が含まれ、不良在庫の一括購入疑惑などを指摘していた。
市教委によると、図書購入費として当初2056万円を計上していた。しかし、書架からの本の落下防止などに1224万円が必要となり、図書費を756万円に減額した。
購入はCCCが請け負い、古本を選んだ。市教委は「古本は了解していた。CCCの選書に、有害図書が含まれていると困るので、書名も市の担当者がチェックしたはずだが、当時は改装開館直前のあわただしい時期。時間的余裕はなかった」と言う。
CCCは蔵書を調査し、開館から今月9日までの2年半に「一度も借り出されていない本」が1630冊あると公表。同数の本を図書館に寄贈するという。市教委の浦郷究教育長は「CCCとは互いに信頼し合い今日の図書館を築いてきた。これまで予想以上のことをしてもらったという思いもある」と述べ、今後も運営委託する方針を強調した。【渡部正隆】
しらを切る、ウソをつく、証拠は隠し隠滅する、責任逃れを画策する。これは人間と組織の本性。同じ境遇に立ったとき、自分も同じ言動をしないという自信はない。だからこれは他山の石だが、だからこそ規制と監視が必要であり、「お友達」感覚の裁量拡大は戒められなければならない、特に公的分野においては。
→神戸市議会の自民党の不正経理事件はこの真実を示す一つの典型になっている。
初めは不正疑惑自体を否定していたが、それが否定しきれなくなると、一転して「私は知らなかった」を連発。しかし、その後関与を示す証拠が出てきたという段階。
自民党会派は、亡くなった人に全てをかぶせ、自らが関係者を告発することで逃げ切るつもりのようだ。
政務費 選挙流用か/神戸 自民系市議団が1120万円(赤旗:2015年8月13日(木))
神戸市議会の「自民党神戸」市議会議員団による政務活動費不透明支出問題で、調査委託名目で支出した約1120万円が4月に行われた市議選で「陣中見舞い」として現職議員ら16人に渡されていたことが明らかになりました。
10日に開かれた会派代表者会議で、不透明支出の窓口となっていた大野一・元議員(6日に死去)の代理人・阪本豊起弁護士が明らかにしたもの。
阪本弁護士によると、「自民党神戸」市議会議員団が、カンスケインターナショナルに調査委託名目で支出した約1120万円を、3月末に現職議員12人に1020万円、新人候補5人に100万円渡したとしています。当時の会派代表の浜崎為司議員もこのことを認めています。代表者会議で浜崎議員は「議員団総会で封筒に入れて渡した」と発言しています。渡された現職議員のうち一人は翌日に返金、新人の内一人には渡されていません。代表者会議までに10人から返金されたとしています。未返還分も含め、大野議員が全額、政務活動費として不適切だとして神戸市に返還しています。
浜崎議員は「政務活動費とは知らなかった」としていますが、阪本弁護士は「誰に配るか、いくら渡すか、大野議員は関与していない」としており、一層疑惑は深まっています。こうした現金のやりとりが常態化していたのではないかとの疑惑も出ています。
日本共産党の松本則子団長は、真相解明のために、市民が傍聴できる特別委員会を立ち上げ、原因の究明と再発防止、関係者からの事情聴取等を求め続けています。
神戸新聞NEXT|社会|見解に矛盾深まる疑惑 弁護士説明と食い違い 神戸市会政活費流用か(2015/8/11 07:00)
神戸市議会の会派「自民党神戸」で繰り返されていた政務活動費(政活費)を使った架空委託は、選挙のための「裏金」づくりだった疑いが浮上した。10日に会見した市議3人は、政活費の流用について否定する一方、「封筒に入った現金が用意されていたので配った」「どんなお金かいちいち確認しない」などと市民感覚とはかけ離れた説明に終始。大野一元市議の代理人との見解の食い違いも目立った。
報道陣の質問は、3月下旬に同会派の市議ら17人に用意された計1120万円に対する認識に集中。元市議の代理人阪本豊起弁護士は「寿司(すし)店経営」会社への架空委託で工面した、と指摘したが、3人は「知らなかった」と淡々と繰り返した。
当時の団長として現金の配布役を担った浜崎為司市議は「会派の事務員が、小分けにして持ってきた現金入りの封筒を配った。どういうお金かは全く聞いていない」と説明。大野元市議の関与を知ったのは、政活費をめぐる一連の疑惑が発覚した6月末ごろとし、「親分肌の人だったので、ご自分で資金捻出を考えたのだろう」。阪本弁護士は「大野元市議が単独で現金を配ろうとしたとは考えられない」と反論した。
