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2016/10/02

グロテスクな理論の例

西日本はなぜ都会以外の住人でも地方であることを恥ずかしく思えないのか - Togetterまとめ

私は関西にとても好意的で、長崎は好きな日本の地域の1つなのだが、それでも本当に不思議なのが、西日本の非都市地域の謎の自画自賛の傾向である。ある種の地域ナショナリズムがあって、地元第一の感覚があることは非常に珍妙で、東京の目線で考えると不快ですらあるものだ
東京的に解釈すると、他所にない固有の独自性があってそれに基づいた有力なブランド性を有する地域こそが志向である。都会の場合東京がそもそもそうで、非大都市地域だと北海道(札幌自体は都会だが)や沖縄県に対する好意度も高い。沖縄に魅せられ定住する人が多いのもだいたいは東京人なんではないか
西日本はなぜ都会以外の住人でも地方であることを恥ずかしく思えないのか。これは本当に不思議である。普通東日本ならそう思って当たり前だろう。西日本でも一定はそういう人がいるだろうが、しかし、ネット上にはけして都会とはほど遠そうな癖に「東京よりも地元が上」みたいな傲慢な発想も少なくない
まずこの「謎の自画自賛傾向」自体が事実誤認。エスノセントリズムがにじむ悲しい認知の枠組みを露呈している。
そして、違った現象認識に基づいて、それを説明する理論を構築しようとするから、珍妙な思考が展開されることになる。
この種の議論はせいぜい茶の間の冗談ネタ程度に扱うのがふさわしいが、妙な地域意識を刺激する分始末が悪い。「エレベーターの中でおならをするのとエスカレーターの中でおならをするのとではどちらの方が罪が大きいか」の方がよほど上品だと思う。

社会事象は包括的・根本的な現象把握が困難だから、群盲象をなでる弊から逃れることはできないが、それにしても「自分の直感は本当に何かを言い当てているのか」は常に問い続けるようにしたい。他山の石他山の石…。

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