一方で、3人は、現金の名目が、市議選を控えた陣中見舞いだったことは認めた。梅田幸広、坊池正両市議は、ともに100万円ずつ受け取ったと証言する一方、領収書を切らない現金のやりとりに疑問を感じなかったという。梅田市議は「これまでの選挙でも企業などから受け取っていたが、お金の出どころを確認することはない。『ありがとうございます』と喜んで使っている」と話した。
また、不透明支出が発覚した後の行動についても認識が分かれた。阪本弁護士によると、大野元市議が市に返還した約1530万円に充てるため、市議らが元市議側に返した金額は、全て陣中見舞いで配られた額と一致しているという。
阪本弁護士は「常識で考えれば、(陣中見舞いを受け取った市議らが)お金の意味や出どころを分かっていることになる」と強調。この指摘に対し、浜崎市議は「たまたま一致したんだと思う」と答えた。
(小川 晶、紺野大樹、斉藤正志)
<自民市議団が大野氏ら告発>
神戸市議会の会派「自民党神戸」の政務活動費(政活費)をめぐる問題で、会派「自民市議団」は10日、今月6日に亡くなった大野一元市議ら2人について、虚偽公文書作成・同行使の容疑で兵庫県警に告発した。県警は今後、告発状の受理について検討する。
自民市議団の安達和彦団長によると、大野元市議は2011~12年、調査を委託したとする業者の男性1人とともに、実際には行っていない調査4件分の関連書類を作成するなどした疑いがある、としている。
安達団長は、大野元市議が自民党神戸で団長を務めていた期間の調査委託を告発対象にしたと説明。4件で支出された政活費は計約370万円という。
神戸新聞NEXT|社会|政活費流用疑惑 「陣中見舞い」選挙費用報告書に未記載 神戸市会11市議(2015/8/12 06:50)
神戸市議会の会派「自民党神戸」が4月の市議選前、政務活動費(政活費)の架空委託で捻出したとみられる現金を会派の市議らに「陣中見舞い」として配っていた問題で、受け取った当時の現職11人=直後に返還の1人を除く=が市議選の「選挙運動費用収支報告書」に収入として記載していないことが、11日に公開された同報告書で分かった。告示後の選挙運動資金として受け取っていれば「寄付」と記載する必要があり、公職選挙法に抵触する可能性もある。
神戸市選挙管理委員会によると、公選法は候補者が選挙運動に使った収入を「寄付」と「その他の収入」に分けて同報告書に記載するよう規定。1万円を超える場合は、提供を受けた個人の氏名や団体名などの記入も義務づけている。
この問題は10日、架空委託の窓口だった大野一元市議=6日に病死=の代理人弁護士が会見で指摘。プールされた1千万円超の「裏金」が市議選前の3月下旬、同会派所属の現職12人らに陣中見舞い名目で配られたとし、会見に同席した浜崎為司、梅田幸広、坊池正の3市議=いずれも現在は別会派=も現金の受け取りを認めた。
現職への陣中見舞いの額は1人50万~100万円とされ、市選管は「選挙運動に充てる資金として受け取っていれば、『寄付』と報告する必要がある」と指摘。だが、受領した現職11人の同報告書に該当する記載はなかった。
一方、選挙運動資金ではなく「政治資金」として受け取っていれば、別の報告が必要。兵庫県選管によると、政治資金規正法は、資金管理団体など市議の政治団体が受けた年間の寄付を、翌年3月末までに報告するよう規定している。
受け取った市議の一人は「選挙向けの資金との認識はあったが、告示日までの政治活動で使ったと思う」と説明。自身の政治団体の収支報告書に記載する予定という。(小川 晶、紺野大樹)
神戸市議会の政務活動費問題 会派「自民党神戸」が2010~14年度、政活費を使って調査などを委託した業者が、収支報告書に添付された領収書の住所に存在しないことが6月に発覚。委託の窓口だった大野一元市議が約1120万円分について、架空だったことを弁護士を通じて認めていた。別の業者への273万円分についても架空だったとみられる。
政活費不正:領収書ネット公開へ 神戸市議会、初会合 - 毎日新聞(2015年09月03日 13時20分)
神戸市議会の会派「自民党神戸」が政務活動費を不正に受け取り、今年4月の市議選前に陣中見舞いとして議員らに分配していた問題で、市議会は3日、原因究明や不正防止策を考える検討会を設置し、初会合を開いた。政活費の領収書などをインターネットで公開する見通しになったほか、当時の自民党神戸の所属議員や関係者に検討会への出席と説明を求めることが決まった。
神戸市議会の政活費は、会派に一括支給され、領収書付きの収支報告書を会派が作成する仕組みで、チェックは会派に委ねられている。初会合には、各会派の代表ら15人が出席し、不正防止策について意見を提出。領収書のネット公開以外に、会計士など第三者が収支報告をチェックする案なども出されたが、詳細は次回以降の協議に持ち越された。
一方、陣中見舞いとして政活費が配られた経緯は解明されておらず、会合では当時自民党神戸に所属していた議員ら関係者を招いて今月中旬に事情を聴くことが決まった。
自民党神戸を巡っては、2010〜14年度に架空のアンケート委託費で約1400万円を調達していたことが判明。陣中見舞いとして配られていたことを委託窓口だった大野一市議(8月に病死)の代理人が明らかにし、会派ぐるみだった疑惑が浮上している。【久野洋、井上元宏】
神戸新聞NEXT|社会|神戸市会の自民神戸 政活費の“裏帳簿” 複数市議関与か(2015/9/11 07:02)
神戸市議会の会派「自民党神戸」が政務活動費(政活費)を使って架空委託を繰り返していた問題で、架空委託による裏金づくりや所属市議らへの「陣中見舞い」などの収支を記載した“裏帳簿”が存在することが10日、神戸新聞社の調査で分かった。既に判明している架空委託以外にも政活費から裏金を捻出したとみられる記載などがあり、同会派をめぐる疑惑はさらに広がりそうだ。
裏帳簿はほぼ全て手書きで、同会派関係者がメモしていたとみられる。神戸新聞社が入手した裏帳簿のコピーによると、2010年3月以降、政活費からとみられる収入が少なくとも二千数百万円記載されていた。
自民党神戸の政活費問題では、架空委託の窓口だった大野一元市議=8月に病死=の弁護士が8月10日、架空委託でプールされた1千万円超の裏金が市議選の陣中見舞いとして同会派の市議らに配られた-と説明。弁護士のこうした指摘は、この裏帳簿などに基づいたものとみられる。
裏帳簿の記録は10年3月末~15年4月。収入欄には「調査委託料 180万円」「政務活動費より 494万円」などと記載され、架空の委託先とされた業者や、一部には関係する市議の名前が書かれていた。既に架空だったことが判明している調査委託では、一部を除いて裏帳簿に記載があり、同会派の政活費収支報告書に添付された領収書の金額と、裏帳簿に記された収入額とが一致した。
また、「印刷代」として収支報告書に委託業者発行の領収書が添付されているものの、全く同じ金額が裏帳簿に収入として記載されているケースが複数あり、判明分以外にも架空委託が横行していた疑いも強まっている。
複数の市議らの関与を裏付ける裏帳簿の存在について、自民党神戸の幹部だった市議は神戸新聞社の取材に対し、「そのような帳簿があったことも知らなかったし、見たこともない」としている。(紺野大樹、小川 晶)
【神戸市議会の政務活動費】 市議の調査研究のため、所属会派に議員1人当たり月額38万円が交付される。会派の所属人数に応じて政務調査員を配置でき、1人につき最大で月額34万円が加算される。調査委託、管外調査、広報費など10項目の支出が認められている。2007年7月分から1円以上全ての支出について領収書の添付が義務付けられた。
神戸新聞NEXT|社会|神戸市会政活費流用2千万円超か “裏帳簿”で金の流れ鮮明に(2015/9/12 06:50)
神戸市議会の会派「自民党神戸」が政務活動費(政活費)から捻出した裏金約1千万円を今春の市議選前、会派の市議らに「陣中見舞い」として配ったとされる問題で、裏金の収支を記録した“裏帳簿”に、今年1月にも当時の所属市議ら16人に計約700万円を配ったと記されていることが11日、分かった。裏帳簿には市議らへの支出の記載がほかにも複数あり、総額は2011年以降で2千万円超に上っている。
裏帳簿の存在は10日に判明。神戸新聞社が入手した裏帳簿のコピーからは、政活費の架空委託などで捻出した裏金が市議らに流れる構図が鮮明に浮かび上がる。また、こうした裏金が同会派の経理責任者を務めた市議名義の銀行口座で管理されていたことも11日、新たに分かった。
自民党神戸の政活費問題では、架空委託の窓口だった大野一元市議=8月に病死=の弁護士が、架空委託でプールされた1千万円超の裏金が、市議選前の陣中見舞いとして同会派の市議と新人立候補予定者計16人に配られた、と指摘。当時の所属市議は、1人当たり最高100万円の受領を認めている。
一方、裏帳簿には市議選前の陣中見舞いとは別に、今年1月5日の日付で「議員12名(全員)に各50万円手渡す」▽同6日の「次期市議選出馬予定者4名に各20万円」-という記載や、11年の市議選や13年の市議補選でも陣中見舞いを配ったとみられる記録があった。一部には関与した市議らの名前も書かれていた。
1月の現金受け取りについて、神戸新聞社の取材に対し複数の市議らが「(昨年12月か今年1月に)『もち代』名目で受け取った」「現金は受領したが、10万円か20万円ぐらいだった」などと認めている。
また裏帳簿からは、陣中見舞いなど以外で市議らに支出しているケースとして、中華料理店での打ち上げ(約19万円)▽かにを食する会(7人で約14万円)▽ゴルフ(7人で約26万円)-などの記載が確認できた。
神戸市議会は14、15日、真相究明や再発防止策を議論する検討会を開き、同会派に所属していた市議ら関係者から事情を聴く。
(紺野大樹、小川 晶)
神戸新聞NEXT|社会|神戸市会政活費流用 “裏帳簿”作成認める 政務調査員(2015/9/12 06:55)
神戸市議会の会派「自民党神戸」の裏金の収支が記録された“裏帳簿”について、同会派の政務調査員として経理などを担当していた女性が11日、神戸新聞社などの取材に、自身が作成したと認める一方、出入金は、大野一元市議と、当時会派の幹事長だった岡島亮介市議に指示されていたと証言した。
裏帳簿はほぼ全て手書きで、2010年3月末~15年4月の収支を記録。架空委託などで捻出したとみられる裏金や、所属市議らへの「陣中見舞い」などの収支が書かれ、既に判明している分以外にも架空委託が疑われる記載がある。
女性は、裏金を専用の銀行口座で管理していたことを明かし、「初めは(何の金か)分からなかったが、徐々に裏金の口座だと感じるようになった」と話した。(紺野大樹、藤村有希子)
神戸新聞NEXT|社会|神戸市会政活費不透明支出 委託先「調査していない」(2015/7/7 07:30)
神戸市議会の会派「自民党神戸」が業者に委託した調査などで政務活動費(政活費)に不透明な支出が見つかった問題で、委託先の一つとされる神戸市内の人材派遣会社の男性社長(36)が6日、神戸新聞社などの取材に応じ、「友人の男性に頼まれて2、3回、会社名義の領収書を発行した。(会社として)調査はやっていない」と証言した。
政活費の収支報告書によると、自民党神戸は2011~12年度、大野一市議(62)=現在は別会派=が窓口になり、市政についてのアンケート4件を同社に委託。政活費から1回当たり42万円~126万円、計273万円を支出し、報告書にはこの会社名義の領収書を添付していた。
この社長によると、領収書の使途は空欄にし、友人の指示通りの金額と「自民党神戸」の宛名を記入して渡していたという。社長は「古くからの友人に頼まれた。安易に考えていた」と説明。友人が同社でアルバイトの経験があるとしたが、詳細は明かさず、実際に友人が調査をしていたかどうかについては「分からない」と答えるにとどめた。
大野市議は今月3日の会見で、「個人と契約を結ぶ発想がなく、(この社長の友人に)どこかの会社の社員として契約し、会社で領収書を発行してもらうよう頼んだ」などと話していた。社長は、友人が大野市議の指示を受けていたことは知らなかったという。
自民党神戸による政活費の不透明な支出をめぐっては、同社の他に10~14年度、報告書に添付された領収書の住所に存在しない業者に計約1120万円かけてアンケートを委託。大野市議は、2社から受け取ったという計15件のアンケート結果を公表したが、対象者の性別や年代が分からず、設問と回答がかみ合っていないなど、一般的な調査の体を成していない点が目立った。(小川 晶、紺野大樹)
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追記(2015年9月12日18時35分)
貸し出しなし1630冊 CCC新たに選書、寄贈へ|佐賀新聞LiVE(2015年09月12日 09時53分)
武雄市図書館の指定管理者カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、図書館をリニューアルする準備段階で購入した本のうち2年半の間に一度も借りられていない本が1630冊あったとして、同じ数の別の本を市に寄贈すると発表した。ネット上などで「10年以上前の不要な本が購入されている」などと問題視されたことに対処した。CCCの増田宗昭社長は同社ホームページで「より精度の高い選書を行うべきだった事を反省している」としている。
CCCや武雄市教委によると、市は2012年度、13年4月からの指定管理委託を前に新図書館サービス環境整備業務の委託費としてCCCに4100万円を支出した。CCCはこのうち760万円で1万132冊を当時グループ会社だった「ネットオフ」などから中古本を中心に購入した。
購入書籍の中に「図解2000年の会計」「2009年の狙い目株」といった10年以上前に出版された本などが含まれていることを疑問視する意見がネットで広がり、週刊誌などが報じた。
CCCは10日、ホームページに社長名で「初期蔵書の強化で購入した蔵書について、より精度の高い選書を行うべきだった」という内容の「お知らせ」を掲載。対応策として新たに選書した同数の本を市に寄贈する方針を明らかにした。
CCC広報は「借りられなかった本がある事実を重く受け止め、今回の対応になった。アンケートを反映させるなど精査したつもりだが、さらに精度を高めるべきだった。開館まで時間がなかったことや、初めての図書館運営委託だったことも影響した」と釈明した。グループ会社から中古本を購入したことは「経費削減が必要になり、中古本の幅広い蔵書がある会社を選択した」としている。
武雄市教委は「20万冊開架を目指す中で本の落下防止対策費が必要になり、教委の判断で中古本を購入して2056万円の予定額を756万円に抑えた。本の内容も確認していた」などと説明した。浦郷究教育長は、市議会や関係者にそうした経緯の説明を欠いていたことや、委託業務に関する訴訟が起きて説明が遅れたことを陳謝した。
選書について、CCCは「精度を高める必要はあったが基準は逸脱していない」と答え、市も問題視していない。
疑問視される購入図書の一部
・「2009年の狙い目株」
・「海外金融商品全ガイド2001」
・「図解わかる確定申告2002年3月申告版」
・「あなたの街の評判歯医者さん2005東京」
・「子どもとでかける大阪あそび場’98」
「2年半の間に一度も借りられていない本」と同じ冊数を「寄贈」するのは、悪手だと思う。
1.閲覧回数が少ない本が「不要な本」だと批判されているわけではない。
2.「寄贈」される本の選書をどうするのかが示されていない。
1.については、「公共図書館の蔵書としてふさわしくない」という批判が核心なのに、「選書には問題がなかった」とその批判から逃げている。こういう態度が「図書館を運営する能力・資格がない」という批判を補強することになっている。これはCCCだけでなく、武雄市の図書館運営能力という、より根本的なところへの不信感へつながる。樋渡氏とCCCだけから、市役所全体への疑いへと問題を深くしてしまっている。
2.については、情報を公開し、市民参加によって蔵書の質を高めるという作業を通じて、CCCへの信頼を取り戻すよい機会にできるのに、そのチャンスを逸している。上記1.とも関連するが、「一度も借りられなかった」ことは寄贈の理由にはならないから、本来はそもそもの選書のまずさに触れねばならない。本来はそれを正面から取り上げて再発防止策を明言するのが企業の危機管理対策としても正しい。しかしそこから逃げたことで、かえって責任問題回避を印象づける悪手となっている。
CCCにとって、1冊5千円で2千冊でも1千万円程度の出費で済むから、本来は批判に真っ正面から取り組んだ方がもうけは大きくなるはずである。にも関わらず、それをしないのは、企業側に何らかの事情か組織体質があるのか、武雄市の側に何らかの事情があるのか、あるいは樋渡氏などの人脈上の都合があるのか、のどちらかだろう。
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さらに追記(2015年9月13日1時56分)
武雄市図書館リニューアルオープン時の蔵書購入について | 樋渡社中(日付不明だが本文記述から9月12日に書かれたものと思われる)
昨日は伊賀市でセミナー。テーマはずばり「図書館」。当然ながら多くの取材陣がお見えになり、市民の皆さんからいろいろなご質問を頂きました。
図書館の選書に関するものもありましたが、セミナーが終わってからも、「なぜ選書体制が完全ではなかったのか」「意図的に不要な古書を買ったのではないか」「何らかの癒着があったのではないか」「まだ何か隠していることはないのか」というご質問を頂きました。
まず申し上げたいのは、一企業を利するような意図はなかったということです。武雄市教育委員会から本日、発表があったように開館準備を進める上で図書館の安全対策費用が発生し、その費用捻出の為に中古本を使用した蔵書購入でコストダウンを図ったのが経緯です。
CCCは、教育委員会の指示により、2056万円の蔵書購入費を756万円に圧縮し、緊急に発生した安全対策費用を捻出しておりました。その捻出に当たってのプロセスについては武雄市教育委員会も了解をして進めておりました(CCCの発表資料はこちらです。)。
この決定プロセスについては、教育委員会及び現場に委ねており、当時の行政の最高責任者である私が詳細まで関知していなかったことについて、反省の上、お詫び申し上げます。
確かに、行政手続として問題はなかったにしても、プロセスについて説明を怠っていたことは所管の武雄市教育委員会、そして、予算編成権を有する市長であった私の責任は重い。
とは言え、追加で必要な費用が発生し、追加予算措置を行なう時間と捻出体力も無い武雄市にとって、限られた予算で効率化をはかり、より高い市民価値を実現しようとしたことは間違ってはいなかったと思っています。
武雄市図書館のリニューアル準備の時間はわずか1年弱。講演などで冗談交じりに話していましたが、「オープンを伸ばしてください。さもないと倒れます」とCCC担当者に泣きつかれて、「分かりました。リニューアルしてから倒れていただけないでしょうか」とお願いしたのは、本当の話です。
政令指定都市でもなければ、無名の地方の一市町村である武雄市が、スピードを持って価値を形にしなければ、埋没してしまう。着任当初から、強烈な危機感がありました。とにかく早く形にして、魅力ある図書館をつくって、市の財産として皆さんと共に育てていきたいと思いました。また、修正すべきものは市民の皆さんのご意見を伺いながら、速やかに修正していく、その姿勢を堅持して参りました。
しかし、そのスピードというしわ寄せが大きく、条例改正や議決、予算確保に追われながら、本来最も重視するべき行政の説明責任が機能しなかったのは、自身の責任以外にないと思います。申し訳ありませんでした。
図書館を使ってくださる市民のみなさまのために、遠くからはるばる武雄市図書館に訪れてくださったみなさまのために、このようなことが再発することない防止策を徹底し、速やかに軌道修正していくこと、そのために必要な情報を速やかに開示していくこと、引き続き、図書館の価値向上に全力を挙げていくことが重要であると思っています。
初期に納入された蔵書の内容についてもいくつか指摘を受けておりますが、当時のCCCも武雄市も今から考えると選書に弱さがあったことは、率直に認めます。過去に戻れば「ああすれば良かった」と気付く点については開館2年を経て、より成長した武雄市とCCCの共同体制で不断の見直しを行なってもらうことを期待しています。
最後に、どうか、多くのご意見をお寄せください。より良い図書館をつくっていくために、力を貸してください。よろしくお願い申し上げます。
ご本人は自分に火の粉が飛んでこないと考えて涼しい顔のようだが、道義的に不穏な発言がいくつか見られる。ただ、マスコミ記者多数からの質問に、さすがに無視や揶揄もできかねる状況であるとは考えているようである。
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さらにさらに追記:2015年9月15日15時57分
樋渡啓祐氏「総理、『武雄市図書館はアベノミクスの象徴だ、と言われている』と発言」~武雄市長物語より(130):|NetIB-NEWS|ネットアイビーニュース(2013年7月16日 18:57)
本件を考察しているブログ記事。
武雄市図書館がアベノミクスの象徴だなんてありえないから。: さまよう金の髭
この方の分析によれば、安倍首相が「象徴」と直接認定したのではなく、「象徴と言われている」と伝聞調で述べたに過ぎないとのこと。
ただ、この方も言うとおり、選挙応援演説でこのことを肯定的に取り上げ、称揚している以上、安倍氏が「象徴」と見てもよいと思っていたとは言える。
そして、事実関係は異なっていても、マインドが同質だという点で、まさに武雄市図書館は「アベノミクス」の象徴であると私は思う。これは橋下氏などが公共の資産・インフラを「民間」に安価に払い下げて「活力」を生むという発想と同根である。